なので少し短めです。
ダークソウル 夢見少女編
不死人「はい、人間性」
蜘蛛姫「うん、ありがとう」
不死人の取り出す人間性が蜘蛛姫の白い掌に乗せられ、蜘蛛姫はそっと胸元に近づけて人間性を吸収する。
優しく光る暖かな輝きに蜘蛛姫の白い顔が照らされる。
何かに祈るかの様な表情の蜘蛛姫、不死人はぼんやりと蜘蛛姫を見る。
その表情から内心は何も読み取れない。
実は蜘蛛姫、何気なく片目を薄く開けて不死人を覗き見ていたがぼんやりした表情にイラリとする。
こいつ、私の完璧な清らかな乙女の祈り顔を見てもスルーしてやがる。
不死人がいない間、蜘蛛姫は何度も何度も何度も練習を重ねていた。
そう、少し遠慮しがちに伸ばす指先から、不死人の指先が触れた際に少し掌を震え頬も染めさせる。
1度掌に乗せられた人間性を見て嬉しそうに微笑んでから、優しく愛しげに指で包み込む。
ここポイントね。
握るんじゃなくて、包み込む感じ。優しげでしょ?可憐でしょ?
人間性が貰えて嬉しいんじゃないのよ?その、なんと言うか、あんたが持ってきてくれたから、う、嬉しいというか、私のためにさ・・・
眉を少し寄せて、眉間に皺が寄らないギリギリで止めて敬虔な乙女眉を作る、瞳は睫毛がフルフルと光の粒を含んで震うかの如く閉じ、唇はだらしなくない程度に軽く開け気味にする。
ここもポイントね。
ほら、少し、隙を見せた方が可愛いげがあるのよ。
人間性の放つ光の反射まで考えて顔の傾き具合まで考えた。
蜘蛛姫は頑張った。
何度も片目を開けつつ、鏡で見ながら確かめ続けた。
鏡に写る自分の表情に、え、やば、マジ可憐なんだけど、誰?あれ?私か!と叫んでしまうくらい頑張った。
でも。
おいおい、こいつ普通にボケーとしてるんですけど。え、ゲイなの?フレディなの?
清らかな乙女の表情のままで蜘蛛姫は不死人にあらぬ疑いを持ち始める。
ためしに恥ずかしさを堪えて肘をすこーしずらして、緩やかな胸の膨らみも覗かせてみる。
あ、駄目だ、チラリとも見やがらねぇ。あれ、結構揉んできたりしてたよね?興味津々だったよね?
さては連戦に次ぐ連戦で、または混沌の刃の影響でボヘミアンラプソディーなの。
心に傷を負ったのね。
そうか、ならば仕方がないや。
蜘蛛姫「うん、私はそんなの全然気にしないからね!」
不死人「何の話?!」
蜘蛛姫「いいよ、大変だったんだよね?おいで抱き締めてあげるから」
不死人「待て、なにその唐突な包容力は?何か変なもん混じってた?」
蜘蛛姫「もう頑張らなくて大丈夫、私が頑張って何とかするから、あんたはここでブラブラして心の傷を癒して」
不死人「心に傷なんか負って無いよ?!」
蜘蛛姫「みんなそう言うのよ、大丈夫、あんたの事はよく分かってるから、安心して、ね?」
不死人「ちょっと待て、本当に不安になってくるからそういうの止めて」
蜘蛛姫「ほら、男の子同士で愛し合っても何も問題は無いのよ?」
不死人「ちょっと待て」
蜘蛛姫「?」
不死人「まず、男同士で愛し合うことについて、僕は何も言うことはない、好きにしてくれ、としか意見はない」
蜘蛛姫「うん」
不死人「その上で、なんでお前の中で僕が男を愛するキャラになってんの?!」
蜘蛛姫「あれ?」
不死人「何がどうなった」
蜘蛛姫「男と女、あなたがイチャコラしたいのはどっち?」
不死人「女」
蜘蛛姫「あれれ?んー、男と女、結婚して家庭を作るならば?」
不死人「女!」
蜘蛛姫「ファイナルアンサー?」
不死人「懐かしいな、おい!」
蜘蛛姫「オーディエンスが使えますよ?」
不死人「大衆に聞くまでもねーよ、ファイナルアンサー!女!」
蜘蛛姫「おりょりょ?」
片田舎の道を走るフィアット、のんびりとした道中の最中のパンク。
キコキコとタイヤ交換をしている中を小鳥たちが囀ずりながら飛び回る。
平和だねぇ、思わず口から漏れた瞬間、静寂を切り裂くけたたましいクラクション音、二台の車のカーチェイス。
先を行くのは2CV(ドゥシボー)運転手は純白の花嫁、追うのはスーツ姿の男達を乗せたセダン。
フィアットが急発進して二台の車を追う。
蜘蛛姫「どっちにつく?」
不死人「勿論、おんなー」
蜘蛛姫「だと思った」
不死人「いきなりだし、長いよ!カリオストロなんか知らない子もいるよ!そして女だよっ!」
蜘蛛姫「うーん」
不死人「さっきから何かおかしいぞ、何があったんだよ」
蜘蛛姫「私の考えすぎ・・・かな?いや、待ってそれだと・・・」
不死人「?」
蜘蛛姫「いやいや、私にもプライドはあるし・・・」
不死人「おい、何をブツブツ言ってんだよ?言いたいことは言ってくれよ」
蜘蛛姫「うー」
不死人「な、じゃないと伝わらないぜ」
蜘蛛姫「そっか」
不死人「そうそう、言ってみ?どうしたの」
蜘蛛姫「なんで!なんで私の姿に見とれないのよーーっっ!!」
不死人「えー」
蜘蛛姫「可憐だぁとか思ってよーっ!」
不死人「いや、あのね、言ってみろとか言ったけど、赤裸々過ぎるよ」
蜘蛛姫「練習とかもしたのにっ!」
不死人「練習したんだ・・・」
蜘蛛姫「もーっ!」
不死人「いや、ちゃんと見とれてたよ?」
蜘蛛姫「嘘だもん!私、薄目で見てたもん!ボケーってしてたもん・・・」
不死人「違う違う、変にデレデレしてたら格好悪いじゃん、顔に出したら悪いなーって考えてたんだよ」
蜘蛛姫「・・・」
不死人「あー、そうか、今日はいつもより、うわぁって思ったけど、そうかそうか、練習してくれてたんだ」
蜘蛛姫「・・・本当?」
不死人「本当本当、すごく、その、儚げで・・・可愛かった」
蜘蛛姫「・・・てへ」
不死人「まぁ、今後は気を付けるよ」
蜘蛛姫「あ、デレデレ見られるのは嫌だから」
不死人「えぇー!」
蜘蛛姫「こう内面から滲み出る感情を押さえきれずに、思わず顔に出ちゃう感じ、かな」
不死人「お前、どこの監督だよ!」
蜘蛛姫「まぁ、私の可憐さに、思わず髪に手を触れようとして、いけないいけないと手を引っ込めようとするんだけど、未練たっぷりに手をゆっくり引っ込めようとする?みたいな」
不死人「耽美が過ぎるよ!」
混沌の刃(お姉ちゃん)の登場にモヤモヤしていた蜘蛛姫の話でした。
カリオストロは単なる趣味です。
お気にせずに。