どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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最近のバンドリの人気小説を見てちょっとだけやる気が出た男です。
この小説も実はもう1周年をとっくに過ぎているというのに、お話の中の次元ではまだ1年たっていないという事実が判明してとっても申し訳なくなったので、そろそろ進めますね()


学年が上がっても新クールには入らない編
進級して気持ちを切り替える必要性は正直そこまでない


 感覚的にはマジであっという間に終わってしまった春休み。

 

 そりゃあそうだよな、春休みなんてちょっと長めなゴールデンウィークくらいしかないんだし。なんだったら俺は普段と変わらずCiRCLEに行ったり、パスパレの事務所に行ったり、家で寝たりYou〇ubeくんダラダラ見てたりして忙しかったしな。

 それだけ予定が詰まっていれば時間もあっという間に感じるものよ。

 

 そんな俺も始業式で校長の超長い話に耐え抜き、新入生との対面式も終えたわけだ。

 これで僕もれっきとした高校2年生です。実感ないね。

 っていうかさ。今日改めて思ったんだけど新入生との対面式ってあれマジで意味ないよね。顔合わせって言っても見えないもんね。距離遠すぎるし、マジで形式上だけだよね。

 

 

「そんなわけでどうですか。新三年生と新入生の皆様方」

「実感がないってのが本音だよね~」

「今井さん、今年には受験も控えているんですからもっと気を引き締めて……」

「わかってるって~」

 

 

 今更だけど、Roseliaって全員俺と年がずれてるんだよね。あこ以外はみんな俺より1つ年上の高校3年生だし、あこは1つ年下の新高校生だしで。

 パスパレならイヴちゃんが俺と同級生なんだけどね。

 

 

「あこはどうだった? やっぱ高校は中学と違うだろ」

「うむ! 我の自由を害することなく……購買とかもあったし! 校舎も広かったし楽しそうだった!」

「高校はそこらへん自由だからなぁ」

「カフェとか行ってみたい!」

「今度一緒に連れてってあげるね。センパイだからおごってあげよう☆」

「やったー!」

 

 

 羽丘にはカフェもあったしな。懐かしい。そして微笑ましい。おんなじ学校に親交のある先輩後輩がいるとはいいものだ。

 

 元々あこが通っていた中学は羽丘の中等部。羽丘は中高一貫の学校だから、そのまんまエスカレーター式に高校まで上がれるという寸法らしい。

 

 羽丘に限らず、エスカレーター式の学校って勉強しなくても金さえ払えば自動的に進学ってイメージがあるけど、実際はそこまで甘い世の中ではないらしく。あこ曰く、普通に学力が足りない子は別の高校にも行くし、なんなら高校に入ってから初めて見る子が半分くらいになったとか言ってた。

 まぁ羽丘って普通に優秀な学校だし、市外からも生徒が集まるしな。

 羽丘って高校を知れば知るほどなんで友希那さんとか蘭とかひまりが入れたのかわかんなくなってくるな。まぁ県内トップクラスの学力の高校! ってわけでもないとは思うけど。

 

 

「そんで? もう新しい友達とかは出来たん?」

「んー。中学からの友達はいたけど、それ以外の子はなんというか……ファンみたいな子が多くて」

「あー」

 

 

 あこの表情が嬉しさ半分困惑半分みたいなのを見ると色々と心情が読み取れる。

 今まで校内でそういう視線を浴びることが少なかったから、急な雰囲気の変化に少し動揺してるのかもな。まぁそれもそのうち慣れていくだろう。

 

 俺ですらあったからな~、そういうの。

 特に俺なんて普通科工業科で別れてるのもあってか、普通科から見たら普段あまり会うことのない工業科にそこそこの有名人がいるというと余計に物珍しい感じになるらしく。

 それに加えて新入生も来たからもう大変……まぁ囲われる前に逃げたけど。

 今の若い子って怖いんだな。スマホ片手に追いかけてくるから超怖いわ。テレビに出てる人とかメンタルが心配になってくる。

 

 

「友希那さんたちも大変だったんじゃないですか? 囲われたりとか」

「もう慣れたわ」

「あー……アタシたちは学年が違うからまだマシだと思うよ? 一回凄いときがあったけど……」

 

 

 あんまりこれ以上は突っ込まないでおいてあげよう。友希那さんは興味なさげだけど、リサ姉がかわいそうだ。苦労してんだろうなー……リサ姉と友希那さんってしょっちゅう一緒にいそうだし……

 ネットサーフィンとかしてると百合厨が大騒ぎしてカップリング作りまくってるからな。怖えよ。性別がどっちかは知らんけどどっちでもきついよ。てぇてぇじゃねぇんだ。怖いよ(小並感)

 

 

「花咲川の方は大丈夫だったんですか?」

「……そういう方向の話だとそう大した騒ぎにはならなかったので大丈夫でした……ただ」

「ただ?」

「白金さんが倒れかけまして」

「……燐子さん体調悪いんですか?」

「い、いや……そういうわけじゃなくて……!」

「白金さんは人が苦手なので、始業式のスピーチの際に……」

「把握」

 

 

 人が苦手っていうのは多少語弊がある……そんなことないか。人が苦手ってとてつもない欠点な気がするけど、燐子さんにはそれをもって余りある魅力があるから僕は良いと思うよ(激甘お兄さん)

 

 そしてそんな弱点持ちの燐子さんが、何人いるかは分からんけどそれなりの人数がいる花咲川の全校生徒を前にしてスピーチするとでもなれば、それはもうそういう結末にはなるだろう。

 倒れかけたってことは倒れてないってことだし、そこはすごい。偉い。褒めてあげたい。俺は後輩だからやらんけど。

 

 ……って、んん? スピーチ?

 

 

 

「ていうかスピーチて。燐子さんかなんかやったんすか?」

「白金さんは今年から花咲川女子学園の生徒会長をしているんです。正確には昨年の秋ごろからでしたけど」

「……マジで?」

「マジです……」

 

 

 そのことを聞いた俺の中に閃光、走るッ!

 

 ……まぁそれは嘘だけど、色々考えたりはするよね。

 正直言って人前に出る以前の弱点がある燐子さんが、生徒会長とか言う人前に出るのが好きっていう特殊性癖を持ってる人しかやらないようなことを進んで足るとは到底思えないしな。

 

 

「紗夜さんは生徒会長やらなかったんですか?」

「私はやりたいとは思わなかったので」

「確かにずっと風紀委員に居座ってそうですよね」

「それってどういう意味かしら?」

「特に深い意味はないっすよ」

 

 

 ええほんと。この言葉に裏とか何にもなし。

 

 紗夜さんって生徒会でバッシバッシと人を捌いていそうな印象があるけど、そういうのをやらずに風紀委員としてスカートの長さに延々とケチ付けてそうな印象もあるからな。

 10人いたら20通りの解釈があると思えよ。オタクの闇は深いんだ。

 

 

「あっ、でもこっちだと日菜が生徒会長やってたよ?」

「うっそ! ねーちゃんなんで止めなかったんすか!?」

「私に日菜のやりたいことを止める権利なんてないもの。あとねーちゃんて言うのやめなさい」

「シスコン」

「何とでも言いなさい」

「ねーちゃん」

「それはダメ」

 

 

 ほんとにこの人は厳しいふりして甘いよな。去年の今頃……よりちょっと後ぐらいはまだ険悪ムードだったはずなのに。非常に良いことである。この先もずっとてぇてぇしていけ。

 

 それよりもだ。日菜さんがなぜ生徒会長をやりたいなんて言い出したのかは本人に聞かない限り分かりはしないことなのでスルーしておこう。

 日菜さんが生徒会長って羽丘大丈夫なん? 大丈夫じゃないよね? もう運命は羽丘の生徒会役員がどれだけ日菜さんを抑えて扱えるかにかかってるもんな。

 

 

「アハハっ! なーんか、学年上がってもみんなあんまり変わらないねぇ」

「まぁイメチェンした人とかもしなかったですしね……」

「え? 学年上がったらイメチェンするもんなの?」

「そうだぞー。特に中学から高校に上がるタイミングとかは危ないぞ~。あこはそのままでいいからな」

「よくわかんないけど、わかった!」

 

 

 んー、あこは偉いなぁ~。

 実際進級のタイミングってイメチェンの絶好のタイミングだしな。俗にいう高校デビュー。そして俺は高校デビューを大失敗した赤メッシュを知っている。

 

 高校デビューってマジで賭けだからな。同じ進学先に同じ中学の奴がいたらその時点で高校デビュー失敗だからな。蘭のやつよく高校に入って赤メッシュなんて髪型やろうと思ったよな。

 実際のところ蘭が高校デビューで赤メッシュ入れたのかは俺は知らんけど。

 これ本人にバレたら終わるわ。

 

 

「愛斗はイメチェンしなくてよかったの?」

「したじゃないすか。これ」

「あー……確かにしてたね」

 

 

 ちょんちょんと左耳の上の部分を指で刺してみる。その指先にあるのは一部分だけ蒼く染まった髪。

 いやー、うちの学校って髪型とかはゆるゆるってわけじゃないけど、こればっかりは多少俺の名前が有名になってて助かったよね。暗黙の了解的な感じになってくれた。先生も口出しはするんだけどね。

 

 

「ほんとに……愛斗さんが花咲川の生徒じゃなくて良かったです」

「どういう意味ですかそれ」

「うちの生徒だったらそのメッシュ引きちぎってました」

 

 

 マジか。蘭ちゃん逃げて、超逃げて。まぁあいつは羽丘だから安全圏なんだけどね。

 っていうかこのメッシュを引きちぎるってどんな腕力してんだよ。ハゲちゃう。しかも紗夜さんならなんかできてしまいそうなのが余計に怖い。

 

 

「紗夜さんはこの髪色嫌なんすか?」

「嫌ではありません。ただ風紀的にはアウトです」

「でもこの髪色。ほぼほぼ紗夜さんとお揃いっすよ」

「……」

「紗夜~。そこで詰まらなーい」

 

 

 思ったより重い一撃が入ったっぽい。人間ってオモシロ!

 

 っていうか俺のメッシュが多少濃い青色とはいえ、同じ青だったら実質俺も氷川家の兄弟になって紗夜さん日菜さんといっしょなのでは……?

 俺天才か? ついに一人っ子卒業かよ。兄弟姉妹がこんなに綺麗な人なんて照れるな~! デヘヘヘ。

 ……なんか、悲しくなってきた。

 

 

「と、ともかく! 新学期もはじまったんですから! 心機一転、心を入れ替えて頑張ってください!」

「無理やりまとめたっすね」

「無理やりまとめたね~」

「無理やりまとめたわね」

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

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