どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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ガッチガチの個人的趣味である野球回です。
一応女の子も出るけど基本男ばっかです。



抑えは四者凡退してから一人前

 ジリジリと太陽が照りつけながらも、風は少しヒヤリと涼しい。

 

 マウンドに置かれているロジンに右手で触れ、ふっと指先に息をかける。

 白いモヤがマウンドに立ち込め異様な雰囲気を醸し出す。

 

 マウンドに右足をかけ、体と右腕を前に倒して脱力する。

 捕手のサインに対して首を縦に振り、体と腕をグイッと上げ、セットポジションに入る。

 相手側一塁側ベンチからはトランペットの音に乗り大きな歓声と応援歌がこだまする。

 

 相手打者の表情は真剣そのもの。

 相手の応援を背中に受けてると、今この試合を支配してるのは俺だという独占感に少し高揚し、口角が上がる。

 

 グラウンドの支配者。投手の特権だ。

 いかんいかん、厨二病が出てしまう。

 

 サインは左打者に対する内角ストレート。先程投げた外のチェンジアップで打者の身体は前に倒してある。

 高めだろうが低めだろうが、真っ直ぐをコースか高さを間違えずに投げきれさえすれば、打者は緩急に目が追いつかずに空振りする。

 カウントはノーツー。

 一球遊び玉で真っ直ぐを見せて最後に釣り玉かチェンジアップでもいいが、遊び球はいらない。これでトドメを刺してやるよ。

 

 長くボールを持ってから、左足を垂直にあげる。

 左足を下げると同時に体の重心を一気に下ろし、左足でマウンドの土を一気に踏む。

 ボールを持つ右腕を脱力しながらムチのように振り上げ、体の前に出した瞬間、0から100に。

 指先に一気に力を入れる。

 

 

「あっやべっ」

 

 

 投げ終わった勢いのまま右足を蹴り出すと同時に、相手打者が内に甘く入ったストレートを思いっきり上から引っ叩く。

 

 

「ら、ライトォ!」

 

 

 左打者の引っ張った打球はライナー気味にライトのライン際へ。

 ライトが打球の落下地点へ一直線にスライディングして滑り込みながら、打球をノーバン捕球する。

 

 その瞬間、三塁側スタンドから一気に歓声が上がる。

 聞き覚えのあるアホピンクの声を背に受けつつ、ハイテンションのセカンドと苦笑いしながらグラブを合わせて帰ってくるライトを見詰める。

 

 

「あ……あっぶねぇ……。助かった……」

 

 

 完全に調子に乗った。

 投げた瞬間、あっやべっとか言ってたからな。

 意外と失投って投げた瞬間分かるものなんだよな。

 なんて締まらねぇ抑え投手だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初勝利おめでとー☆ はいドリンクー!」

「……ありがとうございます。あっりみ、これチョココロネ何故かさっき沙綾に貰ったからあげる」

「ほんと!?愛斗くんありがとう!」

 

 

 試合が終わり内野奥のスタンドに行くと、それぞれの出番のある試合を既に終わらせていたリサ姉やひまり達ベーシスト組が待っていた。

 リサ姉からスポドリを受け取り、少しクピっと飲む。

 今日は体育祭2日目。体育祭という名のほぼほぼ球技大会の日だ。

 天気は快晴。

 本来なら学校のグラウンドを使うらしいが、今年は昨日使った総合競技場の隣に隣接されてるガチガチの野球場を使っている。

 めっちゃ気持ちよかった(小並感)

 

 

「愛斗くんのチームはあと何回勝てば優勝なの?」

「うちはシードだからあと1回かな」

「2回勝てば優勝って凄いルールだねぇ……」

 

 

 工業科6クラスを2クラスで1チームに統合して3チームに。

 普通科5クラスを2チームに分けてそれぞれ科に分けてトーナメントをする。

 さっき俺が抑えとして登板して勝利した試合は、工業科2チームの勝者とのチームだったので、今やってる普通科同士の試合での勝者との試合で勝てば優勝なのである。

 野球ってそこそこ時間かかるしな。

 

 ちなみに予選は5イニング。

 決勝は7イニングの試合をする。

 

 

「はぐみ達は3試合くらいするんだっけ?勿論全部はぐみが投げるよ!」

「肩痛めんなよマジで」

「ちゃんとキャッチボールするから大丈夫!」

「はぐみは偉いなぁ」

「はぐみちゃんには甘いわね……」

 

 

 むしろはぐみを甘やかさない男はいないと思うぜ千聖さん。

 ベーシスト組だと今そこでチョココロネもぐもぐしてるりみりんも甘やかしたくなる組になる。

 ちなみにリサ姉は甘えたくなる組で、ひまりは弄りたくなる組で、千聖さんは鬼嫁組である。

 ごめんて千聖さんその笑顔怖いって。

 

 

「……あれ?そういや……」

「彩ちゃんならいないわよ。愛斗くんが投げてる時に来て直ぐにテニスの試合に行っちゃったわ。残念だったわね」

「はえ〜、テニス。……いや残念じゃないッスよ?」

「照れなくてもいいのに。次の試合には間に合うって言ってたわよ?」

 

 

 ほんとに残念なんかじゃない。

 むしろ最後のダサい姿を見られてたことが恥ずかしい迄ある。

 次の試合も見に来るのか。下手なプレーできないなマジで。

 

 

「褒めてもらいたかったんだもんねー☆」

「私達が褒めてあげるよっ!」

「愛斗くんは頑張ったと思うよ!」

「まーくんのチェンジアップ良かったよ!」

「最後の打球危なかったわよね」

 

 

 千聖さん手厳しいよ。事実だけど。

 あとはぐみ。

 チェンジアップ褒めてくれるのは嬉しいけど、俺花咲川行った時にはぐみにチェンジアップ痛打されてるんだよな。

 悲しいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合前の挨拶を済ませ、そのままダッシュでライトの守備位置に着く。

 さっきも同じ守備位置についてたが、外野から見る光景はやっぱり凄い景色だ。

 圧巻である。めっちゃ気持ちいい。開放感すっごい。

 

 マウンドで投げてる身長190超えるんちゃうんかという長身から、140越えそうな豪速球を投げてる藤浪が今日の先発。

 というかさっきの試合も先発は藤浪だ。

 俺はさっきの試合、抑えとして5回に登板。無事(迫真)相手打線を三者凡退に切ってとった。

 やったぜ。

 いやマジで藤浪くん威圧感がすごい。将来プロになれるんじゃねぇかと思ってしまう。

 なんかさっきの試合からずっと捕手の森と言い合いしてるけど。

 

 今日のスタメンはこんな感じだ。

 

 中 上田

 遊 根尾

 三 新井

 一 中田

 左 大松

 捕 森

 投 藤浪

 右 浅尾

 二 杉谷

 

 俺は8番ライトの通称ライパチでスタメン。

 ちなみに俺以外はみんな野球部である。

 名前だけ見るとガチのプロ野球みたいだな。

 ちなみに実際の人物とは一切関係ないゾ。

 

 てか何で俺スタメンになれてるの?

 あと俺より打順が下の杉谷って一体……。

 まぁ気にしたら負けである。

 某ラミちゃんがやってた8番投手論だろう。ライトだけど。

 

 そんな訳で試合開始だ。

 球場にサイレンが鳴り響き、三塁側スタンドからトランペットと応援歌が聞こえる。

 藤浪がワインドアップから大きな手足をしなやかに動かし第一球を投げる。

 

 あっ、打者の頭に当たった。

 危険球じゃん。

 今回の大会ではコリジョンルールは危険球退場などのルールも適応されている。

 てなわけで藤浪はそうそうに退場になりベンチに引っ込んでいく。

 誰が投げんねやろ。投手である大沼くんもまだ肩作ってないだろうし、中田とかがあいつが投げたら試合終わるでとか言ってたけど。

 

 ……あれ?なんか森、俺の事指さしてね?

 なんか叫んでるし。聞こえんけど。

 必死に聞き取ろうとしてると、右手側にいるセンターの上田が声を上げる。

 

 

「浅尾!出番だってよ!」

 

「……は!? 俺!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中 上田

 左 根尾

 三 新井

 一 中田

 右 大松

 捕 森

 遊 倉本

 投 浅尾

 二 杉谷

 

 

「マジで俺が投げるのかよ……まだ肩出来てないんだけど……」

「まぁあいつみたいに頭に当てなきゃええよ。打たれても俺らが取り返したるから気楽に投げーや」

「いや無茶言うなや……」

 

 

 キャッチャーの森にケツをしばかれながらマウンドに立つ。

 森ってあいつ自分で身長170あるって言ってたけど絶対に170無いよな。

 

 というか俺、抑えなんじゃねぇのかよ。

 最長7イニングとか投げきれる気がしねぇ。

 てかそもそも俺の体力5回イニング持つのか。

 

「浅尾!落ち着いていこうぜ!バックには俺がいるから!」

「杉谷じゃ無理やろwww」

「野球部に任せろって」

 

「(頼もしいのかどうか)もうこれわかんねぇな」

 

 

 取り敢えずバックは全員野球部という好待遇だし、マウンドに立ったからには投げるしか選択肢はない。

 森にはとりあえずお前が肩痛めて大沼出てくるのが1番最悪だからお前の肩できるまで軽く投げろよって言われた。

 てなわけでとにかく最初は肩を作ることに専念する。

 

 

「プレイボール!」

 

 

 ってもいきなり苦手なクイックでの投球なんだよなぁ……。

 取り敢えずセットで足を上げなければほぼクイックみたいなもんだろ。

 森の出すサインはストレート、コースは外より。

 そりゃあそうだ。こんな所で変化球なんか投げてみろ。

 すっぽ抜けて打者に当たるか俺が肩痛めるわ。

 グラブの中で縫い目に指を2本掛ける。

 左足を前に出して右腕を一気に押し出す。

 

 

「らっ!」

 

「よっしゃ!クラ!」

 

 

 肩のできてないヘナチョコストレートは意外にもコースは甘いものの高さは完璧な低めに制球された。

 初球から狙っていた相手打者はあまりに遅いストレートに体勢を崩され、低めを打たされる。

 打球はショート正面。バックは全員野球部。これ以上ないオーバーキル。

 さぁ6-4-3のゲッツーでツーアウトだ!

 

 

「あっやべっ」

 

「いやお前何しとんねん!?」

「倉本お前野球部じゃねぇのかよ!?」

 

 

 見事なまでのトンネル。

 打球は点々と外野に転がっていき、レフトの根尾がカバーに入る。

 

 

「い、いや次の打者抑えりゃ……」

 

 

 打席を振り返るとネクストバッターが打席に入ってくる。

 右打席に入ってくるのはガッチガチの白人外国人くん。ちなみに体の大きさが高校生とは思えない。

 

 これあれだわ。終わったわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーお疲れさん!よう3点で耐えたな!凄いでお前!野球部入りーや!」

「ぜってぇやだ」

 

 

 結局その後エラーやヒットで3点取られた。

 3点取られてこのまま流れに殺されると思ったが、相手がイケイケムードの中、無死ランナー1.3塁でライトの大松がヒット性の打球をスライディングキャッチ。

 素早く立ち上がりバックホームした送球は、ワンバウンドでキャッチャー森のミットへストライク送球。

 森はタッチアップしたサードランナーを余裕でホームタッチアウトにし見事な変則ゲッツー完成。

 変則ゲッツーで相手の流れを完全に摘み取り、次の打者にはそのままセカンドゴロを打たせ、何とか初回を終わらせた。

 

 大松のファインプレーがなかったら33-4くらいで負けてたな。

 ほんと助かった。

 

 

 

「取り敢えず俺らが3点くらいパパっと取り返したるから。お前はさっさと肩作っときや」

「いや3点って中々……」

 

 

 カキィン!

 

 気持ちの良い金属バットの打撃音が聞こえた方を見るとレフトとセンターが同じ方向にダッシュをしていた。

 ありゃ左中間抜かれたな。

 俊足の上田はオーバーランする余裕すら見せ、簡単に二塁を陥れて見せた。

 

 

「っしゃー!」

 

「足はっや……」

「まぁ俺らが点取り返してやるから。安心してろって」

 

 

 ネクストサークルに準備しに行く新井がやけに頼もしい背中に見える。

 これなら勝てるかもしれん!

 

 ちなみにこの後、根尾のライト前ヒットの間に二塁ランナー上田が生還し、1点返すも3番の新井が6-4-3のゲッツーに打ち取られ、4番の中田もファーストフライを打ち上げ一瞬で攻撃が終わった。

 

 やっぱダメかもしれんわ。

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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