どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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楽器のメンテは定期的にしとけ

 とある休日の朝9時頃。俺は愛機のジャズマスターを背負いながらバイクを走らせてとある所に向かっていた。

 こんなくそ寒い北風が吹きすさぶ冬の朝にバイクで更に全身に冷たい風をガッツリ受けてまでどこに向かってるのか。

 

 まぁあっさり答えをばらすと楽器屋に向かってます、はい。

 場所はショッピングモール。もっと言うならイ〇ンモール。

 イ〇ンはいいよな。ていうかショッピングモールはいいものだ。

 フードコートには美味い飯屋もあるしそこ以外にも地方にある有名店が中にあったりする。

 さらに服屋や靴屋とかもあるし映画館があったりもする。

 

 まさにデパート。いやこれがホントのデパートなんだけどね。多分。

 そしてそんななんでもあることに定評のあるショッピングモールにあるのが今日の目的地である楽器屋だ。

 ちょっと深い事情があって俺の愛機であるもう3年以上は毎日を共にしているジャズマスターちゃんをメンテナンスに出さなくてはいけなくなったのだ。

 そりゃあ3年も毎日のように使ってればボロは来るというもんだ。仕方ないね(レ)

 

 

「そんな訳でお世話になります」

「メンテは久々だねぇ」

 

 

 ここの楽器店はチェーン店でありながらも店員さん達が信頼できる人たちなのでこっちに越してからはずっと楽器店はここと江戸川楽器店を利用している。

 ちょっと性格悪いことしたけど、初めてここに来た時にガッツリ初心者のふりして色々聞いて見たんだけど変なもん買わせようとしたりだとかぼったくろうとかそういう魂胆も見えなかったし、従業員の人の知識も技術も申し分無しだ。ちなみにちゃんとネタばらしして謝った。

 ごめんね。厨二病上がりはこういうやり方しか知らないんだ。実際死ぬほど緊張した

 

 ちなみに黒テレキャスとWarwickを買ったのもこの楽器店だ。

 江戸川楽器店では基本的にはエフェクターとかの品ぞろえがいいからそっちを買ってるな。けど俺はこっち派だな

 チェーン店なのに楽器の取り置きして貰えるのはほんとにありがたい。

 

 

「それで今日は?……って言っても見りゃわかりますねこれは……」

「いやなんかもう……素人にはこれ以上修復不可避って感じで……」

 

 

 いつもお世話になってる店員の兄ちゃんがケースから引っ張り出したジャズマスターを見て苦笑いする。

 

 そうです。遂に限界を迎えましたジャズマスターちゃんのストラップピン。

 うちの楽器の中では古株の類に入るジャズマスターとスクワイヤーのジャズベだが二本ともストラップピンがガタガタなのである。

 ちなみにこの前買ったばかりのWarwickはまだまだ取れる様子も全くないが黒テレキャスの方はほんのちょっぴりだけ怪しいかな?とこの前触ってたらちょっと思った。

 

 理由は明確。俺の扱いの悪さである。

 ギターに傷などは滅多につけないし普段からギターやベースのボディを拭くためのハンカチなどを持ち歩いたりそこら辺のメンテナンスの精神には定評のある俺だが、何しろプレースタイルが荒すぎる。

 

 まずネックをめちゃくちゃ振り下ろすのは当たり前。

 軽く振り下ろしたり思いっきり気合入れて振り下ろしたり逆に振り上げたりワンポイント振り下げなどとにかくバラエティに溢れている。いらねぇ(確信)

 ギターのネックをフルで握りながらギターごと暴れ回ったりギター回しまくったりジャンプしてギターのネックで空中斬りとかそんなことしてたらそりゃあストラップピンも悲鳴をあげるってものよ。ほんとに申し訳ねぇ。

 

 今まではガバガバになったらストラップピンの穴に爪楊枝を差し込んでボンドで補強してたのだが流石に限界がきた。

 あとあんまりこういうのやってるとジャズマスター本体のボディにダメージが行ってしまいそうでほんとに怖い。

 だから本来なら自分で出来る部分なのだからこういうのは大人しくプロに頼めば安心って事で今日は楽器屋にお世話になることになった。

 こういう時は金なんか払わなくても自分で出来るからwwwなんて言ってないで大人しくプロに任せた方が絶対にいい。

 

 

「そいで今日はこれだけ?これだけならタダでやりますよ?」

「いや、ストラップピンのリペアだけじゃなくて弦の張替えもお願いしたいっす。ついでにクリーニングも」

 

 

 最近ギターの音の少し歪んできた感じも強くなってきたし、少し早い気もするけど曲がりなりにもギターで仕事をしてる以上はこういう所で手を抜いてはいけない。

 これも自分でやってもいいんだけどやっぱりプロに任せとけば間違いないしな。

 何より俺はもう趣味を仕事にしちゃってる人だからここら辺に金を掛けなきゃいけないからな。

 あと何よりもこういうの失敗するのが怖すぎて自分であんまりやりたくない(ヘタレ)

 

 

「おっけー。それじゃあやっといてあげるから適当にギターでも見とくかそこら辺回っといてよ。終わったら電話するから」

「あざーっす!」

 

 

 ちなみにこの店員の若い兄ちゃんとは既に連絡先を交換してる中である。

 なんでもガールズバンドを追うのが趣味らしく、実はこの人を紹介してもらったのも紗夜さんからだったりする。

 ちなみに俺が何をやっている人かも色々把握していて、ちょくちょく茶化してくる。

 ぶっ飛ばしてやりたい。

 

 けどこの兄ちゃんは若いのに腕前は本物だ。紗夜さんも少しお調子者な方ですけど腕はピカイチですって言ってたしまさにその通りである。

 うちのギターとかベースやってる子達はほとんどこの人のお世話になってるんちゃうかな?

 普段追っかけてる子達がプライベートで自分を頼りにしてくれるとかまさに万々歳だろう。この兄ちゃんは天職に付いたよなぁ。

 

 とりあえず待ってる間本屋に漫画の新刊出てるか見に行って帰りにサーティ〇ンでも食いに行くかなぁ。

 

 

「……ん? あの水色の髪の毛……」

 

 

 そんな楽しい計画を頭の中に浮かべていると何やら見覚えのある後ろ姿が目に入る。

 あの水色の背中くらいまで伸びてる水色の綺麗な髪の毛と茶髪のショートカットの後ろから天使のオーラが漏れてる子は……。

 

 あっ、ショートカットの子がこっち向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんとに奢ってもらって良かったのかしら……」

「こんな時くらい奢らせてくださいって」

 

 

 結局あの超絶美少女2人はやっぱりというか紗夜さんとつぐみだった。

 なんというか意外なコンビに見える。まぁ普段から日菜さんに引っ張られている紗夜さんからしたらつぐみは別の意味で居心地いいんだろうな。

 それに極秘情報だけど紗夜さんって羽沢珈琲店の常連だしな。ちなみに千聖さんもだ。

 普段クールビューティーな人達が羽沢珈琲店のケーキ食って悶えてるところ見てみ?尊死するであれはほんとに。

 たまたま紗夜さんのやつは見ちゃった俺は尊死した。

 

 そんな2人に偶然遭遇したということで無理やりサーティ〇ンを奢った。

 こういう時くらいカッコつけたい。普段が散々だからちょっとでもまともなところ見せないとあかんってそれ。まぁそれがなくても普通に奢るんだけどな。

 

 

「愛斗くんありがとうね!んー!美味しー!」

「可愛い」

「激しく同意するわ」

 

 

 ポッピングシャワーにほぼいつものクールな表情のままパクツイてる紗夜さんが言葉だけで激しく同意してくる。

 大天使つぐみは万国共通。はっきりわかんだね。

 

 つぐみって大人しくてお淑やかなイメージがありがちだけど普段濃いあいつらに囲まれてて目立たないだけで普通に年相応の女の子なんだよな。

 ただつぐみはあんまり普段はそういうの見せずにafterglowを陰で引っ張ってるからこういう時に見せる無邪気な姿がほんとに可愛い。

 意外とノリがいいんだよな。この前のCiRCLE合同ライブでめっちゃアイドルやってたし。ギャップって最強だわ。

 つぐみは天使。はっきりわかんだね。

 

 

「てかもうそろそろ張替え終わるんじゃねぇかな。紗夜さんも弦の張替えですよね?」

「えぇ。そのついでに服も見に来たのだけど……」

「俺が来た時には既にもう見終わってたと。紗夜さんの水着見たかった……」

「なんで水着固定なのよ!今は冬真っ只中でしょう!」

 

 

 あぁ^〜ツッコミ気持ちいいんじゃ^〜。

 普段からツッコミというか(一応)常識人枠だからこういうまともな人といるとほんとに落ち着く。

 でもビーチバレーの時の水着紗夜さん死ぬほど可愛かったんだもん。

 綺麗というか可愛かった。それはもうエグかった。今思えば美人なのにやっぱり日菜さんの姉妹というか面影見えたもんな。

 是非来年の夏も見せて欲しい。

 てかその後タオル1枚の紗夜さんと遭遇し……。

 

 

「……愛斗さん?」

「サーセン」

 

 

 紗夜さんにジト目で睨まれた。

 ジト目紗夜さんくっそ可愛い。でももう辞めておこう。

 あんまりいじると可愛そうだしな。可愛いんだけど可愛そうだしな。漢字似てるなこれ。

 

 

『どうか!』

 

「ほら!電話来ましたよ!ギター取りに行きましょう!つぐ!行こうぜ!」

 

 

 しめた!ナイスタイミングだ!店員の兄ちゃん!

 俺は助けを求めるようにニコニコ顔でストロベリーチーズケーキにパクつくつぐみに声をかける。

 

 

「弦の張替え、もう終わったの?」

「多分」

「多分なんだね……」

 

 

 苦笑いしながらもついてきてくれる姿勢を見せてくれるつぐにほんとに惚れそうになる。

 つぐが来てくれたら紗夜さんもいやいやでもついてきてくれるからな。

 ほんとつぐみって天使だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「浅尾くん、紗夜さん達と合流したんだね」

「ついさっきですけどね。なんで千聖さんと花音さんもいるんですか」

 

 

 楽器屋に着くとそこには完全オフの千聖さんと花音さんがいた。

 千聖さんやっぱ私服のセンスがいいよな。花音さんの私服は鬼可愛い。もう雰囲気が可愛い。ふわふわしてるのが見える。

 

 

「私もベースの弦を張替えに来たのよ。そしたら花音もついてくるって言うから」

「えへへ……最近千聖ちゃんとも遊びに行けてなかったから」

 

 

 ちょっと照れて千聖さんに甘える花音さんが尊すぎる。

 

 あぁ^〜花音さん可愛すぎるんじゃ^〜。

 花音さんと千聖さんがお互い中学からの仲なのは知ってたが親友と呼べるほどまでの仲なのは知らなかった。

 千聖さんからピンポイントで花音さんの話を聞く機会も無かったしな。

 薫さんと花音さんの事だけは呼び捨てにしてる時点で特別な仲なんだろうってのは伺えたけど。

 にしても実際に見てみると尊い。

 今度千聖さんが話してくれたら2人の馴れ初めでも聞いて見るか。

 

 

「はい浅尾さん。クリーニングもしっかりやっときましたよ」

「どうもー……」

 

 

 店員の兄ちゃんからピッカピカになった裸のジャズマスを受け取……。受け取……。

 

 ……兄ちゃんジャズマスター離さないんだけど。ねぇ。

 なんで?そのジャズマスター僕のなんだけど。僕の相棒くんなんだけど。

 

 

 

「……あの、離して欲しいんですけど」

「条件がある」

「えぇ……(困惑)」

 

 

 なんなんだよいきなり変な事言い出して……。

 

 

「実は島〇楽器 日〇出店って知ってます?」

「あぁ、あの店員さんだけでバンドしてる。あぁいうのいいですよね」

「あれがやりたいっ!」

「やればいいじゃないですか(呆れ)」

 

 

 やりたいならやればいい。兄ちゃん以外にも店員さんはいるんだから。

 

 

「そうじゃないんだよ。ほら見てみ?このメンバー。ボーカルに浅尾くん。ギターに氷川さん。ベースは白鷺さん。ドラムは松原さん。キーボードの羽沢さんまでいる。Poppin’Party以外の新生ガールズバンド5大巨頭の内の4つのバンドのメンバーが揃ってるんだよ!しかもこんなにバランスよく!この意味がわかるかい!?」

「いや全く」

「店の商品で1曲やって!宣伝になるし今回の代金も安くしとくから!」

「えぇ……(困惑)」

「俺達がやったより君たちがやった方が宣伝になるんだよ!」

 

 

 いきなりそんな事言われても困るんだよなぁ……。

 1曲弾くくらい俺は別にいいんだけど他の人がね……。

 

 

「だってさ」

「私は別に構いませんよ?値段も安くなるのならこちら側のメリットの方が多いように思えますし」

「ほら!」

「えっ」

 

 

 紗夜さん。まさかの了承。

 マジかよ紗夜さん。あなたついこの間ネットに顔を出したくないからって俺にRoseliaの楽曲やらせてたやんか。あれ色んな意味で伸びてビビってるねんぞ。

 

 

「私も別に構わないです。その代わりちゃんとパスパレの宣伝はしてくださいね?」

「勿論です!」

「千聖ちゃんがやるんだったら私も……」

「私も紗夜さんがやるならやりますよ!」

 

 

 おいおいおいおい。マジかよみんな。やるって言うのかよ。

 こんな常識人揃いなのにどうなってやがる。全くの想定外だ。

 てかこんな想定外の事態で1番ふぇぇしてそうな花音さんが千聖さんがやるという理由でノリノリになってるのが1番驚きだ。千聖さんパワーすげぇ。あと花音さんは可愛い。

 あと地味につぐもノリノリなんだよな。なんかひまりみたいになってるよつぐ。

 俺は可愛いつぐみが好きだけどそれでいいのかつぐ。最近迷走してる気がするよ。

 

 

「浅尾さんはどうします?」

 

 

 もはや勝ち確の状況でドヤ顔しながら店員の兄ちゃんが聞いてくる。

 いやもう逃げ場ないじゃん。

 選択肢じゃないじゃん確定事項じゃんこれ。

 それでも俺は抗う。このクソッタレた世の中から抗うぞJ〇JOオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひっさびさにアコギ握ったわ」

「愛斗くんってアコギも弾けたんだね」

「昔はアコギの方がメインだったんだけどな」

 

 

 結局やることになりました。

 あぁなった以上はもう抗えまい。普通に諦めたわ。

 

 そんな訳で俺は今、店の前のスペースでアコギを握っている。

 簡易的なミニライブだと考えてくれればいいかな。

 ちなみに後ろにはちゃんとエレキも控えてある。ジャズマスじゃなくてお店で貸してくれたレスポールだ。

 一回弾いてみたかったんだよなぁ。後で弾こ。

 

 それでアコギに話を戻すけど実はちょっと最近練習してる曲があってアコギを握る機会が増えたんだよね。

 ちなみにアコギに関してはそこそこ上手い方だと思っている。

 この間おさ〇らいさんの丸の内サディスティックをアコギでロックしてみたってのを弾けるようになった時にはほんとに嬉しかった。そっからちょっとアコギ沼に入ってたよね。というか弾き語り沼に入ってた。

 何曲か弾き語り録音&録画してるのは黒歴史だから隠しておこう。まぁあれはうちのパソコンに入れてあるから絶対漏れることは無いんだけどね。

 

 

「それで何弾くか決めてるのかしら?」

「君じゃなきゃダメみたい」

 

 

 そう。最近ハマった曲というのがこれ。

 公式おしゃべりクソメガネことオーイシ〇サヨシ大先生の君じゃなきゃダメみたい。

 あの弾き語り動画は罪だよね。アコギが上手すぎるもん。

 普通に練習しまくったよね。

 

 

「私あのベース多分弾けないわよ……」

「スラップは俺がやるから大丈夫。きついかもしれんけどベースラインだけ頑張ってください」

「千聖ちゃんなら出来るよ……!」

「やるわ」

 

 

 花音さんが両手でスティックを握りしめながら千聖さんを応援した瞬間やる気出しててシンプルに笑いそうになった。

 千聖さんの弱点発覚したかもしれん。

 使う機会一生なさそうだし使ったら毎日彩が俺に引っ付いてきそうだから絶対使わんけど。

 

 

「紗夜さんと花音さんとつぐは弾けます?」

「えぇ。有名な楽曲ですし」

「わ、私も美咲ちゃんにやるかもって聞かされてたから……」

「私も出来るよ!」

 

 

 WOW。超優秀。

 流石に新生ガールズバンドのメンバー達である。

 彼女達がまだ高校生で伸び代しかないと思うとコーチとして末恐ろしく感じる。伸び代なら俺自身にもあるけどな。ギターでもベースでもコーチにしても。

 全く、高校生は最高だぜ!

 

 

「じゃ、カメラも回すよ」

 

『あーい。それじゃあいい? ……おっけ。行きまーす』

 

 

 

 エレアコの音を確かめながらマイクに声を通す。

 少し周りを見て、紗夜さん達が準備し終わったのを確認すると開始の合図を送る。

 

 

『君じゃなきゃダメみたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、YouTubeに上げられた動画は1週間で30万再生突破。

 コメ欄では浮気だのこのバンドで活動しろだの彩ちゃんの彼氏の交友関係広すぎワロタとか紗夜さんに踏まれたいだとか千聖さん踏まれたいだとか散々書かれていた。

 

 その結果紗夜さんが『男性は踏んで貰えると気持ちいいんですか……?』とか赤面しながら言ってきて踏んでこようとしたのを何とか回避したり、彩に『踏むのはマーくんが可愛そうだから私をd』とかなんかやばいこと言いかけてたのでシバキ倒したりだとかすることになった。おかしい。こんなことは許されない。

 

 やっぱネットに動画あげるのは気をつけた方がいいわ

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

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