艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ?   作:因幡凛空

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7話 心構え

「さあリク君。これで半分の人と挨拶が出来ました」

「なんか……長かった気がするな……」

 

正直、俺は疲労が溜まってきた。何せ3年くらい引きこもりの生活を送ってきたため、こうやって歩き回るのも久しぶりだったんだ。たかがそれだけのことで疲れるなんて、自分でも情けないって思う。

 

「まさかもう疲れたの?」

「何故分かった……」

「ちょっと顔色が悪かったからさ。あなたもうちょっと体力をつけたほうが良いんじゃないかしら?」

「男性にしては体力がないんですね」

 

ごもっともだ。身体能力も低いし、それでいて低身長。この3人とほぼ同じくらいだ。

 

「ここで生活していく以上、敵との戦いも普通に起こります。あなたはここで唯一の男性なためもしかするとあなたが皆の中心になるかもしれません」

「うむ……」

「そのためには少し歩き回っただけで疲労されていては困るのです」

 

鹿島の言葉が俺の心を突き刺す。この子男性に慣れてなくて俺に敬語で接していいかって言っていたのに、いざとなるとかなり手厳しくなるんだな……。やはり練習巡洋艦の名は伊達ではないということか……。

 

「今はまだ皆にいろいろと教えられている立場でいいんですけど、いずれは皆から頼られる事を肝に免じておいてくださいね」

「分かったよ」

「先ほどリク君が朝潮さんに言った通り、焦らずにゆっくりと体力をつけていきましょう。私たちが全力であなたをサポートします」

「あ……ありがとう……」

 

彼女の決意が伺える。もう男性に慣れたってことでいいんじゃないかな?

 

「鹿島は練習巡洋艦の血が滾ってきたようね。びっくりさせてごめんなさいね」

「ああ……正直かなりびびった……」

 

ちょうどいい機会だ。鈍った身体をこの鎮守府で鍛えていずれはここの艦娘たちの見本になってやるぜ!

まあ、彼女たちのサポートは絶対必要だけどね。それでも敵と渡り合うために、ゆっくりと力をつける、それが俺の心構えだ。男としての……な。

 

「あ、もうこんな時間です!」

「ん?」

 

突然プリンツちゃんが大声を上げる。近くに時計らしき物は見当たらないんだが……。

 

「早く食堂に行きましょう!」

「プリンツちゃん、もしかして時間が分かるとか?」

「いや、感覚で察知してるのよ、この子感覚能力優れてるから」

 

プリンツちゃんすげぇハイスペックだな……。

時空移動能力といい、感覚能力といい、深海棲艦も叶わないんじゃないかな……。

 

「お前か?今日ここにやってきたというリクという男は」

「あ、長門さん!それに陸奥さんも!」

 

と、一人の女性の声が聞こえたため振り返ると、そこにあのビッグ7の長門さん、陸奥さんの二人が立っていた。

 

「僕がリクですが?」

「これから昼食の時間なんだが、食後に皆の前で自己紹介をしてくれないか?」

「ちょっと長門さん!まずはリク君に自己紹介してくださいよ!」

「あ、悪い」

「もう、長門ったら」

 

長門さんはプリンツちゃんに言われるがまま俺に自己紹介した。どうも忘れていたらしい。

 

「コホン、私は長門。この鎮守府の司令官を務めている」

「私は陸奥よ。長門の秘書を務めているわ」

 

陸奥さんも続く。

 

「ビッグ7……すごい貫禄だ……」

 

それに、長門さんがこの鎮守府の司令を務めているということは、提督と同じ立ち位置かな。

 

「ほら、リク君も挨拶してください!」

「あっ」

 

と、俺まで自己紹介を忘れてた。この二人の貫禄に驚いていてすっかり忘れてたぞ。

 

「こんにちは、加藤リクと申します。今日からここで暮らす事になりました」

「お前のことはビスマルクから聞いてる、よろしくな」

「よろしくね」

「よろしくお願いします」

 

俺の名前はビスマルクさんからあらかじめ聞いていたようだな。あの人はどうやら俺達と別れた後、長門さん達の所に行って俺が来たことを報告していたみたいだな。

 

「昼食の時間が終わったらお前を皆の前に連れて行くから、その時に皆に紹介する」

「分かりました」

「じゃあ、また後でね4人とも」

 

長門さん達は食堂に向かっていった。

 

「私達もいきましょう!」

「「「ああ(ええ)(はい)」」」




あと2話くらいで1章は終わります。
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