どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい 作:as☆know
ある定休日の商店街にある喫茶店。
そこの厨房に茶髪でツーブロックにしたチャラい男がどう見ても見た目に遭わないエプロンを身につけ、鍋を振っていた。
似合わねぇってどう言うことだ。
こんなんでも普段から料理してるんだぞ。エプロンは似合わねぇから普段はつけないけど。
「そんなわけで誰でも簡単!プロみたいなオムライス作り〜!」
「わー!」
一緒に厨房にいるつぐが拍手しながら合いの手を入れてくれる。
優しい、天使。
まず熱したフライパンにバターを入れて溶かす。
そこに鶏肉とみじん切りにした玉ねぎをぶち込んで炒める。
鶏肉に火が通り、玉ねぎの色が変わってきたら目分量で塩コショウを入れて下味をつける。
男の料理といえば目分量ってはっきりわかんだね。
ちゃんと測ったこととかほとんどないよ。
「愛斗くん料理出来たんだね……」
「俺も一人暮らしだからな」
俺が玉ねぎを炒める様を心配そうに眺めていたつぐが俺の横からひょっこり顔を出して、フライパンをのぞき込む。
可愛い。流石天使。つぐリエルとかいるんじゃないだろうか?今、俺の隣にいるけどな(ドヤ顔)
具が用意出来たら、玉ねぎと鶏肉が入ってるフライパンにそのままアツアツご飯をぶち込み均等に混ぜる。
この時切るようにやるのがコツだゾ!炊飯器で炊いたばかりのご飯を切るように混ぜるのと一緒な。
そこにケチャップを気持ち多めに入れてチキンライスを作っていく。
本当はグリーンピースも入れたいんだけどな。嫌いな子供も多いし入れなくてもいいだろう。
究極系を求めるなら鶏肉だけのチキンライスを作ればいいんだけど、玉ねぎを入れることで食感に変化が生まれるからな。火を通せばえぐみも無くなるし。
そんなわけで美味しいチキンライスの完成。取り敢えず皿に移す。
「はいつぐ、ちょっと食ってみ?」
「えっ?あっ、うん!……ん!美味しい!」
「よし」
取り敢えずチキンライスを移した皿をつぐに手渡す。少し驚きながらもスプーンで一口パクリと食べると驚いたように美味しいと言いながら目を輝かせてた。
おっけーおっけー。完璧だ。
おれもちろっと食ったけどしっかり美味かった。目分量バンザイだ。男の料理は目分量ってそれ一番俺の中で言われてるから。
そんなわけで卵をときます。贅沢に1人前で二個使うぞ。
この卵はとにかくしっかり混ぜる。空気を含ませるように白身と黄身の区別がつかなくなるくらい混ぜたら、牛乳を入れて、再度混ぜまくる。
それが終わったらフライパンにバターを多めに入れる。サラダ油でも全然いいぞ!
バターが溶けてくるか、油の場合は油が熱してきたら卵を投入。
スクランブルエッグを作る要領でかき混ぜながら少しずつ下の方を固めていく。
ここでヘラの登場。慌てず騒がず落ち着いて、ゆっくりと卵を丸めていく。
ある程度整形したらフライパンを持つ手をヘラを持つ手でコンコンとノックしてやる。この時ちゃんとフライパンを持つ手は固定しとけよ!意味ないからな!
すると勝手に卵が回って綺麗なオムレツができる。
「ナイフ入れるぞ……」
「うん……!」
あとは予め用意しておいた一人前のチキンライスにオムレツを乗っけて、オムレツにナイフを入れる。
「おぉー!とろとろだ!」
「実験は成功だ」
ドヤ顔でオムレツを開くと中からとろとろの卵が出てくる。この瞬間が一番好き。高級料理店のオムライスってまさにこんな感じだよな。家で作れるのに。
最後にデミグラスソースを掛け、その上にコーヒーフレッシュをサッと垂らしてパセリを振れば……。
「ほい完成。素人でも作れるプロっぽいトロトロオムライスの出来上がり!」
「わー!」
「あと1個くらい作るからもうちょい待っとき、これつぐの分ね」
「うん!ありがとう!」
「いいってことよ」
こんなにガッツリオムライスを作るのは文化祭以来だから腕がなる。
家だと1個作ってはい終わりだからな。
何気に何人前も作るのは骨が折れる。
まぁ楽しいからいいんだけどな!
エプロンを取り皿をふたつ持つとお客のいない店内に1人ポツンとカウンターで項垂れている黒髪短髪赤メッシュの元へ向かう。まぁ目の前にいるから回り込むだけなんだけどな。
パソコンに繋いだヘッドホンをつけたまま死んでる。返事はないただの屍のようだ。ヘッドホンつけてるから聞こえないだけやろけど。
耳につけてるヘッドホンを取りパソコンごと端に寄せ、空いたスペースにオムライスを載せた皿をゴトリと置く。
「あい、お待ち」
「……なにこれ」
「オムライス」
重く上げた顔はさながら死にかけた魚のような、締切前の漫画家のような顔をしている。せっかくの美人が台無しじゃねぇか。
「……誰が作ったの。つぐ?」
「俺」
「いらない。そんな気分じゃ……」
「はいあぁん!」
「んぐっ!?」
失礼なやつだ。
いるかいらないかは1口食ってから判断しやがれ。なんのために作ったと思ってんだこんにゃろう。
そんなわけでいらないと口を開いた瞬間、左手でソフトに顎を支え、空いた右手で高速かつ口の中を怪我させないように繊細に俺特製ふわとろオムライスを口にぶち込む。
「あ、あふい……んむ……んぐ……」
「……感想は?」
「……おいしい」
「そりゃあ良かった」
毒が盛られてるとでも思ってたのか、それとも予想以上に美味しかったのか。
蘭はそのままパクパクと無言でオムライスを食べ始める。
うーんこの瞬間が至福の時なり。料理人でも目指そうかな。
「水もあるぞ」
「……」
オムライスをもぐもぐしたまま無言で頷く。ハムスターかよくっそ可愛い。
いやーつぐからLINEで『お店に来て!』って言われた時は何があったのかと思った。
まぁ来てみたらこの赤メッシュがカウンターで死んでたんだけど。
つぐ1人じゃどうしようもなかったんだね。モカあたりを呼べば何とかなりそうだけど、俺を呼んだってことは連絡がつかなかったんだろうな。多分寝てんなこりゃ。
カウンターで項垂れる蘭がすっごくワン〇ースのギ〇にしか見えなかったから、俺がチャーハンを恵んであげるサ〇ジ役をやることにした。あのチャーハン食ってみたいよなぁ。まぁ作ったのはオムライスなんだけど。
取り敢えずつぐにお店の厨房を貸してもらって、オムライスを作って蘭にあげたらこうなった。
文化祭でもオムライスを作ってたが別にこれが得意料理という訳でもない。
パスタも作るしうどんも作るし、取り敢えず簡単な料理を作るのが好きなだけだ。好きっていうか1人暮しだから。家事全般は自分でやらな死ぬ。
面倒な下味とか作業がいる料理を作る時はどうしても食いたくなった時に限る。ちなみにそういうのを作る時は死ぬほど本気で作る。
面倒な作業したのにそこまで上手くないとか地獄だからな。絶対成功させるために、そこはとことんやる。
この前作った唐揚げとかめちゃくちゃ美味かった。
飯は世界を笑顔にする。はっきりわかんだね。
基本的に俺の料理って味付け目分量だからクソ適当だけど。
「……ご馳走様でした」
「おう、お粗末さま」
「洗い物しちゃうね!あとオムライスすっごく美味しかったよ!愛斗くんありがと!」
「良いってことよ」
カウンターからひょっこり顔を出したつぐにお皿を渡す。大天使にも程がある。マジで可愛い。
誰だつぐのことを量産型だとかモブだとか普通だとか言うやつ。
こんな性格もいい顔も可愛い料理もできる家庭的な可愛い子がモブとかだったら俺は死ねるわ。
いいかお前らに教えてやる。
つぐみはな!大天使なんだよ!(迫真)
ちょっと熱くなりすぎたわ。
結局蘭はオムライス綺麗に完食したな。目にも生気が戻ってきてる。
「新曲か」
「……見たの」
「見たって言うか聴いてた。お前が食ってる間にな。気づいてなかったのかよ」
普通にヘッドホンつけてガッツリ聴いてたけどな。
それにすら気が付かないってどんだけ夢中でオムライス食ってたんだよ。
これ項垂れていたのって腹が減ってたから説あるぞ。
「……で、どうせお前のことだろうし。詰まったんだろ」
「うるさい」
「ビンゴだな……って殴んなって痛てぇ!」
飯を食って元気が出たのか。いつもの様にパンチをしてくる。
ハッハッハッ!そんな肩パン、筋トレしている俺にとって痛くも痒くもない訳では無いわ!
上半身だけでパンチしてるのにそんな力が出るのはおかしいと思うんだ。
そんな華奢な体のどこからそんな力が出てくるんだマジで。明日腕上がらなくなったらどうすんだこの野郎。
「痛てぇなぁ……。で、どこで詰まってんのよ」
「……サビのフレーズ」
「歌詞だったら詰んでたぞ。アホな癖に悪運はいいんだなおま痛いって!」
「いつもっ!あんたはっ!一言っ!余計なのっ!」
こりゃ明日右腕上がんねーな。明日はキーボードでも練習するか。
「……これどこが不満なん?」
「なんと言うか……しっくりこないの」
もう一度聞いてみたけど、どこが不満なのか全くわからん。
これを聞いてみても不備はあんまり感じられない。
てか俺にアレンジ任せたらめちゃくちゃ崩れるか王道中の王道攻めるかの2択だからな。
本当は音楽の知識もあるワクワクさんに聞くのが一番いいんだけどな。
「てかこれ弾いてみたん?」
「いや、まだだけど」
「弾いてみりゃ何か分かるだろ」
「でもギター今もってないし……弾いただけで分かるなら苦労なんかしな……」
「俺が持ってる」
「なんであるの」
なんとなく持ってきた。ご都合主義とか言ったやつぶっ飛ばす。
ほら。事実は小説よりも奇なりとか言うだろ?じゃあこれはなんなんだって話だけどな。突っ込むな。
「でもアンプが……」
「パッパラー!ヘッドホンアンプー!」
「……なにそれ」
「お前ヘッドホンアンプ知らないの?ギター始めて何年経ってんだよ」
「半年近く」
「ワンチャン知らなくてもしゃーないわ」
ヘッドホンアンプというのはその名の通り。
ヘッドホンのアンプなのだ!(イヤホンでも可)
……え?わかんない?ggrks。
使い方は簡単!
シールド部分にぶっ刺す!イヤホンかヘッドホンぶっ刺す!スマホかPCにぶっ刺して音楽流す!以上!解散!
これがほんまに重宝する。しかもそこまで高くないからね。難点といえば手元の生の音が聞こえないだけだし。
学生の味方バンザイ!
「はいギター」
「愛斗のジャズマスターって弾きにくいんだけど……」
「手が掛かる子ほど可愛いんだよサッサと弾け」
こいつなんてこと言いやがる。確かに最初は俺もこいつに慣れるまでめちゃくちゃ苦労したけど。
アームの使い所とかあんまり分からんし意外と癖があるんだよな。弦も落ちやすいし。
正直テレキャス買ってからビックリしてるからな。
あの子汎用性高すぎるし扱いやすすぎる。テレキャスが凄いだけやけど。
「ほれ。チューニングは済ませてあるから」
「……わかった」
そう言うと大人しくジャズマスターを受け取って自分のヘッドホンを繋ぐ。
感覚を確かめるように何度か単音を弾くと何かを掴んだように2、3度ギターをかき鳴らす。
一拍置いた後に演奏を始める。
俺は手元の音だけで十分だからな。みんなそうだと思うけど。
蘭は1分ちょいギターをかき鳴らすと落ち着いた様にアンプとPCに繋がるコードとヘッドホンを抜き、ヘッドホンをPCに差し治してすぐさま譜面を変え始めた。
な?こういうのは息抜きとか違う視点から見た方がいいんだって。
ある程度の作業が終わるとヘッドホンを耳から外し一点を見たままボソッと呟き始めた。
「……あんたの言う通りだった」
「詰まったら取り敢えず動いてみろって言うしな」
俺は海で飯食って可愛い女の子の水着とバレーボール見ただけで復活したからな。
息抜きとか違う視点から見るのって意外と大事なんだよな。第三者に聞くのが1番早いっちゃあ早いんだけど。
蘭みたいな奴が人に聞くなんて時は天変地異が起こった時かほんとに詰まって動けなくなった時だからな。今回は後者だけど。
「今度のライブで凄いの見せるから。絶対」
「俺はどっちでもいいけどな。まぁ頑張ってくれや、待ってっから」
「ちょっ……やめて、子供扱いしないで」
そう言って頭ポンポンしてやるとなんかグチグチ言いつつ抵抗はしてこない。
こいつ狂犬みたいだな。そこらじゅう噛み付くけどデレたらくっそかわいい犬や狼のそれだわ。
このあと調子に乗ってずっと頭ポンポンしてたら蘭からでなく何故かつぐから拳が飛んできた。その後に正気に戻った蘭から2発ほど追撃が飛んできた。
ついでにオムライスがつぐからあまりにも好評だったのでひまりとかにも振舞ったら羽沢珈琲店の裏メニューと化した。
なんなの?死んでもオチを付けなきゃ行けないの?
俺って生粋の芸人体質なの?
勘弁してくれよbrother……。
過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。
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今のが好きなので書き直しておk
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昔のが好きなので書き直したらアカン