個性:梁山泊 作:ルーニー
あと短いという言葉をいただきましたがこれが限界なので悪しからず。
あと設定かなり変わりました。この話含めた今までの話で設定以外変わるところはほとんどないのですが一応注意してください。
「うごごごごご」
朝の8時15分。まだ教室にも人が少ない中で俺は疲労で机にくっつぷしていた。息は整ってはいるが足は歩くことで精一杯なほどに震えているほどと言えば今の辛さがわかるだろう。
こうなった原因は単純明快。朝の6時から地獄の拷問もとい修行をしていたのだ。やったことは足腰とスタミナを鍛える修行。具体的に言うとタイヤとお地蔵さまを引き摺って全速力で市内を走るだけの単純なものだ。重さはヤバいけどな!
成長期なんだからそこまでやっちゃまずいんじゃ?と思ったけど、どうも俺の体は人よりも成長が早く、小学6年生には前世以上の181cmになっていたため特に問題はないだろうとのことだ。なんでこんな早いんだろうかと思っていたんだけど、この人よりも早い成長は自分の身長は前世のものだという思い込みからじゃないだろうかと岬越寺師匠は考えているみたいだ。病は気から、ならぬ体は意識から、ということなんだろうなぁと個人的に思ってる。
まぁそのせいで成長痛がやばかったし通常よりも早くあの拷問じみた修行をやることになったんだからそれはそれでめちゃ辛いんだが。マジで死ねる。あの人たち活人拳の人たちだから死にはしないけど。いやアパチャイ師匠は割と死ぬ可能性あるわ。今のところ大丈夫だけど。
「また唸ってるけど大丈夫なのか?」
足や体のダルさで机で唸っているとクラスメイトが苦笑しながら前の席に座った。黒髪にギザ歯のどこにでもいそうな感じの少年だが、漢気ということにこだわりがあるのか学校でのいじめとかカツアゲは絶対に許さない熱血漢だ。
中学校に入ってしばらく経った時、その時は別のクラスだったけど体育祭でお互い話す機会があって、憧れている人が師匠たちに似てるせいか結構気が合ったのがきっかけで仲良くなった。
「大丈夫じゃない。動きたくない」
プルプルと震える手を挙げながらだるそうに返事するとあきれたような笑いをこらえているような、そんな感じで軽くため息を吐き出してきた。
「また叫びながら町中走り回ってただろ?今朝もタイヤの数とかお地蔵さまの数とかどれだけ増えてるんだろって面白がってる人もいたぞ?」
「見せもんじゃねぇぞこのやろう」
くそう。もう慣れたから恥ずかしいとかは感じてないけど、というか感じる暇もないってのが本当なんだけどさ。それでも第三者から言われるとなんか恥ずかしいな。やめないけど。やめれないけど。
「いつも思うけど、よくあんなもの引きずってあのスピードで走れるな。何キロあるんだあれ?」
「何キロだっけ。たぶん合計したら100は越えてると思うけど、詳しい重さは怖くて聞けてないわ」
「……お前すごいな」
ハハッ。もう慣れたよ本当に。
「そ、そういえば進路とかってもう決まってるのか?」
俺の表情を見て聞くんじゃなかったと思ったのか、少し慌てたように話題転換をする。もう中学3年生になって1か月が経ってるし、そろそろ進路相談とか始まる時期で少し前にクラスメイトがクラス中で進路を聞いているのを見ていた。とはいえ、お互いなんとなく進路が分かっていたから俺とこいつに関してはお互い聞くこともなかったけど、やっぱり聞きたかったのか。とは言っても、俺の目指すのはここしかない。
「雄英高校」
「やっぱお前も雄英か」
クラスメイトは予想通りか、と笑っているけどこういう反応もここじゃ珍しいことだったりする。
俺は『個性』らしい『個性』が表面化されてないし、体も『無個性』と何ら変わりないからよく『無個性』と蔑まれている。目の前のクラスメイトみたいに特に気にせずに接してくれる人もいるにはいるけど、『個性』至上主義のような考えが浸透しているから俺の進路を聞いてバカにしてくるやつや別の道を考えるように勧める先生もいる。まぁ雄英高校といえば命の危険がある現場で働く職業を目指す専門高校のような場所だ。災害や人災による混沌とした現場では有能な『個性』があった方が確実性もあるし救助する側も現場に対する自信が出てくる。そんな中で『無個性』の人がいても足を引っ張る可能性が大きい以上、仮に雄英高校に入学できて資格も手に入れれたとしてもその人を欲する事務所はほぼないだろう。
だけど。だけどだ。まだ免許皆伝もしていない身とはいえ仮にも梁山泊の弟子、一端の活人拳なんだ。俺の憧れの人たちは、その中でも特に尊敬する人は才能がないのに目標のために必死に頑張って強敵を倒し続けて、いろんな人を助けてきた。そんな姿を知っている身として、あんな風になりたいと思っているからこそ、雄英高校はあの人に近づける第一歩になる。
師匠たちからは俺には才能があると言われている。ポテンシャルだけ言えば20歳未満にもかかわらず妙手に至り、そして20歳で達人に至った田中勤さんと同じかそれ以上だとすら言われている。でも、それに反するように心の方は安定していないと言われている。普通の学校ではダメだ。様々な経験を経ている人たちのいる雄英高校に入ることが、俺の糧になると信じている。
そんなことを思っていることを知っているのか、人の夢を否定することをしないのか。俺の進路を聞いてもお互い頑張ろうぜと言ってくれるのは気が楽だし、やる気も出る。やっぱり、いい奴と友達になるのは気持ちがいい。
「でもそんなので雄英高校に入学できるのか?あそこ難関だぞ?」
「成績はいいからそこで稼げる」
「なんであんなことやってて成績トップなんだお前」
クラスメイトがあきれるような表情で俺を見てくるが、あの環境にいたら否が応でもそうなるって。
まず岬越寺師匠が医術芸術工学物理数学文芸を修めてる性格以外完璧達人だから勉強にも力を入れないとまずいんだろ。あと逆鬼師匠が英語得意でちょくちょく教えてくれるから俺がしゃべれるようになるの楽しみにしてるんだし、アパチャイ師匠もタイ語しゃべってくれないかなぁって目を輝かせてる、んで馬師匠もなんか中国語しゃべらないかなって楽しみにしてるからマジで勉強してないといろんな意味でプレッシャーなんだよ。
……高校卒業するぐらいになったらマルチリンガルになれるんじゃないかこれ。
なお学校が終わって梁山泊(今は亡きじいさんの家)に戻ったら例のごとく足腰の鍛錬とアパチャイ師匠の修行で本当に死にかけた。原作主人公ことケンイチさんのように本当に心拍停止はしなかったけど気絶はデフォルトである。
主人公は期待されると応えたくなる子です。それが尊敬している人からだと尚更頑張っちゃう現代日本人です。
逆鬼師匠は弟子と一緒に世界ケンカ旅行に行くのを楽しみにしてると思う。原作終了後にケンイチ連れてケンカしながらいろんな場所に旅行してそう。そんでみんなついてきて結局梁山泊裏社会旅行になってそう。
そしてしぐれさんと一緒にお風呂入りたい。