どうやら俺の黒歴史を美少女達に握られたらしい   作:as☆know

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こういう回を書く時は自分でもニヤニヤしてたりします。真夜中にチャットモンチーのシャングリラとか掘り当ててひたすらリピートしながらニヤニヤしたりしてます。
キモイとか言わないで、だって尊いんだもの。

バレンタイン編も最終回、今回は一貫して彩ちゃん視点となっております。ごゆるりと。


ハートのチョコに素敵な甘さを

 今日は2月13日。明日は2月14日。

 

 今日は2月13日。明日は2月14日。

 

 今日は2月13日。明日は2月14日。

 

 よし。完璧。

 壁にかかっているカレンダーを何度も指差し確認して今日と明日の日にちを確かめる。

 

 

「彩? なーにしてんの☆」

「ひぁっ!? り、リサちゃん!?」

 

 

 いきなり肩に抱きついてくるリサちゃんに少しびっくりしてしまう。

 というか抱きついてくるときにおっぱいが当たって……。

 

 

「……うぅ、いいなぁ」

「? どうかした?」

「な、なんでもないよ! うん!」

「そう?」

 

 

 自分の胸に手を当てる。

 ……うーん。なくはないんだけど、男の子はやっぱり大きいのが好きって聞くしなー。

 お風呂上がりにストレッチとかしてるんだけどなかなか大きくならない。好きな人に揉んでもらうといいっていうのは聞いてもらったことがある。

 けどそれを千聖ちゃんに言ったら少し疲れたような顔をして。

 

 

『彩ちゃんは此処一番の重要なところで押し切れないから無理よ。というか基本的に防御力が皆無だから無理よ。あと、あの子が彩ちゃんに中途半端な形で手を出すとも思えないから、そういう点でもそれは無理よ』

 

 

 って言ってた。

 何にも言い返せなかったよ……。マーくんがヘタレなのは今に始まったことじゃないけど、まさか私に関しても言われるとは。千聖ちゃんの見る目はすごいなぁ。

 

 確かに自分から攻めるんだったらイケイケゴーゴーなんだけど、なんかもうマーくんに攻められたらダメだよね。

 だって好きだもん。あの目で見つめられたり抱きつかれたりなんかした日には、もう借りてきた猫みたいになっちゃうよね。これが女のサガってやつか……(多分違う)

 

 

「彩ちゃーん! もう準備できてるよー!」

「うん! わかった!」

 

 

 今日はバレンタイン前の大事な日。

 そう、大本命のチョコレートを仕込む大事な日だ。

 

 この中で一番料理のできるリサちゃんを筆頭に、紗夜ちゃんと日菜ちゃん、花音ちゃん千聖ちゃんと言う2年生みんなで作ることにした。したって言ってもリサちゃんに誘って貰って、それぞれみんなが他の子を誘っていってたらいつの間にかこんなに人数になっちゃってただけなんだけどね……。

 

 

「まさか事務所がキッチンを貸してくれるとはね〜」

「おっきいところで作れるのは助かるよね。こんな大人数だし」

「でもカメラがあるのは緊張するかも……ふぇぇ……」

「花音、そんなに気にしなくてもいいのよ? 本当に嫌だったら今すぐ止めさせるから」

「ふぇぇ!?」

 

 

 相変わらず千聖ちゃんは花音ちゃんに甘いなぁ。見てて微笑ましくなるよね、うんうん。

 

 そんな訳でどこから情報を掴んだのかはよくわかんないけど、バレンタインチョコも作るっていう話を聞きつけた事務所の人達がカメラを回したいってのを条件におっきなキッチンを取ってくれた。千聖ちゃんが深く考えちゃダメって言ってたから深く考えないようにしよう。

 

 

「おねーちゃんとお料理とか久しぶりだなー!」

「そうだったかしら。そもそも日菜はあまり料理をしなかったじゃない」

「そうだっけ?」

 

 

 それにしてもみんながカメラOKって言ってくれてよかったな。

 紗夜ちゃんと花音ちゃんは流石にダメだと思ったけど、二人とも日菜ちゃんと千聖ちゃんがいるおかげでOKしてくれた。紗夜ちゃんは日菜ちゃんに押し切られてたみたいだったけど。

 でもなんだかんだで楽しみにしてそうだし大丈夫かな!

 

 

「みんないるよね? エプロンはした?」

「「したー!」」

「手も洗った?」

「「洗ったー!」」

「じゃあ作って行こー☆」

「「おー!」」

 

「あの二人、元気だね」

「私は日菜が2人に見えてきそうです……」

「紗夜ちゃん? 大丈夫? 幻覚見えてるわよ?」

「最近よくあるので……」

「それ……大丈夫じゃないと思うんだけど……」

 

 

 紗夜ちゃんも大変なんだなぁ(小並感)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあまずは板チョコを刻んで砕いていこー!」

 

「これバキバキやるのきもちーよ!」

「結構力がいるんだね……」

「真上から押すようにやるといいよ☆」

 

「手を切りそうで心配だわ」

「同感です」

 

 

 市販の板チョコを包丁で細かく刻んで砕いていく。

 隣で並んで作業する日菜ちゃんと花音ちゃんの目の前で保護者みたいな目で心配そうに見つめる2人がなんとも面白い。2人共自分自身の作業は何事もなくこなしているところがなんというからしいというか。

 

 ところで今回のチョコレートだけど、マーくんはブラックコーヒーをよく飲んでるんだよね。でもね? ここだけの話、実はマーくんってそこまで苦いのが好きって訳じゃないんだよね。案外子供舌だし!

 多分ホロっと苦味がある程度のミルクチョコあたりが好きそうだから今回はその辺の甘さを目指して作ってみようかな!

 

 

 


 

 

 

「次はこのチョコレートを湯煎していくよ☆」

 

「花音、やけどに気をつけるのよ」

「うん、大丈夫だよっ」

「案外すぐ溶けるんだね〜」

「このためにさっき砕いといたからね」

 

 

 お次はチョコレートを湯煎にかけて、テンパリングしていく作業だ。ちなみにテンパリングの意味はよく分かっていない。ツヤを出すとかそういう理由だった気がする。

 

 ボウルに50度くらいのお湯を入れて、その中にもう一回り小さなボウルを浮かせて、そこにさっき砕いたチョコレートを入れてゴムベラで混ぜながらとかしていく。私はここでちょっと牛乳を加えるよ! 最初にミルクチョコとビターチョコを使って、ここで牛乳を加えることでより円やかかつ少しビターな風味が残る……はず!

 

 


 

 

「それじゃあ好きな型に流し込んでいこー!」

 

「リサちーは何にするの?」

「アタシは家でまた別で作るから今回はスルーかな〜」

「本気だねー!」

「いやー、アピールポイントだから☆ まぁRoseliaのみんなと愛斗用なんだけどね」

 

 

 リサちゃんは凄いなぁ。

 私も料理が全くできない訳では無い。少なくとも、マーくんに料理スキルで負けてると感じたあの時からちょっとずつママに料理を教えて貰っている。あのオムライス美味しかったな、また作ってくれないかな。

 

 リサちゃんに料理スキルでは適わないかもしれないけど、こっちには愛情というスキルがある。これだけは負けるつもりは無い。絶対。確実に。

 

 

「愛情込めれば美味しくなるって言ってたしね!」

「誰が言ってたの?」

「誰か!」

「彩ちゃん……」

 

 

 そんなかわいそうな子を見る目で見ないでよ千聖ちゃん!

 

 

 


 

 

 

「次は好きな型に流し込んでいこー!」

 

「おねーちゃん! 星型のやつにしよ!」

「しょうがないわね……」

「くらげの型とかないのかな?」

「そう言うと思って準備しておいたわ」

「やったー!」

「くらげの形をした型って売ってるんだね……」

 

 

 まぁ私はハート型以外選択肢はない。ガチ中のガチ本命だからね。これしかない。

 

 ハートのチョコレートに願いを込めて。

 

 

「……届くといいな」

「難攻不落だからねー」

 

 

 いつの間にか隣にいたリサちゃんが遠い目をしている。

 どう考えてもハードモードすぎるんだよね。あの子落ちないんだもん。こんなのでもアイドルの子が迫ってるのに全く素振りも見せないんだもん。

 

 それはリサちゃんに対しても変わらないようで、これだけのプロポーションと整った顔立ちをして、なおかつ女子力も高いリサちゃんでも落としきれないんだから、その不落さが伺える。私、とんでもない人を好きになったもんだなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 来たる2月14日。

 

 

「……どうしよ」

 

 

 いつもは合鍵を使ったりピッキングしたりして突撃する彼の部屋の扉が、何だかいつもと違って巨大な城壁に見える。

 

 チャイムを押すだけ。なんだったらLINEを彼に送るだけでもいいのに。ちゃんとした口実が出来た時に限って緊張してしまう。

 いつもだったらなんの迷いもなく突撃できるのに、人の心とは不思議なものだ。

 

 両手で持つ紙袋がやけに軽く感じて、何故か持つ手に少しだけ力が入る。

 寒いなぁ。寂しいなぁ。

 

 

『らいんっ』

 

「!」

 

 

 コートの右ポケットから鳴る通知音が聞こえた瞬間、間髪入れずにスマホを取り出して通知を確認する。今の動き、多分人生で1番無駄のない動きだった。

 

 

「あっ、リサちゃんからだ」

 

 

 少し安心したような寂しいような。

 複雑な感情がぐるぐるしながらメッセージを読む。

 

 

『みんなでチョコレート渡したよ。もうそろそろ愛斗がそっちに着くと思うから彩も頑張って☆』

 

 

 メッセージとミッシェルの頑張れというスタンプと共に送られてきた写真には、マーくんが日菜ちゃんと紗夜ちゃんとリサちゃんにくっつかれてる姿が写ってた。

 まさか紗夜ちゃんまで攻めに回るとは……バレンタインの効力恐ろしや。顔がトマトみたいになっちゃってるけど。可愛い。

 

 マーくんもなんだかまんざらでもなさそうな顔してるし……ずるい。みんなずるい。マーくんのえっち。でも好き。

 

 ……あれ? もうそろそろそっちに着くって。

 

 

「彩?」

「ふにゃあっ!?」

 

 

 聞きなれた柔らかい声色に自分でもびっくりするくらい驚く。危うくスマホを落とすところだったよ……。

 

 声の主は紛れもない部屋の主であるマーくん。恐らくリサちゃんたちから貰ったであろうチョコレートが入った紙袋もしっかりと持っている。

 リサちゃん、もうちょっと早く連絡して欲しかったよぉ……!

 

 

「なーしてんのおまん」

「い、いや? なんでもないよ!」

「バレバレすぎるだろ」

 

 

 流石に家の目の前に来てまでこの言い分は苦しすぎた。反射的に私が持ってる紙袋も体の後ろに回しちゃったしどうしよう……。

 

 ……というかちょっと待って。さっきリサちゃん達がチョコレート渡したってことは、少なくともマーくんは今日3つはチョコレート貰ってるってことだよね? それにマーくんの事だから多分3つでは済まない……。

 あれ? これ私チョコレート渡しちゃダメだよね? マーくん食べきれないし飽きちゃうよね?

 

 

「……なんかお前顔色悪くね? どした?」

「う、ううん! なんでm」

「嘘だな」

「うみゅっ!?」

 

 

 少し不機嫌そうな顔をしながら、おっきな右手でむにゅっとほっぺを掴んでうりうりしてくる。喋りずらいよ! 落ち着くしなんか嬉しいけど!

 

 

「しょげた顔してんなよ。なにを心配してんだよ」

「えっ」

 

 

 ほっぺむにゅむにゅ地獄から解放されるやいなや、彼からの鋭い私的に虚をつかれる。

 マーくんってそんなに鋭かったっけ……?

 

 

「『なんでわかったの?』とでも言いたいのか?」

「そうだけどマーくんのモノマネが似てなくてちょっとムカつく」

「悪かったな下手くそで」

 

 

 遠しに私にモノマネが下手くそだと言われ、『どーせ下手くそだよ』なんて言ってちょっと悄げるマーくんを見て頬が緩む。マーくんってもしかしたら世界中の中で一番の万能薬かもしれない。

 

 

「マーくんさ、今日何個チョコレート貰ったの?」

「今日? 今日は……んー、5個くらいかな。ケーキも含めてだけど」

「5個! ケーキ!?」

 

 

 ま、負けた……。私の知らない間にマーくんがそんなモテ男になっていたなんてびっくりだよ……。

 いや知らなかったと言うよりか、マーくんが案外スペック高いという事実から目を背けてたんだけど……。

 

 マーくんくらい優しくてかっこいい人がいたらそりゃあモテるだろうけど……やっぱり妬いちゃう。

 私は昔からマーくんのことを知ってるのに。どうしてもそう思ってしまう自分の性格の悪さが嫌になる。

 

 

「……マーくんもモテモテになったね」

「モテ期かもな」

 

 

 少し困ったような笑みを浮かべる彼の裏には、きっと自虐も込められているのだろう。彼は昔から自分の評価が低すぎる。そんなことは無いのに。

 君に救われた人は私以外にもいると思うのに。

 

 そんな彼だからこそ。少しだけ、()()()腹が立ってしまう。

 

 

「マーくんがモテ期になったら妬いちゃうよ? というか、妬いてるよ?」

「なーんで俺程度の男に妬いてるんですかね……」

 

 

 彼が普通の男の子だったら、自分のことを少しでも高く見られるんだったら。

 今、きっと私は帰ろうとしたんだろう。帰ろうとして、彼に止められるのを期待したんだろう。

 

 けど、マーくんだからなぁ。ほんとに、なーんでこんなにも自己評価が低いんだろうね。

 

 

「マーくんだから妬いてるんだよ」

「反応に困っちゃう」

「受けになって照れてくれたら胸きゅんしちゃうよ?」

「じゃあ攻めになるわ」

「大胆なマーくんも好きっ! きゅんきゅんする!」

「それ胸きゅんじゃなくて心臓病じゃね? 大丈夫?」

 

 

 心臓の病気じゃなくて、恋の病なんだけどなぁ。もう何年も変わらない不治の病なんだけど。直そうとも思わないんだけど。

 

 きっと彼は優しいから、後ろに隠してあるチョコレートも貰ってくれるんだろう。

 だからこんな寸劇に付き合ってくれてるみたいだし。さすがにマーくんが何に気を使ってるか位はわかるようになってきたのである。伊達に幼なじみはしてないからね〜。

 

 

「ところで問題です! 今日は何の日だ!」

「バレンタイン」

「正解っ! そんな訳で正解したいい子にはこれをプレゼントしましょ〜!」

「やったぜ。てか、もっと上手い導入の仕方なかったの?」

「これしか思いつかなかったから仕方ないじゃん!」

 

 

 後ろにバレバレで隠してあったチョコレート入りの紙袋を彼に差し出す。

 

 今日は、今は、彼の良いとこ(やさしさ)に甘えちゃおう。だからいつか、今度は私が彼の悪いとこ(自虐性)が全部見えなくなるくらい彼のことを満たしてあげよう。

 

 

「もっと何とかしようや……。ま、ありがとな。神棚にでも飾っておくよ」

「腐っちゃうかもしれないから早めに食べて欲しいかな?」

「チョコレートって腐るの?」

「わかんない!」

「えぇ……(困惑)」

「えへへ……」

 

 

 

 呆れつつも、軽くお礼を言って嫌な顔一つせずに受け取る姿があの時の彼と全く同じで、ふと思い出が蘇る。

 ここで変にオーバーリアクションを取るような性格をしていないのは分かっていたから、これでいいのだ。逆に『マジで!? サンキュー!』なんて言われたらびっくりしちゃう。

 だってちっちゃい頃にママに勧められてバレンタインのチョコを渡した時も、今と全く同じ感じで受け取られたし。

 

 正直なところ、もっと大々的に喜んでくれてもいいのにな〜ってのが本音ではある。本音だけどそういうのは見たくないってなんだか不思議だね。

 

 

「じゃあ今日はそれだけ! 本命だからね! 大大大本命だから! 大好き! じゃあね!」

「畳み掛けるように帰るのな」

 

 

 今、本命と言われた時に少し顔がピクっとなったところを私は見逃さなかった。

 あれは動揺してるな? つまり鋼メンタルだのなんだの言われているマーくんでも男子高校生には変わりないんだ。

 つまりこのまま頑張れば……えへへ(蕩け顔)

 

 渡すまではあれだけ沈んでいた心が、帰る頃にはこんなにも楽になるから人って不思議なものだ。足取りも軽く、少し肌寒いと感じる外気温でさえも、今は陽の光を強く感じて暖かく思える。

 多分、マーくんにこの事を言ったら『お前は単純だからだろ』とか言われるんだろうな。ムカつくから絶対に言わない。

 でもあのジト目もいいんだよなぁ……。

 

 夜、ベッドでストレッチをしてたら、マーくんからの『美味しかった。ありがと』のLINEが。

 もう、その一言だけでもう言葉では表しきれないほど幸せな気分になりましたとさ。

 

 来年はどうしようかな?

過去のお話の書き方が地雷なので、展開は変えずに描写とか加筆修正したいんです。

  • 今のが好きなので書き直しておk
  • 昔のが好きなので書き直したらアカン
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