どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい 作:as☆know
ちなみに同じ人には連続で喋らせないようにしてあります。カギカッコが変わったら違う人が喋ったと思ってください。
いつもよりぶっといカッコの時は電話越しだったり回想だったりしてます。
これもっと早い段階で言うべきだね(白目)
右打席に入り右足で土を掘り軸足を固定する。足は開かず、スタンダードに。
体の前でバットをくるくる回し力を抜いてリストを柔らかくする。2.3度回すと体の前でバットを構え、大きく息を吐き肩の上あたりまでバットを上げ、力を抜くように右手で軽くバットを遊ばせる。
「っしゃこーい!」
「いくよー!」
元気な掛け声を出すと同時にキレイなウィンドミルのフォームからアンダースローのような角度で野球ボールより一周り大きいボールがリリースされる。
それに合わせるように地を這うように低く左足を浮かせ、バットを一度、体の前に戻してタイミングを取り、そのままスイングの体勢に持っていく。
最近流行りのヒッチコック的な何かを真似しただけだが。
腰から上半身に力を伝える。
膝元ギリギリに来たボール目がけてスイングされたバットは見事に空を切り、ボールがミットに収まる乾いた音が後ろから聞こえる。
「つーすとらーいく!」
「くっそ……やっぱはえぇな……舐めてたわ」
打席を外しもう一度、ゆっくり自分のスイングを確認して打席に入り直す。相手が女の子だろうと勝負はガチでやるのが俺の主義、心の男女平等。
俺はあのラノベのクズマさんリスペクトで場合によっては女性だろうがドロップキックを食らわせる覚悟がある男。
このまま三球勝負で終わる訳にはいかねぇ。
ふっと息を吐き投手のはぐみををじっと見つめ集中する。
笑顔は絶やさないまま、じっとこちらを見つめている。
楽しんでいる様子が簡単に見て取れる。俺もめちゃくちゃ楽しいからな。
最近ガチで体育をやることが増えてるがやっぱり本気で運動するのは楽しい。
蘭対策でやった筋トレがこんな所で活きるとは。
誰にも追えぬ右中間 狙いを定めて 弾き飛ばせ 寺内崇幸。
俺、巨人ファンじゃないんだけどな。野球知らねぇ人は寺内って誰だよって思っているだろう。ちょうど誰だよって思われやすい苗字してるし。応援歌地味にかっこいいから聞いて、どうぞ。
そんなわけで狙うは右中間。左中間なんて知るか。女子相手に速球合わせて逆方向になんて真似はしねぇ。狙うは右中間レフトスタンド。
男は黙って引っ張り込め。
「いっくよー!」
「うっし!」
キレイなウィンドミルのフォームから再度豪速球が放たれる。
野球より球速だけなら遅いけど体感はめちゃくちゃ早いからな。
先程よりも高く腰の辺りに来たソフトボールに対して左足を踏み込みボールを体の前で確実に捉える。
力強く踏み込んだ左足から腰の回転右腕の上腕二頭筋。ありとあらゆる力をこのインパクトにこめる。
「完璧ィ!!」
「わっ!?」
限界まで体を開かずに振り切った左手のフォロースルーの先に白球が見える。
ボールはレフトを守ってる子の頭の上を超え、二年の校舎の壁にぶち当たる。窓に当たらなくて良かった。マジで。
あの教室って花音さんと千聖さんがいる教室だっけ?千聖さんは大丈夫だろうが花音さんには悪いことをしてまった。
横の教室でめちゃくちゃ手を振ってるピンク頭がなんか見えるな。
普段なら無視するが散々苦戦させられたはぐみの豪速球をスタンドインさせた快感の方が上だからガッツポーズで返してやろう。俺がデレるのは珍しいぞ。5年に1度だ。
「凄いねぇ、完璧じゃん」
「あそこまで飛ばせるもんなんだな……やべぇんだなお前……」
「にしし……伊達に上にでかくねぇんだよ」
ダイヤモンドを一周してホーム付近で待ってた沙綾達とハイタッチを交わす。
ホームラン打った後のこの瞬間もまた一興だよなぁ……。
「もー悔しい!まーくん!もっかい!もっかいやろー!」
「もう手が痛てぇ……俺投げてやるからはぐみ打てよ」
やったーと手を上げて喜ぶはぐみが可愛い。
打たれた後なのに中々のメンタルしてるよな。
プロになったら杉谷みたいなムードメーカーになれそうだな。杉谷って誰だよって人は年末のリアル野球BAN見ような!
ちなみに上投げではぐみとガチ勝負したら高めに入ったチェンジアップを完ぺきに捉えられて、痛烈な打球をレフト線に打たれた。シンプルにショック受けたわ。
はぐみ運動神経良すぎる。
「メイド喫茶?」
「うん!愛斗くんにも来て欲しいなって!」
花咲川にはカフェテリアがくっ付いており。
昼食はそこで食うのが花咲川の生徒にとっては鉄板になっている。学食の強化版みたいな感じだな。
運動部の子しか頼まないというラーメンセットを頼んだ俺は、彩に誘われるがまま2年生集団の中に組み込まれた。
紗夜さんと燐子さんよく来たな。断っても誰も文句言わねぇぞこの状況。
「ほーん……」
「えっ何か言うことないの!?」
「紗夜さんのメイド姿楽しみ」
「ちょっ……!?」
普段クールビューティーの紗夜さんのメイド姿とか見た瞬間倒れる自信あるからな。
なんか彩と千聖さんは固まってるし紗夜さんもなんか固まってる。
みんな仲いいな。
醤油ラーメンうめぇ、このジャンク感がいいわ。
「あのですね愛斗さん……そのような人を勘違いさせるような発言は……」
「いやお世辞無しに紗夜さんのメイド姿が一番楽しみですよ?ぜってぇ可愛いし」
あっ、紗夜さん黙った。
あんまりにも褒め過ぎたのか顔を真っ赤にしてショートしてしまった。
頭から湯気が見える。今度から紗夜さんのことをめちゃくちゃ褒めてあげよう。可愛い。
「わ、私は!?私のメイド服は!?」
「仕事柄上何時でも見れそうだし俺がなんか見たいって言ったら即行着てきそう」
「言われたら着るよ当たり前じゃん!そのままバッチコイだよ!」
「まず断れや。なぁ、NOって言える人間になろうぜ」
「NO!」
こいつ小賢しい手を使いよる……!彩が男ならぶん殴ってた。
彩のメイド姿はなんかいつでも見れそうなんだよなぁ……。まぁ俺メイド姿がめちゃくちゃ好きって訳でもないから別にそこまでって言うのが本音である。
男のロマンではあるけどな!
男のロマンなのに興味自体はあんまりないってこれもうわかんねぇな。
にしても最近こいつの暴走加減がトー○スも真っ青の暴走蒸気機関車と化してきたな。そろそろ止めねぇと不味いぜおい。
チャーハンうめぇ。
「そう言えば、千聖ちゃんのクラスは何やるの?」
「私?私たちのクラスは……えーっと……」
「た、確か演劇だったような……」
「はえ〜演劇」
文化祭では色んなことをするんだなぁ。俺、今年が初文化祭だからわかんねぇや。俺達のクラスの出し物どうすんねやろ。
俺がいない間にとんでもない出し物が設定されてそうだよな。うちのクラス俺含めバカばっかりだからやりかねん。
にしても千聖さんの男装想像したらめちゃくちゃ似合いそうである。
身長以外完璧だからな。亭主関白のオーラが見える。
ちょっと千聖さん?なんか目が怖いよ?こっち見ないで千聖さんすいませんでしたマジで。怖いっす千聖さん。
千聖さんって身長だけなら彩より小さいんだよな。すげぇ意外だけど。
薫さんと並んでるところ見たことあるけどほんとのカップルにしか見えない。
千聖さんなんか目からビームが出そうなくらい怖いっす。アル○ックビーム出そうです。
まぁ地球上で最強の女の人は吉田○保里なんですけどね。あれは無理だよ。タックル対策されたからみんなタックルでなぎ倒したとかマジでラスボスの風格だよ。
「んんっ、まぁいいわ。それで愛斗くんは文化祭にやる曲決めてるのかしら?」
「えっ、なんすかそれ」
「文化祭の日には3日で2バンドずつライブするのよ。1日目が美竹さん達のafterglowと私たちRoseliaが羽丘で」
「2日目には香澄ちゃん達のポピパと私たちのハロハピがやるよ」
「それで!最終日の三日目が私たちパスパレとまーくん達の黒歴史ってわけ!」
「おい、俺たちのバンドの略称黒歴史になってんのか」
ふざけんなバンド自体は黒歴史になるような事してな……。
いや待て、そういや俺って毎回ステージで客煽りまくってるな。
控えめに考えて周りから見たらあいつイキってんなー感でてるかもしれない。
「スゥー……いや、なんでもない」
「嘘だ!」
「彩、ちょっと黙ってろ」
この野郎、相変わらず察しが良すぎる。
少し整理したがまぁライブハウスでならあんだけ煽ってもいいだろう。
文化祭ではどうしよっかなー俺もなー。
まぁ前のパスパレの盛り上がりしだいで決めよう。
パスパレで鬼みたいに盛り上がってたら、後は野となれ山となれだ。ノリと流れだけでどうにかなる。
取り敢えず早急に三曲決めなければならぬ。後でLINEでやりたい曲メンバーに聞いておくか。
「あとアンコールの曲も決めなきゃ駄目よ?」
「アンコール?来るかわからないじゃないっすか」
「こういうのは少しでも想定できることには対処する術を考えておくべきよ」
「今年のアンコールはそれぞれのバンドが同時に1曲やることになってるんだっけ……?」
「じゃあうちはパスパレとやるんですか?」
「そういうこと!またデュエット出来るね!」
こんな早くデュエットする機会が訪れるとは思わなんだ。
にしてもやる曲ねぇ……。
「彩、なんかやりたい曲ある?」
「やりたい曲?うーん……」
「メルトとかどうかしら?」
「千聖ちゃん、それどんな曲?」
「こんな曲よ?」
そう言うと千聖さんはスマホにイヤホンをさして彩と俺に差し出す。
「いや俺はいいっす。知ってるんで」
「いいからいいから。おさらいよ」
ニッコニコの千聖さんに言われるがままイヤホンを左耳につける。
彩は右耳にイヤホンを付けて上機嫌に体を寄せてくる。
ここでいつもなら抵抗するがラーメンこぼしたら一大事だからな。不可抗力で動けねぇ。理不尽。
「それじゃ、流すわね」
軽快なメロディと機械音のような独特のボーカロイドの声が聞こえる。
相変わらずガッチガチのラブソングだな。聞いてるだけで胸がキュンキュンする。
この曲が作られたのが何年も前になるとか音楽は年齢を感じさせない。
これが音楽のいい所である。
何年何十年経っても色褪せることなく、聞き手の心に染み込む。それが音楽であり、後世に語り継がれる名曲と言うやつだな。ロマンだ(確信)。
「マーくん!これやろ!これがいい!」
「おう、じゃあ言っとくわ」
アレンジも今のうちに考えといた方がいいな。
今日はバイト入ってたしそんときにやるか。ワクワクさんに手伝ってもらおう。
でもこの曲を歌うのかぁ……。ガッツリラブソングを彩と歌うのはなんか小っ恥ずかしい。
いや俺が何歌いたい?って聞いたから今更変える予定なんかないんだけどね。
そんな訳で帰宅してから色々やるつもりだったがその日のうちに屋上に抜け出し早速いろんなフレーズを考え出した。
何やかんや楽しみだしな。なお彩に待ち伏せされてたので辞めたら泣きつかれて、結局一緒にやらされた模様。
こういうのは裏でやって本番でかっこよく決めつけるのがいいのに締まらねぇなぁ……。
過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。
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今のが好きなので書き直しておk
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昔のが好きなので書き直したらアカン