どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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一日遅れたので週一投稿遅れました。控えめに言って土下座。


ラブコメにありがちな展開は現実でやるとキツイ

 春の朝は辛い。ポカポカ陽気とあったかオフトゥンが俺を包んで離さない。出るという選択肢はない。

 夏の朝は辛い。快適クーラーの効いた部屋から外に出ると地獄の窯。出るという選択肢はない。

 秋の朝は辛い。少し寒くなる中、オフトゥンのぬくもりが人の心を温める。出るという選択肢はない。

 冬の朝は辛い。もう外が極寒過ぎてオフトゥンから出たら死ぬ。人として生きる力を失う。よって、出るという選択肢はない。

 

 結論:朝は布団から出ないほうがいい。

 

 

「まぁ結局出るんですけどね」

 

 

 色気Maxなえちえちお姉さんの100倍以上を誇るチャーム能力を持つオフトゥンも、一瞬の気合から放たれる起床キックにかかれば無と化すのである。

 実際、俺は目覚めは良いタイプだ。昔から爆音アラームの目覚まし時計一発で目が覚めるから。自分の意志で二度寝かまして大戦犯小僧をしたときは知らない。

 

 

「朝はパン! パンパパァン!」

 

 

 朝いちばんから元気目に歌って体を強制的に目覚めさせる。俺の中では100%フルスロットルなんだけど、おそらく寝起きだからくっそへにゃへにゃだと思うわね。なかったことにしておこう。

 

 そんなことより、ジャ〇おじさんと、殺戮よォ~!

 何故か幼稚園児の時にこの謎の単語がハマってたんだよね。お雛様かなんかの替え歌でドカンと一発禿げ頭にさせてたりと、幼稚園児って割と残虐性が高いのかもしれん。

 

 

「大きなお口でパァン! と開けたらお腹の底から湧くよ! 何かが!」

 

 

 服はパンツ以外全部脱ぎ捨てたけど、一体何が湧くんだろうね。腹に風穴開けて血液ブシャー! だけは勘弁してほしいね。

 

 にしてもなんだったっけ、この歌。やけに頭に残ってるCMソングではあるんだけどさ。どこのパン会社のものかはわすれちまったよね。

 ナースのお仕事みたいなタイトルだったのドラマに出てた様なおばさまがCMに出てた覚えはあるんだけど。そのドラマも俺が生まれた前くらいにあったやつだったということもあり、記憶が曖昧。ほんとに俺が産まれる前にやってたのかな。

 

 

「朝はパン! パパンパパァン!」

 

「あっ、おはよ!」

「は?」

 

 

 思わず心の底から『は?』って言ってしまった。いかんいかん。目が覚めてると思っていたのにまだ寝ぼけてる。

 え、何がおはようなんですか? 男一人の寂しいマンションに聞こえるはずのない女子の声が聞こえてきたんですけど。すげぇ夢だな。

 

 それかあれか。最近のsiriは独り者男性にも優しく、可愛いアイドルボイスが出るようにアップデートでもされてるんですかね。

 そういや昨日の夜にアップデート入ってたもんな。天下のa〇pleもそういう性癖があるのね。なるほどなるほどなるほどな。

 

 

「今日の朝ご飯はウインナー丼です!」

「Twitterでバズってたやつじゃん」

「美味しそうでしょ? でもマーくんってパン派だったんだね……」

「いや、別にどっちでもいいんだけど」

 

 

 キッチンテーブルには朝から小さめの丼ぶり。一人暮らしの男子にはこれくらいの丼がちょうどいいよね。

 中をのぞくと、そこには真ん丸な半熟黄身の目玉焼きと、若干の焼き色が付いたウインナー。

 

 ハチャメチャに美味そうなので今すぐにでも食いつきたいが、恰好が格好なのでいったんは回れ右。

 流石にパンイチで飯というのもお行儀的にいかがなものかと思うので、シャツだけ取りに行こうね。たまに寝ぼけて直で制服のカッターシャツを着そうになるけど、めちゃめちゃ透けるから普通にアウトだよね。

 

 そんなわけでシャツだけが入った棚の右隅にある有象無象の白シャツ軍団から一匹引っこ抜き、そのまま頭からかぶる。

 白シャツにパンツ。ヨシ! 最低限だな!

 

 

「イタダキャス……」

「お茶いる?」

「うん」

 

 

 テーブルに座って、お箸を親指に挟んで、ちゃんと手を合わせて、イタダキャス……

 実際、男の子が飯を食うときってあんな感じの発音になるよね。ネタにしてるんじゃなくてマジで。まぁ未成年なので一番の奴で優勝はできないんですけどね。

 

 そんなわけで、ウインナーを一本口に運ぶ。

 パリッとジューシー。はい、これは白米ですねぇ。

 

 

「……男の子って、朝からガッツリ食べれるもんなんだねぇ」

「人によるだろ。俺はへーき」

「おいし?」

「んまい」

「よかったよかった」

 

 

 これはマジ。マジでマジにマジな美味さ。ザ・男飯な感じだけど、ちゃんと考えられてるんだねぇ。

 

 ウインナー単体でもご飯にベストマッチだが、そこに黄身を潰すとこれまた格別になる。

 目玉焼きになにもかけずに醤油とソースを置いておいてくれた彼女は天才だろう。ちなみにソースと醤油と塩コショウを気分で使い分ける派です。

 

 今日は白米なので醤油で……醤油……ん? 今、()()って言わんかった?

 

 

「ところでなんでお前いんの?」

「あっ、バレた?」

「逆になぜバレないと思ったのか正一時間問い詰めたい」

「それって実質愛の囁きと仮定できない?」

「よおし、わかった。戦争だ」

 

 

 いや、気が付いてたよ? 何なら最初から気が付いてた。それは嘘。

 めちゃくちゃ寝起きの状態の時、朝から彩がなぜか家にいても違和感は感じなかったって言うのは認めよう。だがそれ以外は決して認めん。決してだ!

 

 自覚したのは服を着てからのタイミング。その時点で『お前ェ!』とか言ってやろうかと思ったけど、パンイチ姿をアイドルに見せたというその前の出来事が個人的にやばいと感じたので、少し我慢した次第である。偉い。

 

 

「いやー、マーくんも不用心だよね! 合鍵なんか作らせちゃってさ!」

「これって犯罪じゃないの? ねぇ、犯罪じゃないの? あ、お茶くれ」

「バレなきゃ犯罪じゃないっていうじゃん。ハイ、おかわり」

「せんきゅ」

 

 

 そうだよね、そうとしか考えられないよね。駄目だからね? 普通に。彩がやってるから許してるところもあるにはあるけど、普通やっちゃダメなんだからこういうことは。

 

 

「いつからいたん」

「んと……6時半?」

「はっや。ごっそさん」

「早起き頑張った!」

 

 

 偉い! でも動機が不純だから褒めてやんない!

 

 それにしても、ウインナー丼がシンプルに美味かった。彩って割と料理出来たんだな。なんだか解釈不一致。

 普段俺が男飯を雑に作るタイプの人間だから、久々に人が作った家庭料理食えて少し嬉しかったのはある。ウインナー丼って結構男飯だけどね!

 

 

「それで、誰の入れ知恵なん」

「千聖ちゃん!」

「だよねー。だと思った」

 

 

 大体こういうことをさせてるのって9割千聖さんだもんね。そうだよね。

 なんの為にあの人はここまで必死になっているのかマジでわからん。面白そうだからとか、そういう単純な理由で動く人なのかあの人って。

 

 ちなみに残りの1割は彩の天然です。

 これが一番恐ろしいんだよね。天然ってもう避けようがないから。どうしようもないから。故意じゃないからあんまり怒れないしね。

 

 

「っていうかキミ。今日は平日だから学校あるでしょう」

「あるよ」

「お前、こっから花咲川何で行く気? 電車って言っても最寄り遠いだろ」

「送ってって!」

「てめぇ最初からその気だっただろ」

 

 

 さも当たり前かのように言うよね。それも飛び切りの笑顔で言うよね。

 それにさ、彩の姿をちゃんと見てみれば分かるが、ガッツリ制服よねキミ。通い妻じゃないんだから。

 

 お前あれか? 幼馴染が朝起きたら自宅のキッチンでご飯を作ってくれているという、二次元アニメとかによくありがちなあり得ねぇ幼馴染の再現してるのか?

 それだったら俺の夢地味に叶ってるんだけど。悪くない、寧ろいい。今回に限ってはもしかしてwin-win説あるくね?

 

 

「今日は美味しかった朝飯に免じて送って行ってやろう」

「やったー! マーくん大好き!」

 

 

 圧倒的ぶりっ子女の子のテンプレ行動その1、両手をV時に掲げで抱き着きに来る。そしてそれを僕は左へ受け流す。ちゃらちゃっちゃっ、ちゃらっちゃ~。

 お前、ほんとに行動があざといよな。お前の性格上、仕込まれてもいない限り素でやってるってことがほんとに凄いわ。

 

 それにしても、なんでこんな簡単に僕も受け入れちゃうんだろうね。甘いわ、甘すぎる。コ〇ダのシロノワールよりも甘い。あれ美味しいんだよね。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「キャー! あの子が彩ちゃんのカレシ!? かわいー!」

「Twitterで見たけど生でも美形! かわいー!」

「バイクに乗ってるのギャップ! 俺たちの愛の逃避行って感じ!」

「ねぇ有咲! 愛斗くんって彩先輩と付き合ってたの!?」

「バッカ野郎! そこは大人の事情ってやつがあるんだよ! 突っ込むな!」

 

 

「」

「あはは……一番みんなが来る時間に来ちゃったね」

 

 

 電車に社会人達の通勤ラッシュがあるように、学校にも言うなれば学生達による登校ラッシュのなるものがある。

 感覚的には大体遅刻するラインの15分前後当たり。ここら辺の時間は、校門まわりに登校する生徒が非常に多く集まる。そういう時間帯の通学路付近の運転はそこそこ気を遣うんだよね。だが、今日の問題はそこではない。

 

 あとあれね。先輩か同級生か後輩かわからん女子生徒さん。俺が乗ってるのはバイクではなく原付だから。厳密には違うから。

 これをバイクって呼ばれるとしょぼすぎて悲しくなるから、出来ればやめてほしいな。うん。

 あとそこのキラキラしてそうなバンドに居そうな二人。今度会った時、絶対覚えてろ。変な空気にしやがって許さん。

 

 

「インスタ! インスタ上げよ!」

「割と美男美女……羨ましいわ~」

「ウチの彼氏ももうちょっとなー」

「美咲! あれって愛斗じゃない! 珍しいわね!」

「こころ。絶対あそこに行っちゃだめだからね。邪魔しちゃダメなタイミングだから」

 

 

「あの、早く降りてもらえると助かります」

「でもなんかこんなに注目されてると気分がいいと言いますか……マーくんなら分かるでしょ?」

「全くわからないので離れてくれると助かります」

 

 

 登校するために大集合していた生徒が野次馬にどんどん変わっていく。女の子が色恋沙汰に敏感って本当なのね! この場合は色恋沙汰というよりも一方通行な気がしなくもないんだけど!

 暖かい通り越して若干暑いからって、ヘルメット外したのが間違いだった。顔バレした。まるで目立ちたがり屋だ。

 

 しかもこのピンク頭、こんなところで承認欲求刺激されていやがる。面倒ったらありゃしねぇ! なんでこんなところでグダグダしていやがる。

 俺は別に遅刻しても実質ノーダメだからいいけどさ。なによりも、今はここにいるっていうこと自体がスリップダメージ。ステロのダメよりもきつい。マジ起点づくり要因。

 

 

「良いからさっさと離れろ! 周りの視線が痛いんだよ!」

「やだー! 私はこのまま恋愛映画にありがちな、カッコいいカレシに学校まで送って行って貰うを遂行するんだー!」

「もう送り終わってるでしょうが! さっさと行ってこい!」

「やだー! 付き合ってー!」

「うるせぇ! 付き合わねぇ!」

 

 

 こんにゃろう、駄々っ子モードに入りやがった。さっきから肩を掴んでくる通り越して背中越しに抱き着いてこようとしてくる。

 それにさっきから野次馬に囲われてる気がする。禁断の恋とか聞こえてくるけど、そういうのじゃねぇんだ。ある意味呪縛だけど。禁断といえば禁断だけど。

 

 

「やー! もうちょっとで作戦成功なのー!」

「何が作戦だボケ! 絶対にやらせねぇからな!」

 

 

 なんで普段は羞恥心もってちゃんとやってこないのに、こういう時にはやってくるのか。アホか? アホだな。アホだったわ(三段階)

 

 

「貴方達」

「やだー! ……へ?」

「あっ」

 

 

 思えば、いつの間にか野次馬の声が聞こえなくなっていたのがおかしかった。さっきまであんなにキャーキャー言ってたのに、ぱたりと止んだもんね。まるで氷結の女王が来たかのように。

 来たかのようにだからね。うん。まるでの話だから。

 

 

「ま、マーくんありがと! じゃあ行ってくる!」

「さぁ帰るかー」

「待ちなさい」

 

 

 原付に乗ってる男子高校生の肩をむんずと掴んで止めるってどういう神経というか物理能力してるんですか? って言いそうになったのは置いておこう。

 怖い、とても怖い。声からして肩を掴んでいる手の主が誰なのか想像ついているのが余計に怖い。

 

 

「貴方達には風紀的な問題以前のことに原因がありますね。私がその身に健全というものを叩き込みます」

「あの、紗夜さん。加減というものは」

「ありません」

「やだー! マーくん助けてー!」

「お前がごねらなけりゃこうはなってんぇんだよバカがよォ!」

 

 

 結局この後はみっちりと花咲川校内の部屋でバチボコに叱られた。花音さんが助けに来てくれなかったら冗談抜きで死んでたね。

 

 超絶怖かった。表情一つ崩れない紗夜さんがマジで怖かった。あれがある意味『鬼』と呼ぶんだって俺は学んだね。風紀は積極的に守っていこう。




とても押したくなる魔法 その1
とても押したくなる魔法 その2

ボタンを二つ作ることに成功しました。あざーっす! この優秀な機能あざーっす!

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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