どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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最近ファンアートを題材にした話を書けばファンアートも来るし話のネタも出来るし一石二鳥じゃね?って考えたけど、どう考えても書いてくれる人側の負担が大きすぎて諦めました。僕です。

前回の感想でリサと彩がいないとの悲鳴が多数見受けられました。バレンタインが一話で終わると言ったな? あれは嘘だ(言ってない)
バレンタイン1日だけで3話くらい書く暴挙に出ました。ちなみにリサと彩は今回出てこないでごわす。ブラウザバックしないで(懇願)


あーんはされたら消滅する

「エビカツサンドお待たせしました〜!」

「ありがとつぐー!」

「じゃあモカちゃんいただきまーす」

「おいコラ。そりゃ俺が頼んだエビカツサンドだ」

 

 

 ここの商店街周辺には俺や巴が常連のラーメン屋さんや北沢精肉店、やまぶきベーカリーなど、食料を調達するには多すぎるほどお店が充実している。

 その為か午後2時すぎ辺りから常連でいっぱいになる羽沢珈琲点も他の飲食店が1番混むお昼度には案外空いていたりする穴場になる。

 

 それを知っている地元民たちはのんびりゆったりとお昼ご飯を食べたい気分の日にここに来る、まさに憩いの場になっている。

 俺もそんな気分の時にはイヤホンとスマホと財布だけを身につけてバイクに跨り羽沢珈琲店に向かうのが俺の中のお昼の選択肢になっているしな。

 しかもつぐの店普通のご飯も美味しいんだまた。だから俺のエビカツサンドをしれっと盗もうとするそこの白髪娘の蛮行は絶対に許さん。

 

 

「そんな訳で今日は午後から暇だってばさ」

「元々用事があった訳でもなかったんでしょ」

「そりゃあそうだけどさ。なんか予定ない所に無理やり予定入れられたあとに急に予定キャンセルさせられたら余計暇に感じない?」

「あたしにはわかんないかな」

 

 

 オムライスにパクつきながらなんだかんだいつも話を聞いてくれる蘭ちゃんはやっぱりいい子だ。オムライスを口に入れる度に表情は崩さないくせに幸せそうなぽわぽわオーラ出すのやめて欲しい。癒される。

 何かあったら華奢な女の子とは思えん威力で殴ってくるのとコミュ障気味で言葉足らずな部分以外はただのツンデレ超美少女だからな。

 

 あれ? もしかして蘭ちゃん強くね? ヒロイン力高くね? 赤メッシュキュートじゃね? 可愛くね?(今更)

 

 

「つぐー。モカの隣が空いてるからそっち座れよ」

「どうぞどうぞ〜」

「先に食べててごめんね?」

「ううん! いいよいいよ! それとありがとモカちゃん!」

 

 

 お店の賑わいも比較的落ち着いて、バイトの人たちから送り出してもらったつぐも席に加え、やっと全員集合のお昼ご飯だ。

 

 そんな訳でお客さんも少ない羽沢珈琲店のテーブル席でafterglowの面々と3-3で座って仲良くお昼ご飯です。

 なんでafterglowの面子が当たり前のように俺と一緒にいるのかと言うと、お店に入ったら既につぐ以外の4人が席で談笑してて速攻でひまりに捕まったからです。まぁ、よくある事だよね(慣れ)

 

 

「てかまーくんも可哀想な男の子ですなー。せっかくのバレンタインに予定がないとは、モカちゃん悲しくなっちゃいますよ〜およよ……」

「お前に悲しまれる筋合いはないから安心しろよ」

「らーん、まーくんが辛辣だよ〜」

「ちょっ、引っ付かないでよ……」

 

 

 このゆるふわ担当ガチで辛辣だな。どっかの某ミルミル球団マスコットの畜生ペンギンよりも畜生なんじゃねぇかな。

 

 

「まー、愛斗くんもまだチョコレートは貰ってないだろうしね〜」

「さっき香澄からチョコレート貰ったけど」

「「「えっ」」」

「えっ」

 

 

 ひまりと蘭とつぐみまでもが驚いたような視線をこちらに向ける。

 鉄板焼きそばを美味そうに啜る巴と蘭に引っ付いたまんまのモカ以外の3人が同じ反応ってどういうことだよ。

 一応俺ってモテないことも無いんだぞ。中学の時なんか告白だってされたことあるんだからな。付き合うことは無かったけど。

 

 

「そ、それって本命なのかな……?」

「いやいやいや、流石に違うだろ」

「いつ」

「今日貰った」

「ど、どんなの貰ったの!?」

「星型の一口サイズのやつ。美味かった」

 

 

 矢継ぎ早に前やら横からやら質問が飛んでくるんだけど。

 えっなに? 君たちそんなに俺に興味あったっけか。最近は何事も無さすぎて俺がついにモブキャラになったとでも思ってたよ。

 まぁafterglowは比較的まとも子達が集まってるから俺がキャラを立てる必要が無いだけなんだけどな。Roseliaやポピパやパスパレだと俺が常人枠から外れないと、なんかもう爆弾みたいに四散しそうだからなぁ……いろんな意味で(白目)

 

 

「香澄以外には誰にも貰ってないの!?」

「お、おう。ひまり顔近い」

「ならまだ勝機はあるよ! つぐ!」

「うん! 蘭ちゃんもモカちゃんも巴ちゃんもやろっ!」

「えっ」

 

 

 しれっと巻き込まれた蘭が虚をつかれた声を出す。

 可哀想に。またひまりに巻き込まれたんだね。

 

 

「モカちゃんはパスの方向で〜」

「あ、アタシも苦手だしパスで」

「だーめ! モカも巴もやるの!」

「アタシあんまりお菓子作りとかしないんだよ……」

「大丈夫大丈夫! みんなでやろうよ!」

「ちょっ、あたしまだご飯食べたばっかなんだけど……!」

「ほら蘭もモカも行くよ! エプロンとか家から持ってきてあげたから!」

「もー、ひーちゃんはいっつも強引なんだから〜」

「愛斗くんはのんびりコーヒーでも作りながら待っててね!」

「えぇ……(困惑)」

 

 

 まだ他のお客さんもチラホラのいるのにも関わらずどったんばったん大騒ぎしながらキッチンに向かうのが仲良し5人組を見送ると、一気にシーンとした空気に包まれてなんだかとっても寂しくなった。

 

 まぁアレだ。多分ここから暇だ。

 これ待ちしかないんだな、俺の選択肢って(遠い目)

 

 

「あっ! でもちょっと時間かかっちゃうかもしれないから家で待ってても良いよ!」

「なんなら恥ずかしいから帰って」

「蘭のエプロン姿見せてあげなよ〜」

「絶対やだ。だから帰って」

「えっ」

 

 

 蘭ちゃんのエプロン姿とか普通に見たかったんだけど。

 悲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤケクソ気味に家に帰ってひたすら早弾きして1弦と2弦をイジメまくってたら案の定プチンと1弦が逝った悲しいタイミングでモカに電話で呼ばれました。

 自分で弦張り替えても良いけど、ちゃんとレコーディングとかにも使うギターだからメンテついでにちゃんと店に持って行かねば。ごめんねテレキャスくん。

 

 

「いらっしゃいませご主人様〜」

「いらっしゃいませご主人様!」

「い、いらっしゃいませ……」

 

「なんこれ」

 

 

 店に入るや否やエプロン姿の美少女×3に出迎えられる。

 左からゆるふわガール、ぷにぷにピンク、赤メッシュツンデレとなっております。目の保養だなこりゃ。よりどりみどりにも程がありやしませんか。

 

 

「ほら愛斗! こっちこっち!」

「ねぇ巴。ここってメイド喫茶だっけ」

「メイド喫茶じゃあないな」

 

 

 苦笑いして俺を席に誘導する巴も何故かエプロン姿のままだ。普段は男らしい格好が似合ってるのに何故かエプロン姿もめちゃくちゃ似合ってる。ギャップ萌え(萌え)

 

 

「こちらになります〜」

「アッハイ」

「よいしょ!」

「……」

 

 

 案内されるがまま席に着くとナチュラルに蘭とひまりが両脇に座ってくる。

 待って、ひまりはまだキャラ的にわかるけど蘭ちゃん君はそう言うことする子じゃないよね? 急にそんな事されたら僕キュンキュンしちゃうからやめよ?

 あと顔赤くするのやめよ? なんか俺が犯罪起こしてるみたいに取られるからやめよ?

 

 

「なんで君たち真っ先に俺の両隣を塞ぐのかな」

「逃げられたら困るでしょ」

「困るのかよ」

「なんとなく隣取っといたら有利かなって!」

「オセロじゃないんだぞ」

 

 

 初代が強烈なせいで忘れてたけど2代目アホピンクもがっつりアホピンクなんだよな。このままだとピンク頭=アホっていうイメージがついてしまいかねない。

 この世界のピンク頭のイメージはお前らにかかっている。頑張れ、彩とひまりの頭。

 

 

「てか結局なんで俺って待たされてたの?」

「それは今からのお楽しみ〜」

「はえー」

 

 

 頬杖つきながら言った俺が言えることではないけどモカちゃ垂れすぎじゃね? もはや溶けそうやん。

 授業中にも関係なく机に突っ伏して爆睡してばっかりの女子高生にしか見えないんだけど、てかこいつ学校では絶対こんな感じなんだろうな。すっごい容易に想像できる。隣の席で延々と笑顔を眺めていたいごめん口が滑った。

 

 モカって自他共に認める超絶美少女だからな。見た目だけはガチで。

 

 

「お待たせしましたー!」

「おぉ! 新作?」

「ううん! 私たちで作ったの! 凄いでしょ」

 

 

 つぐみがウキウキした様子で持ってきたのは木の切り株のような形をしたチョコレートケーキ。

 イチゴとブルーベリーが綺麗に散りばめられたケーキ上には、『After glow』と文字が入ったチョコレートの板がオサレな感じで斜めに刺さっている。俺なんかこういうの言葉で言うの下手かもしれん。

 

 てか字うっま。女の子ってなんでこんなに字が上手いんだろうな。男が書く字と女が書く字で天と地ほどの差があるのマジで謎。

 

 

「すげぇな。これみんなで?」

「うん! みんなでやったの!」

「ほまーに?」

「ちょっと、なんであたしを見るの」

「モカちゃんにも視線が向けられてるのは納得できませんぞ〜」

「蘭達も料理できるんだなって」

「殴るよ」

「失敬だー。てんちゅー!」

 

 

 肩肘つきながらジト目で睨みつけてくる狂犬とふわふわしながら腕ぶんぶん回して怒ってるとアピールしてくるゆるふわ餅、それぞれ真逆の反応を見せてくる二人を見てニヤニヤしちゃう。

 人をいじるのってよくないかもしれないけどどうしても面白いよね。まぁちゃんと倍返し食らうんだけど。

 

 だって意外だったんだもん。蘭とモカが料理できるの。

 思ったことは正直に言った方がいいって天国のじっちゃが言ってた。じっちゃ死んでない定期って言われそうだけど。

 

 モカは100歩譲ってまだわかるけど蘭ちゃんもやっぱりしっかり女子高生してるんだな。

 そういやこの子おしゃれで赤メッシュしてるから忘れがちだけど私服とかもかっこいいしギターもうまいしでセンス高いよな。まさになんでもできるけど興味ないこと以外はなんもしないって感じだわ。これモカにも言えることだわ多分。

 

 

「これ食べていいの?」

「ちゃんとモカちゃんの分も残しておいてくれるなら許してやろう〜」

「俺のじゃないんだな。まぁ全然いいんだけど」

「待って愛斗くん!」

「なんやねん」

「まだイ○スタ用の写真撮ってない!」

「早よ撮って、どうぞ」

 

 

 マジで自由すぎる。慣れたようで慣れないすぎる。

 てかこれに慣れるようになるには俺自身が自由人になるしかないな。でもそうしたら巴と蘭とつぐの負担が凄いことになるからやめておこう。

 

 にしても女の子ってみんなイ○スタやらTw○tterやらSNS好きだよな。

 アフグロの五人の中でSNSに力入れてそうなのがひまりだけって言うのも、周りの女子高生達の感じを見てたら逆に少ないくらいなのかもしれない。

 彩とかリサ姉とか香澄とかもバリバリやりこんでるしな。俺の知り合いでも男女問わずSNSに力を入れてる人は数えきれないわ。

 

 俺ももっとSNSとかやった方がいいのかもしれない。てか最後に投稿したのがいつなのかもう覚えてないわ。これからはオフショットもたくさんあげていこう。少なからず需要はありそうだし。

 やっべ、自分が有能に思えてきた。炎上しそうだわ(小並感)

 

 

「にしてもブッシュドノエルとはすげーな」

「あっ、愛斗くん知ってたんだね!」

「名前と見た目が一致する程度だけどな」

「bûche de Noël」

「なんでお前そんなに発音よく言い直したんだ」

「最近モカの挙動がわからなくて怖い」

「最近じゃなくて最初からずっとの間違いでしょ」

 

 

 最近はあんまり見ない気がするけど一時期話題になったかで有名だったもんだ。切り株みたいで可愛いって。本当はもう少し知ってることがあるけど言わないでおこう、うん。

 

 実際に目の当たりにすると可愛いっていう当時の女子達の気持ちもわからんではない。

 こういうのになると可愛いっていう自分可愛いと思ってる云々かんぬん説が出てくるけど、結局のところイケメンに限るのやつと一緒で実際に可愛ければセーフだもんな。実際にさっき写真を撮りながら目をキラキラ輝かせてかわいいって脳死で呟いてたひまりは傍から俺が見ても可愛かったしな。

 

 

「もういいな? じゃあいただきm」

「ちょっと待った!」

「んぶっ」

「蘭! やるんでしょ!」

 

 

 ひまりに強引に口を塞がれる。

 痛い、普通にビンタしてくるみたいな勢いで左から手が飛んできたからな。こいつ手加減って知ってるのかな(涙目)

 

 

「えっ、いやだよ。やりたくない」

「ダメ! やるんでしょ!」

「ここでガツンと一撃決めろよ!」

「蘭ちゃん! ファイトだよっ!」

「まぁまーくん相手だし、気楽にやればいいでしょ〜」

「うっ……」

 

 

 ひまりに口止め(物理)されたまま、俺の存在を無いものとされて会議される。

 それの被検体は俺なんじゃないんですかね。モカ思いっきり名前出してたし。

 本人の目の前で堂々と話して大丈夫なんですかね。あまりにもガバガバすぎる(白目)

 

 

「蘭がやらないなら私がやっちゃおっかな〜」

「それはダメ!」

「じゃあモカちゃんが代わりに〜」

「ダメ!」

「じゃあもう蘭がやるしかないな」

「……わかった」

 

 

 百合百合であぁ^~(昇天)なやり取りを目の前でまざまざと見せつけられた。こんな空間に男一人、何故生きていられるのかふしぎである。とりあえず生きててよかった(小並感)

 

 無心で話をムーディ〇山ばりに聞き流しているとぱっと口元が空く感覚に意識が戻される。

 脳を再稼働させて目の前の情の報を仕込む。

 ふむふむ。右隣からニョキっと伸びてきた手がフォークでケーキを一口大にカットする。

 そのまま視界を右にずらす。そんでその右手はそのまま俺の口元に伸びてきて……ん? 口元に?

 

 

「……ん?」

「……ほら」

 

「蘭! あーんって!」

「蘭ちゃん!」

 

「あ、あーん……!」

「」

 

 

 今、起こった状況を説明しよう。

 

 右を向いたら顔を真っ赤にした照れ照れ蘭ちゃんが、どもりながらチョコケーキを全人類の夢である「あーん」をしてきたんだ。

 いつもなら目線を逸らして顔にフォークがぶっ刺さりコースのはずが何故か顔を真っ赤にしながらこっちを真っ直ぐ見てくる。

 

 

「……ほら。早く食べて」

「」

「……どう、おいしい?」

「うん、うまい」

「……よかった」

 

 

 ……あっれー? 俺は夢でも見てるのだろうか。

 目の前の蘭ちゃんがめちゃくちゃ聖母みたいな頬笑みを浮かべてるように見えるんだけど。可愛いんだけど。なにこれ。可愛いんだけど(大困惑)

 

 

「蘭ばっかズルい! 愛斗くんこっち向いて! 私もやる!」

「わ、私もやろっかな〜、なんて……」

「つぐにやって貰えるとは幸せ者ですなぁ〜」

「尊みで死ぬかもしれん」

「うぇぇ!?」

 

 

 美少女に囲まれながら延々とあーんされ続ける。

 

 俺、もしかしたら死ぬんじゃないだろうか。ブッシュドノエルってバレンタインに作るんじゃなくてクリスマスに作るケーキじゃなかったっけ? なんてツッコミを強制的に止められたまま、尊みの海に沈んでいきました。

 

 なお、帰り際にの際、蘭の「忘れて」と袖をきゅっと掴む姿にノックアウトされました。

 なんで殴ってこないだけでこの子馬鹿みたいに可愛くなるの? お兄さんのライフポイントはゼロだよ?

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン

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