どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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リサ姉を書けと言われた気がするのでリサ姉を書きました。
嘘ですリサ姉を書きたかったんです。


買い物の楽しさは中学生を超えてから気がつく

 

 プロフェッショナル 仕事の○儀

 

 

 音楽バカ、とは

 

 

 とある防音性能の高いマンション。

 今回の主人公である彼はそのマンションの一室に一人で住んでいる。

 整えられた室内は非常にシンプルで、目立つのは何本も並ぶギターやベースなどの楽器である。

 部屋の主である彼は『定位置』と呼ばれる場所である、PC用のデスクの前で椅子に腰掛け、小さなアンプに木を強く象徴する色をしたボディの五弦ベースを繋いでいた。

 

 据え置きのPCにはイヤホンが繋がれており、片耳にだけ持ち主の耳に繋がれている。

 彼がPCで見ているのは某大手動画サイトだ。

 動画の内容は彼の使っているベースと同じようなベースを使っている人物がボーカロイド楽曲を演奏していると言うものだった。

 

 彼はその動画を細々と5秒繰り戻し、何度も聞きかえしながらベースを弾いていた。

 

 

「……こうじゃねぇな。こう……?いや、こうか。Foo〜↑ 気持ちウィ〜↑」

 

 

 動画でのベースの音と実際に彼が弾いているベースの音が噛み合った時。その時が堪らなく、彼にとっては至福の瞬間だ。

 

 彼の趣味は大手動画投稿サイトなどに数多く投稿されている。通称『弾いてみた』『叩いてみた』系動画の耳コピである。

 

 彼は自室で暇な時間があるときは大体『定位置』で何かしらの楽器を握り、弾いてみた系動画のコピーをし続けている。

 

 

 

 今回の主人公は彼、浅尾愛斗(16)

 Black history ボーカリスト兼ギタリストにして正真正銘のプロのスタジオミュージシャン。

 さらに多くのバンドのコーチも手掛けている現役高校生だ。

 

 この喋り方飽きたな。やめるか(無慈悲)

 

 

「よっしゃあ!一通りできたぜ!」

 

 

 そんな訳で絶賛耳コピ中です。

 今回コピーしているのは色○さんの地球最後の告白を。

 この動画の存在自体は前々から知っていたのだが、画質も悪いし昔の動画やろなぁ。まぁ見なくてもええか。

 てな感じでスルーしていたんだけど、いやーいざ聞いてみたら度肝抜かれたよね。

 なんやねんあの早弾きとタッピングは。完璧に会得するまでに結構かかるぞあれ。

 

 まぁ一通りできたと言うのも完璧にできたと言うわけではない。

 ただある程度の流れを掴めたと言うだけだ。

 俺は楽器の種類に限らず、譜面はAメロBメロサビ……と分けて覚えるのではなく、大体を曲全体の流れとして体に記憶させるのだ。

 考えてやってると歌ってる時にこんがらがっちゃってわかんなくなっちゃうからね、仕方ないね(レ)

 

 元々はボーカルをしている時のことを危惧してこう言う覚え方をしていたわけではなく、ただただ単純にこう言う覚え方をしているだけだった。

 こう言う覚え方してるから何にも考えないで暴れまわりながら弾けるんだね!馬鹿か?(辛辣)

 

 

『rain!↑』

 

 

 一息ついているとスマホからL○NEの通知音が聞こえる。

 スマホを手に取りロック画面の通知を見ると、送り主はリサ姉だった。

 

 

『おはよー☆』

『今日って暇だよね?』

 

『なんで暇認定してるんですか』

『暇ですけど』

 

『結局暇じゃん☆』

 

 

 畜生、悔しいが何にも言えねぇ。

 役職が死ぬほどあって普通に多忙な俺だが、今は冬休み。バイトの方も普通に休ませてもらっている。

 

 Roseliaの練習も後日だし、aftergrowの練習も既に済ませてある。

 ポピパの練習は月末だし、さっきも言った通りバイトは休みだからパスパレの練習もない。

 個人練に関しても、特別大変なことがない限り呼ばれることはないし、普通に暇なんだ。

 

 つまりあれだ。

 

 暇だ。

 

 

『まぁ暇ですね』

 

『でっしょー!』

『じゃあさ、ちょっと付き合ってよ!』

 

『付き合うって何にですの』

 

『決まってるじゃん☆』

『華の女子高生といえばショッピングでしょ!』

 

『なんか古く聞こえるんですけど』

 

『まーまー置いときなって☆』

 

 

「ショッピングねぇ……」

 

 

 いやー、ショッピングか。

 あんまり俺も最近服とか買ってないしちょうどいいかもしれんな。

 この前、弦を変えに行ったときもショッピングモールには行ったんだけど、その時も弦を変えただけで服とかは全く買ってないしな。

 

 筋トレとかもしたせいでほんのちょっとだけ体も大きくなった気がしないでもないし、不本意ながらネットや全世界への露出も増えたわけだから服とかにも気を使わなくてはいけない時期かもしれない。

 

 しかも相手はあのリサ姉だからな。

 俺の知り合いの中で一番オシャレに強いのは、多分現役ギャルのリサ姉だろうしな。

 次点で千聖さん。ひまりや沙綾や花音さんもオシャレには強そうな気がする。方向性は違ってくるだろうけど。

 

 腕が多少太くなっただけで体全体的にはそこまで大きくなってないけど。

 露出を気にしてオシャレを気にするにはあまりにも遅いと思うけど。

 

 ……まぁ細かいことを気にしてたらいけない気がするし、まぁいっか☆

 

 

『場所はあそこのショッピングモールで?』

 

『それでいいよー』

 

 

 よし、あとは時間を聞いたらおkだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ショッピングモールとかの中ってたまに室内なのに訳わかんないデカい木が生えてたりするよな。あのなんかバナナとかパイナップル生えてそうなやつ。南国にありそうなどでかい木。

 

 あの木ってなんなんだろうな。本物の木なんかな。

 水あげてるところとか見た事ないし、枯葉が落ちてるところも見たこと無いしな。

 そもそもあんなどでかい木を何故店内に植えるのか

 

 あのどでかい木の下は絶好の待ち合わせスポットになっている。

 ここら一帯ではハチ公前とか金の時計台並の待ち合わせスポットだ。

 

 

「……あっ、来た」

 

 

 周りにめちゃくちゃいるカップル達に生暖かい目で爆発しろと念じながらジト目で見渡していると、遠くからそのカップル達の片割れである女の子達の何倍も可愛いと確信を持って言える絶世の美女が手を振りながらこちらに向かってきていた。

 

 本当に可愛いなマジで。しかもちょっとオシャレしてきてくれてるし。

 上はモコモコの冬っぽい少し大きめのゆるっとした服装にもかかわらず、しっかり足は出していくのがリサ姉らしい。寒くないのかな、風邪引かなきゃいいけど。

 なんと言うか本当にあれだな。スタイルお化けだな。綺麗すぎる。

 

 

「やっほー☆ 待った?」

「いや全く」

 

 

 

 俺も集合時間の五分前に着いてたけど、リサ姉が来たのもそのすぐ後だったしな。

 

 

「いやー、女の子は男を待たせるもんだと思ってたけどさー。愛斗相手だとめちゃくちゃ早く来そうだったから結局集合時間より早く来ちゃったよ☆」

「言っても俺が着いたの五分前くらいでしたけどね」

「だったらちょっとくらい遅刻しても良かったかなー☆」

「いかんでしょ」

 

 

 そんな小悪魔スマイル見せられても故意に遅刻されるのはシンプルにきつい。

 まぁ可愛いから許すんだろうけど。

 

 いやー、可愛いって罪だよな。悪いことしても俺なら2.5割くらいは笑って過ごしちゃうもん。

 彩とか香澄とかがやったら普通にしばくから2.5割な。

 

 リサ姉と並んで適当に歩き出す。

 なんかすっげぇカップルっぽい。

 ヤッベェ幸せ。今スッゲェ俺幸せだわ。Roseliaと出会わせてくれてありがとう神様。

 全てはこの時のためだと思えば今までの黒歴史は全て報われるよ。

 

 

「お昼ご飯食べた?」

「んにゃぴ。まだです」

「じゃあ先にそこらへんで食べてきちゃおっか☆」

 

 

 めちゃくちゃドリア食った。

 

 ひっさびさにイタリアンの店とか行ったわ。こういう女の子がいるような時じゃないとイタリアンの店になんか行かないしな。

 イタリアン自体は嫌いじゃないし全然好きなんだけどな。男一人でイタリアの店に入れるようなメンタルが欲しい。

 マジでカップルしかいないんだよ、リサ姉がいてくれて良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味しかったねー☆」

「案外イタリアンって安く済むんすね……。意外と学生の味方だわ……」

 

 

 大盛りにしてたし1000円は越してくるだろうと思っていたが何だかんだ1000円は行かなかった。案外良心的な値段設定だ。

 普段外食すると結構高く付くんだよな。定食屋とかだと安く済むんだけどね(安いとは言っていない)

 

 まぁ外食の値段って大体800円から1200円くらいで収まるものだと思っている。

 そこそこ俺って食う方だから。並みの高校生よりかは食えると思うから。

 まぁあったらあった分だけ食うタイプなんだけどね。

 

 

「意外とラーメンって高いから感覚麻痺してるんだと思うけどね」

「なんで俺が普段よくラーメン屋に行ってるってわかるんですか」

「なんとなくかな☆」

「なんとなく」

 

 

 当たってるから悔しいでござる。

 

 学生といえばラーメン!男といえばラーメン!バンドマンといえばラーメンだろ!

 これがラーメン三段活用だな。

 

 いいんだよ。ちゃんとライブとかでカロリー消費してるし、蘭の肩パン対策で筋トレもしてるしな。

 体質的にも痩せやすいわけでも太りやすいわけでもないしマジでちょうどいい体型だ。

 痩せすぎもどうかと思うからね。仕方ないね。

 

 

「それでショッピングって、何買うんです?」

「色々かな〜。愛斗はなんか欲しいのある?」

「まぁ服ですかね。リサ姉もいるし」

「お〜、なんか珍しいねぇ。よーし!それじゃあおねーさんが愛斗くんをちゃんとコーディネートして差し上げよう☆」

「ワー、タスカルー」

「その棒読みは頂けないね☆」

 

 

 まぁノリでなんとなく棒読みで言ってみただけだ。

 実際に現役JKの最先端を走っているであろうリサ姉に服装を見てもらえるのはとっても助かる。

 

 

「そんなわけで早速行ってみよー!」

「おー!」

 

 


 

 

「最近の流行りはこれだね☆」

「はえ〜。すっごく大学生が着てそう」

「わかる〜☆ 愛斗って確かこう言うの持ってないでしょ」

「何でわかるんすか」

「着てるところ見たことないし☆」

 

 

 そりゃあそうだ。着てるところを見たことなかったら持ってるとはおもわないわな。

 

 適当な服屋さんに入ると、リサ姉がすぐに見つけ出してきたのは七部袖のインディゴのデニムシャツ。

 まだ冬真っ只中なのに七分袖かよってリサ姉に突っ込んだら『春コーデの先取りだって☆』と言われた。確かに冬服でオシャレとかしてもジャンパーとかで隠れるけども。

 まぁいいか。あんまりあぁいう季節に着る服とか持ってないしな。

 

 

「ほんでこのデニムシャツってどうするん?上がデニム柄だとジーパンとか履けないじゃん

 終わったじゃん」

「愛斗のズボンの選択肢ってジーパンとデニムしかないの……」

「ない」

 

 

 ジーパンさえ履いておけば安パイ的な部分あるからな、てかそう思ってた。

 だってオシャレとかわかんねーし。

 高校生にもなってそれはどうなんだとか言われそうだけどオシャレとか実は気にしたことなかったし。

 

 大体服屋に行っても汎用性が高そうで何にでも合いそうな服とかDQNとかヤンキーが着てそうな厨二病の服ばっかり買ってたからな。

 あんまり周りに言われたことはなかったんだけど、実は俺もファッションセンス自体はあまりないのかもしれない。

 

 いや、無いな。それだけはない。

 だってあれはダサいって普通にわかるし。

 

 

「他の服とかはどうするんの?リサ姉が決めるの?」

「どっちがいい?」

「じゃあリサ姉の方で」

「おっけー☆ おねーさんにおまかせあれ☆」

 

 

 リサ姉がこちらを向いて綺麗なウィンクを飛ばしてくる。

 本当にリサ姉モデルとかやらねぇのかな。確実にモデルやったら速攻で売れるだろ。

 

 顔もいいしスタイルもいいし。何より性格がいい。

 メディアに露出なんかした日には人気爆発不可避だろう。

 

 

「……リサさん。この手は?」

「人任せにしてちゃダメでしょ☆」

 

 

 いつの間にやら俺の左手はしっかりリサ姉の綺麗な右手に掴まれている。

 

 あっれーおっかしぞー?

 確かに両手はフリーにしてたけど何でこの人はナチュラルに俺の手を取ってるの?心臓に悪いよ?勘違いしちゃうよ?

 実際心臓バクバクだよ?態度には出さないようにしてるけど心臓バクバクだよ?

 

 多分顔は真っ赤になってると思うけどな。

 リサ姉ずっとこっち見ながらニヤニヤしてるし。俺、今めちゃくちゃ顔熱いし。

 

 

「いや、それはそうなんですけど何で俺の手をつかんでるんですか」

「んー……何でだと思う?」

「わかんないっす」

 

 

 ニヤニヤしていたリサ姉が一瞬ジト目になる。

 珍しいなリサ姉のジト目。可愛い。メンタル的にはくるけど可愛い。

 

 

「ふーん……。じゃあ行こー!」

「リサ姉?答えになってないよリサ姉?」

 

 

 急に悪いいたずらを思いついた子供のような笑みを浮かべたと思うと、何事もなかったかのように俺の手を引きながらずんずん進んでいく。

 

 待ってリサ姉?目が!周りの目がァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー!かっこいいじゃん!」

「なんかオシャレな大学生にでもなった気分だ……」

 

 

 無地の白Tシャツとか一生着る機会ないと思ってたしオシャレで着ることもなかったと思ってたけどなんかすっごい清潔感のある服装になってるぞ……。リサすげぇ……。

 

 リサ姉がデニムシャツに合わせたのは白Tシャツにベージュのチノパン。元々今日つけてきていたネックレスもいい感じになっている。

 アクセサリー系統は集めててよかったほんとに。

 バンドマンだし厨二病だからノンホールピアスやらブレスレットやらリングやらなんとなく集めてたからな。

 

 ライブの時にはリングもネックレスもノンホールピアスもつけるガチヤンキーになるからな。

 厨二病ってわかっててもかっこいいって思っちゃうんだもん。仕方ないジャマイカ。

 

 バンドマンとは思えないような爽やかイケメン風の男が試着室の鏡の前にはいた。

 なんなんだこれ。俺でもこんな格好できたんだな。オシャレってすげぇ。

 

 

「愛斗は元の顔もそこそこいいからね〜。こういう格好も似合うと思ってたけど、アタシの目に狂いはなかったね!」

「よし。買おう」

「男気あるね〜」

「そんなに高くないですしおすし」

 

 

 同じ学生であるリサ姉はちゃんとリーズナブルな服を選んでくれたからな。天使かな?

 

 女性の店員さんにそのまま着てくか聞かれたので、あっそのまま着ていきますって答えたら『彼女さんに選んでもらったら嬉しいですよね!』って満面の笑みで言われた。

 店員さん、俺は嬉しいけどリサ姉がかわいそうだからやめてあげて……。

 

 

「てかリサ姉は服見ないで良かったの?リサ姉から誘ったのに」

「もう十分目的は果たしてるし大丈夫☆」

「?」

 

 

 リサ姉はたまに不思議なことを言うようだ。

 まぁ俺の服だけ見るのに時間使ってもらうのはあまりにも申し訳ないので、これからはしっかり荷物持ちとしての役割を果たしていこう。

 

 このあとなんだかんだめちゃくちゃガッツリ荷物持たされた。

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

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