どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

55 / 138
趣味と勉強は両立するもの

 12月ということもあり外は冷え込んでくる。

 雪が降る気配はないが、北風が冷たい。

 

 俺は家の中で長袖のシャツにちゃんちゃんこを羽織りながらいつもの定位置でテスト勉強の合間にギターを弾いていた。

 息抜きはマジで大事。たまに息抜きしたまんま寝てて朝を迎えてくることとかよくあるけど。駄目人間の鏡。

 ちなみに下には防寒グッズとしてスパッツ?タイツ?みたいなやつもズボンの上に履いている。

 あれ最初はなんか恥ずかしいから嫌だって言ってたんだけど履いてみると着心地のいいのなんのって。

 しかもあったけぇと来た。神かな?考えた人は100%天才である。

 

 

『どうか!』

 

「おん?」

 

 

 スマホからCQCQのサビが聞こえてくる。着信音だな。

 なんかこの場面懐かしいぞ。

 まだ俺がRoseliaとafterglowのコーチを始めたばかりの頃にこんなことあったような気が……。

 電話自体かかってくるのは珍しくはないんだけど、テスト準備期間となるとなにか引っかかるものがある。

 

 ……まぁいいか。とりあえず電話に出よう。

 右手の指先に張り付いたピックを左手で無理やりひっぺ剥がす。

 あのピックを持ってる方の手で自力ではがせなくなる現象ってなんなんだろうな。ポルターガイスト的な何かなんだろうか。

 あれ俺毎回持ってる方の手をブンブンやってピックぶっ飛ばすか左手で摘んで取ってるんだけど。

 まぁブンブンやるとピックが変なところ飛んでくからあんまりやらないんだけどな。

 

 スマホを右手で掴み画面を見る。

 相手の名前は市ヶ谷有咲。

 有咲か、有咲なら大丈夫だろう。

 何がとは言わんけど。

 何がテストだとは言わんけど。

 

 画面を片手で右にスワイプして電話に出る。

 

 

「おいーっす」

 

『もしもし?愛斗か?』

 

「おう。どした?」

 

『今暇か?』

 

「暇じゃない。どうぞ」

 

『今すぐ羽沢珈琲店に来い』

 

「いやです」

 

『迎え呼んどいたから、よろしく』

 

 

 有咲がそういうが早いが、我が家のチャイム音であるファ〇リーマートの入店音が聞こえてくる。

 同時に玄関からは何やらドアを叩く音と、なんかすっごい誰かに似ているある声がなんか聞こえている。

 誰かと言うと頭に猫耳みたいなのが着いてる例のスターマンちゃんだな。

 

 よし、立てこもるか。俺ん家だけど。

 俺は通話が繋がったままのスマホをスピーカーモードにして机の上に置く。

 そして右膝の上に乗せてたテレキャスターをスタンドに置くと、そのまま冷蔵庫に食料がどれだけあるかを確認する。

 

 備蓄は十分ある。これなら1ヶ月は立てこもれるな。

 俺は徹底抗戦するぞ。こんなクソ寒い外なんかに出てたまるかってんだ。

 俺ら今日から引きこもりになるって決めてんだ。

 明後日になればテストで家から出なあかんけど。

 冬、〇ね!!!(迫真)

 

 

『ちなみに愛しの彩先輩もいるからな』

 

 

 体が例のごとくピシッと固まる。

 それと同時にガチャっと言う何かが開く音が聞こえる。

 あれれ〜?おっかしいぞ〜?

 俺って誰にも合鍵渡してないはずなんだけどな〜?

 

 玄関からドタドタと足音が聞こえて来るので逃げるようにベットに乗り、誰が入ってきても逃げられるように体制をとる。

 

 ドアが勢いよくバタンと開くと不法侵入犯の二人が顔を出しやがった。

 

 

「彩先輩いました!犯人です!」

「確保ー!」

 

「なーんでお前がいるんだよおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てなわけで私一人じゃこいつら馬鹿の世話をしきれないから愛斗も手伝ってくれ」

 

 

 結局そのまま彩と香澄に羽沢珈琲店まで無理やり引っ張り出された。

 

 腹いせに彩と香澄を置いていってバイクに1人乗って羽沢珈琲店まで行くと、そこにはいろんな人達が勢揃いしていた。

 いろんな人達って言うのはあれな?例の6つのバンドな?

 てかなんで柳田とかまでいるんだよ。おまえら誰の伝手で来たんだよ。

 

 

「有咲ちゃんに呼ばれたんだから仕方ねーだろ」

「お前ら勉強出来んの?」

「そりゃ出来るだろ普通。勉強とバンドは両立するもんだぜ?」

 

「「「「「「「うっ……」」」」」」」

 

「おい今何人かに流れ弾飛んでたぞ」

「そりゃあその例外を助けるために俺らが今おるんやからな」

 

 

 まぁ声の主は香澄とか彩とか蘭とかひまりとかだろうな。

 彩と香澄が馬鹿なのは目に見えてるし蘭とひまりが馬鹿なのは前回の勉強会で理解済みだからな。

 

 

「てか俺以外にも秀才組は沢山いるだろ。氷川姉妹とか美咲とかおるやん」

「それじゃ賄いきれないんだよ。香澄とかひまりちゃんのレベルになってくると1対2くらいになるのが一番ちょうどいいしな」

「だから俺達も呼ばれたってわけよ」

「そゆこと。一人でいるよりもみんなでいた方が楽しいしな」

「なんで楽しんでんだよ、勉強会だって言ってんだろハゲ」

 

 

 まぁうちのメンバーなら男とはいえ他のメンツと面識あるヤツらばっかりだし丁度いいだろう。勉強もできるみたいだしな。

 

 

「……で?誰を教えればええん?」

「私!」

「お前は学年違うだろ引っ込んでろアホピンク」

「ぶー!なんでさー!」

「さっきも言っただろ学年って知ってるゥ!?」

 

 

 結局最初ははぐみに現社を教えることになった。

 ちなみにだけどはぐみも頭すっからかんタイプだった。

 頭すっからかんタイプって言うのは何言っても首傾げて?←これで返してくるタイプな?

 デメリットは美少女であるこいつらがやるとめちゃくちゃ可愛いこと。

 イメージ湧かないって人は昔ポ〇モンでカ〇ミが使ってたコ〇ック想像してみてな?

 てか彩とひまりと香澄もどうやらそのタイプである。ってもだいたいみんなこのタイプなんだけどな。

 俺も電子回路の時はこのタイプの馬鹿になるし。

 

 蘭は理解出来るけど応用が苦手なタイプな。

 あと学ぼうとしないイヤイヤタイプでもある。手間かかる可愛いかよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳にイヤホンをぶっ刺しながら右手のシャーペンをひたすら走らせる。

 イヤホンからはさっきからひたすらフレデリックのドラッグミュージックが流れ続けている。

 いいよねフレデリック。俺はFUTURE ICE CREAMとスキライズムが好き。オドループとかオンリーワンダーとかかなしいうれしいもいいぞ!

 みんなフレデリックをすこれ。

 

 そんな感じでひたすらシャーペンを走らせ工業化の用語を頭に叩き込んでいると右肩をポンポンと叩かれる。

 誰だ?俺様の暗記ングタイムを邪魔するやつは。

 許さん。まぁ全然許すし邪魔された訳でもないんだけど。

 シャーペンをノートの上に起きイヤホンを外し右手を向く。

 

 

「まーくん終わったー?」

「おう、今しがた」

 

 

 後ろで俺のノートを覗き込んでたモカの顔を確認すると、机の上に置いてあるコーヒーを口の中にとどまらせることなく軽く喉に流し込む。

 終わろうと思えばいつでも終われたしな。

 ちょうどやめ時を探してたところだしちょうどいい。

 

 

「お前は?」

「モカちゃんは超天才美少女だから勉強しなくても出来るのだ〜」

「さっき俺が言ってた言った応用問題できたか?」

「ばっちぐーですよ〜」

「そりゃあ良かった」

 

 

 やっぱり勉強してんじゃねぇか。

 まぁモカも最初っから隠す気は毛頭なかったろうけどな。

 

 

「ひまり達は?」

「あそこで伸びてる〜」

 

 

 モカが指さす方向を見ると頭から湯気を出しながら突っ伏しているひまりがいた。

 なんかすっげぇその光景見た事あるぞ。

 気の所為か?いいえ記憶にございます。

 

 とりあえずモカに言われるがまま、ひまりの元に向かう。

 店の中だから暖房がついているとはいえ指先は謎に冷たい。

 つまりやることは分かるな?セクハラ?知るか。

 そんなことより悪戯心の方が勝る。

 

 

「えいっ」

「ひゃああああああああああっ!!!???」

 

 

 おぉ。いい反応じゃないの。

 冬場で外も寒いというのに謎に露出されたうなじが右手に触れると本体のアホピンク2号は見事に悲鳴のような何かを叫びながら起き上がった。

 そしてそのままうなじを両手で抑えて顔を真っ赤にしながら、こちらを睨みつけてくる。

 

 

「わり、悪気はなかったんだ。ただ好奇心が勝った」

「女の子になんてことするのエッチー!」

「ぶはっ!?!!??」

 

 

 目にも止まらぬ右手からの張り手が寸分狂わず右の頬に直撃する。

 ったくまだまだだなひまり。ベーシストたるもの利き手は大切にしろよ。

 なんかそういうのはもっとムードある時にして欲しかったとかなんやら聞こえてくるけどまぁなんだ。

 

 悪かった(土下座)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛斗ってたまーにとんでもないことやり出すよね」

「褒めてる?」

「そう聞こえる?」

「全く」

「相変わらず私じゃペースが掴めないよ……」

 

 

 そんな訳でひまりや紗夜さんやつぐの視線がキツイので美咲がいるハロハピのところに避難してきた。

 まぁここはここで薫さんがいたりはぐみがいたりこころがいたりで騒がしいんだけど何故か今は席を外している。

 なんでも俺がちょっと前に行ったら動きで覚えるということを変なふうに受けて、走りながら暗記したら全部覚えれるんじゃないかしら!とか言い出して3人で冬の外に飛び出して行ったらしい。

 

 なーにしてんだよぉ!(元凶)

 冬場は簡単に風邪をひくから黒服さん達には気をつけてもらいたい。

 

 

「美咲はわからない所とかないのかよ。勉強」

「私がそういうのやらないように見える?」

「いや全く」

 

 

 美咲が珍しく得意げに言ってくるのでこちらもそりゃあそうだわなという感じで笑って返す。

 まぁ美咲はハロハピ内でも屈指というか唯一に等しい常識人。まぁライブとかの時にはクマに入ってるけど。

 ちなみにクマの姿であるミッシェルから出た時の美咲はめちゃくちゃエロいぞ!

 1回CiRCLEで間違えて鉢合わせちゃった時はミッシェルの頭が腹に飛んできたけど。

 あのタンクトップは美咲だから似合うんだよなぁ。

 いやはやあれはほんとに新しいジャンルを開けそうというかなんというか……。

 

 

「愛斗。なんかさっきから変なこと考えてないよね」

「全く」

「ちなみに今日は下、タンクトップじゃないから」

「マジかよショック」

「フンッ!」

「ぶべらっ!?」

 

 

 思ったことを素直に言ったら美咲の教科書フルスイングを見事に顔面に食らった。

 これ僕の悪い癖。

 

 

「痛いでごわす……」

「当たり前でしょ」

 

 

 見事におでこの芯を貫かれたので自分のおでこをさすさすする。

 美咲さん、あなた呆れ顔だけどやったの君だからね? まぁ俺が悪いんだけど(白目)

 

 ふと何故か花音さんがいないことに気がつく。

 しょっちゅう行方不明になるから気が付かなかった。

 

 

「そういや花音さんは?」

「あそこ」

 

 

 美咲が指さす方向を見ると、そこには千聖さんと花音さんに挟まれて頭から湯気を出す初代アホピンクがいた。

 2年の問題児は2年で何とかするしかないもんな。

 

 ちなみに友希那さんにはリサ姉と紗夜さんがついてた。

 友希那さんの場合は頭から湯気は出てないがめちゃくちゃ不機嫌そうだ。リサ姉めっちゃニコニコでやってるけど。

 あの人案外Sなのかも知れない。

 隣でめちゃくちゃ言ってる紗夜さんはおそらくただのスパルタだ。

 バンド関係なければリーダー云々関係無く、ただの同級生だからな。友希那さん相手でも容赦しないだろう。

 そもそもRoseliaのリーダーでボーカルの友希那さんが成績死んでるとかバレたら面子が立たない。

 既に立ってない気がするけど。

 

 

 

 

 結局このまま一向に帰ってこないこころ達を千聖さんが捕まえに行くまで美咲に数学教えて貰った。

 普通に教え方分かりやすかった。

 今までで1番常識人してるのって美咲とつぐみだと思うわ。

 

 有咲とか紗夜さんとかリサ姉とか燐子さんとか千聖さんとか麻弥さんとか巴とか花音さんとか一見常識人の人はたくさんいるけどガッツリ真人間は少ない。

 上にあげた人は常識人だけどどっかおかしいからな。

 美咲もミッシェルに入ってるけどあれは不可抗力だし。本人が楽しんでる節あるけど。

 この俺ですらスイッチ入ると秒単位で黒歴史を製造するマシンに早変わりするしな。

 

 

 そんな訳でテストは微妙な点数に終わった。

 テス勉は基本自分でやるべきだわ(確信)

 

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。