どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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妖精哲学の三信は真面目に胸に刻んどけ

 こころがありえないことを言ってから、俺がこの状況を読み込むまでの間。

 この炎天下の中の競技場のど真ん中にいつの間にか特設ステージが設置されていた。

 

 おいこのステージ、黒服さん達作るのに10分もかかってねぇだろ。

 手際もよすぎるし何より早すぎる。どうなってんだあの人たち。

 てか普通にでけぇ。普通にうちの体育館並にでかい。

 しかも照明とかも付いてるよなこれ。

 どっからどう見ても俺達が普段使うようなガッチガチのガチステージじゃねぇか!どうなってんだよこのステージ!

 物理的に色々可能なのかもわからねぇ。

 嗚呼、我、この現実を受け入れたくない所存で候う。

 

 

「ほら!ステージも出来たわよ!みんなでライブやりましょう!」

 

 

 100点満点の笑顔でこころが言ってくる。

 太陽並みに眩しい。

 その笑顔100点満点じゃ収まらないんじゃねぇか。

 うーん、やっぱ120点!

 何やってんだ俺。

 

 てかそもそも黒歴史のバンドメンバーもいない中で俺が歌えるわけがない。

 うちの高校にいるのはベースの馬越とキーボードの新庄だけで、ドラムの土井とギターの柳田は他校性である。

 もちろんここにはいないし、今日は普通に学校があるであろう。

 

 

「いや待てお嬢。今ここには俺と馬越と新庄だけで土井と柳田がいねぇんだよ。メンバーがいないんじゃライブは出来ねぇな。あぁ残念!」

「ならここに呼べばいいじゃない!」

 

 

 ……はい?

 こころさん、今日は平日、木曜日でごぜーますよ。土井も柳田も他校生で今日は普通に授業。おK?

 いくらこころんでも曜日をねじ曲げることは無理だ。

 てかそんなんできて欲しくない。

 それが出来たらこころん絶対神説まで出てくる。

 

 

「いやこころ……。いくらなんでも今日は平日だぜ?」

「諦めなってこころ。愛斗だって困ってるから……」

「大丈夫よ!」

 

 

 美咲がフォローしてくれる。

 ほんとに助かる。美咲は着ぐるみの中の常識人すぎる。

 あの奇天烈集団の中で唯一安心出来る人間だよ。

 花音さんも常識人だしめちゃくちゃふえぇしてて可愛いけど、目を離したら即行で行方不明になるからな。

 あの性能どうなってんだ。ステルス性能高い訳でもないのに。可愛い。

 

 にしてもこころのその根拠はどこから出てくるのか。

 相変わらず満点の笑顔で帰ってく……。

 ……ん?なんか空から馬鹿でかい音が聞こえてくる。

 なんか風も強くねぇか?

 いや強いってレベルじゃねぇ!台風か特大扇風機でも真上から回してんのかってレベルだ。

 ババババババッってなんかヘリみたいな轟音だな……。

 

 

「……ってヘリじゃねぇか!近ぇ!?」

「来たわね!」

「えっ……嘘でしょ?」

「愛斗、無理だったよ。諦めよう」

 

 

 上空を見上げると、そこには紛うことなき男のロマンであるヘリコプターが爆音撒き散らしながら上空にででーんといた。

 はい。もう嫌な予感がします。

 美咲は既に諦めてる。お前、慣れたもんだな。俺はまだ慣れねぇよ(遠い目)

 お嬢が来たわねって言ってる時点で嫌な予感がします。

 

 上空でヘリのドアが開くのが見える。

 他の奴らと考えてる事は多分同じだろう。

 俺はもう察した。

 さーて、後で黒服さんから俺の楽器受け取らないとなー。

 黒服さん達のことだろうしちゃんとチューニングも済ませて用意してくれてるんだろうなー(遠い目)

 

 

「あー……。来るな」

「来るね」

 

 

 ドアから2つの影が勢いよく飛び出してくる。

 おいなんかイヤッホー!とかウェーイ!とか聞こえるぞ。

 すっげぇ聞き覚えのある声だな。あー、シルエットもでかくなってきたな。

 あっ、パラシュート開いた。

 いったいだれだろーなー(棒)

 

 

「着地ィ!」

「はい!呼ばれて飛び出てババンバーン!」

「呼んでないんだけど。お前ら学校どうしたんだよ……」

「ヘリで迎えにこられたからそのまんまサボってきてやった!」

「おい」

 

 

 降りてきたのはなんと意外な人物。

 我がBlack historyのバンドメンバー。ギターの柳田とドラムの土井ではないか!

 

 知ってた(知ってた)

 しかもこいつらご丁寧に自前のスネア&ペダルにギターケースを背負ってきている。

 案の定ライブやる気満々じゃねぇか。

 まぁ授業サボれた時点でこいつらはウハウハだろうな。後でどうなっても知らねぇぞ。出席日数足りるんだろうな。

 出席日数足りずに泣きつかれるとか嫌だぞ俺は。俺は関係ねぇからな!

 まぁこいつらが普段学校でどんな様子なのかは俺も知らないんだけど。

 まぁ真面目にやってんだろ。多分。

 

 

「みんな揃ったわね!それじゃあ準備を始めましょう!」

「「おー!」」

 

 

 柳田と土井と一緒にえいえいおー!とやってるこころ可愛い。

 例の如く、断るという選択肢は最初から皆無らしい。

 横暴すぎる。勢い任せすぎうち。

 だけど楽しそうな笑顔を浮かべるこころを見ていると、不思議と仕方ない、歪みねぇなと思えてしまう。

 ビリー兄貴の妖精哲学の三信は、ほんとに核心をついている。

 やっぱり俺はこれからも妖精哲学の三信を信仰していこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雲一つない上空から、ジリジリと太陽が照りつける上空。

 衣装なんかないので体操服にタオルを巻き、ジャージを腰に巻いて、10月なのに熱中症対策&苦し紛れのオシャレをする。

 アンプにテレキャスを繋げ、軽く一振りする。

 うーん完璧すぎるチューニング。

 しかも黒服さん俺のテレキャスにアーム付けてくれたんだな。タダって言ってたし。

 アーム自体はいつか付けようと思ってたからマジで嬉しい。ジャズマスターのおかげでアームがないと物足りなくなる人間になっちまったからな。

 

 多分うちのお嬢がいつもすいませんってことなんだろうが、こんなことをされといて許すかボケ!なんか言うことは出来ない。

 そもそもそんなこと言う予定もなかったしな。

 

 ハッキリした低音を出すテレキャスの音で、ザワザワしていた競技場ステージ前に集まっていた生徒達が、ライブまでのセルフカウントダウンを察知し、一気に盛り上がる。

 

 

『あーあー。マイク大丈夫?』

「ベース音ちっさくね?」

「もうちょい上げてもらうか」

『ベース音もうちょい上げて貰えますか?……あい、ありがとうございます』

 

 

 音響はこんなもんでいいかな。

 ベース音が少し小さかったから黒服さんに直してもらう。

 マイクもギターもキーボードもドラムもベースも音量は完璧。

 

 

「はいいーち、にっ、さーん、しっ!」

 

 

 俺の掛け声に合わせてバンドにある全ての楽器を同時に鳴らす。

 それを聞いた観客は、一気にボルテージを上げてくる。

 ひまりがよく裏で空振りしている、あのいつもの大号令みたいなもんだ。

 俺達はこれで気合を入れて、お客さん達に正式なライブの始まりを教える。

 

 

『お待たせしました、Black historyです。よろしくお願いしまぁす!』

 

 

 挨拶を終えると同時に、俺以外のバックメンバーが勝手に伴奏を初めて行く。

 これはRADWIMPSのライブのを真似している。

 これから歌う曲のアレンジBGM的なやつだ。

 作曲は俺自身でやったんだが、マジで作るのに苦労した。コード合わせてればある程度、雰囲気は似てくれるんだけどな。雰囲気はな。

 

 でも雰囲気だけのなんちゃってBGMだけじゃつまんないし、あのライブみたいな曲が始まった瞬間の鳥肌が再現出来ないからな。

 マジ苦労した。RADWIMPSはすげぇと再認識するよ。

 

 

『いきなりのライブで皆さん驚かれたと思います。が、1番驚いたのは多分俺です。えぇ。ライブやるって言われたの、マジで20分前ですからね。うちのメンバーには他校生もいますから、流石に無理だと思ってたんですけどね。やってくれましたよ、なぁこころォ!』

 

「あははっ!愛斗!あなた最高よ!」

 

 

 笑い事ちゃうんだよなぁ……(半ギレ)

 今この瞬間、この状況についていけてるだけほんとに褒めて欲しい。

 いやマジで20分前にいきなり言われて、10分前にはステージ出来てて、1分でやる曲決めて1分で下見したからな。

 残りの時間は他の6バンドが下見とかに使ってた。

 リハも出来ないから大変だったよほんとに……。まぁリハはやらなくても正直大丈夫なんだけどな。

 とにかく大変だったんだよ!今だに頭の整理出来てねぇからな!

 誰か褒めて(涙目)

 

 

 

『お嬢が喜んでくれてるみたいで良かったですね、ほんと(半ギレ) じゃあトップバッターとして勢い付けるために、1曲目行きます。ダイナミック自演ズで……』

 

 

 

『ちがう!!!』

 

 

 

 この場を勢いだけで全てを乗り切るための選曲。

 というか、今俺たち勢いだけでこの舞台に立ってるからな。

 既に体力の10%くらい使ってる。

 まだライブ前です。一曲目これから、トップバッターです(再確認)

 

 土井が3カウントをスティックと同時に声で取る。

 馬越と一瞬目を合わせ、指でお互いを指すとすぐに前を向き直す。

 目を細めながら。マイクに顔を向け、エフェクターに足をかけ、ピックを弦に軽く当てる。

 

 さぁ。勢いだけの緊急ライブ始めんぞオラァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Poppin'Partyでした!ありがとうございました!』

 

『ワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

 

 今日の緊急競技場ライブの〆を任されたPoppin'Partyの挨拶と同時に、観客席から今日1番の大声援が送られる。

 ライブの最後に出てくる、観客の燃え尽きる声援。

 これを全身の肌で感じられるのは〆の特権だよな。

 

 

「ここにいたんだ!探したよ、もー!」

「彩」

 

 

 舞台裏で疲れきって烏龍茶を飲んでたところに来たのは彩だった。

 Pastel*Palettesの出番はRoseliaの前だから確か前から4番目。

 俺より終わるのが遅かったはずなのに、もう回復してるのかよ。

 てか俺の回復が遅いだけか。

 

 疲れてんのかなぁ?

 最近、やけに疲れが取れたりするのが遅い気がする。

 まだまだ老け込むような歳じゃねぇぞ俺。

 

 

「大丈夫?流石にトップバッターは疲れたよね……。なんか買ってこよっか?」

「いや大丈夫。悪ぃな、お前の方が出番後だから疲れてるだろ。俺は、ちょっと疲れただけだよ。んで、何の用だ?」

「お昼ご飯、みんなで一緒に食べよ!」

「嫌だ」

「なんでさー!」

 

 

 お前と一緒にいたら周りの目がきついんだよ。

 文〇事件があってから、余計に周りの目が厳しくなった気がする。

 いや当たり前だわ。

 俺だって近くにも似たような境遇の奴がいたらリア充は氏ね。はよ付き合えボケとは思う。

 

 

「いいじゃん!みんなで食べようよ!」

「めんどっちーよぉ。疲れたから動きたくないの」

「おんぶしてあげる!」

「お前疲れてるんじゃねぇの?」

「疲れてない!」

 

 

 ただ俺は彩には似合わねぇ男だ。

 あいつは馬鹿で、本番に弱くて、上がり症で、基本ポンコツで、泣き虫なアホピンクだけど、それを持ってあまりあるほどあいつはいい女の子だ。

 誰よりも一生懸命な努力家で、何度転んでもめげない心を持ってて、誰にでも優しく、自分よりも人を大切にして、自分の事以上に人の成功を喜べる。

 

 あいつが俺に好意みたいなものを向けてきてるのは、分からないでもない。

 俺の思春期特有のあれ……あいつ俺の事好きなんじゃね!?勘違い説がめちゃくちゃでかいけどな。

 てか絶対そうだと未だに俺は思ってるからな。

 

 

「……仕方ないという許容の心」

「……? マーくん、なにそれ?」

「ほら行くぞ。昼メシ、食うんだろ」

「えっ!いいの!?」

「ビリー兄貴に感謝しろよ」

「うん!ありがとう!ビリーさん!」

「……外ではあんまりビリー兄貴って言ったらダメだぞ。ビリー兄貴はシャイだからな」

「うん!行こっ!」

 

 

 でも、もし。

 

 もし本当に彩が俺の事をほんとに好きだとしたら。

 

 俺は断るべきだろう。

 

 さっきも言ったけどあいつは本当にいい女の子だ。

 俺程度の男が貰っていい存在じゃねぇ。

 彩にはもっと、彩に見合う男がいるはずだ。

 性格でも顔でも、芸能界にいれば俺以上に良いアイドルや俳優なんて腐るほどいるだろうからな。

 あれだけ色んな人と交流できる芸能界ってところで働いてるんだから、俺みたいな変な男に捕まってないで、あいつに似合う男を見つけて欲しいものだ。

 でも、今俺の手を引いている彩が、実際に別の男と付き合い始めて結婚したら死ぬほど泣いて祝福する自信あるわ。

 

 あっ、ダメだ。想像するだけで泣けてきそう。

 これあれだな。俺、年取ったら涙腺ガバガバ確定だわ。

 既に未来でも黒歴史を確定させていくスタイル。

 嫌いだし嫌いだよ(オーバーキル)

 

 

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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