どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

86 / 138
お久しぶりでございます。最近アズレンに続いてにじさんじにもハマりました。そこら中に沼があると執筆がままならなくなってしまうので非常に勘弁して欲しいですね。
とりあえずみんなバーモンド・ハヤシライスさんをすこれ。いちごちゃんとロアちゃんとのコンビは尊いゾ。


寝起きドッキリは計画的に

「おはよーございますっ(小声)」

 

 

 パジャマでおじゃまでこんにちわ(早朝)

 全国の超健康的な少年少女おじ様おば様お兄さまお姉さま方。おはよーございます。

 

 時刻は平日早朝の5時。この時間帯の外はとてつもなく冷え込む。とにかく冷え込む。寒いっ。

 みんながまだまだ冬が抜け切ってないのかとは思うくらいには冷え込む。もう2月なのにね。

 

 そんな極寒の外に私がいるでしょうか? 答えはNo!

 

 

「相変わらず綺麗にしてありますね〜(小声)」

 

 

 何故かって? そんな所に私が寝巻きでいたらきっとそれを見たマーくんに風邪をひくと怒られるだろうから、事前にマーくんの家の中にいることにしたのだ! やだ……私って天才……? マーくんの言うことがわかるってもはや夫婦だよね! 半分私の妄想だけど。

 

 合鍵はこの前取られたばっかりなので致し方なく、プロの方にピッキングしてもらい侵入成功。

 綺麗に揃えられた靴を確認しながら、そろいそろーりとベッドのあるリビングに向かう。

 

 

「おじゃましてまーす……」

 

 

 ゆっくりとリビングの扉を開けると、部屋の中は少し上っている朝日に軽く照らされていた。おかげで転んでマーくんにバレるという最悪のパターンは逃れられそうだ。運もこっちに傾いてきてるよね!

 

 そのまま抜き足差し足急ぎ足でベッドに向かう。

 ターゲットは抱き枕を抱きしめながら規則を正しく寝息を立てている。

 リビング方向に顔を向けてぐっすりと熟睡していた。当たり前だよね。だってまだ朝5時だもん。

 

 

「すぅ……すぅ……」

 

「……えへへ。可愛いなぁ」

 

 

 ベットの横でしゃがんで彼の顔を真正面から見ると、地毛よりも少し明るく染った彼の頭を撫でたい欲にすっごく駆られる。

 

 少し上ってきている日にうっすら照らされるマーくんの顔、一生見てられるね(変態)

 ひとたび立ち上がればいつの間にか私を見下ろしてくるくらいに背が高くなった彼も寝てる時はあの時のままだ。少し男の子らしく凛々しくなったくらいかな? あと髪の毛の色もちょっと明るくなったよね。

 言動も行動も昔に比べてかなり大人になったけど、やっぱりマーくんはマーくんです。可愛いなぁ(脳死)

 

 

「それでは、本題の寝起きドッキリへと……」

 

 

 そりゃあそうだよ。早朝で部屋には爆睡しているターゲット。それ即ち寝起きドッキリである。1回やって見たかっただよねー!

 

 ちなみにカメラマンさんもちゃんといる。本当にいつもお世話になってます(お辞儀) ちなみにこの人もこういうことにはノリノリなんだよね。うちの事務所の人はみんなノリが良くて楽しい職場だよ。お母さん。

 

 そんなわけで早速寝起きドッキリの方に……。

 

 

「……その前にちょっとだけ」

 

 

 こんなに可愛いマーくんを目の前にして頭を撫でないのは色々ともったいなさすぎる。

 

 うんうん、添え膳食わぬは男の恥って言うしこれくらいやっても神様も文句は言わないはずだよ。私男じゃないけど。

 

 

「……」

 

 

 スリスリ、よしよし。

 するする、ナデナデ。

 

 

「……えへへぇ」

「彩ちゃん、アイドルがしちゃいけない顔になってるわよ」

「……はっ!」

 

 

 自然と表情筋がゆるゆるになってしまったのを千聖ちゃ……んんっ! カメラマンさんに指摘されてしまう。

 

 いやーサラサラなんだよね、マーくんの髪って。

 普段はあんまり触らせてくれない、というか頭まで手を届かせるのがなかなかきついからやらないんだけど。

 高校生らしくオシャレに気を使ってるのか、頭を撫でるとふわりとシャンプーの匂いがする。それがまた尊い。

 

 というか男の人の匂いっていいんだよねぇ。マーくんに限るけど。

 なんかこう……愛斗くんの胸に張り付いてずっとスーハーしてたい。毎日の疲れをそれで癒したい。

 マーくんは私に嗅がれるのを何故か嫌がるんだよね。臭くないのに。むしろいい匂いなのに。

 

 それにしても本当に整った顔をしてる。周りの人は愛斗くんの顔はだいたい中の上くらいって言うけど、私にとってはオンリーワンかつナンバーワンだ。世界中で愛斗くんは一人しかいないからオンリーワンなのは当たり前なんだけど。

 

 

「……でへへぇ」

「彩ちゃん?」

「……はっ!」

 

 

 カメラマンさんがどす黒いオーラを出しかけている。これはアイシテルのサインならぬ、ハヤクシロのサインだ。怒らないで千聖ちゃん……。

 

 ちなみに私はいつも愛斗くんにアイシテルのサインを送っているけど、だいたいフルスイングで弾き返されてセンターバックスクリーンにぶち込まれてる。どうやって抑えたらいいの……。

 まぁでも強打者であればあるほど抑えた時の喜びはひとしおだよね!(超ポジティブ思考)

 

 

「本題を忘れるところだったよ……恐るべしマーくん……」

「彩ちゃんが自滅してるだけよ」

 

 

 千聖ちゃんに辛辣なことを言われた気がするけど、マーくんから受け継ぎしスルースキルを駆使して本題に入ろう。

 

 今回の寝起きドッキリはそう。

 その名も『起きたら抱き枕が丸山彩になってたドッキリ』!

 

 内容は簡単。マーくんが今使ってる抱き枕を引っこ抜いて代わりに私が抱かれる。

 数時間後に起きたマーくんはその人肌特有の温さと目の前で無防備に抱かれている現役アイドルを前にして、文字どおり色んな意味で抱いてしまうって寸法だよ!

 キャー! この作戦を考えたのは私だけど天才なんじゃないかと思ったね! うん!

 

 ちなみに今の私の格好はモコモコパジャマ。下着はブラだけ外してある。寝巻きだし当たり前だよね! 要らないし!(迫真)

 

 

「それじゃあ失礼して……」

 

 

 羽毛布団の間に手を入れて抱き枕を掴む。

 布団の中暖かい……マーくんの温もりを感じるよ……。って違う! また後で全身で感じるんだからそれどころじゃない!

 

 

「ゆっくりと……ゆーっくりと……」

 

 

 幸いにも抱き枕はしっかりと抱きつかれている訳ではなく、両手と両足で挟んでいるだけみたいだ。

 これなら簡単に……。

 

 

「やった……!」

 

 

 第一フェーズコンプリート!

 あとはマーくんの布団になんとか忍び込んで私が抱き枕になれば……。

 

 

「……んん……。……彩ぁ……?」

 

 

 ……あっ。

 

 うっすらと開いた彼の紫色の瞳と完全に目が合う。

 ヤバい。不味い。

 せっかく上手くいったのにこれではまたいつもの締め出しオチになってしまう。

 

 どうにかしてこの状況を……。そうだっ!

 

 

「こ、ここは夢の中だよ〜! 私は彩の形をした抱き枕だよ〜……?」

 

「……夢か」

 

 

 やったあああああああ!!! 通じたあああああ!!!!!

 

 まさかこれで通じるとは思わなかった。マーくんが昔通りのピュアボーイで本当に助かった。

 いや〜、一時はどうなる事かと……。

 

 

「あーやっ」

「うぇぇっ!?」

 

 

 バサッという音と共に布団が開いたやいなや男らしい腕が私の右手を掴んで引きずり込んでくる。

 上半身だけベットにつんのめった形になると、ぼふっと羽毛布団が体にかけられた。

 

 これはもしかしたらもしかして私を抱き枕と勘違いしたパターンでは……?

 ビックリしたけどそうと決まれば話は早い。

 日々のレッスンで鍛えられた体幹を活かして瞬時に下半身も布団にねじ込み、体全体を布団の中に入れることに成功する。

 

 形はどうであれ、布団の中に潜り込むことは成功した。しかもなんか既に抱きつかれてるし。なんならめちゃくちゃ頭撫でられてるし。もっと下の方を撫でてくれてm。

 

 危ない危ない。アイドルとしての面目は保たなきゃね!

 あとは当初の作戦通り、朝を待つだ……。

 

 

「可愛いなぁ彩は」

「えっ」

 

 

 寝ぼけているのかマーくんにとっては夢の中だからなのか。大きな手のひらで柔らかくがさつに撫でられる頭の感覚と、普段の彼からは絶対に聞けない言葉に頭が思考を停止する。

 ダメよ丸山彩! ここで機能停止したら全てが水の泡になってしまうわ! もったいないけど今のは事故だと受け取るのよ! そうだわ!

 

 なんかテンパりすぎて口調がお嬢様みたいになってきた……。

 

 

「大好きだぞぉ〜」

 

 

 チュッ

 

 

「……ぁっ」

「あっ」

 

 

 大好きという言葉に胸がキュンキュンなるのもつかの間、頭の方から聞こえた確かなリップ音と柔らかな感触。

 

 えっ、あっ、これあれだ。おでこにキッスというやつだ。

 ……え、きす?

 

 

「彩ぁ〜……」

「わぷっ」

 

 

 そのまま両手両足でマーくんに大きく引き寄せられる。ほんとに体大きい……固い……でもあったかい……。確かちゃんと鍛えてるんだっけ……幸せ……。

 

 

「彩ちゃーん……? 大丈夫かしら……?」

「もう無理、何も考えられない幸せ」

「あっ(察し)」

 

 

 千聖ちゃんが少し引き気味に諦めたように退散していく。

 

 これで二人きりだよマーくん。あとはもう私はまな板に置かれた鯛も同然!

 でもマーくんめちゃくちゃヘタレだからなぁ。

 えっちなことに興味が無い男子高校生なんかこの世に存在しないって千聖ちゃんも言ってたし。マーくんもよく麻弥ちゃんのおっぱいに視線が吸い寄せられてるし。

 

 いいなぁ〜、私も麻弥ちゃんくらいの大きさ欲しいなぁ。でも麻弥ちゃんよく肩こりが酷いって嘆いてるし大変なんだろうな。今度肩叩きでもしてみようかな! 大きくなるコツが聞けるかも。

 

 

「というかあったか……」

「……くぅ」

「マーくん、もう寝ちゃった……」

 

 

 気がつけばターゲットは私を抱きしめたまま、また規則正しく寝息を立てている。

 

 少し服をはだけさせておけば朝になってマーくんが襲いやすくなるだろうと思い、上着を少し脱ごうかと思ったが、物の見事に痛くない程度でしっかり抱きしめられたまま、ピクリとも体が動かない。体格差が違えば力の強さも段違いだ。

 

 

「……寝るしかないじゃん」

 

 

 とは言ってもやられっぱなしではい、寝ますじゃあ、そうは問屋が卸さないどころか問屋さんがブチ切れて問をぶん投げてくるまである。問屋さんってなんなんだろう。今度千聖ちゃんに聞いてみようかな。

 

 そんな訳で、なんとかかんとか体を上の方に動かそうと体をくねくねさせてみる。

 

 

「おぉ……意外と動くかも……これなら届くかな?」

 

 

 胸元くらいの高さまであった顔をなんとか首元まで持ってくる。

 本当はもっと上まで持ってきたかったけどもう体が動かないの。マーくんったら甘えん坊さんだから仕方ないよね。

 

 

「本当は顔がよかったけど……えいっ」

 

 

 めいっぱい頭を伸ばして彼の首筋に触れる。

 

 体制や距離的にキスマークを付ける程長くはできないので、本当に一瞬、触れるだけのキス。

 

 

「おやすみ」

 

 

 されるのも恥ずかしいけど、自分からやるのもやっぱり恥ずかしい、

 暑くなった顔を誤魔化すように、また芋虫みたいに体を布団にねじ込むと、彼の胸に顔を埋めて瞳を閉じる。

 

 ちょっと早くて遅い二度寝。けれどなんだかいい夢が見れそうだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 変な夢を見た。

 

 何故か彩がパジャマ姿で部屋にいて、ご丁寧にこれは夢だと言うんだ。とは言われても夢の中なので頭も回らず、状況もよくわかんないのでとりあえず彩をベッドに引き込んで抱き枕にした。いつの間にか抱き枕消えてたし、何故か。

 

 抱き枕の彩は俺がいつも使っている抱き枕よりも大きく、羽毛のようにふわふわではなかったが、人肌特有の温かさもあり抱き心地抜群だった。夢の中で直ぐに寝落ちするくらいには。

 

 そう、夢の中で寝たはずだったんだ。

 彩か抱き枕になったのは夢の中での話だった。

 

 

「ん……?」

 

 

 まず違和感そのいち。

 起きたらなんか抱き枕の抱き心地が違った。

 

 起きて直ぐに気がついたのがそれだ。何せいつもと感覚が違うからね。

 ふわふわだった抱き枕がぷにぷにというかもふもふというかもちもちというか……あと暖かいし。

 あと形が俺が普段使ってる抱き枕とは形が違った。明らかに縦にも横にも大きくなってる。

 というのも俺が使ってる抱き枕は実は俺にとって小さいのだ。身長180cm用の抱き枕とか売ってくれないかな。177cmにちょうどいい抱き枕がないんだよ。どうしても縦に小さいんだよ。

 

 違和感そのに。

 明らかに女の子のいい匂いがした。しかもすっごい身に覚えのある香りだ。

 

 女の子のいい匂いとかお前変態か? とか思われそうだがお前らは女の子のいい匂いを舐めすぎてる。

 ロングヘアの女性が髪をファサッってやっただけでめっちゃいいシャンプーの匂いがするんだぞ。

 マジでなんで女の人ってあんなにシャンプーのいい香りが使ってるの? 俺が髪の毛ファサッってやってもあんな風にならないんだけど。まぁ今そんなに髪の毛長くないんだけど。

 

 そんなわけで起きたらまず二つの違和感が俺を襲ったのだ。この2つの事例から、俺はある最悪の選択枝が頭に浮かぶ。

 

 

「……いやいやいや」

 

 

 無いな。流石にそれは無い。

 

 夢と現実の区別すらつかなくなったらもう終わり感あるぞ。

 夜中に起きた出来事って意識が朦朧としてて意外と覚えてることは少ないし、なんなら夢だと思って覚えてることもよくあるけど、それだけはない。絶対だ。俺が夢であって欲しい。

 

 

「……んぇへへ、マーくん……むにゃ……」

 

「……いやいやいやいやいやいやいやいや」

 

 

 なんかモゾモゾ動いてるし声が聞こえるけどそんなはずはない。嘘だッ!

 

 ……ほんとは寒いからやりたくはないが、ちょーっとだけ布団を捲ってみよう。

 

 ペラッ

 

 

「ままぁ……寒いぃ……」

 

「」

 

 

 なんかが寒がってたのですべてを見なかったことにして、0.2秒も立たずに布団を閉める。

 

 さっきまでMAXだった眠気は見事に吹き飛び、なんなら今はギンギンに冴えてる。

 とりあえずさっき見たのは全て幻想だと思うので、彩を起こさないようにそーっと布団から出て朝飯を作ろう。今日は二人前だな。

 

 

 

 この後、寝起きの彩に朝飯を食わせて眠気が覚めたところで事情聴取し、全てを済ませたところで買い物に行って家に送り返した。

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。