国のために全てを捧げよ?いいえ、女子の為に尽くします。   作:白猿

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何度かミスって文章を吹き飛ばし、1ヶ月ほどかかりました。今回も艦娘は出てきません。自己満足なので許してください。

2020/1/13 加筆修正しました。細かい内容が結構変わりました笑


査問会

 

今、俺は営倉と呼ばれる留置所のような場所にいる。昨日のことに対する俺の処分をどうすべきか話し合っているため、ひとまずここにいることになったのだ。

 

ここは、3畳程のスペースに木の板が敷かれていることと仕切りがついたトイレがあることを除けば何もない。

僅かに光が差す窓も20×50cmの大きさしかなく格子がはまっているので逃げ出せないようになっている。

 

 

やることがないのでずっと筋トレをしていた。

昼食から2時間くらい続けたので、尋常じゃない量の汗をかいている。腕立てを500回終わらせたところで足音が近づいてきた。扉の鍵を開けて入ってきたのは守衛のおじさんだった。

 

「柊 晴斗、君にはこれから理事長による査問を受けてもらう」

「了解しました」

「ただ…その前に大浴場に行きなさい」

「…そうさせてもらいます。では、失礼します」

 

気を使ってくれた守衛さんに挨拶をして、営倉から出てきた。まずは汗を流そうと思い、大浴場に向かった。

ここの風呂は、生徒全員がつかうのでかなり広めに作られている。授業中なので、一度に100人は入れる浴槽に一人で入れたのは、解放感があってとても気持ち良かった。とはいえ、いつまでも居るわけには行かないので、名残惜しさを感じながら風呂場を出た。

 

 

自室に戻って制服に着替えてから理事長室に向かった。重厚感がある暗い木目調のドアをノックして名乗ると、男性の低い声が帰って来た。

 

「士官候補生の柊 晴斗です」

「入りなさい」

「失礼します」

 

窓際の席には、体格の良い男性が座っていた。

彼は、長嶋(ながしま)隆明(たかあき)中将だ。この学校の理事長をする前は、最前線で指揮を執っていたベテラン将校だ。

 

「今日来てもらった用件は、昨日の処分についてだが…その前に聞いておきたいことがある」

「何なりとお聞きください」

「君は…艦娘とは何だと思うかね?」

 

艦娘とは…この世界に突如として出現した正体不明の敵対勢力『深海棲艦』に対して、唯一有効な武装を持っている女性達のことで、深海棲艦の出現と同時期にどこからか現れた。

 

「艦娘は強力な兵器です」

「そうか…」

「しかし!その前に女性です。兵器に匹敵する能力を持っている女性たち…それが艦娘だと、私は思っています」

 

それを聞いて理事長の表情が少し明るくなったように感じた。

そして、少し考えてから口を開いた。

 

「柊くん…君には昨日の件での処罰はない」

「どういうことでしょうか?」

「君が殴った教官は軍規違反で、逮捕された」

 

話を聞くと、お偉いさんと繋がっているという噂は全くの嘘であり、彼自身が流したものだったらしい。陸戦隊の時から同じ手口を使っていたらしく、憲兵に目をつけられていたそうだ。事件に巻き込まれた生徒たちが証言してくれたことが決め手となった。

 

「そうですか…良かった」

「それで…ここからの話は君の判断に任せる」

 

理事長は一呼吸おいて小さい声だが俺に聞こえるように言った。

 

「第7特殊戦隊に研修生として招待されている」

「第7ですか」

 

第7特殊戦隊は精鋭だけが入隊を許される特別な部隊だ。主な任務は陸上での戦闘や情報収集。研修だとしても訓練に参加したりできる機会はめったにないだろう。

 

「夏期休暇の1ヶ月間だけだが…」

「行きます」

「では、私から返事をしておくよ」

 

処罰を無しにしてくれた理事長には感謝しかない。

 

「この件は機密事項なので他言無用で頼む。後で部屋に資料を送るから詳しいことはそれで確認してくれ」

「分かりました。では、失礼します」

 

ビシッと綺麗な敬礼をして理事長室を後にする。

研修とはいえ、俺が第7に行くなんて違和感しか感じないが…

 

気付いたら寮の前についていた。自分の部屋の前に着いて、一人部屋の筈の自室から人の気配を感じて一瞬だけ警戒したが、誰がいるかの心当たりがあるので普通に入ることにした。

 

「ただいまー」

「おかえり~、お邪魔してるよ」

 

案の定、そこにいたのは幼馴染みの水上(みなかみ)莉沙(りさ)だった。莉沙とは住んでいた家が近く、親同士の仲も良かったので二人でよく一緒に遊んでいた。俺と同じ学校に行くと言った時は驚いたが、一緒にいられるのは正直言って嬉しかった。

我が校の比較的少ない女子生徒の一人で、美少女な上に胸がデカイと男子から人気があるが告白されても絶対に断ることで有名で、何人も負傷者がでているという。

 

「それで…どうだった?」

「俺が殴った奴が軍規違反で逮捕されたからお咎めなしになったそうだ」

「良かったじゃん。晴斗は昔から女子のことになると、すぐに突っ込んでくからね。退学とかまで結構本気であり得ると思って心配したんだよ」

 

確かに俺は、昔から女子を庇って問題を起こすことが多かった。

 

「不安にさせてごめんな。今後は気を付けるよ」

「本当かな~?ま、いいや。どうせ変わんないしね」

 

それで…押し入れからも気配がするんだが…

 

「莉沙の目的は、それだけじゃないだろ?」

「うん、まぁ気付いてるみたいだけど」

「押し入れの中の人…出てきなよ」

 

扉が内側から開き、出てきたのは橘だった。

 

「橘!どうした?」

「晴斗にお礼が言いたいんだって」

「あの…晴斗先輩、ありがとうございました!」

 

とても綺麗な笑顔で言われたので、ドキッとした。

 

「当たり前のことをしただけだよ」

「それでも、私は嬉しかったです」

「そうか…ありがとな」

 

ふと、時計を見ると6時を過ぎていた。

 

「もう遅いから帰った方がいい」

「そうだね~、じゃあ晴斗、また明日ね。」

「先輩、お邪魔しました」

「おう、気をつけて帰れよ」

 

二人が帰った後で部屋を片付けていると、部屋のドアがノックされた。ドアを開けると段ボール箱を持った俺の担任の教師がいた。

 

「理事長からだ」

「ありがとうございます」

 

部屋の中に戻り開封すると、研修の概要と注意事項が書かれた冊子やらなんやらが入っていた。

その後は、箱の中身を整理して夕食を食べてすぐに寝た。

 




次はもっと早く出したいです(願望)
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