艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ?   作:因幡凛空

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しばらくはリク君の自己紹介の回が続くため進展があまりないです。ご了承ください。


3話 YAGGY

プリンツちゃんと一緒の部屋に過ごす羽目になった俺は、ここまで来るのに疲れたため仮眠を取ろうとした。

 

「さあリク君!自己紹介に行きましょ!」

「え?俺疲れたんだけど……」

「ダメです!自己紹介は基本ですよ!」

「分かったよ!分かったから引っ張らないでくれ!」

 

今から仮眠をとろうと思ったのに……。プリンツちゃんにこれ以上振り回されないよう、今度から自発的に動くとするか……。というわけで、これから挨拶回りすることになった。

 

 

 

 

部屋を出た俺達は、まずビスマルクさんの部屋の隣の部屋前にやってきた。表札には陽炎、不知火、黒潮と書かれていた。

 

コンコン

 

「陽炎さん、不知火さん、黒潮さん、います?」

 

プリンツちゃんがドアをノックし、声をかけると、部屋の中から声が聞こえてきた。

 

「いるわ」

「いますよ」

「いるで」

「では、失礼します!」

 

プリンツちゃんが扉を開ける。すると中には三人の少女がいた。赤っぽい狐色のセミロングを黄色いリボンで結びポニーテールにした少女が陽炎、ピンクのセミロングを後ろでポニーテールに結んでいる少女が不知火、黒色のボブヘアーで、左側のこめかみに金色の髪留めをつけた少女が黒潮だ。当たり前ながら彼女達の事は知っている。

 

「プリンツ?何か用?」

「今日からここで暮らす男の人を紹介しにきました!」

「男の人?」

 

陽炎は男の人という言葉を聞いて首をかしげる。不知火と黒潮もお互いに見つめ合って疑問を抱いてるかのような表情をしていた。

 

「加藤リク君って言います!」

「加藤リクです。今日からここに暮らすことになりました」

 

3人に自己紹介する。ビスマルクさんの時は最初緊張してうまく言葉が出てこなかったのに、不思議と緊張はせずスラスラと言えた。彼女達が俺より年下に感じたからか?

 

「陽炎よ。よろしく」

「不知火です。よろしくお願いします」

「黒潮や。よろしゅうな」

 

3人は元気に俺に自己紹介してくれた。敬語だと堅苦しい気がするからここからはタメ口で話すとするか。

 

「ここに来たのはついさっき?」

「ああ、そうだ」

「じゃあもし分からないことがあったら、私達がいろいろ教えてあげるわ」

「気軽に言っていいで」

「あなたに落ち度がないように、ご指導ご鞭撻して差し上げますのでご安心ください」

「お……おう」

 

3人は分からないことがあったら気軽に聞いて欲しいと言った。面倒見が良いんだな。プリンツちゃんがすべて教えてくれそうな気がするが、ともかくこれで挨拶は終えたな。

 

「それでは次に行きましょう」

「そうだな」

「あ、待って!」

 

部屋を後にしようとした俺達を止めたのは陽炎だった。何か言いたいことがあるみたい?

 

「この鎮守府は男性がいないから、あなたみたいな人は初めてなの」

「ビスマルクさんから聞いたよ?ここには男性が一人もいないから、俺が珍しいって」

「まだ会って間もない人にこんなことを言うのはおこがましいと思うけど……私達とお友達になってくれない……?」

 

なんだ、そんなことか。陽炎は頬を赤く染めながらお願いを要求してきた。その時、俺はひそかにガッツポーズする。前世で出来なかった女子の友達が出来たことが内心嬉しかったからだ。

 

「構わないよ。俺でよければ」

「本当?ありがとう!」

 

本来ならそんなこと言われても即座に断るだろうが、それは相手の気持ちをないがしろにすることとなんら変わりない。きっと本心でお願いしたのだから、断る理由などない。陽炎のみならず、不知火と黒潮も同じ気持ちだろう。

 

「よかったですね!」

「うん」

「なあ、リクはん」

 

と黒潮が俺を疑惑のまなざしで見つめてくる。

 

「な……なんだ?」

「ここに来る前、ぼっちやったなぁ?」

「ファッ!?」

 

思わず変な声が出てしまった……。

 

「図星やな。うちの目は誤魔化せへんで?」

「なんで分かったんだよ!?」

「だって、陽炎姉が友達になって欲しいってお願いした時、ガッツポーズしてたから」

「確かにしてました」

「見ていたのかよ!?」

 

しまった、見られていたのか……。

 

「そうだったんですね!」

「一番恥ずかしいところを突かれてしまったぞ……」

「まあ私はリク君と出会った時からそんな感じしてましたけどね!」

「嘘付け!絶対黒潮が言うまで気づかなかっただろ!」

「てへへ」

「リクはん照れすぎやー」

「君のせいなんだけど……」

 

なんでまだ出会ってから5分も経ってないのに他人の秘密を探るかな。それだけ気さくな証拠なんだろうけど。

 

「出来ればあまり詮索しないで欲しいな……。俺にとってのコンプレックスを探らないでくれよ……」

「なんでしょう?先ほどの黒潮の発言に何か落ち度でも?」

「大有りだよ!」

 

でもまあ、こうやってわいわいやるのは久しぶりかもしれないな。なんだか楽しいぜ。

 

「じーっ」

「今度はなんだ?人の顔をじっと見つめて……」

「リクはんって幼い顔つきやな」

「確かに」

「ですね」

 

再び俺を見つめたのかと思えば、次は幼い顔つきしてるとか言い始めた。またこの子は人のコンプレックスを……。

 

「あのさ、それ気にしてるんだからな?そんなに楽しいかい?人の恥ずかしい所を指摘してさ」

「「「楽しい」」」

 

息ぴったりすぎるだろ!きっと戦闘でも抜群のコンビネーションを見せてくれるんだろうな……と論点がズレてしまった。

 

「あなた、なかなか面白い人ですね」

「そうか?」

「特にぼっちだった事を指摘された時の慌てぶりは見ていて楽しいです」

「別に人を楽しませるつもりでやってないし、そもそもそんなに慌ててないし……」

「なら今日の昼食の時間であなたがぼっちだった事を皆の前でバラしましょうか?」

「それはダメだ!」

「ほら、慌てました」

「「あはは」」

 

それだけは勘弁してくれ……。

 

「リク君、そろそろ行きますよ。お昼ごはんの時間までに全員への自己紹介を終えたいので」

「そ……そうだな」

「じゃあ昼食の時間になったらまた会いましょ」

「また後でな」

「では後ほど」

「ああ、俺がここに来る前ぼっちだった事は誰にも言わないでね?」

「私達3人だけの秘密にするわ」

 

プリンツちゃんも知ってるけどね……。

 

「じゃあね」

「「「バイバーイ」」」

 

俺達は3人の部屋を後にすると、次の部屋に向かった。




多分同じようなやり取りが続くと思います……。
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