国のために全てを捧げよ?いいえ、女子の為に尽くします。 作:白猿
ここは海軍特務士官学校。
近い将来、日本の国防を担うことになる優秀な人材を育成することを目的とした高校だ。
その性質上、海軍基地と同レベルの設備と警備が整っている。
そのため、普段から厳格な雰囲気が漂うこの場所に、今は普段より一際険しい空気が流れている。
「何考えてんだ!バカなのか?」
「だって、あのハゲが女子に手出したから!」
「だからって、やり方考えろや…」
俺は今、士官候補生の白い制服を着た男たちに周りを囲まれて正座させられている。俺の名は、
なぜこんなことになったのか、15分ほど前に話を戻そう。
事の発端は、俺の部屋を一人の少女が訪ねてきたことにある。
ーーーーーーー
(ピンポーン)
ドアのチャイムが鳴ったので玄関に向かうと、そこにはいつも可愛がっている後輩の
「どうしたんだ?急に俺の部屋まで来たくらいだから、何かあったんだろ?」
「先輩……助けて下さい…このままだと…私………」
「話は中で聞こう。まぁ、上がってくれ」
いつもと一転して、雰囲気が暗い葵に嫌な予感がした。
とりあえず、ミルクティーを作って大好物のクッキーと一緒に彼女に手渡した。
しかし、彼女がそれを手を付ける様子はない。さらに、いつならばすぐに飛びついてくる池田屋のクッキーにも反応一つ示さない。
「一体何があったんだ?」
「実は………」
以下は、彼女の話を整理したものである。
橘たち1年生の教官をしていた女性が、大本営からの緊急招集がかかり、1カ月間不在という状況になってしまった。
学校が代わりに手配した教官は、元陸戦隊の隊員だったそうなのだが、こいつの性格の酷さときたら、お話にならないレベルである。
「お前らの評価を落とすぞ」と脅して暴力やセクハラを続けているらしい。
既に、クラスの半分以上が被害者となっており、これ以上続くようであれば不登校続出になりかねないという状況まで進んでいるというのだ。
「そんなの許される訳がないじゃないか⁉他の教官には言ったのか?」
「もちろん、言いました。しかし、その教官は大本営の将校様と繋がりがあるらしく、他の教官方は関わりたくないらしいんです。」
ふむ、教官も使えないか…しょうがないな
「よし、俺が行こう!」
「お願いします」
そこからの、俺の行動はリニアモーターカー並みに早かった。
まず、親友の
「2年の教室に担架運んでくれ」
それだけ言ってすぐに切った。
時間がもったいないからだ。
そして、部屋を飛び出して2年の教室に走って行った。
教室に着くと、問題の教官が女子に「服を脱げ」と命令し、庇った男子を殴りつけているところだった。
「私に逆らうから、こうなるのだ!弱いやつらは黙って言うことを聞け‼」
「じゃあ、あんたより強かったら言うこと聞かなくていいんだな?」
教室に飛び込んで行き、生徒と教官の間に割って入る。
「その制服は、3年か?貴様なんぞに私が負ける?笑わせるな!捻り潰してやる!」
「言ったからな?」
それだけ言って、一瞬で距離をつめて右のストレートを放つ。
ギリギリの所で避けられてしまうが、突っ込んだ勢いをそのまま利用して顔面に回し蹴りを叩き込む。
流石に不意打ちの二段階攻撃には対応出来なかったようで、ハゲ教官は吹っ飛ばされて動かなくなっていた。
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
殴られていた男子を引き上げながら、襲われそうになった女子に声をかける。
「持ってきたぞー、晴斗ー!」
「柏崎か…悪いけど、そこのハゲを医務室まで運んでくれ」
「おい!これって教官じゃねぇーか‼」
という流れで、冒頭に繋がっている。
「実は、~(状況の説明)~ってことがあったんだよ」
「そうだったのか…しかしだな、そういう時は俺らを頼れや」
「そうか…ありがとう」
と、そこへ騒ぎを聞いたらしい他の教官達が駆け込んできた。
「お前たち!何してんだ⁉」
「ちょっとコレ運ぶのに邪魔なんで、どいてください」
「ちょっと待て!その方は
その間に、柏崎達がクソ野郎を医務室に運んでいく。
意見がまとまったらしい教官が近寄ってきた。
「とりあえずは、処分が決定するまで営倉に行ってもらう」
「分かりました」
その後は、そのまま教官に連れられて営倉に入った。
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