原作とかに出てくる笑い担当のアホっぽいキャラにエグイ過去をもたせたらえげつなくなりそうだと思うのは俺だけだろうか…。 作:テクテク
ほら、やっぱそう思うじゃん?
『なんで?私は格好いいと思うけど…』
ーー…ははは、そう…だね。…あぁ、当然じゃないか!僕の勇姿を見せてあげたいぐらいだよ!!
嘘だ。
本当はとてもじゃないけど見せられるものじゃない。
『ほんとに?本当に倒したの?!すごーい!!!すごいよ!かっこいい!』
ーーふふふ、もっと褒めてくれてもいいよ!なんたって僕は天才だからね!
これも嘘。
敵は誰でも倒せるような雑魚だし、僕は周りの人に迷惑をかけているだけ…。
『え?!そんなすごい部隊にいるの??ほぇー、本当にすごい人だったんだねー』
ーーまあね!どうしてもって言うから入ってあげたのさ。みんな僕を頼ってばかりで困っちゃうよ。
真っ赤な真っ赤な嘘。
本当は出資の話と引き換えに入ったんだよ。
頼っているのは、むしろ僕……。
『みんな君のことを嘘付きとか言ってるけどさ、たとえ嘘でも私はすごいと思うんだ…。だって、戦うのって怖いもん。みんなみたいに誰かの実力がどうこうって言って馬鹿にすることは誰でもできるよ。でもそんな人よりも、どんなに弱くても戦う覚悟を持って、そして行動した人の方が絶対格好いい…。…実力云々は、その人達しか言う資格ないよ』
ーーそ、そうかな……。って、違うからな!僕は本当にすごいんだ!実力もなにもかもトップクラスさ!
僕が、
どれだけ嬉しかったか君は知らないだろう。言ってないんだから当然だけどね。
けど、本当に嬉しかったんだ…。本当に嬉しかったんだよ……。
『そういえばさ、君はなんで戦おうと思ったの?私達別にそうしないといけない理由ってなかったでしょ?なのにいきなりだったから私すごい驚いたんだよ?』
ーーふっ、ミステリアスな男っていうのも悪くないけど敢えて言うね。苦しんでる人の助けになりたかったんだよ。平和を守るために、少しでも力になりたかったのさ。
嘘、嘘、全部嘘。
目立ちたかったんだ。
格好付けたかったんだ。
ヒーローみたいに活躍してみんなに崇められたりしたかった。
有名になりたかった。
そして君に…、
君に、僕を見て欲しかった……。
突然だったのは、
本当にギリギリまでそんなつもりがなかったから。
偶然君がその事を話してるのを聞いて、悲しんだり、怖がったりしてるのを見て、これだと思ったから。
アニメや漫画のヒーローみたいに劇的な活躍をして、君に僕を意識して欲しかったから。
だから適当な額で済まそうとしていた出資に色をつけて、コネを使って入った。
でも戦うのが怖かったから、他のメンバーが功績をたてた時に一緒に名前が上がる事を期待して強いチームに入れさせた。
僕が戦おうと思った理由は…
君にいいところを見せたいっていう幼稚な感情と、
ヒーローになってみたいという馬鹿みたいな英雄願望と、
コネを使えば安全を確保した上で名誉だけを楽に得られるだろう。そんなどうしようもなく愚かで甘い、甘すぎる、考えだった……。
なぜ、僕は……
もっと…もっと本気で…
…もっと…
…もっと………