どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

78 / 138
今日がハッピーバースデートゥーミーなので書きました。
長いこと休んでてごめんね。理由は活動報告で書いてあるよ。
でも取り敢えずは頭を空っぽにしていつも通り読んでね!♡


熟練のカップルのデートは甘酸っぱくない

「花咲川の皆さん元気ですかー!」

 

『元気だよー!』

 

「皆さんとっても元気があって、先生もとっても嬉しいです」

「お前先生じゃないだろ。しかも俺達ってむしろ後輩まであるけどな」

 

 

 マイクスタンドからマイクをピックを挟んだ手で手元まで運ぶ。音響が整うまでのフリートークだ。

 

 ライブの時のフリートークとか、初めは何話せばええねん絶対緊張して5分間は無言になるわぁ……とか思ってたけど、不本意ながらラジオに出たりテレビに出たりしてたら緊張のきの字もしなくなった。頭おかC。これがまさに感覚麻痺と言うやつだろう。どうなってんだ。

 まぁ無言タイムに比べれば100倍マシだろうけど。

 

 

 

 そんな訳でここは花咲川女子学園。

 ここにいる理由は、ほんの数日前に行った羽丘女子学園始業式単独ライブ同様、なんと校長先生からわざわざ連絡を頂いて始業式後二日目にライブをすることになった。

 Roseliaでも呼んだ方がいいのに、とは思ったものの、Roseliaは人気がありすぎて色々無理そうだしつまりそういうことだろう。実際丁度いいくらいだもんな。人気的にも。

 

 

 

 実際に各バンドの人気順だけで見てみよう。

 まずパスパレが1番に来る。そりゃあそうだ。あの彩がいるし、俺もコーチをしているからかなり忘れがちにはなるが、テレビにも出てるし雑誌にも出てるしラジオ番組を持っているし、普通に売れているアイドルバンドの部類に入ってくる。

 

 次はRoseliaだ。

 Roseliaはシンプルに実力的にも俺の広報能力的な意味でもここまで上がってきている。そもそもプロ注目の本格派ガールズバンドってことでめちゃくちゃ注目されてるしな。

 メディアへの露出もそこそこあるし、実力的にも申し分ないだろう。

 

 そしてここにBlack historyがくる。

 afterglowに関してはRoseliaみたいに広報しているわけではないというのが大きいだろう。afterglowが自分から大きく存在や曲を発信していけば普通に俺達は抜かされる。

 まぁ俺達も故意に広報とかしてるわけじゃないんだけどな。

 シンプルに俺の存在自体が広報みたいなもんだし。なんなら俺って動くラ・ア〇サトールみたいなもんだし。

 

 

 

 閑話休題。

 

 つまりはRoseliaやパスパレ程有名じゃないけど、知名度は中々あるバンドが俺達だ。正直あいつらと同格に並べるのも失礼な気がするけど、まぁいいだろう。同じバンドだし。俺たちってカバーしかしないし、目標とかもないけど。

 そんな訳でゲストとして呼ぶには俺達は適任なのだ。

 

 まぁ正直ポピパやハロハピでも知名度的には全く問題ないんだけどな。ここら辺を呼ばない理由はトラブルを起こしたくない一択だろう。特にハロハピな。

 あとここら辺のメンバーは羽丘と花女の生徒ってのもでかいんだろうな。あくまでもゲストとしてサプライズされる側ってのを重視しているんだろ。

 生徒を楽しませる教師の鏡。

 

 

「えー、そんな訳でチューニングとかも終わりましたんでね。そろそろ歌っていこうかと思いまーす!」

 

『イエーイ!』

『マーくん好きいいいいいいい!!!』

 

「この間約5秒くらいだけどな」

「チューナーとかなくてもチューニングできる」

「ドヤ顔しなくてもバンドマンなら大概できるぞ」

 

 

 辛辣な柳田のコメントは右から左に聞き流しておこう。ムーディ〇山風に。このギャグ通じる人とか絶滅危惧種なんじゃねぇかな。

 てかさっき変な声聞こえたよな。好きとか誰かめっちゃ叫んでたけどついに俺にもファンが出来たのだろうか。そういやこの前ラジオで愛斗くん狂信者とかいう名前の人がいたし、可能性は無きにしも非ずだな。

 いやー嬉しいことである。ライブ終わったら自慢しよう。馬越辺りに。

 

 そんな訳でジャズマスターくんを一閃して闘魂注入し直す。

 元気ですかー!シャアーッ!

 ごめん、アントニオ〇木さんのことあんまり知らないからモノマネとかわかんねぇわ。

 しかも思い出そうとすると長〇小力が出てくるし。キレテナーイ。

 エンタ世代しかわからんネタやめーや。

 

 

「はい今日は3曲行きまーす!sugar!!と君の涙を誰が笑えるだろうかとFUTURE ICE CREAM!」

 

 

 いつの間にか弾き始めていた新庄のリズミカルなキーボードに乗りながらラインナップを紹介する。

 時間が決まってるからアンコールとか出来ないからね。先に言っとかないとアンコール出てきちゃうからね、仕方ないね。

 

 ライブではサプライズ感を優先する俺達にとってはあんまり宜しくない行為だがしゃーない。

 それにある一定の人はこの三曲のラインナップを見ただけでテンション上がるだろうし。女子にもいるよね? わかる人? 言うて正直男の人でも分かる人は少ないやろけど。

 

 まぁいいや。とりあえず行こうやライブ。

 変な事考えてたら直ぐに走り抜けてくからな。

 乗り遅れる訳には行かない。このビッグウェーブに。

 

 中指と薬指にピックを挟み、スタンドマイクに右手をかけて全力の決め顔で宣言する。

 体温は平熱。だが心境は激アツ。

 

 さぁ、行こう。

 

 

「全力で走って行こうぜ! sugar!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で俺ってここにいるんだっけ」

「貴方からここに来たんじゃないの……」

 

 

 違う。俺はただ出番も終わって帰ろうと思ったら紗夜さんが見えたもんで、紗夜さんに向かって全力で手を振って全力で紗夜さんの名前を叫んだだけだ。何も悪くない。

 強いていえば綺麗で目立つ紗夜さんが悪い。オーラが隠しきれてないってそれ一番言われてるから。

 

 同じ塊の中にピンク頭が埋もれてるのも見逃しはしなかったが故意的に無視はした。あいつを呼んだら速攻で飛んでくるだろうしな。あとライブ後なんだから流石に疲れちゃうだろ。

 ライブ後に抱きつかれでもしてみろ。汗もかいてるんだし勘弁だ。せめてシャワー浴びた後にして欲しい。

 

 燐子さん? 彼女は呼ぶだけで顔を真っ赤にしてテンパるめっちゃ可愛い大天使属性持ってるけど、公開処刑は流石に勘弁だと思ったから……。ちゃんと人を選ぶってはっきりわかんだね。

 じゃあなんで紗夜さんを呼んだんだって?

 うーん、紗夜さんだしいいかなって。怒られたら謝るし(馬鹿) 可愛いし(脳死)

 

 

 

 それでだが、結局俺と紗夜さんは屋上に逃げ込んだ事でなんとかあの軍勢を撒くことに成功した。いやー、女の子怖かった(小並感)

 

 好奇心と悪戯心だけで紗夜さんを呼んだ訳だけど、その後無事に追いかけられ、大騒ぎになったので紗夜さんと一緒に死ぬ気で逃げてきた。

 その後のことを全く考えてなかったからね。仕方ないね(白目)

 

 

「いやー疲れましたねぇ!?」

「その清々しい笑顔を1回歪ませてみたいわ……」

「地味に怖いこと言わんでください」

 

 

 あまり強い言葉を使うなよ。怖いだろ。

 BL〇ACHってなんであんなにかっけぇ男の厨二心を擽るような台詞ばかり出せるんだろうな。あんなネーミングセンスが俺にも欲しい人生だった。まぁ活用機会とかないんですけどね。

 

 少し息を切らしながら柵に背中を預ける紗夜さんがなにか青春っぽい。なんだよ青春っぽいって。

 あとやっぱり綺麗だ。

 夕焼けでもなんでもない、ただの日差しなのにめちゃくちゃ引き立ててる。やっぱりこの人も並大抵の美人じゃないよな。

 やっぱRoseliaって美人揃いだわ。

 

 というか俺がコーチしてるところみんな美人さんしかいねぇんだよな。

 別に俺はこの世の中に特別不細工な女性が多いとも感じないんだけど、それを差し置いてもポピパもパスパレもアフグロもRoseliaもみんな揃いも揃って美少女祭りなんだよな。なんだよこの運ゲー。最高じゃねぇか!

 

 

「紗夜さん紗夜さん」

「何よ」

「こっからどうしよっか」

「私が一番聞きたいわよ……」

 

 

 呆れ切った顔で頭を抱えてるけど大変そうだなー(他人事)

 屋上に逃げ込んだのは言いもののこの後どうするかなんも考えてなかったしなー。

 俺もメンバーとはぐれたし、紗夜さんも教室に戻らないといけないし。どうしよ(白目)

 

 まぁでも大丈夫でしょ(適当) 紗夜さんのほうは彩が今日は始業式が終わったら帰るって言ってたし。

 用事もないなら紗夜さんの成績とかに支障が出る心配は無いはずだ。最悪俺が状況説明すればオールオッケーだろ。多分。

 

 あと俺に関しても大丈夫だろう。

 ある程度用事が済まされたらどうせ彩とかこころとか香澄辺りがここに突撃してくるだろうし。

 あいつらマジで行動力の化身すぎ。見てて怖くなるわ。

 俺にもあんくらいの決断力やら行動力が欲しいと思ったことがあったもんだ。

 ……あっ、今? 今はもうないよ?

 だってあの行動力とか手にしたら何か大切なものを失いそうな気がする。道徳という名の何かを失う気がする。やっぱボーカルってベースに次ぐ魔のパートやわ。

 ちなみにベースをやる人は半分が変態ってそれバンドマンの中で一番言われてるから。

 

 

「まぁ大丈夫っすよ。授業とかもないらしいし成績には影響出ないっす」

「私の培ったイメージが……」

「紗夜さんって世間体とか気にするんすね」

「そこまで気にする訳では無いけどある程度は気にするでしょう」

「ド正論すぎる」

 

 

 いくら世間体を気にしなさそうな人でもある程度一定の評価は維持しておきたいよな。

『いやいや俺はネットでなんて言われてようが気にしないよ。言われているうちが花だから』っていうマジ聖人みたいなガッツみたいな人なんかそうそう存在しないんやで。サンキューガッツ、フォーエバーガッツ。

 

 俺だって一定の評価は保持しておきたいよ。でもこの前あまりにも暇が過ぎたのでなんとなーくエゴサしてみたらあら大変。

 ドルオタを味方につけた数少ない例やら動く惚気やらあそこの事務所のヤベー奴やら散々な言われようだった。泣きたい。

 

 

「それじゃお詫びは近いうちにしますよ」

「羽沢さんのお店のケーキで手を打ちましょう」

「あっ、俺も食べたい」

「ふふっ。じゃあ今度2人で行きましょうか」

「やったぜ」

 

 

 上機嫌そうに笑う紗夜さんは綺麗で可愛い。

 普段寡黙だったりクールビューティな人がその歳の人らしい仕草を見せるとキュンキュンくるよな。Roseliaにいるとあのギャップにやられることが多々ある。

 

 けど最近そのギャップがデカすぎてギャップに感じなくなってきたんだよな(?)ただのポンコツに見えてくる。おかしーなー、クールビューティだったはずなのになー。

 慣れって怖い(白目)

 

 にしても相変わらず羽沢珈琲店をチラつかせると機嫌直してくれるよな。さっきから凄い雰囲気がるんるんしてるし。後ろに日菜さんが見える。

 やっぱり羽沢珈琲店って神だわ。

 

 

 


 

 

 

「や、やっぱりここにいた……」

 

 

 マーくんと紗夜ちゃんを見失ってから学校中を走り回ってたけどやっぱりここにいた。

 トイレの中に隠れてると思って校内中のトイレを探し回ったのに私の予想が当たってないとは思わなかったよ……。裏をかいたつもりだったのに……。

 これが策士策に溺れるってやつだね!

 

 まさかと思って屋上に来てみたら紗夜ちゃんとマーくんが二人っきりでいるんだもん。びっくりしたよ。いやーそっちかーってなっちゃったよね。

 

 さーて!やっと見つけたし声をかけて……。

 

 

「おー……」

 

「じゃあ今度二人で行きましょうか」

「やったぜ」

 

 

 ピシッと体が固まる。

 

 えっ、何? 今なんて言ったの?

 二人で行きましょうってどこに? 紗夜ちゃんとマーくんが? しかもマーくん今『やったぜ』って言ってたよね?

 私と二人っきりでお出かけとかランチもした事ないのに! 私が勝手について行くことはあるけど。

 でもその時はいっつも面倒くさそうな顔するのに! 結局ちゃんと一緒にいてくれるけど。

 

 

「……ずるい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずるい!!!」

「いや何がだよ」

「紗夜ちゃんとデートしたでしょ!」

「前にリサ姉ともしたぞ」

「うわあああああああああん!!!!!」

 

 

 急に俺の家に突っ込んできたと思ったらこれだ。なんなんだこのピンク玉は。

 せっかく俺が今度買う予定のギターを調べてたのに。

 

 未だにこの状況は掴めてないけど、とりあえず面白そうだからわかる範囲の情報で追い討ちはしておいた。

 紗夜さんとリサ姉には後で謝っておこう。デートした事実なんてどこにもないからな。ただ、ご飯を奢ったのと買い物に付き添った(付き添ってもらった)だけだし。

 

 

「私もマーくんとデートしたい!」

「俺が一人で外に出た時に勝手についてくるだろうが」

「ちゃんと行きたいの!」

「しょっちゅう会ってるからいいじゃんかよ〜」

「紗夜ちゃん達ともしょっちゅう会ってるじゃん」

「お前とは小学生の時からずっとじゃん」

「むぐぐ……今だけは幼馴染って立場が憎い……」

 

 

 別に彩と出掛けたとしても特別感は無いだろうしなぁ。

 感覚としてはいつも隣にいる兄妹みたいな奴と買い物に行く程度の感覚だ。ただしその妹はめちゃくちゃ有名な芸能人だとする。カ〇ロウデイズかよ。

 

 

「そもそも今も大人しく家に入れてやってるんだから感謝しろよ。特別だぞ」

「私だけ!?」

「普通にみんな入れるけど」

「むー!!!」

「はっはっはっ、カユイカユイ」

 

 

 頬を膨らませて不満MAXと言いたげな表情をしてくる。可愛いだけだぞ、あざとい。

 彩の力ない連続パンチが肩に飛んでくる。痛くもなんともないぜ。

 

 結局このあと無駄な甘い時間を過ごしながら彩の家まで送ってやった。

 

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。