どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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花嫁姿は男に対する最終兵器

「浅尾愛斗さん。貴殿はこの女性を健康な時も病の時も富める時も貧しい時も良い時も悪い時も愛し合い敬いなぐさめ助けて変わることなく愛することを誓いますか?」

 

 

「……誓います」

 

 

 冬の昼間は雲があまりない。

 間違いなく晴天と言われる昼間の時間の教会に俺達はいる。

 季節は冬待っただ中にも関わらず結婚式場と化した教会の大きな窓からは暖かい日差しが俺たちを祝福するかのように優しく包み込んでいる。

 

 

「丸山彩さん。あなたはこの男性を健康な時も病の時も富める時も貧しい時も良い時も悪い時も愛し合い敬いなぐさめ助けて変わることなく愛することを誓いますか」

 

「はい、誓います」

 

 

 目の前には純白のウェディングドレスとヴェールに身を包んだ俺のよく知る顔。

 神父の仲介を得て彼女の顔に掛けられたヴェールを優しく捲りあげ、顔を近づける。

 

 この先一生を共に過ごす。彼女と誓いの……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブライダル雑誌のモデル?」

「はい」

 

 

 仕事先でもWarwickをデビューさせてから約一週間たった頃。

 いつものように事務所にバイトしに訪れてた俺は仕事前にいつもやる一日の仕事の流れを説明する連絡の時間に斎藤さんから聞きなれない単語を聞かされてた。

 

 

「何日か前に服の採寸したのは覚えてますか?」

「あぁ……一応」

 

 

 そう。実は俺って何日か前に服の採寸をしていたんだよね。

 と言ってもその時はどこかで必要になる時が来るからパスパレメンバーの服の採寸をやるついでに君もやっとけよ、みたいなついで感覚でやらされたんだけど。

 今思えば謎である。なんでついで程度でスタジオミュージシャンをやってる俺の服の採寸までしてたんだよって思ってたけどそういう事か。

 

 どこまで行ってもほんとにこの事務所は準備がいいと言うか根回しが上手いというかなんというか……。

 

 

「それでどこでやるんすか」

「浅尾くん適応早いね。俺正直ビックリしたよ」

 

 

 あのね斎藤さん。お宅の事務所の今までの行いを考えてみてください。もう慣れるわそりゃ。嫌でも慣れちゃうよんだよなこれが。

 今までにどんだけ隠し撮りされて来たと思ってんだ。拉致られたと思ってるんだ。拉致は1回だけど。

 ちゃんとこうやって事前にちゃんと仕事として報告してくれるだけ100倍マシである。

 

 

「まぁそんな焦らなくていいから」

「はぁ……」

「まず内容だけどね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ!あれじゃないかなー!?」

「おお!本当ですね!」

 

 

 ロケ車の左側に座っていた日菜さんと麻弥さんが目標の建物を見つけたのか。目に見えてテンションを上げている。

 いつもテンションMAXの日菜さんはともかく、どちらかと言うといつもは大人しい麻弥さんまでテンション上げているのはとっても尊い。

 

 ロケ車に揺られて1時間ほど。俺とパスパレの面々はいつもいる都心から離れたとある教会に向かっていた。

 理由はもちろん、例のブライダル雑誌の撮影。

 いやほんとに来ちまったよ……。

 仕事の話を聞いたあの時は「自分、こういうのもう慣れましたから」的なちょっとイキったやつみたいな感じになってたけどよくよく考えたらただの一般人の俺が雑誌の撮影のモデルってかなりやばい。

 まぁ雑誌の主役は俺じゃなくて彩なんだけどな。

 

 うん。今の言葉でお気づき頂いただろう。

 今回ブライダル雑誌の撮影で新郎役である俺の相手をするのはあの丸山彩である。

 普通に考えてリーダーでボーカルというパスパレの顔的立場だから主役的立場に選ばれて当然とは思うけど、それの相手に俺を選んだことに何らかの意図しか感じない。

 気の所為だといいな。多分故意だろうな(遠い目)

 

 

「わぁ……すっごく大きい……」

「マナトさんマナトさん!見てください!凄いですよ!」

「わわっ……イヴちゃん落ち着いて……」

「ほんとに大きいわね……」

 

 

 イヤホンをしながら半分寝かかってた所をイヴちゃんにペちペち叩かれる。

 まぁちゃんと起きてたんだけどね。ほんとだよ?半分意識飛ばしてただけだからね?

 蘭の腰の入ったパンチに比べて非常にソフトである。

 イヤホンを外してイヴちゃんに体を引っ張られながら窓際に体を寄せて外を見てみる。

 

 そこにはここが日本国内じゃない別の国かと錯覚させるような巨大なお城のような教会が森の木々の中から頭を出して堂々と佇んでいた。

 

 

 

 

 今日行うことは大きくわけてふたつ。

 

 まずは当初から言っているブライダル雑誌の撮影。

 そしてもう1つがふわふわ時間のMV撮影だ。

 ウェディングドレスを着れる機会なんて滅多にないということでついでになんかの曲のMVも撮影してしまおう!ということになったらしい。

 今日一日は全部このふたつにつぎ込むらしいけどこれ今日中に終わんのか。めちゃくちゃ心配である。

 MVの撮影がサクサク終わればワンチャンやな。まぁMVもここで全部取らなあかん訳では無いし撮れる分は撮っておこうという感じだろう。

 

 

「それじゃ。まず初めにMV撮っちゃいますね!」

「えっ」

 

 

 おい優先順位どうなっとんねん!普通本命のブライダル雑誌の撮影が先やろがい!

 

 なんでもブライダル雑誌担当の人が午後からしか現場に来れないらしい。

 なるほどそれも見越してMV撮影の予定も入れてたんか。流石我が事務所、余念が無いな。

 今までの冗談抜きでその肌で感じてきたけどうちの事務所はほんとに余念が無いというか丁寧なことする割にチャレンジ精神が旺盛だから困る。

 今までも大炎上しても文句言えない件が沢山あったんだよなぁ……。

 取り敢えずさっさと撮影しないとな、着替えるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 取り敢えず着替えた。

 着替えたはいいんだけどめちゃくちゃ恥ずかしいなこれ。

 

 今、俺は純白のスーツに身を包んでいる。

 中シャツは千聖さんの綺麗な髪の毛の色に近いクリーム色のシャツだ。そこにまたネクタイをつけている。

 ちなみにネクタイの色も勿論真っ白。これオシャレ性能としてどうなんだろうか。白!クリーム!白!って。

 なんかの騎士団長みたい(小並感)

 

 教会の前の豪勢な階段に落とされた真紅のレッドカーペットの上に腰掛けジャズマスターを背にかけたままパスパレのメンバーを待つ。

 今日はほんとにいい天気だな。

 12月ということもありかなり寒くなってるが日差しがぽかぽかと俺達を照らしてくれる。

 

 少し待つと背中の方からドタドタと言う足音とドアを開ける音が聞こえてきた。

 

 

「マーくん着替えてきたよー!」

「マナトさん見てください!皆さんすっごく可愛らしいですよ!」

「イ、イヴさん!?その服装で走ると危ないっすよ!?」

 

「おぉ……すっげぇ」

 

 

 振り向くとそこには高級住宅地に住んでそうなお嬢様がよく着るようなドレスみたいな服装に着替えた3人がいた。

 フォーマルドレスと言うやつだろうか?俺にはよくわかんないが。

 

 

「どぉ?似合ってる?」

「めちゃくちゃ似合ってますよ」

「やったー!」

 

 

 日菜さんは白を基調とした下地に所々水色が散りばめられた活発そうなイメージを促進させるドレス。

 この人も顔は一級品だから何着せても似合うよな。イヴちゃんもモデルやってるらしいしほんとに俺の周りには美少女ばっかりだ。

 羨ましいだろ?その美少女全員に黒歴史を握られてもいいんだったら変わってやるよ。おう考えてやるよ。

 

 

「麻弥さんも綺麗っすね」

「いえいえ……ジブンなんてそんな……照れるっすよ……」

 

 

 そんなこと言いながらふへへと赤くした頬を抑えながらクネクネしている。可愛い(可愛い)

 麻弥さんも白を基調とした下地に所々緑色が散りばめられた肩出しのドレス。多分ドラム叩くからその分動きやすくしてあるんだろうな。

 

 

「マナトさん見てくださいこのドレス!とってもブシドーです!」

「おもくそ西洋系のやつだと思うんですがそれは」

 

 

 1番びっくりしたのはイヴちゃん。

 白を基調とした……と言いたいところだがなんと基調としている色は黒。髪の毛もいつものような2つの編み込みではなく後ろでまとめてある。

 なんというかラスボス感が凄い。

 いつもの可愛いイメージは何処へやら、元々めちゃくちゃ美人ということもありほんとに美しいという言葉が似合っている。

 なお中身。やっぱりイヴちゃんはイヴちゃんってはっきりわかんだね。

 

 

 ちなみに彩はウェディングドレス。千聖さんはそれを着せるためのお手伝いに行くと言ってたのでまだ来ないだろう。

 ウェディングドレスって着るのに時間かかりそうだしなぁ……。

 にしても3人ともどこで着替えてたんだろう。俺ロケ車の中だったからよくわかんないが。

 まぁパスパレのメンバーをロケ車で着替えさせると言ったら俺は切れるんだけどね。なんなら俺からロケ車でええって名乗り出たし。

 ロケ車って広いんだよね。意外と余裕だった。

 着替え終わったあとメイクさんにめちゃくちゃ服装を直されたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ……」

 

 

 ロケ車を降り、マーくんとの暫しの別れを惜しみつつ千聖ちゃんと一緒に協会の人に案内されるがまま招かれた部屋に入ると、そこには女の子の憧れである真っ白な純白のウェディングドレスがマネキンに着せられていた。

 

 

「凄い!凄いよ千聖ちゃん!」

「他人事だけど彩ちゃんがこれを着るのよ……」

「あっ……」

 

 

 そう言えばそうだった……。

 でも信じられないなぁ。私まだ高校生なのにウェディングドレス着れちゃうんだ……。

 これを着るのは本番の時だけと思ってたからお仕事とはいえ正直今だにこの事が信じられない。

 

 それに相手はマーくんってほんとに夢みたいだよ……。なんか泣きそうになって来た……。

 

 

「ちょっ……彩ちゃんなんで泣いてるのよ……」

「だってぇ……!」

「そんな顔してたらマーくんに会った時に心配させちゃうわよ?メイクもするんだから」

「……うん」

 

 

 千聖ちゃんの言う通り私のウエディング姿を見せてマーくんを惚れさせるってのが今日の計画なんだから。

 こんな所でまだ泣いてなんかいられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いえーい!」

 

「はいおっけー!」

 

 

 着付けに時間がかかるという彩と千聖さんを待っている間に俺達4人はポンポンとMVの個人の部分を撮り進めていく。

 ちなみに俺も既に撮られている。

 まぁ今回のふわふわ時間は俺のギターの音源もゲスト枠みたいな感じで入ってるしな。まぁいいだろう。

 今は何も持たずにフリーの状態で日菜さんの撮影を見守っている。

 

 てか地味にこんだけしっかり撮影したのは初めてかもしれない。

 てか俺本来ならこんなことしないはずなんだよなぁ。ただの一般人ってそれ1番言われてるから。

 

 

「丸山さん支度終わりましたー!」

「丸山彩入りまーす!」

 

「おー、彩ちゃん終わったみたいだね」

「っすね」

「チサトさんは先程先に来てましたもんね」

 

 

 そう。つい先程千聖さんは先に来ていたのだ。

 ちなみに千聖さんはなんかよくわからないけどデカい衣装を着ていた。まぁ何が一番近いかと聞かれたら俺は神父の着てる服と答える。

 けど女の人が神父の服は流石におかしいしなぁ……。あれなんの衣装なんだろ。

 とあるシリーズ並の知識だけど女性の場合は修道女とかそういうのじゃないっけ?

 着るにしてもそっちじゃないのか。なんにせよ謎が残る衣裳である。千聖さんは非常に気に入ってたみたいだからいいけど。

 

 

「彩ちゃん来たー!」

「おぉ!彩さん!綺麗っす!美しいっす!」

「アヤさん素敵です!」

 

「そうかな……えへへ」

 

 

 もう彩来たみたいだな。

 なんやろ。すっごい後ろ向くのが怖いんだけど。

 なんかもう見たら戻れない気がするというかなんというか。

 初めて嫁さんの晴れ着姿を見る夫の気持ちってこんな感じなのかもしれない。めっちゃ緊張するやんけ。

 

 いや、でも見ないことには始まらないしなぁ……。俺も男らしく腹くくるかなぁ。

 

 意を決して後ろを振り向く。

 

 

「ど、どうかな……?」

 

「」

 

 

 言葉が出ない。

 

 おおおおおおちけつ。森羅万象リオレウスのワールドツアーは糞、閃光でぶち落とせして高出力解放切りをやらかい頭に叩き込め!浅〇 浅〇 それバットでGO!GO!(シャウト)

 よしおk。

 

 簡潔に説明しよう。

 後ろ向いたら白とピンクの天使がいた。

 以上。おk?

 

 いつものアイドルモードのツインテールではなく、ピンク頭に白い花の髪飾りを付けて後ろでまとめてある。

 少し照れているのか。頬を赤くした顔にはうっすらとナチュラルメイクが施してある。俺はメイクが濃い女が苦手なのであのくらいの薄さはドストライクだ。

 ちなみにリサ姉もギャルギャルやってる割にはメイクは薄い方だ。マジ好み。

 みんな元々可愛いんだからメイクは薄くていいんだよ。

 

 ウェディングドレスは非常にシンプルなデザインでそのシンプルさが彩の可愛さと普段は見せない可憐さや美しさをさらに何倍も引き立てる。

 ウェディングドレスやべぇな。こんなもん古代兵器のレベルだぞ。

 マジで一瞬で心を奪われた。反則。

 大反則。

 

 

「愛斗くん。彩ちゃんの姿に何か感想は?」

「くっそかわいい惚れそう」

 

「ふぇぇ!?」

 

 

 こっちに攻撃しにかかってきた彩に思いっきりカウンターぶち込んでやった。

 なお、故意じゃない模様

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

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