どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい 作:as☆know
みんなあっちの方も感想とかよろしくな! 主に俺が見てニヤニヤするから! 本人並にニヤニヤして見てるから!
「これでいいかな」
PCにマイクとカメラを繋ぎ、放送開始のボタンを押す。
俺はこういう機材にはめっぽう弱い、というか知識に関してはかなり疎いので、こういうのに詳しい友達と通話しながらの作業にはなったが何とかなったようだ。最悪家に来てもらうまであったけどそんな面倒なことをして貰う必要はなさそうでよかったよかった。
今回は新しく新調したマイクとカメラのテスト替わりに初めての生放送をしてみようとしているところであーる。元々なんとなく始めた動画投稿だったけど、なんかめちゃくちゃ好評だしな。
動画投稿は自体は実はRoseliaのやつをあげる前から何本か上げてはいたんだけどな。内容はロストワンの号哭、アディショナルメモリー、雨とペトラとRoseliaのBLACK SHOUTを含めた全4本だ。
ちなみに全部ギターだけ弾いた動画になっている。ひこ〇ろさん方式で全部自分でやった動画を上げたのはBLACK SHOUTが初めてだしな。
けどその全部自分でやったBLACK SHOUTで今までのヤツもベースとドラムとキーボードとボーカルを入れて欲しいって声がかなりあったので、ほんならマイクもカメラも新調してちゃんとやろうかって話になったってわけよ。
マイクを新調してビデオレコーダーを買えば、はい完成。今は便利な時代になったよのぉ……。
YouTu〇eを開いてなんとなくで生放送を始める。ニコ生でも良かったんだけど、俺は有料会員じゃないし辞めておいた。やっぱりようつべがナンバーワン!
ちなみに顔はもう隠さない。隠す意味もないし元々隠してもいない。
「コメントめっちゃ来るやん」
ゲリラ的な生放送なのに開始してから3分も立たずに1500人ほど人が集まる。というかまだまだバンバン人増えてんな。そういや登録者数も10万人行きそうなんだっけ。
ロストワンが33万、アディショナルメモリーが27万、雨とペトラが28万でBLACK SHOUTが102万再生くらいされてるのを考えればなかなかええ人数なんじゃないんだろうか。公式でも宣伝されてたしな。ほとんど動画あげないのに。
てかBLACK SHOUTって100万再生してたのかよ。すげぇなRoselia。
初めてロストワンを上げたのが確か9月ぐらいだったのも考えるとかなり伸びてると感じる。これでギター弾きたいって人も増えればいいな。面倒いからTAB譜は配布しないけど(クズ)
右脇でアコギを挟んでマイクの位置を調節する。とりあえず景気づけに一曲歌っとこう。生放送って初めてやるから何すればいいかわかんないし。コメントとかは後で読めばいいや。
にしても動画で生配信しながら歌を歌おうだなんて、俺はそんなことも出来るようになってしまったのか。昔なら恥ずかしすぎて絶対に無理だったのにな。やっぱりライブとかでステージに立ちまくってるのが大きいのだろうか。
いや、それだけじゃねぇな。黒歴史も関係してきてるな(遠い目)
「じゃあとりあえず一曲……」
弦をピックで弾いてみる。うむうむ、チューニングもズレてないな。コメントをチラッと見た感じ画面もしっかり映ってるみたいだしマイクも問題なさそうだ。
てか誰だよ、俺の事イケメンとか言うやつ。調子乗るぞこんにゃろう!(クネクネ)
「とりあえずback numberの『花束』歌いまーす」
ほんとにちょっと狭い代わりに防音がかなりしっかりしたマンションに住んでてよかったと心の底から思ったわ。
ガッツリ都会の方では出来ないこの芸当よ。案外土地代も安いおかげでマンションの家賃も思ったよりらしいしここの部屋はマジで俺にとってベストな場所だ。
「いい曲だよね〜。手と手」
結局あれから三曲連続で弾き語りしてしまった。花束歌って鱗歌って、気がついたらクリープハイプの手と手を歌ってた。アコギ恐ろしや。コレが弾き語りの魔力ってそれ一番言われてるから。
「1万人も来てるじゃん! 凄いね〜、こんなに見てくれるんだ」
「だな〜」
気がつけば配信にもめちゃくちゃたくさんの人が来てるし。意外と凄いんだな、生配信って。
こういうコメント見てるだけでも面白いし、これからも暇な時には定期的にやっていこうかしら。なになに……『マーくん後ろ後ろォ!』『彩ちゃん降臨キタ━(゚∀゚)━!』
「……えっ、なんでお前いんの?」
「合鍵♡」
後ろをむくとそこには嬉しそうなオフモードの格好をしたピンク頭がいた。もうビックリはしねぇな。驚きはするけど。
ふむ、合鍵か。
「どれ?」
「これ!」
俺が質問すると彩はなんの疑いもなくポケットから合鍵らしき鍵を取り出してみせてくる。
うーん、見た感じ形も俺の家の鍵っぽいな。
そうかそうか。確かにちゃんと合鍵っぽいな。形もパッと見た感じ俺の家の鍵とクリソツやしな。
「そうか。貰っとくな」
「あー!返してよー!」
「返す訳ねぇだろ馬鹿野郎!」
「むぎゅっ!? んー!」
自慢げに見せてきたのでありがたくかつ強引に合鍵を奪い取る。
速攻で取り返しにくる彩の顔を容赦なく左手で鷲掴みにして抑え込むも、諦めずに両手をバタバタしてくる姿は、まさに駄々をこねる幼稚園児。俺が大きくて彩が小さいから余計にそう見えるんだよな。あとこいつの精神年齢的にも。
「前見えないー!」
「はぁそうですか。てかお前何しに来たんだよ」
「あぅっ。いや~、暇だからマーくんの所にでも遊びに行こっかな〜って」
顔を挟むと変な鳴き声を出す。可愛いかよ、小動物かな?
えへへと照れ笑いしながら頭をかいてるけどお前普通に不法侵入してるからな。そのまま家に突き返してやろうか。
「生放送してたの?」
「……あ゛っ゛」
不思議そうに画面を覗き込む彩を見て生放送の存在を思い出す。完全に忘れていたPC画面を見ると、コメント欄は大荒れ、視聴人数も俺の知らん間に5万人を越そうとしていた。
『夫婦生放送ktkr!』
『親の顔より見た光景』
『もっと親の顔見ろ定期』
『彩ちゃんかわええ!』
『ただの夫婦漫才で草』
『♯その気持ちを弾き語れ』
『あく夫婦弾き語りしろ』
『早く結婚しろ』
『【定期】まだ付き合っていません』
『公開プロポーズはよ』
『なんでこいつら付き合ってないの?』
『末長く爆発しろ』
「コメ欄大荒れじゃねぇか! あっ、挨拶しとけよ」
「まん丸お山に彩を! 丸山彩です!」
「よし、ノルマ達成だな」
この後何事もなくめちゃくちゃ普通に生放送を再開した。
彩は俺の布団の中にぶち込ませておいたらすぐに爆睡した。普段は絶対にやらねぇからな。恥ずかしいし、何よりあいつが俺の布団の中にいるってこと自体がやばいからな、緊急時にしか使えない俺の最終手段だ。
ちなみにちゃんと放送が終わったらバイクで家に送り返しておいた。
「いらっしゃいませー! あっ! 二人ともそっちの席にいるよ!」
「どうもー」
金髪のツインテールの脇から新しい客人が入ってきたのを確認する。うむ、集合時間より少し早いのにもう到着。さすがだな。
羽沢珈琲店の入り口から少し離れた席に腰掛けながらケーキを口に入れる。ん〜! うまあめ〜! この甘いホイップクリームとブラックコーヒーの苦みがベストマッチするんだよなぁ。この甘さが苦みを引き立てて、また苦みが甘さを引き立ててくれるんだよ。スイーツとブラックコーヒーの相性は抜群ってはっきりわかんだね。
「もう食べてるんだ」
「あたしはまだ何にも食ってないけどな」
「ダイエットか?」
「うっせー!」
「女の子にはあんまりそういうこと言ったらダメでしょ……」
そう言って金髪巨乳ツンデレ引き篭もりツインテールの横に座るのは喋るダウナー系着ぐるみミッシェルこと奥沢美咲。ちなみに隣に座ってるのはお馴染み市ヶ谷有咲な。フルネームを言ったの久々な気がする。ちなみに俺の名前は浅尾愛斗だ。みんな俺の名字をちゃんと覚えているんだろうか。
「美咲ちゃん何にする?」
「うーん……じゃあカフェラテで」
「かしこまりましたー!」
「市ヶ谷さん何飲んでるの?」
「普通にコーヒーだよ」
「砂糖入ってるけどな」
「普通入れるだろ!」
「俺はブラックのままでいいしなー」
さぁ、この面子をみればもうお分かりなのではないのだろうか。
そうRoseliaとアフグロとパスパレで俺、ハロハピでは美咲、ポピパでは有咲。まさにバンドのメンバー達に振り回される被害者兼苦労人の集まりなのだ。
ちなみに有咲は家に引きこもって出てこようとしなかったので香澄に電話するふりをして無理やり引き摺り出した。チョロい(ゲス顔)
「それで? 相変わらずハロハピは大変なの?」
「何ならここで一番大変なのって多分ハロハピだよな」
「多分Roseliaも大概と思うけどね……。まぁ大変と言ったら大変だけど、もう慣れてきたなぁって……ははっ」
「「わかるー」」
美咲の乾いた笑いに俺と有咲がハイライトを消して同意する。
そうなんだよ慣れてきてるんだよこの状況に。
そもそも俺の置かれている状況ってかなり頭おかしいからな。ガールズバンドのトップレベルに位置してるバンドのコーチをして、プロのアイドルバンドのコーチもして、何ならそれが原因で一般人なのにテレビにもラジオにも定期的に出て、全く知らない間にバンドを結成させられて……ってなかなかすごい道を行ってるな。
しかもこれ全部一年かからずに起こってる出来事だしな。ヤバすぎんだろ。人生何が起こるかわかんないってそれ一番言われてるわ。
「最近だと雪山に行って遭難しかけたかな……」
「おいそれってYO! 普通に事件やないか!」
「よく生きて帰ってこれたな……」
「黒服さん達様様だよほんとに」
美咲の目がどんどん遠くなっていってる気がする。元々ダウナー系だけど拍車かかってるよな。
この前はスカイダイビング(パラシュート無し)とかしたっていってたしマジで大変なんやなって……。俺も大概なことはしてるけど物理的に死じゃなくて社会的とか精神的に死の方面の方が多いからな。放送事故然りウィーク然り。
「またこころが言い出したんか?」
「それ以外ないでしょ……。でも雪山のは確かはぐみが言ったんだっけ。雪山で食べたコロッケはバリボリしてて美味しかったなー」
「それ……凍ってね?」
「美咲も確実にハロハピ染まってきてるってはっきりわかんだね」
朱に交われば赤くなるってまさにこのことだよな。まぁ、それ自体は俺もしっかり体現してきてるんだけど。メンタル面の成長はまさにこれのおかげ(?)だよな。嬉しいのか悲しいのかもうこれわかんねぇな。
「まぁうちは香澄からみんなに伝染してくるタイプだしな」
「「わかるー」」
ここでも苦労人あるあるが出てしまったのか。こういうあるあるが話の中で出てきた時の嬉しさったらないよな。
俺の場合はギタリストあるあるだとか工業生あるあるもよく出てくるな。けどこういうあるあるって範囲が限定されればされるほどあるあるがあった時の喜びがヤバいんだよな。今回みたいな苦労人の会ともなればその喜びもなおさらだ。
「Roseliaの場合は友希那さんから伝染して紗夜さんが止められなくてリサ姉があっち側に行ったらモーマンタイだもんなー」
「うちは香澄とおたえの二枚看板だしな。沙綾っていう防壁がなくはないんだけど、りみは基本的に流されちゃうしな」
「二人は一応何度か段階踏むからいいじゃん、ハロハピなんかノンストップだよ? 花音さんとあたしじゃもうどうしようもないし」
「ハロハピはそこんところ一番大変そうだもんなぁ」
ブレーキ役がいないとか考えたくもないわ。ノンストップで谷間までぶっ飛んでくんだぞ。なんでそんな自殺行為せにゃならんのだ。
もちろん俺らは抵抗するで? 拳で。まぁ俺一人なんだけどな。
「この前も香澄がCiRCLEを壊したっていう前例があるのにまた飛びながらライブしたいとか言い出してさ〜。ったく困ったもんだよ」
「友希那さんなんてまたあのよくわからんやつに入りながらライブしたいって言うんだぜ」
「こころなんて今度は船上ライブがしたいんだってさ」
まぁ出るわ出るわどんどん出るわ。愚痴というか、日々連なる破天荒話がどんどん出てくる。
まぁだからこそのこの集まりだ。不定期に集まっては三人で遠い目をしながらお互い頑張ろうぜと声を掛け合う。これだけでかなりのストレス解消になるんだからすげーや、やっぱり人との繋がりって大事だね☆
「そんでまた香澄がくっついてくるんだよ……」
「人がいるところだと恥ずかしいよね。こころはそこら辺凄いあやふやだからさ……」
「まだお前らは同性だからいいやん。こちとら現役アイドルの異性なんだから勘弁して欲しいぜマジで……」
平日のこの時間はお客さんもまちまちだけど、今日は少しだけ賑やかだ。
原因は火を見るより明らかだけどね。
「愚痴大会から惚気大会になってるって気がついていないんだろうな〜」
やれやれ顔をしながら嬉しそうに思い出話を語る三人を見ると少し自分の気分も高揚してくる。あの姿を見てるだけでも仕事の疲れが飛んでっちゃう気がするよね!
愛斗くんはこの後、お店に来た蘭ちゃんに嫉妬から頭を殴られてましたとさ。
愛斗くんのアコギの弾き方のイメージは崎山蒼志くんそのままだったりします。王道かつ頂点。
過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。
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今のが好きなので書き直しておk
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昔のが好きなので書き直したらアカン