どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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ここ一番で信じられるのは結局パッション

 

 

 色々なものを犠牲にして来れた決勝は嬉しいか?

 嬉しいけど、頭の片隅でお前それどころじゃ無くね? の意思が固まってるのをガン無視してます。

 

 そんな我々がノーガードフルパワーステゴロ殴り合いをした後、メジャーデビュー内定済み男性バンドをRoseliaが圧倒してあっけなく勝利してました。おっかしいぞー? あの対戦相手のシナスタジアってバンド、普通に俺らよりも上手く感じたんだけど。友希那さん達、なんか普通に捻ってたね。なしてそんなに強いん? 音楽において強いって言葉が適正かわからんけど、なしてあんなに強いのあの姫達?

 

 

「集え! 学生バンド対バン甲子園! 決勝戦んんんんん!!!」

 

 

 そんなわけで決まりました。決勝の面子。決まった順番から、ポピパ、ハロハピ、Afterglow、Black history、Roseliaとなっております。

 俺達とパスパレを入れ替えたら見たことしかない5バンドになるね。これ、俺らが負けた方が良かった説ないかい? 俺、ステージに立ってて物凄く肩身が狭いですよ? こんな絵面を作ってるから、散々女遊びをしているとかありもしないこと言われているんじゃなかろうかね?

 

 

「決勝のルールをおさらいしておきます。決勝は5バンドでの総当たり戦。くじで順番を決めて、最後に総合的に点数を決め、一番得点が高かったチームが優勝となっております」

「わかりやすくていいやんね」

「それでは、順番にくじ引きの方、お願いします」

 

 

 ルールはアナウンサーの方が説明してくれた通り。最後に総合的に点数を決めるってことは、M-1みたいに最初がガン不利って事もないって事やんね。まぁ、全く関係ないってことは無いだろうけど。

 

 我先にと元気よく飛び出した香澄、こころに続いてひまりが続々とくじを引いていく。

 お先にどうぞと、友希那さんに先に引いてもらうように促してみたが、友希那さんは不動。先に引きなさいって顔が言ってる。こういう時、堂々と出てきて真っ先にくじを引きに来るかと思ったけど、残り物には福がある派閥なんかな。

 

 

「それじゃあ、出番が早い順に出て来てください!」

「1番です!」

「2番よ!」

「3番」

「4番ーっ!」

「オチ担当です」

「よーし、それじゃあ決勝戦。スタートおおおおおお!!!」

 

 

 なんで俺が最後のトリを引いたんだろう。こんなところで豪運か? どう考えても主人公補正で友希那さんがトリを飾る手筈でしょ。なんで3番手っていう一番どっちにも転べるところなのさ。こういう所でヤラセをしないでどうするんですかテレビ局さん! 俺達にトリなんて荷が重いんですよ!(本音)

 

 

「愛斗くん、大トリだね! 持ってる~!」

「運が良いじゃない」

「オチ担当の間違いじゃないんですか?」

「キラキラドキドキだね!」

「多分今だけは違うよ」

「楽しくなりそうね!」

 

 

 お前らリーダー組全員揃って主人公メンタルしやがって。俺だけだよ、自分の順番に怖気づいているクソザコは。

 あー、本当にどうしよう。アドレナリンは最初のアレで全部使い切ってるだろうし、マジでほぼ燃え尽きているのがヤバすぎる。こいつらの本気の演奏の後に俺達なんて、やっぱり何回考えても荷が重いんですよ!(二回目)

 

 

「期待しているわ。貴方の本気」

「えぇ。その上で勝たせて頂きますが」

「へ……へへっ……」

 

 

 なんて引きつった笑顔を浮かべていたところ、表情を崩さずに友希那さんが煽ってくる。後ろからは紗夜さんも追撃だ。

 なんでこんなに敵対心が高すぎるん? 僕、今までになんかしちゃった? この前のライブで歌詞を間違えてバズっちゃったのが不愉快でしたか? 確かにあの時は紗夜さんいなくて、代わりに千聖さんに絞られたけど。

 

 

「お前、顔ヤバいぞ」

「顔よりも状況がヤバイ」

 

 

 こうなったら仕方ねぇ。アレを出すしかないな。

 アレってなんだって? そらもうあれよ。そんなもんなんで言わなあかんねん。それをこうしてあぁしたら、そらもうそうなるやんか。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 そんなわけで、あっという間に回ってきました。我々の出番。

 俺達の直前に出番を終えたポピパの君に届けのおかげで、会場は激エモの雰囲気に染まっております。というよりも、みんな決勝って言うのもあるのか、やけにエモい選曲しかしていない。ハロハピの新宝島も滅茶苦茶エモかったよ。いや、新宝島って実はコードとかめっちゃエモいんだけどさ。編曲した人ガチで神だよ。

 

 えぇ、任せて頂きたい。この激エモの雰囲気。我々はすべて請け負って見せましょう。

 

 

「そういう訳で予定変更です。会心の一撃は、別の機会の一撃に取っておきます」

「せやかて浅尾! この激エモ激重の雰囲気、任せられるのは会心の一撃ちゃうんか!」

「大馬鹿ちん! 俺達にはっ、あの曲があるだろうが!」

「あっ、あの曲っ!」

「やるんだな! 今、ここで!」

「このくだり、さっきもやったよね」

「行くぞお前ら!」

 

 

 野太い雄たけびを上げ、俺達はそそくさとステージに上がって持ち場につく。

 新庄は毎回何でそんなに的確な痛い所を突いてしまうん? 毎回素面になりかけてしまうので、本当に耐えるのが大変なんだが。なんで耐えているんだろう態々。アホなんかな。いや、まともな思考になったらだめだ。はっちゃけの思考が大事。メケメケメケメケ!!!

 

 SGをいつもの位置まで下げ、よーく手首をほぐしておく。激エモ曲に手首の柔らかさは必要不可欠なので。

 と、いう訳で。まずはあいさつ代わりに高速カッティングをひとつまみ。そんでもって、ベースとドラムでドンドンドドン!

 

 

「Panishment!!!」

 

 

 ペダルを踏みこみ、空っぽなサウンドにパワーを充填。ギターを目いっぱい天にカチ上げ、その勢いのまま空中に飛んでぐるんと一回転。華麗に結晶の景色を一瞬で堪能。

 激エモで激重で超絶激しいリフを会場目いっぱいに叩き込む。

 

 

『暴いた生命科学の末路』

『かすれた翼の色 陽炎』

 

 

 この世の全てを突き抜けそうなほどの荒々しいブリッジミュート。コードがパワーに溢れている。これほどまでに強いと言わざるを得ないギターがあるのだろうか。

 いや、ないね! 目を瞑っててもわかるね! この繊細な感覚! 激エモ! 頭を振って自己紹介! ヴルァ!!!

 

 

『再現不可能』

『対流圏の記憶』

 

 

 サビの基本はコーラスです。コーラスの皆さんと一緒に歌って、サビの存在感を出すのです。足元が全く落ち着いていない気がするが、きっと気の所為。

 でも、たまにはそれ以上に楽器が無茶苦茶してもいいよね? いいよね! これ、ライブだもんね!!!!!

 

 

『流れた時間』

『裸の心臓』

 

 

 サビが終わった! ほら聞け! この激エモの詰まったすんばらしいリフ! 作曲者の愛とギタリストの方の腕前がたっぷり最後まで細部まで詰まっているね。

 いや待て。こんなマイクの前で行儀よくなんて勿体なくないか。こんなカッケェギターをこんな遠くで聴かせるなんてもったいない! 馬越も柳田も出てこいって! 折角のライブだもん。ほら! 行くぞ行くぞ行くぞ!!!

 ドラムもキーボードもベースもギターも呼吸合わせろ! 足元踏ん張れ! 雄たけび上げろ! そんでもってオラァ! 飛べ!!!!!

 

 

「ッラァ!!!」

 

 

 上から一気にネックをスライドさせ、心行くままに弦を虐める。走る。走って走って走って。

 ほんでここ! 柳田も馬越も来い! もういる! わかってる人!

 ってことでもう一回、目にもとまらぬ高速スライドを速弾きの間に無理やり差し込み、三人で殴り合うように息を合わせる。押し込め押し込め押し込め! ピックを押し込め。叩きつけろ! 鳴き声響かせ! 好きなだけお前の声で歌えよ!

 これが俺らの出す音じゃあ! ふんぬァ!

 

 

「イェアァッ!」

「いやっふぅうううっ!!!」

「おい手ェあげろ! 鳴らせ鳴らせ鳴らせェ!!!」

 

 

 激エモな感情に飲み込まれながら、死にものぐるいで右腕だけ突き出して激エモリフを垂れ流す。座り込み、まだまだ負けじとブリッジミュートを突き刺す。まだ息切れするには早すぎる。ほら、どんどん、どんどん熱は上がる。ドラムの音に力が入る。

 立てよ、ジョ〇ョ。フラフラになった千鳥足でも、その手は止まんない。それは一番わかってる。だって、勝手に右手がありえん速度で動いているんだもん。体が熱を求めている。自然と喉から咆哮も漏れだす。

 

 

『埋葬用の表情 焼かれた伝承』

『螺旋状のゼロ 忘れた人』

 

 

 最後の歌詞まで歌い切った。と言う事で、ギターを右上にそぉい! ギターストラップに引っ張られ、地球を回る衛星の様に俺の体の周りをぐるりと一周してギターを捕まえ、そのまま俺も仲良く飛び上がって一回転。ここがフィギュアスケートの大会なら芸術点は1000点は貰えるだろう。

 でもここはライブ会場! 俺は飛び上がってぐるぐる回りながらでもギターを弾くのさ! 俺はギタリストだからな! 飛んでも回っても倒れても、俺はギターを弾き続けるのさ!楽しすぎいいいいいいいいい!!!!!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「普通に負けました」

「やり過ぎです」

「いやー、凄かったねぇ」

「すっごい飛んでた! あれ、どうやってギター弾いてたの?」

「普通に飛びながら弾いてたんだよ」

「答えになっていないのですが……」

 

 

 行きつけのカフェで優勝チームのメンバーとタブレットを囲みながら、少しうなだれる。

 採点の結果、Roseliaは500点満点中479点。我々Black historyは、500点満点中425点でした。どう考えても選曲ミスです。本当にありがとうございました。低すぎー!

 失礼しました。あんまり面白くなくて評判も悪い、You〇ubeのショートのグルメ系の人の真似をしてしまいました。無限にいるけど、なんなんだろうね。アレの継投で成功している人、大阪の何でも手でちぎる人ぐらいしか知らないんだけど。

 

 あこちゃんは可愛いねぇ。おじさんが良いことを教えてあげようね。

 ギターは飛びながら弾けるよ。だって、手元にギターはあるんだよ? 弾けるよ。立ってても、座ってても、寝てても、しゃがんでてもギターは弾けるやん? なら、飛んでても別に問題なく弾けるよ。行ける行ける。

 

 

「それでも、あの点数は低すぎると思うのだけれど」

「妥当じゃないっすか?」

「反応、逆じゃない?」

 

 

 当の本人の僕は割かし納得しているんだけど、友希那さんは結構ご立腹らしい。嬉しいね。僕のことでちょっと怒ってくれるなんて、なんだか大切にされてるみたいじゃん。ストーカーの思考回路かも知れないね。

 でも、蘭も怒ってくれてたんだよな。点数が低すぎるって。あと、麻耶さんもなんでか知らんけど怒ってた。『あの完成度のパフォーマンスでこれだけ点数が低いなら、何を基準にしているのか不透明ですよ』って言ってた。みんな優しい。どう考えても選曲ミスだけどね。

 

 そんなわけで、あの大会の優勝はRoselia。我々は順位的には全体4位の結果となった。低すぎー!(二回目)

 最下位じゃないところにネタのなり様にないガチ度を感じるよね。

 というか、ハロハピが一番点数低いのはセンスないわ。あれこそ審査員が悪いよ。見るべき場所が違うんだもん。コンビニのおにぎりに対して苦言を呈するプロの料理家と一緒だもん。

 ジャンルが違うんだよ。じゃあなんで呼んだ? キャスティングが悪いです。ハロハピは悪くない。あそこはとってもいいバンド。僕、知ってるもん!(ガチギレ)

 

 

「少なくとも、私の期待していたレベルの物は出していたわ」

「同感です。音作り、安定感、リズム、アレンジ、アクセント……到底、あんなふざけた動きをしながら演奏しているとは思えませんでした」

「いつもよりも飛んでいましたし、いつもよりも回っていましたから……」

 

 

 とっても嬉しい。とっても嬉しいはずなんだけどね。褒められているのかそうじゃないのかがわかんないよ僕。

 まぁ、あの時点でのパフォーマンスが自己評価で何点かと聞かれたら、自信満々に120点だったと言います。100点満点中です。私は数字が分かりません。

 

 流石にあんだけ後先考えずに走り回って飛び回っていれば、多少なり息も切れるというのもあって、ボーカルでは多少の荒さは目立った。それでもギターに関しては自分でもびっくりするくらい上手かった。

 普段はあんまり速弾きとかしないから、もしかしたら浅尾愛斗って速弾き苦手? って思われているかもしれないけど、別に全然できます。なんなら、ちょくちょくソロとかで速弾きの要素持ち込んだりもしているしね。

 速弾きをする曲が大体歌えないから、それもあってやらないだけです。指は普通に死にます。そりゃあそうです。

 

 

「いやー、選曲だったかー」

「もう少し落ち着いてたら、審査員の先生たちから評価高かったかもだけど……ま、そんな愛斗を見たいって人は少ないんじゃない? 少なくとも、アタシは今の愛斗が好きだし☆」

「どうしよう紗夜さん! 俺、告られた!」

「貴方はもう少し節操という言葉を学んだ方が良いと思います」

 

 

 あれです。ライブ中の僕は止まったら死ぬマグロみたいなもんなので。

 浅尾愛斗。これからもライブで暴れるのはやめへんでー!

 

 あと、あれから彩の鬼みたいなアプローチが止まらん。どうしよう。こっちに関しては、本当に終わってしまったかもしれんし、その場の空気と雰囲気と勢いだけでとんでもないことをしてしまったのかもしれん。




 浅尾愛斗
 あの時、間違いなく俺は空を飛んでいたらしい。後で映像を見返したら、あまりにも自分の目がガンギマリだったのでちょっと引いた。

 湊友希那
 期待通りの方向性の行き過ぎたぐらいをお出しされたので、友希那さん的には少し満足。こっちの方がベストパフォーマンスだと思ってる。


 氷川紗夜
 途中で人間とは思えない手元を間近で見せられたり、バケモンみたいなパフォーマンスを目の前で見せつけられて不機嫌に。彼らの順位が4位と発覚してまた不機嫌になった。面倒くさくて可愛いね。

 宇田川あこ
 あこも飛びながらドラム叩けるようになる!

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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