どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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お久しぶりですね。予約投稿するつもりがそのまま投稿してしまって死にました。
死にました(二回目)


意識高い系の横文字使用率は異常

 人間っていう生き物は、割と頻繁に意識を持つという行為を簡単に放棄しがちな気がする。

 

 

「」

「……マナトさん、嫌なことでもあったんですか?」

「そんなことないんじゃないかしら」

 

 

 たまーにいるじゃん? 眠いわけでもなさそうなのに、なんか滅茶苦茶ぽけーっとして完全に意識を飛ばしてる人。

 人が話してる時とか急にときのそらではなく上の空みたいになって、完全に魂成仏しかけてたりするやん? まぁ俺なんだけどね。

 

 

「でもギターは弾きっぱなしですよね……」

「マーくんって昔からずっとギター握ってる時は弾いてるから」

「なんでちゃんと弾けてるんですかね」

 

 

 手とか体は普通に作業したままでめぐるましく動いてるのに、完全に首から上の顔だけが死んでる人。まぁ今の俺なんだけどね。

 小さい時からずっとギターを握ってるせいで、もはや俺とギターは一心同体どころか手足と全く大差ないと言っても過言。これはマだから。まみむめマ。

 

 

「なんかアレみたいだね。外国で良く立ってる人形みたいな人」

「あれって人形じゃなかったの!?」

「彩ちゃんの頭の中ではト〇・ストーリーが現実になってるのかしら?」

 

 

 いやぁ、よくあるじゃない。嫌なことがあったわけでもないけど、とりあえず意識を飛ばして時間を無駄に消費したくなる瞬間あるじゃない。

 

 時は金なりとか言うことわざに対して真正面から殴りかかっていくストロングスタイルよ。深夜に食うシーフードヌードル並みの背徳感と開放感があってたまらないのよね。

 でもあれだから。このぼーっとしてる時間でもギターを弾き続けてれば、体が覚えるをまさに体現できるから。知らんけど。

 

 

「そういえばマーくんってさ。ずっとギター弾いてて飽きないの?」

「…………へ?」

 

 

 そんな幸せふわふわ空間でふわふわ時間していたところに氷のハンマーで叩き起こされる。やめろよ。頭に当たってたら確実にスタンしてたぞ。

 

 急に現実に戻すじゃん。流石にそれはびっくりするじゃん。

 スタジオで一人好き勝手やってる時に突撃隣のバンドマンされるときもそうなんだけどさ。急に現実に引き戻される系ってマジでむなしくなるし、心臓がきゅってなるからやめてほしい。しまいには泣くからな。

 

 

「そりゃ勿論。答えは決まってるじゃないですか」

「おぉ……その心は!?」

「飽きる」

「えー……」

「なんでですか! 聞いてきたのはそっちでしょうに!」

 

 

 理不尽にもほどがありませんかね? 多分、日菜さんはギタリストでギターを心から愛してるんだから飽きるわけないじゃないですか! ……的な答えを予想してたのかもしれないね。

 

 でも残念。人間だもの。ずっと弾いてりゃそりゃあ飽きるに決まってますよ。

 俺は別にいつまでも同じ作業が出来るタイプでもないのよ、実は。そりゃあ飽きるよ。みつを。

 

 

「なーんかマーくんってもっとギターに取りつかれた化身かと思ってた」

「なんでそんなイメージが」

「女にも興味がなさそうだから、恋人はギターみたいなことになってるんじゃないかとおもったのだけど」

「実は俺って生物学上オスに分類される性別なんですよね」

「ヘタレ」

「なんで怒られた?」

 

 

 やっぱりというかなんというか。大方、俺の予想は合っていたといえば合っていた。多分。

 

 なんで俺ってそんなハーレム主人公にありがちなナウイムスコが自分の仕事をぶん投げて放棄してるような性欲してると思われてるん?

 自分で言うのもなんだけど、そこそこにいやらしい目で見るよ? みんな顔が良いんだからね? 顔は良いんだからね?

 

 

「そもそも俺がベースとかドラムとかに手を出したのもギターに飽きたからですし」

「そうなの!?」

「嘘だよぉ!」

「うぅぅん!」

「かわいいねぇ!」

「そのネタ、誰にも伝わってないわよ」

 

 

 嘘だろ? あのチャイチャイ亭だぞ? ちんちん亭だと語弊があるかもしれないから、ここはチャイチャイ亭で通させてもらうから。俺は千聖さんがなんでこの元ネタを知ってるのか触れないから。絶対に。

 

 

「じゃあ、マナトさんはなんで他の楽器もやるようになったんですか?」

「んー……まぁさっきのが実は間違いじゃなかったんだよね」

「マーくんの嘘つき!」

「半分ね。半分」

 

 

 この話には実は深そうで浅い、やっぱり浅い理由があるからな。結局浅いじゃんっていうのはナシな。

 

 

「あれだよ。実際ギターだけ弾いてると飽きることない?」

「ううん」

「わかる。飽きないよね、ギター」

「自分の意見変えるの早すぎない?」

 

 

 日菜さんはいい子だねぇ。自分のパートに責任もって愛情注げるとか羨ましうて羨ましうて。

 なんとなく日菜さんみたいな天才肌の人って飽き性というか何でもできるし、もういいや! ってなりがちになりそうなイメージあったわ。実際は違うのかな。

 いや、でも日菜さんって滅茶苦茶飽き性だったわ。ギターにだけかもしれんこの執着は。

 

 人の意見は尊重した方がいいって親から習わなかったの? 俺は習わなかったね。我を通せって教わってきたね。だから友達すくねぇし陽キャになれないんだよ。

 

 

「まぁ、あれだよ。単純にギター以外もやれたら楽しそうじゃん?」

「わかる! 私もギターやってみたいもん!」

「でも出来ないもんな」

「指が痛くなる」

「彩ちゃんに弦楽器は無理ね」

 

 

 こいつに弦楽器は無理よ。ギターやっても指が痛くなるし、ベースをやっても指が痛くなるし。なによりも先にTAB譜で頭がパンクするからね。

 

 

「愛斗くんは彩ちゃんにギターとか教えたことなかったの? なんとなくありそうだけど」

「ありますよ。昔と最近」

「教えてもらった!」

「弾けるようになったの?」

「答えはもう出てますよ」

「だよね~」

 

 

 いやな? 才能がないとかそういうわけでは全然ないんだよ?

 ただただ圧倒的に貧弱。体が貧弱。彩ってどちらかというと華奢な割に強弱な肉体というタイプなんだけど、こういう地味なダメージにはめっぽう弱い。

 派手にすっころぶよりもこっちの方がダメージでかいってどういうことやねん。

 

 

「でも! アヤさんがギターを弾けるようになれば、いろんなことが出来そうですよね!」

「イヴちゃん。無理言っちゃダメよ。彩ちゃんにはカスタネットくらいが関の山なんだから」

「そ、そんなことないよ!」

「おまん、リズムキープ出来るんか?」

「できない」

 

 

 だよな。うん、大丈夫だ。俺は知ってたよ。

 カスタネットとかタンバリンみたいな叩くだけの楽器って、実は簡単そうに見えて難しいんだよね。使いこなせれば手動メトロノームみたいに使えるからとっても歌いやすくなるんだけど。

 

 そもそもリズムキープってもの自体が鬼みたいに難しい。

 人間が主導で機械と同じように狂いなくリズムを保ち続けるようとするのがイカれてるし、それを実際にやってる人がいるのがおかしいもん。俺も何となくできてるけど、なんで出来てるのかは全くわかんないし。

 

 

「彩さん、マルチタスクとか苦手そうなイメージありますしね」

「まるち?」

「たすく?」

 

 

 コテンと小首をかしげる彩と日菜さんの頭上に、はてなまーくがピコンと浮かぶ。

 

 シャレオツに言ってるけど、実際は大した意味ないよね。

 アレだよ。なんかのアニメで見た、意識高い系の人が横文字を無駄に使いたがるってやつ。実際マルチタスクって単語ぐらいは普通に使う言葉だからそれには入らないんだけどね。

 

 

「簡単に言えば、二つのことを同時にやることよ。例えば……歌いながらギターを弾く、とか」

「マーくんだ!」

「確かに」

「なんで他人事なんですか……」

「考えたこともなかったなぁ、と」

 

 

 言われてみれば、弾き語りもマルチタスクだ。

 

 とは言いつつも、俺も実際はマルチタスクとか全然できない系の人間なんだけどね。ギターとかベースに関しては体で覚えているから、結果的には歌うことに集中しているだけだし。言うならば、なんちゃってマルチタスクかもしれない。

 

 というかこの世にあるなんちゃって系の料理って詐欺みたいなやつ多すぎるだろ。

 なんちゃって系の料理でおいしいことなんてなさ過ぎてちびるわほんと。カニの真似から独自の方向に進みつつあるカニカマ先輩に謝ってほしい。

 

 

「日菜さんはそういうの苦にしなさそうですよね」

「んー、気にしたことないからよくわかんないや」

「日菜ちゃんらしいわね」

 

 

 本当に天性型の天才なんだな、日菜さんって。俺が教えた中でも吸収力という点ではダントツだったし。

 もうスポンジ越えてダイソンだったもん。吸う力どころか吸引力の域に達してるね、あれは。

 

 

「でも、そういう意味では一番マルチタスクしてる人がいるじゃない」

「確かにそうですよ。なんであんなにたくさんの種類の楽器が弾けるんですか?」

「暇なときにちゃんと練習してたからっすかねー」

「今はしてないの?」

「ギターとベースくらいしか」

「わー、リアル~」

 

 

 ドラムは割とスタジオに行くと絶対に触るようにはしてるんだけどね。一曲通してとなると大分遡る気がする。

 下手にスタジオに行く機会が多いせいで、逆にドラム自体が珍しいものじゃなくなってしまってるのが良くないよね。やはり、ドラムはスタジオで見た時にお~ってちょっとテンション上がるくらいがちょうどいい。

 

 ……あっ、キーボード? キーボードに関してはもうなんというか……ナオキです……ハイ。

 

 

「愛斗くんって何でもひけるのが強みだけど、実はキーボードはそこまで得意じゃないわよね?」

「得意じゃないです」

「嘘! 私、ずっと得意だと思ってた!」

「得意じゃないです」

 

 

 キーボード本体的な意味でもバンド編成的な意味でもとっても難しい。いや、難しくはないんだけど難しいんだよこれが。

 

 先ずは前者の方。

 何が一番難しいかって、バンドで合わせるとなったときの役の作り方。キーボードパートのある曲とか割と少ないんだもん。

 だから割と自分の周りのバンドを見渡した時に、バンドメンバーにキーボード入ってる確率高くてびっくりしたよね。個人的にはバンドにおいてキーボードってかなりの希少種だと思ってたから。

 バンドにおいてなんでキーボードがいると難しいのって人は、Killing meでキーボードあるあるしてる動画を探して見てみてくれよな!(露骨な宣伝)

 

 

「でもマーくんって普通にピアノ弾けるじゃんね」

「弾けはするけど弾けないんだよ」

「どういうことかしら」

「バンドにおけるキーボード的な弾き方がわかんないんですわ」

「あー……なるほどですね……」

「う、うん! なるほどー!」

 

 

 麻弥さんは分かってくれる。心の友よ。

 彩は何も分かってないな。アホの子よ。

 

 そうなんです。はっきり言って、私、浅尾愛斗。バンドにおけるキーボードの正しい輝かせ方がわからんのです。

 いや、衝撃のカミングアウトみたいな感じで言ってるけど、ついさっき思いっきりわからん的なこと言ってたよね。

 

 これ本当に困る。適当にコード弾いてればそれでいいかもしれんけど、せっかくやるなら~っていうそのもう一段階上がよくわからないのだ。

 どうやったら世界観を崩さないでやれるのかとか色々と試行錯誤した結果、まぁ考えるのをやめてキーボード遣る人に丸投げしたよね。

 キーボードのことはキーボードやってる人が一番わかるってそれ一番言われてるから。

 

 ちなみに自分で言うのもあれだけど、普通にピアノを弾く分には問題ない程度には行ける。昔やっといてよかったよね。幼少期の努力って割とバカにならない。

 

 

「結局、彩ちゃんが出来そうな楽器はなさそうね。ピアノで弾き語りも考えたのだけれども」

「いいもん! 私は歌とダンスで頑張るもん!」

「千聖さん、楽しんでますよね?」

「あら、なんのことかしら」

「いや、別に」

 

 

 彩が楽器をできないとわかっていながら反応見て面白がってたな。

 いやー、悪女め。確かに彩の表情はスロット顔負けなレベルでコロコロ変わるけどさ。多少可哀そうに思えては……こないな。うん。弄られてる彩は一番輝いてるね

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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