どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい 作:as☆know
ただおらに書く時間をおくれ…
あと合計文字数が10万超えてました。なんでこんな無駄な才能があるのかちょっと心配になりました(小並感)
八月も後半。SNSで流れてくる投稿は、どれも駆け抜ける夏の思い出ばかり。やれ夏祭り、海水浴、陽キャプール、ハイキング、避暑地でキャンプ……羨ましい~!
そんな同年代を尻目に、僕は一人で羽沢珈琲店です。
みんな涼を求めているのか、店内は中々の混雑具合。喫茶店で席が7割以上埋まっているというのも、中々珍しい。
全国のモラルが怪しい会社員がスタバでMacを開いて仕事をしているのが日常な昨今、学生のみでもある私は、不機嫌を眉間に寄せながら夏の宿題を片付けております。
家でやってもなんか嫌。ギター触っちゃうし、急に掃除を始めたくなる。かと言って図書館まで走るのも、なんだかやりすぎている。馴染みのお店でコーヒーとケーキを嗜みながら、ちょっと洒落た雰囲気でやるくらいが丁度良い。
「ねーねー。そのケーキ、一口貰ってもいい?」
「構わんよ」
「ありがと~! えへへ……」
「カロリーがひとーつ」
一人で来たのは嘘じゃないよ。来たら沢山いたの。
ケーキを落とさないように皿を差し出すと、ウキウキの感情が乗っかったフォークがお出迎え。大きく開いたお口に吸い込まれるのを眺めていると、横からモカが撃ってくる。あんまり女の子にカロリー煽りしちゃダメなんだよ! 男がやったら殺されちゃうんだから。
四人用のテーブルに一つくっつけて、無理やり広げた六人仕様のテーブルには、ノートに筆記具、ケーキ、ドリンク、お菓子。あんまり考えること変わんないんだね。ぼっちなのか友達を誘ってるかの違い。
なんなら入ったときにすぐにあっちの存在はわかったんだよ。でも声かけにくいじゃん。俺が声をかけられているわけではないし、あっちも気まずいかもじゃん。
黙って反対側の席に行こうとしたんだけど、速攻でバイトしてたイヴちゃんに大声であいさつされてバレた。元気に挨拶できて偉い! それがいっちばん大事なんだから接客業。
「夏祭り? なにそれ」
「お前、それ本気で言ってる?」
「愛斗くん、今年に引っ越してきたばっかりなんだっけ」
夏祭りくらい行ったことあるわ! 最後に行ったのは小学生まで遡るかな。
時期的にはそろそろだというのはなんとなくわかるけど、この地域ではまさにこれくらいに行われるんだね。というのを、今の一連の会話で知りました。
普通、友達と夏祭りに行くって話をしてる時に混ぜられると気まずいんだよね。俺は誘われてるわけじゃないし……ってなる。でも、こいつらは違う。ちゃんと誘ってくる。気まずいとかなんも関係ない。
「で、俺にも来て欲しいと?」
「うん! せっかくの夏祭りなんだし、みんなで行けたら楽しいよ!」
「ちな、いつ?」
「今日!」
突発だねぇ。成程、今日どうせ集まるんだから、みんなで集まって夏の宿題進めておこうよって話になっていたのね。
さて、困った。
ここで遠慮しておくよと断ったとする。折角快く誘ってくれたひまり達の顔に泥を塗ることになる。
ここでじゃあよろしくと了承したとする。女の子幼馴染五人組の中に、ポッと出の男が挟まることになる。百合の間に挟まる男撲滅委員会が見たら、間違いなく俺は殺される。
どっちに転んでも中々難儀な道よのぉ……うーむ、死にそうじゃ。でも、せっかく誘ってくれたのを断るのは、やっぱり気が引けるよな……
「じゃあ、少しだけお邪魔しちゃおっカナ?」
「いいね~! 待ってました!」
そこらへんにいそうなおじさんの物まねをしてみたんだけど、何にも触れられなかった。ノータッチでいられるのは困るタイプのボケなんだよね。こいつ、素できしょいんだって思われそうだし、そのイメージを引きずったまま、成人式の時とかで急にこのエピソードを蒸し返されたりして死にそう。
「そんなに喜ぶことかい」
「ひーちゃんはね~。この前の番組で彩先輩にリードされた分、キッチリ取り返そうとしているのだよ。ホームズくん~」
「よくわかんないけど、ホームズって上司側じゃないのか?」
「モカちゃんよく知らない~」
馬鹿で無知は辛いよ。俺もなんもわからん。
シャーロックホームズ自体マジで知らん。なんだっけ? 部下の名前はワトソンとかだった気がする。ワシントンになんか響きの感じだけ似てた記憶だけはある、それ以外知らんわ。ワシントンくん、頼むよ。ピッカァ!(裏声) 何もかも違うな。会社的にはゴッドハンドだったのかもしれない。
「でもあのリードをひっくり返すには、押し倒して既成事実作るぐらいしなきゃダメだよね! 気合い入れなきゃ!」
「へ~、詳しいんだ」
「や、やりかたわかるもん! 保健の授業で習ったもん!」
突拍子もなく下ネタとはいい度胸じゃないの。下ネタってほど下ネタではないけれども。
ここで詳しいんだって言うのも、大分気持ちが悪い気がする。そもそも話に乗ったのが不味かったな。でも乗ってしまったものは仕方がない。こうなったらアクセル踏むしかないもんね。
「そんなお前にいいこと教えてやろう。実際はめっちゃグロいぞ」
「えっ」
「びっくりするくらいグロいし痛いぞ。少女マンガとは違うぞ。血も出るしスプラッタで……ぐしゃあっ! って割けるし……」
「つ、つぐ~!」
「ひまりちゃん……お店の中でそういう話は……」
「おめぇにゃまだはえーよ」
「お前にもまだ早そうだけどなー」
ちょっと稲〇淳二のエッセンスを加えてみるだけでこれだ。もしかしたら、そういう才能があるかもしれん。将来の飲み会とかで使えるようになるかな。
少女漫画やエッチな漫画とは全く違うんだからね。性教育や正しい知識を付けるって言うのも、大事なことなんだよ。将来、真面目な場面で困ったら泣いてしまうからね。子供は授かりものとはよく言ったものである。全ては運次第だ。俺は男だけど。そもそも、高校生で一児のパパになってたまるかって話だ。避妊具は付けようね!
とはいえ、こういう話をあんまりさせないでほしい。顔が見れなくなる。
「てか、さっきからそこで顔真っ赤にしてる蘭ちゃんは来るの?」
「うるさい。変態」
「うわぁ手厳しい」
赤メッシュちゃんは赤メッシュちゃんで、案外こういう話に耐性は薄目らしい。今どきの高校生はマセてるって聞いてたんだけどね。実際はそういうわけでもないらしいね。
隣のモカちゃんを見てみろ。ケロッとしてるぞ、なんて強心臓だ。巴とつぐは結構顔を赤くして恥ずかしがってる。かわいいね。
つぐは想像出来たけど巴も普段の感じと違ってピュアなのね。ギャップ萌え最高じゃね?
「夏祭り、みんなは私服で行くん?」
「ふっふーん。舐めたらいけないよ、愛斗くん! 私達はちゃーんと浴衣着てくんだから!」
「マジかよ! それは普通に楽しみだわ。みんな浴衣なんだな」
「そのとおり~。モカちゃんのセクシーな悩殺浴衣を待ち遠しにしたまえー」
「浴衣で悩殺って、多分違うけどな」
「一応毎年みんな浴衣だからな。特に蘭なんてめちゃくちゃ似合ってたぜ?」
「ちょ、ちょっと巴……」
蘭の浴衣が滅茶苦茶似合っている……? この黒髪に赤メッシュのパンクなお姉ちゃんに浴衣が死ぬほど似合うと。そんな世界線も存在するというのかね。それはめちゃくちゃ楽しみな話やね。女の事はわからないものだ。
「じゃあ俺は早めに退散することにしますよ。先に風呂入っときたいしな」
「うん! じゃあ、5時にまたここに集合ね!」
「おうよ」
そうと決まれば話は早いね。ぱぱっと勉強道具を片付け、手を振ってつぐの店から一旦グッバイ。
服、どうしよっかなー。プライベートでよく使ってる甚兵衛でも着て見ようか。外に来て幾分にも、そんなに違和感はないだろう。
なんてったって、夏祭りだしな。ちょっとくらい、古風な服を着て行ったって、逆に損くらいが丁度良いってもんだろう。楽しみだなー! あいつらの浴衣姿!
「ここらへんだっけなぁ……」
ひまりからいきなりグループで「集合場所変更!」なんてのが来て直前に集合場所変えられることになった俺は柄にもなく集合時間予定では大体ちょっきりに着くことになった。
まだここに来て半年なんだぞ、もう半年かって感じもするけど。
少し迷いながらなんとか集合場所に向かう。
おっ……あの店で合ってるかな……?
遠目だが今日は眼鏡をかけているので割とはっきり見える。というか巴と蘭と思しき人物2人からオーラがすっげぇ漏れてるからクソわかり易い。
待ち合わせに便利すぎるなあいつらのオーラ。
「あっ!来た!」
「遅い」
「悪い悪い……って言っても集合時間ギリギリじゃねぇか……よ」
「……何」
あ、空いた口が塞がらねぇ……。
マジかよ……めちゃくちゃ蘭のやつ浴衣が似合ってやがる……。
赤メッシュは編み込んであり、花飾りのようなものも髪に刺してある。くしかな?そこら辺はよくわからない。
ピンクがかった赤を基調とした浴衣が普段の彼女のイメージより少し柔らかく、女性らしさを普段の何倍も強く演出させる。
率直に言おう。めちゃくちゃ可愛い。というか綺麗、とにかく似合ってる。
「お、お前……ほんとにそんな可愛くなるなんて……」
「……褒められてるのになんかムカつく」
「いやほんとに似合ってる。髪型も可愛いし花の髪飾りみたいなやつも似合ってる。浴衣も蘭らしい色だけどどこか柔らかいしいつものお前とは印象変わるよ正直可愛い」
「そ、そんないきなり……かっ、かわい……」
「もー、まーくんそんなにマシンガントークしたら蘭もけーおーされちゃうぞー」
「……はっ!つい……俺としたことが……」
「なんだろう……この最初から負けた感じ……」「ひ、ひまりちゃんまだここからだよ!」
そんなことは無いだろ。お前ら全員可愛いぞ。
それに俺は思ったことを言っただけである。てかそもそもなぜ勝敗付けてんだよお前らそういうの気にするタイプだっけ?
元々蘭はめちゃくちゃ浴衣が似合うとは聞いてはいたがここまで可愛いとは思うまい。
てかみんな可愛いんだよな。
つぐ以外はみんな髪の毛を編み込んだり髪型を変えてきたりしている。
かと思えばいつもと髪型を変えてないつぐがなんともつぐらしく、なんというかつぐってる。可愛い。大天使。通じるかなぁこの感覚。
女の子って髪型替えるだけで男子をキュンキュンさせることが出来るよな。ずるい。
「てか愛斗もしっかりしたの着てきてるじゃん」
「あっこれ?普段から使ってるやつだけどね」
「浴衣とはちょっと違うよね?」
「ご名答だつぐ、後で綿菓子を奢ってしんぜよう。これは浴衣じゃなくて甚兵衛ってやつだ。通気性抜群だぞ」
みんなもぜひ買って欲しい。和服ってかっこいいし意外に実用性あるんだぞ。
「似合ってますなぁ〜」
「かっこいいよ愛斗くん!」
「そうか?いやー照れるなぁデヘヘへへ」
「キモイ」
「さっき褒めてやったんだからいいだろちょっとぐらい。似合ってるぞ蘭」
「……うるさい」
顔を真っ赤にしてるのが見える。可愛い奴め。
これが世に言うハーレムってやつじゃないか?そうか?そうだよな?
我、浅尾愛斗16歳。この年まで生きていたかいがありますわ。
「じゃあ、集まったしそろそろ行こうぜ!アタシも準備あるしな」
「そうだね!行こっ!」
まぁ冗談は置いておき巴とひまりの言う通りそろそろ神社に向かうか。
もう1時間もすれば日が暮れてくるし、のんびり食べ歩くにはちょうどいい時間だろう。
「あれってなんやっけ?射的?」
「おっ、今年もやってるんだな」
あれからもう30分ほど経っただろうか。
そこら辺で焼きそばやら玉せんやらたこ焼きやらをすごい勢いで吸収するモカちゃんのとんでもない胃袋を目の当たりにしてドン引きしてたり巴のそいやそいや太鼓を目の当たりにしたり等々……色々話しながら歩いてたらあっという間にそんな時間が経ってた。
そんな所でふと見つけた屋台が射的だった。
あれってコルクが思ったところに飛ばないようになってるんだよなぁ。
夏祭りの屋台ってのは基本ぼったくりだからな。この街の屋台めっちゃ良心的な値段だけど。
「おっ巴ちゃん達じゃないの、羽沢珈琲店の娘さんもいるしハーレム君もいるじゃない」
「よっ!おっちゃん今年もやってるね!」
「いつもお世話になってます」
「おっさん最後のだけ納得いかん」
「有名だぜ?巴ちゃん達をはべらせてる男がいるって」
「誤解に誤解を重ねてらァ!」
なんという事だ。俺はそんなに男のロマンになっていたのか。
ほんとはそんなことないという事実をおっさんの顔面に叩きつけてやりたいが、まぁそんなことする訳にはいかねぇからな。
……ん?
「あのぬいぐるみって景品?」
「おう、3つとも景品だぜ」
そこにあったのはTwitterでよく見るキャラがグッズ化したぬいぐるみがあった。めちゃくちゃ可愛い。実はぬいぐるみとか結構好きなタイプなんだよな。
あと理由としては……。
「あのぬいぐるみ可愛いね!蘭ちゃん!」
「うん、取ろう」
「私も取る!」
蘭とひまりとつぐがめちゃくちゃ目をキラキラさせてぬいぐるみを見てたからだな。
あれを喜ばせられなければ男としての名が廃る。
100円で7発、じゃんけんに勝てば10発か。なるほど、カモだな。てか良心的。
「おっさん1回な」
「毎度あり!じゃあジャンケンだ!最初はグー!」
「じゃーんけーん」
「「ポン!」」
「はい勝ちー」
「くっそ〜、仕方ねぇ10回やってけ!」
何故かじゃんけんは昔から強いんだよな。
小さい時からジャンケンで彩を永遠に続くフルボッコにしてた甲斐があった。
てな訳で玉を装填して狙いを定める。
こういうのは初めからブレる前提で話を進めればいいんだよ。
ぐへへ最近P〇BGにハマった男舐めんじゃねぇぞ。
「300円で3つとか天才すぎる」
「愛斗くんありがとー!」
「……」
「大切にするからね!これを愛斗くんだと思って!」
どうやら俺は天才のようである。
あの後10発で1体ずつ綺麗に落としていった。
いや合計でそうなっただけで結構バラついたんだけどな。
いやーにしても喜んでくれたようでよかったわ。蘭なんてずっと無言で抱きしめてる。……これ喜んでるのか?
まぁ離さないしそういう事だと思っておこう。そんなことを考えながら4発目のコルクを銃口に詰める。
ちなみに射的屋のおっさんとのじゃんけんは全戦全勝だった。流石やわ俺。
自画自賛の波に浸りながら俺は9発目のコルクという名の弾丸でターゲットを撃ち抜く。
にしてもほんとにここが良心的なのと今日俺が眼鏡をかけてきてよかった。
コルクもいいのだけ選んではいたが、全体的に状態がよかった。You〇ubeで射的の極意的なの見たのが役に立つなんか人生わからんものやな。あとメガネは大事ってはっきりわかんだね。よく見えるし。何よりよく見える。
残りの1発は適当なお菓子でも落とすか。
あい、perfect。
「くっそーお前のせいで赤字だよ坊主、よくやってくれたなぁ!」
「つぐ達が喜んでるんだから許してつかぁさい」
「よくやった」
「あざーっす!」
そんなわけでビニール袋に入った景品を受け取った俺はafterglowの輪に戻りながらビニール袋に手を突っ込んで5つほど例のブツを取り出す。
「ほらよ、ちゃんと取れよ」
「おっと」
「うわわっ!」
「えいっ」
「おう」
「……何これ」
投げたのは夕日がデザインされた缶バッチ。サイズ的には普通のよりも一回りほど小さい。
「思い出だよ、キモイなら捨てりゃあいい。取れそうなもんは取っておいて損はねぇだろ?」
6つめの缶バッチをフリフリ振りながらそう言う。
缶バッチならギターやベースのストラップとかケースにも付けられるからな。一口サイズだ。食えねぇけど。
正直こんなことをやるのはめちゃくちゃ臭いので取るか迷ったけど嫌なら捨ててもらえばいいかって考えで取る事にした。
射的が楽しかったとか取れそうだったって訳じゃないぞ。嘘です2割くらいそれです。
「……捨てるわけないでしょ、大切にする」
「そうだよ!それになんかこういうのいいじゃん!チームの絆的な感じで!」
「お前が言うと軽く聞こえるな」
「なんでよー!」
ほんとに彩とリアクションがそっくりである。楽しい(小並感)
ひまりと話しててよくあった既視感はこれだったんだなと納得である。
にしても見た感じみんな嬉しそうである。よかった、キモがられないで。マジで一安心である。
「……うん、ありがと。愛斗」
「……おう」
そういう蘭はぬいぐるみとか缶バッチをキュッと抱きしめニコッとほほ笑みかける。
っべえええええええええええ!!!!なんだよその笑顔はあああああああああ!!!!
胸がどっくんどっくん言ってるわエグすぎる。
なにこれ蘭ちゃんこんな可愛かったっけ?浴衣で5割増ぐらいしてる気がする。
いや嘘だわ元々可愛いから1.2割増位だわ。いや嘘だわ浴衣の効果はやっぱ凄いわ。日本語って難しいな。
とにかく俺が言いたいのは蘭が可愛すぎて困る。
もう驚愕しすぎて思春期の男の子みたいな反応しか出来ねぇから、マジで。
今俺の顔真っ赤なんだろうな。
この前の彩の風呂の時もそうだが、神様は女の子がワンポイント加えただけでとんでもない破壊力抱けるの明らかに調整ミスだからアプデして調整した方がいい。
男側の心臓が持たない。
「むー、蘭が抜け駆けしたー!私も嬉しいよ愛斗くん!」
「良かった良かった」
「でへへへへ……」
なんか意気揚々とひまりが来たけど頭を撫でてあげたら簡単に折れた。
ひまりちゃんちょろすぎんか。可愛いから今度コンビニスイーツでも奢ってやろう。
「おーおー、お熱いですなぁ〜」
「そろそろ花火の時間だぜー、いつものところ行こうぜ!」
「いつものところぉ?」
「ふっふーん!ちゃんと特等席は用意してあるんだよ!」
「昔からずっと行ってる所だけどね……」
はえ〜そんな所あるのか。
流石は幼少期からの仲良し5人組である。こういう所は地元組に任せるべしべし、蘭やひまりだけなら心配だがしっかり者の超絶オカン属性持ちである巴もいるからな。安心である。
あれから巴達に言われるがまま屋台の立ち並ぶ所から脇道にそれ木の生い茂る道を進んでいく。
こんなところ歩いていって浴衣とか破れないのか心配になるが何故か人一人通れる獣道みたいなのが出来ておりそこを一列で進んでいく。
ちなみに俺が最後尾だ。なんかあった時に危ねぇからな。後ろからくる不審者はぶん殴る。喧嘩あんましたことないし弱いけど。
暫く進むと獣道が終わり少し開けた原っぱのような場所に出る。
森の中に一部分だけ出来たような場所である。
かと言って真っ暗な訳ではなく。屋台や商店街などの明かりで原っぱの周りだけが照らされている。
ほんとに秘境みたいな場所だな。
「はえ〜神社の裏?にこんな所がねぇ……。というかよくお前らあんなもん木が生い茂ってるところで迷わねぇよな」
「先人達の知恵ってのがあるからな!アタシ達の街にいる子供達はここら辺でよく遊ぶんだよ」
「花火がきれーに見れるのはあんまり知られてないようですけどなー。モカちゃん達の特等席なのだ〜」
「つぐー、あとどんくらい?」
「そろそろじゃないかな?」
「今何分やろ……」
スマホで時間を確認しようとズボンのポケットに手を突っ込むと同時にドォン!という轟音が聞こえる。
「来た!」
「おっ……」
胃に響くような轟音の後にはパァンと言う爆発音と共に綺麗な花が夜空に開く。
その後も後に続くように次々と夜空にいくつもの花火が舞い上がっていく。地元のよりもすげぇな……。
横をちらっと見ると花火の明かりに照らされるみんなの顔が映る。映えるな、やっぱ。
神様に調節しろとか言ったがやっぱしなくていいわ。こんだけ可愛いし綺麗なんだからそんなことしなくてもいい。勿体ない。
この花火をこいつらと一緒に見れたから思い出も倍増だな。
「たーまや〜」
「たーまやー!」
モカとひまりが楽しそうに空に向かって叫ぶ。モカは叫んでるのか?なんかそのままひゅーんと落ちていきそうな勢いだけど。
「綺麗だな」
「……うん」
そういう彼女の横顔は普段のクールでツンケンした態度とは裏腹に、赤メッシュが入ってる癖に、古き日本の大和撫子のような雰囲気を出していた。
それに今日の蘭ちゃんはやけに素直だな。花火に影響されてるのかもしれない。
「ねぇねぇ!蘭達も言ってよ!たーまやー!って!お約束だよ?」
「あ、あたしは別に……」
「蘭ちゃんもやろうよ!」
「つ、つぐみまで……」
最終手段なのか、俺の方を蘭が向いてくるがこの時点で4対2だ。王手だからな詰みって奴だ。
「諦めろ、ほら来るぞ」
「〜!」
なんかぽかぽか叩いてくる。
ハッハッハ、カユイカユイ。
今日のパンチは腰が入ってないから全くもって無意味、ノーダメである。
「ほらそろそろ来るよ!」
「あれが最後の一発じゃーない?」
「ほらやるぞ!蘭も愛斗も!せーの!」
「「「「「「たーまやー!」」」」」」
最後の爆音とともに俺たちの声が原っぱに響き渡る。
オチもないひと夏の思い出。
まるで少年漫画かなんかの青春の1ページのような光景を刻んだ。
次の日ギターのストラップに缶バッチを付けた俺は何故か恥ずかしくなり家で悶え死んだ。
過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。
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今のが好きなので書き直しておk
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昔のが好きなので書き直したらアカン