どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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これで1ヶ月連続毎日投稿です☆
今の一定の流れが終わったらどこかのタイミングで毎日投稿切りたいでごわす。


弾き語りは見た目以上に難しい

「やっと終わりだぁ……」

「いやー早いね、一週間☆」

 

 

 俺はめちゃくちゃ長く感じたんすけどね。

 地獄の月曜をすごし何やかんやもう金曜だ。

 

 いやー辛かったね、辛かった。

 水曜までは毎回のように囲まれたからね、1番キツかったのは時たま出てきて一瞬のうちに教室に引き込んでくる日菜さんとリサ姉なんだけどな。怖すぎる、1種のホラーだぜありゃあ。

 急に引っ張りこまれて何されると思ったら考える間もなく囲まれて質問攻めだもんな。

 

 この期間もう文化祭の準備が始まっていく時期であり、なんやかんや建前だけとはいえ下見に来てもよかったと思っている。

 ただどう考えてもこれは俺がやる仕事じゃねぇけどな!

 まぁ囲まれる以外は屋上で蘭と駄弁るか寝てるか学校中回って下見したりしてたんだけどな。

 何やかんやサボれたし女子高であること以外は完璧だった。

 蘭たちの顔も毎日見れたしな。

 

 

「……てか、リサ姉なんでここにいるんすか」

「えーっと……サボり?」

「えぇ……」

 

 

 そんなこんなで今はサボりの時間だ。

 屋上の壁に腰掛け空を見上げてる。

 ここに来てから6時間のうち4時間は授業or下見、2時間はサボリが定着した。花咲川に行ったらサボりの時間が増えそうだな。

 にしてもリサ姉もサボることがあるんだな。

 日菜さんとか蘭とはちょくちょくここ、屋上で会うがリサ姉は初めてだ。

 

 リサ姉は絞めるところはしっかりやってるタイプだからな。見た目がギャルなだけで中身は俺の知り合いの女子の中でも屈指の人物だ。つぐや巴に次ぐレベル。

 イヴちゃんや麻弥さんや千聖さんも……いや、千聖さんはダメだ。

 あの人はなんか裏で色々してる。今回の件に関しても彩に仕込んだのは恐らくうちの事務所とあの人だろう。

 あの人プロ意識の塊なのに身内のボーカルがスキャンダル起こしてもいいのかよ。そのうち文春砲が来るぞ。

 

 

「……てかさ、愛斗はなんでギター持ってるの?しかも珍しくアコギじゃん」

「あっこれすか?最近屋上で弾き語りするのがマイブームなんですよね〜。まだ昨日やったばっかりですけど」

「マイブーム始まってるのそれ?」

 

 

 自分でマイブームって言っておいてなんだけど、出発点に立ってるかすら正直疑問。

 

 てかロマンあるやん?

 晴れた日の穏やかな風の吹く屋上で、黄昏ながらアコギ弾きながらスローテンポでのんびり歌うって厨二病関係あるかないか知らんけど男のロマンじゃね?

 

 実際昨日1人で奏歌ったら糞みたいに気持ちよかった。

 俺に隠れて屋上に来ていた日菜さんに隠し撮りされてたけどあれはもうなかったことにしよう。じゃあなんで覚えてるかって?勘のいいガキは嫌いだよ。

 最近そういうことに耐性がついてきたんだよな。黒歴史が1人だけだったら別になんともないしな。

 その後パスパレと何故かRoseliaとafterglowのグループLINEに動画が乗って無事逝ったけど。

 

 Roseliaはまだ分からんでもない。紗夜さんがいるから日菜さんが直接LINEしたか話したんだろう。

 afterglowにはどうやって行ったんだよ。接点とかあこと巴くらいしかなくないか?

 いやむしろそこしかない気がする。

 リサ姉とひまりのリア充繋がりとつぐとイヴちゃんのバイト先繋がりくらいしか思い当たる節がない。

 寧ろそこしかないけどイヴちゃんがつぐに俺の弾き語りなんて送るか? なんか送りそうだな。前言撤回。

 

 とりあえずどっから漏れたかわかんないけど女のネットワークの広さは強いとだけ学べた。元から知ってたけどね。

 

 

「まぁアタシは昨日の動画を見たからわかってるんだけど〜」

「あれは忘れてくださいほんまに……」

「いいじゃん☆ かっこよかったよ〜」

「勘弁してくれ……」

 

 

 リサ姉がにししと小悪魔の笑みを浮かべる。相変わらずとても可愛らしいお顔をしていらしてる。

 

 彩やひまりやつぐとはまた違った可愛さだよな。だからと言って蘭や友希那さんや紗夜さんともまた違った可愛さだ。うーん、誰のタイプの可愛さだろうか。

 あの小悪魔的可愛さはリサ姉だけの特権だろうか。それくらい可愛い。

 

 なーんで彼氏作らねぇんだろうなー。

 女子校とはいえリサ姉くらいの顔と性格ならいくらでも彼氏作れそうなのに。

 友希那が止めたりしてるのか?流石にねぇな。俺だったら殺してでもマジになって止めるけど。

 リサ姉みたいな幼馴染がいたら絶対付き合ってるわ。

 一応今現在俺にも幼馴染なのかすらもわからんようなピンク頭がいるがありゃあ駄目だ。

 彼女以前に妹か近所の可愛い小学生にしか見えない。

 それも兄ちゃん大人になったら結婚しよー!って言ってくるタイプのだ。

 

 お前らそんな純粋な目をした子どもを女の子として見れるか?俺には無理だ。

 なんでこんな話を俺はしてるんだ。

 

 閑話休題。

 

 

「それで今日はなんか弾かないの?」

「1人だったら弾こうと思ってた」

「いいじゃん弾いてよ〜」

「人の前で歌うのは恥ずいんだよ……」

 

 

 ライブの時はそんな事ないのにな。

 知り合いに聞かれるのが何よりも緊張するってそれ1番言われてるから。

 あと、ライブの時は相手がめちゃくちゃ多くて何となく自分とは関係ない人達に思えるけど、マンツーマンだとそうはいかないからってのもある。

 

 

「ほんとに……ダメ?」

 

 

 いつの間にか俺の右隣に座っていたリサ姉に上目遣いで首を傾げながら見上げられる

 この角度は不味い、1番可愛く見える角度だ。

 

 これはやばい、あざと過ぎる。

 彩やひまりもよくやってくるけどこれあれか、自撮りのやつか。頼むからこんなのに使うために応用しないでくれ、オーバーキルすぎる。どうやって断ればいいねん。

 そもそも俺は女性からの頼み事を結果的に断れないことが多々あるのだ。

 この街に来てからはそれがかなり目立つ。まぁ学校以外で関わる人が殆ど女子だし必然的といえば必然的。

 

 

「……1曲だけっす、あと撮影は駄目。絶対」

「ほんと!ありがとー!」

 

 

 ほらな?簡単に折れた(白目)。

 嬉しそうな笑顔を浮かべたリサ姉は俺の向かいに来るように格子に背を向けて体操座りをする。

 下着だけ見えないようにマジで気をつけて欲しい。

 

 そんな訳で決まってしまった観客はリサ姉だけの単独ライブ。

 弾いてよって頼まれた時点で規定路線だっただろって思ったやつ出てこい。一応抵抗してるだろ、一応。

 

 アコースティックギターのチューニングを慣れた手つきで終わらせ、4弦にカポをつける。

 カポって言うのはあれな?アコースティックギターのネックによく着いてる黒だったり銀色だったりするあのでかい洗濯バサミみたいなやつな?

 エレキでもサブギターの人はたまに着けるけど俺はあんまりつけない。付けることもあるっちゃあるんだけどな。

 

 

「何歌うか聞いてもいい?」

「なんでもないやって曲です」

「あー、あの話題になってた映画の」

 

 

 そうそう、あの有名な曲ね。

 主題歌の方がめちゃくちゃ有名になったけど、なんでもないやとスパークルと夢灯籠もめちゃくちゃいい曲だからな。ぜひ聴け。

 本来、俺がアコギで弾き語りする曲は殆どがゆったりした曲、例えばラブソングとかが中心なんだけどな。

 マンツーマンの時にラブソング歌うとなんか勘違いされそうで俺も勘違いしそうになるからやめとく。そんな勇気ないからな。

 

 軽く声を出しながら昨日思い出したばかりのアコギの弾き方を再度体に思い出させる。

 俺はアコギでピックは使わない派だからな。エレキの時とは全く違う弾き方になる。

 昔は爪がボロボロになるから目立たないマニキュアとかで爪をケアしたものだ。今ではアコギなんて滅多に弾かないので爪のケアなんてほとんどしないが。

 

 ふっと一息吐き、体と心を落ち着かせる。やっぱ緊張するな。鼓動を抑えないと走っちまいそうだ。

 頭の中でテンポを刻む。

 このテンポだぞ、よく覚えろ。アコギで弾き語る時は遅すぎるくらいでいいんだ。原曲より遅くてもあんまり違和感ないからな、早いと違和感やばいけど。

 ここにはないドラムの代わりに、アコギのボディを爪で3回叩いて口を開く。

 

 

『二人の────────』

 

 

 語りかけるように、柔らかく、とにかく柔らかくゆっくりとはじめる。

 弦を弾き一つ一つの音を出す。

 一定のテンポを崩さぬよう、胡座をかいた左足をゆっくりとしたテンポで上下させメトロノームの代わりにする。

 アコギ一本でギター、ベース、ドラムの三役を背負わせる。そんなの無理だしリズムキープは体で。

 

 歌うのではなく、とにかく語りかけるように。

 弾き語りだけに限らないが歌を歌う上で大切なのは歌うだけでなく、どれだけ歌声に気持ちを乗せれるかだ。

 俺の中ではどれだけ歌が下手くそでも観客の心を動かすことの出来る歌を歌えるやつがボーカルってやつだと思っている。

 目を瞑り、歌詞を一言一言を紡いでいく。ギターの音は添えるだけ。唄声を隣の橋まで渡す船にする。

 

 サビでは力強く。聞き手に直接届けるように。尚且つ走らないようリズムキープは体で覚えさせる。

 声とギターは落ち着いてやればズレたりなんかしない。一心同体ってやつだ。

 考えるな感じろってそれ1番言われてるから。

 

 目を瞑り、忙しなく動く両手と一定のリズムを刻み続ける左足を尻目に、頭には歌詞だけが浮かべる。

 満点の青空広がる屋上で、1人の青年のギターの音色と声色だけがただただ響き渡る。

 俺が目指していた青春の1ページとは言うのはこういうことなんだろう。

 正直やっぱりめちゃくちゃ気持ちいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……めちゃくちゃ上手いね」

「……お粗末さまです」

「そんなに恥ずかしがらなくていいんじゃない……?」

「いや、恥ずかしい。穴があったら入りたい」

 

 

 そんな訳で歌い終えた。

 それはいいんだ。めちゃくちゃ気持ちよかったよ、うん。

 歌い終わった5秒後くらいまではクソ気持ちよかった。

 

 だがそこから賢者モードに叩き落とされた瞬間、めちゃくちゃ恥ずかしくなったね、うん。くっそ恥ずかしくなった。

 今現在俺はアコギを抱きしめて顔を真っ赤にしてる。

 そしていつの間にか俺の隣に戻ってたリサ姉にめちゃくちゃ頭撫でられてる。

 あぁ、落ちつく。俺って頭撫でるのも好きだけど撫でられるのも好きかもしれん。

 彩の甘やかし方が悪い。そうだ、そうに違いない。なんか彩やリサ姉のせいで変な性癖みたいになっちまってる。

 直した方がいいかもしれない。

 三十路とか越えてきてからも頭撫でられるのが癒しとかヤバい。てかそんなことしてくれる相手がいるのか。そもそも結婚できてるのか心配になってくる。

 将来お先真っ暗やん悲しい。

 

 

「にしてもアコギもあんなに上手いんだね〜」

「元を辿るとアコギからいろんな楽器に手を出しましたからね……」

 

 

 元々の俺のルーツはアコギだからな。何度も話した気がするしもう詳しくは言わないけど。

 

 にしても今日はかなり青春した気がする。

 最終日にふさわしい。たまにはこんなハッピーエンドもいいんじゃないだろうか。

 実はこれ5時間目だからあと1時間授業残ってるけど。

 まぁ男は細かいことを気にしたらいけない。いいね?

 まぁ休み時間のチャイムが鳴るまでこの幸せ空間でのんびりしよう。リサ姉も何も言わずにずっと頭撫でてくれてるしありがてぇ。

 なんならこのままウトウト気持ちよく寝落ちしても……。

 

 

「マーくん!リサちー!授業抜け出して来ちゃった!……って浮気現場差し押さえ!彩ちゃんにLINEしなきゃ!」

「ちょっと待て人が感傷に使ってる時にあんた何してくれとんじゃあああああああああああああ!!!!!」

「あっはっは!相変わらず締まらないねぇ☆」

 

 

 家に帰ったら待ち伏せされてた彩に死ぬほど付きまとわれた。

 羽丘での日々も終わったばっかりなのにどうなってんだ。しかも来週からはこのアホピンクがいる花咲川だぞ。

 体が持つ気がしねぇ。

 

 あと日菜さん突撃のタイミングが完璧すぎる。

 怖ぇよ。どうなってんだ仕込んでんのか?

 あと彩がマジで離れなくて困った。

 最終手段で千聖さんに回収させたけど、回収されてく様が幼稚園の受け渡しで親から引き離される幼稚園児みたいだった。

 可愛い。

 

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

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