ダークソウル 朧月編
なぁ不死人のキミよ、楽しかったなぁ。本当に。
最初は馬鹿にされて終わりかもしれないとドキドキしてたんだよ。
けどキミは我に応じてくれたんだ。嬉しかったなぁ。本当に嬉しかった。
それでもキミとの時間が終わって、キミが去っていく時はいつも『やり過ぎたかもしれない』『もう飽きられるかもしれない』って不安しかなかったんだよ。色々一人で考えてしまったんだよ。
馬鹿みたいだろう?
本当に不安だったんだよ。
でもそのうち、そんなことを考えもしなくなったけどね。
だってキミも本当に楽しそうなんだもん。
次はどんな必殺技を見せてやろうか何を話してやろうか、そんなことばかり考えて心踊るだけになっていたよ。
キミも色んな必殺技を見せてくれたなぁ、楽しかったなぁ。
あの時のキミと我は本当に楽しい世界の主人公でいたんだよ。我の中では。
だってキミといた時は他のことなんか何も考えずに済んでいたんだから。
楽しいことしかない時間だった。
本気に楽しかったなぁ。
あと、キミと蜘蛛の女の子の話も面白かったな。
他の火守女がいるのは知ってはいたけど、まさかそんな子がいるとは考えもしていなかったよ。
あまり、変なことばかりして困らせてはいけないよ?
きっとその蜘蛛の女の子もキミが来るのを楽しみにしていると思うよ。我と同じに。
どうか、その子を悲しませるような事はしないでいて欲しい。
まあ、キミなら大丈夫か。
一度会ってみたかったな。
キミは亡者になる前の話も少ししてくれたね。
もし我がキミと同じ騎士団で肩を並べて戦っていたら、と考えただけで血沸き肉踊る気持ちになった。
我の勝手な思いだけど、キミになら命を委せられると思えたな。
キミと過ごした時間は楽しかった。
今思い出してもキラキラと輝いているよ。
だけど、今はどうだ。
必殺技なんかお互いに出そうともしないよね。
キミも我も苦しそうに息を荒げて剣を重ねて火花を散らしてる。言葉も交わせない。
つまらないよね。
本当につまらないよね。
こんなのキミと我の戦いじゃないよ。
こんなのキミとの時間ではない。
実は凄い必殺技を考えていたんだよ、絶対にキミも気に入ると思う。
見せたいなぁ、もう一度キミにスゴイって言われたいなぁ。遊びたいなぁ。
でも無理。
うん、キミの剣筋が我の身体に入り始めた。本当に強いなキミは。
けど、我は命果てるまでキミを倒そうとするよ。そうするしかないんだ。
剣先がキミの鎧を貫く度に、我の心にも剣先が突き立てられている様に痛い。
ごめん。
ごめんね。
ごめんなさい。
こんな殺し合いなんか止めて、何時もみたいにキミと必殺技を見せ合いっこしたいよ。
やーめたって言いたいなぁ。
本当にごめん。
今の跳ね上げはスゴイな。
キミは本当に強いな。
我の剣がそろそろ限界になってきたようだよ。
剣がひび割れてきている。
キミの刃は恐ろしいな。
剣を握る両手も、手甲の中が血で滑って、感覚も無くなってきちゃったなぁ・・・
こんな時。
最後の時。
本当は仕える主の事を考えなければいけないんだろうけど。
我の率いる騎士団の事を考えなければならないんだろうけど。
我は願う。
どうか、これからのキミの未来が、キミを悲しませる事がないように。
キミが笑って過ごせますように。
願います。
暗月の女騎士でした。
不死人と敵対してしまってからのお話になります。
蜘蛛姫の並びに入れてもおかしいので、混沌の刃編にぶっ込みました。