どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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自分を奮い立たせる時に顔面キ〇タクだと思えば男は無敵

 トラウマ。皆様には、あるだろうか?

 死ぬほど強かったボス戦。とんでもなく不気味なBGM。一人で好きに弾いていたはずなのに、何故か大人数に見られている。エロサイトに繋がるURLだと思ったら、びっくりフラッシュサイト。エロサイトの広告を消そうとしたらワンクリック詐欺サイト。後半ほぼエロサイトじゃねぇか。

 

 あ、僕ですか? 勿論ありますよ。前例は全部作り話です。健全な男子高校生なのでエロサイトなど見ないです。決して。

 

 

「……」

「……あ、あの」

「……」

「え、何々? 喧嘩?」

「ち、違うよ! ……多分」

 

 

 そんでもって、新しいのも増えました。

 ところで、君は人見知りかな? 僕はそうじゃないからちょっとわかんないけど、つい最近少しだけ気持ちがわかるよ。人の顔が見れないってこういう気持ちなんだね。

 背中から聞き馴染みのある声が聞こえてくるだけで、なんか心の奥底からブワッてなんか来る。鼓動がとってもうるさいんだよね。さっさと引っ越し! シバくぞ! って滅茶苦茶キレてる。頼むからさっさと引っ越してほしい。近所迷惑なので。

 

 

「久しぶりにスタジオに顔を出したと思ったらこの調子」

「そんな胡坐掻いて、縮こまっちゃってかーわい~!」

「本人の顔は結構必死ですけどね」

 

 

 そうです。僕、顔見れないです。超失礼人間になっちゃった。

 今まであれやこれやで何とかしてバイトを回避してきたけど、そんなわけにもいかず。替え玉作戦をしたのが運の尽きだった。

 流石に部外者ぶち込んだのはミスった。いや、部外者じゃないだろ遠藤さんは。本当に忙しい時にごめんなさい。髪の毛を絵の具で塗ればたぶん行けますって自信満々に言ってきてくれたけど、一秒でバレたね。そりゃあそう。貴方が作った一日。私は無駄にはしないぞ。

 

 

「お久しぶりに会えたと思ったら、すぐにこうなっちゃったんです。これがハンコウキですか?」

「自分の本心には年中反抗期じゃない。今もこうして、ねぇ?」

 

 

 すっごい背中から的確に急所を刺してくるじゃん。怖いってガチで。

 その通りですよ。普通に入って顔見て挨拶! 普通に入って顔見て挨拶! 普通に入って顔mア゛!(クリティカルヒット)

 で、こうなっちゃったと。世界でいっちばんわかりやすいね。本当か? 嘘かも。

 

 

「うーん、でもマーくんが恥ずかしがり屋さんになっちゃったら、練習できないねぇ」

「……まぁ、そうね」

「なんで今間があったんですか! 俺、ちゃんとコーチしてますよね! ね! ヴッ」

「あっ、治った」

「最後になんか喰らってませんでした?」

 

 

 よし、声出た偉い! 本当に偉い! お前の勇気ある数秒の発言が、世界の運命を少し変えたかもしれないし、変えなかったかもしれない。変わって無さそう。

 こんなところで前に出たコーチの才能無い云々掘り返されるなんて思わんかったやん。日菜さんだけ僕のコーチングで恩恵受けてそうなのが余計にそれっぽいじゃん。麻弥さんはわかってくれるもん。でも、麻耶さんって俺よりドラム上手いもんな。終わった。存在価値。

 

 

「どうしてこうなってしまった……いや、何でもないです。すいませんでした」

「この前の番組でしょう?」

「番組の件ですよね?」

「あははっ! ピクピクって反応するの面白いね~!」

「わああっ! ご、ごめんなさい! ジブンが悪かったです! マナトさんっ、戻ってきてください~!」

 

 

 良いんだよ、麻耶さん。貴方がそういう傷口に塩塗った挙句、別方向からもう一回切り付けてナスカの地上絵~! ってするような人類じゃないって言うのはちゃあんとわかっているので。だからちょっと横になりますね。えぇ、もう起き上がりたくない。

 

 わかってますよ。私がこういうのを引きずるようなつまらない男なんて言うのは、5億年前からの常識ですよ。

 だって火力が高すぎたんだもん。びっくりした。ド正面から火炎放射器をぶっ放してくるなんて誰も思わないじゃん。猛火状態のゴウ〇ザルもびっくりだよ。

 あの後は良かったよ。顔見て歌えたよ。フルパワーで殴り返せてとってもとっても気持ちが良かったですよ。

 その後に色々あって一週間くらい間が空いたのがダメだったね。

 人ってね、間を開けるとどうやって人と接してたか忘れるんですよね。わかる、わかるよ。俺と彩は長い付き合いだし、そもそも中学の頃は顔も合わせてない。それなのにたかが一週間所で何も変わらないと思うじゃん? それね、不正解です。

 

 

「マーくんって意外とピュアだよね~」

「童貞を拗らせているだけじゃない?」

「まーまー、彩ちゃんはそれが好みなんでしょ!」

「違うよ!?」

「マナトさん。なんかドンドン埋まって行っちゃってますね!」

「あー! ダメですマナトさん! 下の階にも人がいますー!」

 

 

 本人がいる所でそんなこと言わないでよぉ! 傷つく人だっているんですよ! ほら、ここ! 今いますよ! ここ、ここ! あっ、やべぇ埋まってるから気が付かれねぇや。俺はついに能力者になったんだな。でもアレだな。折角特殊能力を手に入れたのに、ワ〇ピの変態みたいな能力なの嫌だな。地味すぎる。ゴムも嫌だけども。

 悪ぃ、俺、死んだ。彩にも否定された。終わった。唯一、俺を拾ってくれそうな人なのに終わった。俺は子孫を残すことなく朽ちていくんだ。子供は3人くらい欲しかったな。合掌。

 

 

「顔が良いのに彼女が出来ない理由だって如実じゃない。添え前食わぬは男の恥。男なんて、都合のいい事だけ考えていればいいのに、貴方わざわざ考え込むんだから」

「いいじゃないっすかー! 好きな女の幸せくらい、願ったっていいじゃないっすかー!」

「現実から目を背けてはいけません! ブシドーに反しますよ!」

「一番簡単な方法から目を逸らしていますもんね……」

「めんどっちいねー」

「埋まったり出て来たり、忙しそうね」

 

 

 面倒のかかる子ほどかわいいって言うじゃないですか。高校生にもなってそんなこと言ってたらゲロ吐きますけどね。

 千聖さんはアレかな? 男運とか良くなかったのかな? 滅茶苦茶に的を射ているとは思うけど、滅茶苦茶に怖いよ。模範的に怖い女ァ! って感じすぎるよ。女優さんだよね? 本音じゃなくて、今は女優さんだもんね? そうじゃなかったら泣いてるもんね僕。

 

 悪かったね! 今まで彼女いなくてね! 結構いるじゃん。顔も良いし性格も悪くないのに、何故か彼女は出来ない謎の男。あれが俺です。

 おかしいなー。顔面偏差値は平均くらいは絶対にあるのに。年上のお姉さんにだってめっちゃ可愛がられるんだぞ。なんで彼女が出来ないんだい?

 

 

「いいから、出てきなさい。いつまでも埋まって潜水していたって、事態は好転しないわよ」

「……ウス」

「凄いです! 地面からマナトさんが生えてきました!」

「完全に人間捨ててますね……」

 

 

 そのまんま埋まって泳いで帰ってこようかと思ったが、千聖さんに思いっきり手首を掴まれて無理やり引き上げさせられる。俺より断然小さいのに凄いねぇ。芸能人って強いんだねぇ。

 そりゃあ潜ったり出るくらいはできるよ。今しかできないと思うけど。矛盾してるねぇ。

 

 

「こっちを見てください! そのままー、そのままー……はい! アヤさんです!」

「あー! 目つぶったー!」

「もはや視界に入る前から一瞬で反応してますね……」

 

 

 回転椅子に座らされ、イヴちゃんに手を握られたままくるくると回転されてお出しされる。目を瞑りました。

 もうね、体が受け付けてない。お前、これ以上喰らったら塵も残らんぞって僕に訴えてるもん。だって反射だもん。

 俺だって別に見たくないわけじゃないよ。普通に目の保養したいよ。でも思い出しちゃうんだよね。こいつ、あの時に髪を解きやがったもん。もう駄目。顔が発火する。

 

 

「ねー! なんで見てくれないのー!」

「俺だって見たくねぇわけじゃねぇんだ! あっダメダメ♡ その声聞いたらトぶ! トんじゃう!」

「この前の番組、実質勝ってたんじゃないの?」

「まぁ、試合に負けて勝負に勝ってはいるわね」

 

 

 もうダメ。全然ダメ。びっくりしちゃうね、あの歌にこんな後遺症があるなんて思いもしなかったよ。

 だって家に帰ってちゃんと調べたもん。あんなストライクゾーンに入る曲なんてあるかと思って調べたもん。凄いんだねぇ、世の中って。まんま原曲だったし、ちゃんと歌詞を調べてもう一回死んだよ。こんちくしょう。

 

 

「私の事、嫌いになっちゃったのかな……」

「そんなことないです! マナトさんも頑張ってますよ! ほら!」

「本当に頼むから泣くのだけはやめてほしい。今の俺なら東京湾に沈められても抵抗できん」

「理由が龍が如くみたいですね……」

 

 

 目を瞑っているので抵抗も何も出来ん。目が開かないだけだが。

 どうしたもんかな。正直、このまんまだと十中八九泣くんだよな。あのアホピンク。俺だって泣かせたい訳ないですよ。自分でもこんな目が開かんことあるかねってくらいだもん。呪われてるよこれ。金縛り喰らってるってこれ! マジでこれどうにも……

 

 

「いい加減にしないと、本当に泣くわよ」

「…………ぐすっ」

「あああああああああああ!!!!! ごめんて! 本当にごめんってほら!!! 目ェ開いた! 開いたよ!」

「うあぁ……!」

「あー! 泣かないで! 泣かないでーッ!」

「あーあ。泣ーかせた」

 

 

 鼻をすするような音を耳がとらえた瞬間、完全に職務放棄をしていた瞼がぐるまゆコックによってこじ開けられた。アカン。女を泣かせるのアカン人として恥。ほら! 彩ちゃん目ェ開いたよ! ほら見て! なんで泣くの!!!!!

 

 

「嫌いになっちゃやだー!」

「なってねぇって! お前ェを嫌いになった事なんて一度もねぇよ!」

「ひっぐ……だって見てくれないんだもん……!」

「見てる見てる! ほーら見てるぞ! 愛斗くん、君の事をバッチリとらえてるヨー!」

「顔真っ赤だもん怒ってるー!」

「お前だって顔真っ赤じゃろがい!!!!!」

「うわぁぁん!!!」

 

 

 もう何を言ってもダメじゃねぇか! 詰みだ詰み! どうなってんだこの勝負。周りも完全に一歩引いて気配消してるし終わりだよ終わり。顔真っ赤なのは仕様なんだよ! 頭の中で一生お前が告ってくるんだよ! お前どうにかしろよこれ!

 大粒の涙をぽろぽろとこぼしながら、わんわんと泣きじゃくる相手に対して何が効くかなんて知ってる訳ねぇ。頼むからGo〇gle先生助けてくれんか。パンクロックとか聞かせたら泣き止んでくれんか! ねぇ、どうにかならんか神様!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ぐすっ……マーくん、私の事嫌い……?」

「無いです」

「私の事、好き?」

「……………………あそこにUFO」

「うぅ……」

「あー! わかったごめん! 好き! 好きですホンマ!」

 

「泣き落としって、本当に効くんですね」

「ほぼほぼノーカンみたいなものだけれど」

「凄いねー。アタシたちもいるのに抱き付き合ってるや」

 

 

 何とか落ち着きました。本当に大変だった。世界で一番大変だった。

 結局、ちゃんと抱きしめて頭撫でて落ち着くまでそのままの刑で何とか事なきを得た。本当に刑か? こっちは棚から牡丹餅じゃないか? 俺と彩が俺と彩って関係じゃなかったら、多分ただのご褒美だったんだろうな。それどころじゃねぇよ。

 昔なら隣に居るだけでそのうち泣き止んでくれたのに。年を重ねて我儘になってる。おかしい。成長どころか退化している。

 

 

「……ね、千聖さん。これ、俺何時離れたら……」

「今くらい付き合ってあげなさい。彩ちゃん、貴方に会えなくて、ずっと寂しがっていたんだから」

「……すんません」

「私じゃないでしょ」

「……あのー」

「…………や。もう少し、このまま」

 

 

 後ろに回された手に、くっと力が入る。お前は木に掴まったコアラか。年頃の女の子が年頃の男に抱き着きやがって。そんな子に育てた覚えはないよお父さんは……でも、他の男にはやらねぇんだろうなぁ。

 ちょっとだけ本気で諭す千聖さんの言う通りです。逃げてた僕が悪いからね、全部ね。今回ばっかりは私が本当に大犯罪者。

 

 

「私、君の事が大好き」

「……はい」

「世界中の誰より、一番好き。君だけが、ずっと好き」

「……うん」

「君が答えられないのだって、私が一番知ってる。やさしいから、知ってる」

「……ごめん」

「だから……やだ。嫌いになったら、やだ」

 

 

 小さな体いっぱいに、目の前にいる人間を逃がすまいと目いっぱい抱きとめて。逃げやしないって言うのに。さっきまでちょこちょこ逃げていた男に説得力のかけらも無いけどさ。少し落ち着いたと思ったら、また震えだす。涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を、胸いっぱいに押し付けてくる。それを後ろから、右手で支えてやるくらいしか出来なくて。

 情けないなぁ。本当なら、守らなきゃだもんな。こんな小さく震えて跳ねる体も、誰が守らなきゃって話だもんなぁ。

 そうだよな。俺、男だもんな。

 

 

「……やぁ……っ……え……?」

 

 

 胸元から離れようとしない小さな小さな顔を、ちょっとだけ強引に引きはがす。

 真っ赤になってしまった目元を指で拭い、空いた左手で支えて、悲しみで歪んだ顔に必死な落とし物をひとつ。

 

 男たるもの、好きな女に格好つける時くらいは、自分の事をキ〇タクだと思え。これが、我々男子に代々伝わる魔法の合言葉。

 

 

「……ごめん。今はこれが精一杯」

 

 

 ガラにもなさ過ぎる。でもだって、これしかないじゃん。口で言ったって信じてくれないし、言質取られるようなことは言いたくない。

 昔、イケメンのヤリチンが言ってたんだ。漢なら、時には大胆になるべし。漢たるもの、行動で女の子をリードするべし。とりあえずキスしろ。そう言ってた。マウストゥマウスはまだ早いので、イケメンヤリチン風に言うなら、自分の名前くらいちゃんと書いておけって奴です。そんなこと言えるわけないし、思うわけないだろ。

 あ、ダメ。その場の空気でやっちゃったからもう駄目。お顔がもうまっかっかだし、もう動けないや。終わり。

 

 

「彩ちゃん、アイドルがしちゃダメな顔してるね」

「結局、女の子が一番輝く瞬間って言うのは恋をしている時なのよ」

「あの……二人とも、微動だにしないんですけど、大丈夫ですかね……?」

 

 

 二時間後に日菜さんと千聖さんが引きはがしてくれるまでずっとそのままでした。大丈夫じゃなかったし、その後も大丈夫じゃなかったよね。余計に顔見れなくなったもんね。全然ダメだよね。

 本当に人間慣れないことをするもんじゃないです。これ、今日の教訓ね。




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 浅尾愛斗
 暫く顔は見れなかった。

 丸山彩
 一ヶ月位の間、そこら中でビジュが爆発しているとメイクさんから好評の嵐だった。

 白鷺千聖
 もしかしたらもう一生このままくっつかないんじゃないかとちょっと焦ってるけど、それはそれとして拗らせてる両者を見るのは面白いので一歩引いてニコニコしている。

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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