どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい 作:as☆know
提供曲ではギラギラ、カバーなら恋は戦争、一番好きなのは金木犀です。エッジボイスは神。
拝啓、読者と言ったら超絶メタいことになるため今回は省かせていただきます例によって皆さま。
音楽ライブ、バンドにおける『前口上』という物の存在をご存じでしょうか。
例えばとっても有名なのはナンバーガールさんの『透明少女』。
規約上色々な制限とか諸々あって名前は出せないけど、ボーカルの方の独特のMCや前口上はファンに限らず、少し邦楽ロックをかじった程度レベルの人でも知っているくらいの有名さだ。
「そういえば。要するに、そう、そうだね」
「渋谷の騒々しい人達の中に、一人だけ俺の目から焼き付いて離れない女の子の話」
「周りの人たちは見向きもしないけど、きっと、多分、あぁそうだ。僕には見えている。渋谷にいる誰よりも透明で見えている」
「僕以外知っていて、知らない。僕だけが知っている、赫毛の少女」
「綺麗だねぇ。きっと彼女は綺麗だろう」
「僕が思うに、例えばあれは透明少女」
その前口上が終わると同時か、それより早いか。僕の手元に構えられたジャズマスターの弦をピックが弾き飛ばす。
アンプからは荒々しいギターの音色が火を噴くように漏れ出す。出ているのは火じゃなくて音なんですけどね。
「みたいな」
「おー、キマってるね~☆」
「愛斗もボーカルとして様になるようになってきたわね」
「素直に嬉しおす」
と、最後までは勿論弾きません。恥ずかしいからね。弾き語りするようなテンポの速さでもないし。そもそも手元に持ってるのはアコギでもエレアコでもなくただのエレキギターだからね。
僕が一番最初にジャズマスターを買ったのは、ナンバーガールのあの方に特別あこがれたとかそういうわけではないからね。なんならジャズマスを買った当時はナンバーガールさんの存在すらまだ知りえてなかったから。
逆に言えば、俺がジャズマスに惹かれて行った時点で、俺は最初からナンバーガールに惹かれて行く運命だったのかもしれないよね。
俺、そういうのって基本的に信じるタイプだから。二時間前は信じなかったけど、今は気分的に信じてるから。
「マイクを通してなかったから、完全に最後ギターの音圧に押されてた事以外は完璧ね」
「紗夜さん、それとどのつまりキマってないって事では」
「直接的な表現は下げさせて貰ったわ」
ちゃんと失敗していたところを寸分狂わず真顔で指摘されることの精神的ダメージがどれだけやばいか知ってますか?
一撃必殺ですからね? 必中の一撃必殺なんかクソゲーですよ。泣きますからね?
ちなみにさっきの前口上。僕が一週間くらいかけて考えた透明少女専用の前口上です。もう本家が強すぎるからどれだけ本家をパクリすぎずに、かつ本家っぽさと俺っぽさを残せるかの駆け引きだったよね。
結果としては、ライブハウスに来る人の守備範囲的にドストライクだったらしく、死ぬほどぶちあがってました。
この前口上なんだけど、自分でも馬鹿みたいに気に入ってて調子に乗ってYouTubeにライブの様子を撮影してあげたんだよね。
再生回数自体も数十万とちょいって感じで良さげなんだけど、コメ欄の『この年の子が透明少女の前口上までやるなんてナンバガはすげぇ』みたいなコメ率が異常だったんだよね。ワイトもそう思います。
ありがとうナンバーガール様。大にわかだけど許してください。
後これは余談だけど、動画を投稿した10分後くらいに初代の方の赫毛じゃないピンク頭のアホの少女(年上)から凄い勢いでLINEが来たよね。
既読だけ付けてスルーしたわ。後日あった時めっちゃ詰められたけど。
「かっこいー! まー兄そういうセンスもあったんだ!」
「だろ? こう見えて俺、魔族の血を引いているんだZE」
「あこも! あこもそれ使う!」
「あ、あこちゃん……その設定にすると巴さんにも二次被害が行くから……」
Roseliaの前だったら多少俺の中に眠るダークソウルを放出しても問題ないよね。違うよ、ゲームの話じゃないよ。俺の中に眠る邪炎の魂的なそっち系の話だよ。
なんでRoseliaの前なら良いのだって? さて、なんでだろうね。僕にはわからないよ。わからないからね? うん。勘のいいガキは嫌いだよ。
「そんなわけで第7回! ライブに向けて一番なんか良い曲前のカッコいい前口上考えた奴が勝ち選手権~!」
「「いえーい!」」
「また例の東海なんとかのパクリですか?」
「どちらかというとこのクソさ加減と複数回やってるあたり夕〇とかMZ〇の方が適任ですけどね」
見てくださいよ! YouTuberとかには毛ほども興味もない紗夜さんですら、俺がこのネタを擦りに擦りまくった成果もあってついに有名YouTuberの名前を覚えましたよ! 半分テロじゃねぇか。
ファンの人ならわかってると思うけど、このクソさ加減って悪口じゃないから! 誉め言葉だから! 尖った岡崎とイケメン路線で売ればいいのに死ぬほど下ネタに走るお兄さんたちだから!
両方とも伸ばす方向にのみ照準を向ければいくらでも伸びるだろうになぁ。やりたいことだけやってるからそういうところが大好きです(ファン)
「それで? 今回はどういうルールなんですか?」
「Roseliaにもあるじゃないすか。口上。あぁいうの作りたいなーって。それだけっす」
「……あったかしら。そんなの」
「ありますよ。『頂上へ、狂い咲け』とか『行くわよ』とか」
「後者に関しては友希那さんの口癖のようなものでは……」
だからこそってこの企画なんですよ! 正直、友希那さんファンの煽りに関しては天性の物があるから、わざわざこういう場を設けて考える必要はない気がするんですけど。
まぁ本音を言えば煽りの天才である友希那さんから色々と盗めたら僕が気持ちよくなれるんじゃないかなって話なんですけどね! 口調とか世界観の問題で俺が友希那さんの真似をしてもどうにもならない気がするが、きっと気のせいだろう。
「そもそも、友希那さんって普段使ってる口上って考えてるんですか?」
「考えてないわ」
「考えて出るもんですか?」
「その場の空気で言っているもの。空気によって言う内容は変わるでしょう」
「この企画潰れたじゃねぇか」
この世には本当に存在するんですよね~。なんで〇〇が出来るんですか? って質問が来た時に、『なんとなく』だとか『それとなくやれば出来る』って答える、いやそれシンプルディス天才~! って人類。
マジで別次元すぎて困りやすよ本当。それを言語化してもらわないと我々凡人はそれを模範することが出来ないんですわよ。
感覚派の人間は言語化することを放置するからいけねぇ。
えっ、ギターのアレンジの法則ですか? それはあれですよ。音の感じと勘で適当に組み合わせれば良い感じになります。言語化? 無理です感覚です。男は黙って勘です。
「まぁまぁ、友希那も一回考えてみようよ。もしかしたら定番化とかするかもしれないよ?」
「それって良いことなのかしら」
「お決まりの口上があると、曲が分かって爆上げってのはありますよ」
「爆上げって感覚がそもそもわかりませんが……」
「あれです。シャッシャッシャッ! でエッビバーデー! ってやつです」
「わかりました私には一生理解できない区域ですね」
「あこ知ってるよ! クラスの男子がたまに気が狂ったみたいにやってる!」
待ってください紗夜さん、今のは俺の例が悪かったんです。
確かにお手軽感覚ブチアゲフィーバーと言えば脳内IQ2なことで有名なヤバTですけど、ブチアゲってそれが全てじゃないんです。マジです。マナトクンウソツカナイ。
あとヤバTは違法ドラッグとかじゃないですから。本当ですから。だからそんな顔しないでください。あくまで合法です。お手軽簡単合法です。
まぁ口上が全部が全部良いってわけでもないとは思いますけどね。イントロを聞いてあの曲だ! ってなるときの高揚感とかは何物にも代えられないですし。
ライブとかで自分が知ってる曲が来た時の嬉しさって半端じゃないよね。今日の夕飯はハンバーグよ~って母親に言われた時くらいアガる。
久々に母親のハンバーグ食いてぇな。今度レシピ聞いとくか。実家に帰るのは面倒だし。
「好きな音楽を聴くと気分が高揚するじゃないですか。アレです。アレのことです」
「それなら最初からそう言えばいいじゃないですか……」
「一番簡易的に伝わるのがヤバTなので」
「あのバンドは……個人的にはきっと天敵の部類です」
間違いなくそうだろうね。紗夜さんとヤバTは水と油って奴だろう。多分ホルモンとかもヤバいと思う。
脳みそ空っぽにして神経とそこにある何かとノリだけでウキウキになれるバンドって物凄く好きなんだけどなぁ。
俺だってコード進行とか計算されつくしたアニソンとかも好きだし、美しいハモリやお決まりの展開がしっかり来るクラシックも好きだからそういうもの良さはわかるんだけど。まぁ、基本的に広く浅くだから深くはツッコめないんだけど。
割と音楽の好みって人の性格とか出るよね。
見た目の割に意外とロックが好きなんだね、アイドル系が好きなんだねとかもあるけど、あれこそがその人の本質を指している気がするよ。
まぁその人が好きな音楽のジャンルによってその人の性格が分かる! って能力を俺は要しているわけではないんだけど。そういうことが出来る人も居そうだよね。多分。
「凄い話がズレてるけど大丈夫?」
「割といつものことなので」
「アハハ……口上と言えば、あこなんかよく考えてるんじゃない?」
「あえ? あこ?」
「あー、確かに」
あこの口上というか言い回しのそれは完全に後から付けたキャラ付けだもんな。
一応空気感だけで見るとRoseliaと非常にマッチしているのが面白い。というか、Roseliaって友希那さんも紗夜さんもあこも割と中二病の気があるというか……そもそも雰囲気黒の青薔薇っていうのが某二刀流のスターバーストしたストリーム的なそれに似ているというか……
これ以上はダメだな、うん。お互いの名誉にかかわる問題だからね。仕方ないね。
「あこの場合って全部自分で考えてるの?」
「あこのは全部天然物!」
「何その鮎の塩焼きが出てきたときに店員さんが言いそうなセリフ第一位」
「一々店員さんはそんなこと言わないでしょう」
その天然物って言葉トリプルミーニングくらいありそうだね。
あこが自分で自分の事を天然って言っているのか、あこのアレは魔王であるからして必然的みたいなニュアンスの天然なのか、あこが自分で考えて作った天然物って意味なのか、一体どれだろうな。
最近のお魚とかは天然物至上主義から養殖物も滅茶苦茶美味しくなっているっていう噂だけど一体どうなんだろうな。
個人的には野生のお魚よりも、プロの人が経験と研究に基づいて安定して食糧を供給した養殖の方がおいしいんじゃないの? って素人考えになるけど、天然の方にもこういう理由があっておいしいんだよ! ってのがあるんだろうな。
正直食べれて美味しいなら何でもいいんだけど。
「っていうか、基本的に前口上みたいなのを言うのは友希那なんだから、友希那に聞けばいいじゃん」
「そういやそうっすね。どうなんですか?」
「わざわざ考えて言ってなんかないわ」
「じゃあアレってその場のノリとかで言っているんですか?」
「その場のノリっていうと語弊があるじゃない」
「今の発言で半分認めますやん」
あっ、目背けた。全然顔には出ないのに行動が分かりやすすぎるよね。ポーカーフェイス(笑)状態だもんね。仮面を付けてるのに感情が分かりやすい強キャラのそれだもんね。
友希那さんの事を仮面っていうのは解釈違いだから違うけど。
「じゃあ愛斗はMCとか考えてやっているの?」
「やってないっす」
「やっていないじゃない」
「確かに」
「いやいや、ちゃんと二人とも喋ることは考えな?」
いやいやいやいや、考えてみてくださいよ。ライブで大事なのはその場の空気! 雰囲気! ノリ!
滅茶苦茶熱狂的な曲をやってぶちあがった観客に向けて、昨日の夜に食った寿司の話をしようって最初から決めてるからって本当にその話をしたらどうするんですか! サーモンが焼き鮭になるじゃない!
魚の話をしなければいいって? 正解。
結局、次のライブでは前日に食べたラーメン三郎で腹が爆発しそうになった話をした。微妙な空気になったので二度とライブでは飯の話はしないと心に誓いました。
みんな音楽のライブの時は、ちゃんと音楽の話をしようね!
過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。
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今のが好きなので書き直しておk
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昔のが好きなので書き直したらアカン