Masked Rider EVOL 黒の宙   作:湧者ぽこヒコ

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万丈「マスターたち元気にしてっかなあ……」

???「おい邪魔だ。どけエビフライ頭」

万丈「あ?なんだお前?」

???「俺ぁ忙しいんだよ。タルタルぶちまけんぞ」

万丈「なんだと?美味そうじゃねえか」

???「……付き合ってられるかよ」

万丈「お、おい!……なんだあいつ?」





万丈「はぁ……美空のグラタンが懐かしいぜ……」




phase,14 可愛いあの仔はハッキングがお好き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ごめん紗羽嬢!言い過ぎた!!すまん!」

 

 

 

 

 

 

 

エボルト……石動 惣一に連れられて外に出ていた戦兎ちゃんは、帰ってくるなり私に謝ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

……ふふ。本当に可愛いな、この仔は。

天真爛漫で、私とは大違い。

 

 

 

 

 

 

 

……それに睫毛が長くて綺麗だわ。

 

 

 

 

 

 

 

「紗羽嬢?……ふふふ。謝らないで?戦兎ちゃん……私の方こそ、デリカシーが無かったと思うし」

 

 

 

 

 

 

 

嘘に塗れた私の、心からの本音。

まさかあんなに怒っちゃうなんて……

 

万丈くんは本当に大切に思われてるのね。

 

 

 

ちょっと、羨ましいな。

 

 

 

 

 

 

 

「……私も、ごめん。紗羽さんに、嘘とか言っちゃって」

 

 

 

 

 

 

 

美空ちゃんが俯きながらぼそりと呟く。

この子も可愛い。撫で撫でしたくなっちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁぁぁぁん♡やだもう可愛い……♡

思いっきり抱き着いて心ゆくまで可愛がりたいわ……♡

 

 

 

戦兎ちゃんのあの綺麗で柔らかそうな唇をぷにぷにしたい♡

美空ちゃんのあの透き通るような純白の柔肌をぷにぷにしたい♡

 

 

 

 

 

 

 

なにもうなんなの!小動物!?天使なの!?

はあ……眼福……♡

 

 

 

見てるだけで癒されるわ……♡

お姉さん昇天しちゃいそう……♡

 

 

 

 

 

 

 

「紗羽さん?……紗羽さん?やっぱり怒ってるよね?」

 

 

 

 

 

 

 

やだ!美空ちゃんの顔がこんなに近くに!!

やめてそれ以上私を刺激しないでもう私のライフはゼロよ!

 

 

 

 

 

 

 

「……本当にごめん紗羽嬢。許せ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やだ戦兎ちゃんまで!!

ちょっともうだめ私の意識が天国にひとっ走り付き合っちゃうわあああ――

 

 

 

 

 

 

 

「え!紗羽さん!?ちょ、ちょっと!……お父さん、紗羽さんが鼻血出しながら倒れちゃって――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――こほんっ。ごめんなさいね。恥ずかしい所をお見せしちゃって」

 

 

 

 

 

 

 

危ない危ない。本当に昇天しちゃう所だったわ。

頑張れ私!負けるな私!

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫かい紗羽嬢?ハイド〇ポ〇プみたいな鼻血出しながら宙を舞ってたけど……?」

 

 

 

 

 

 

 

あぁんっ♡心配そうな顔の戦兎ちゃんもまるで甘える仔猫のように堪らなく可愛い!♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……だめだめ。落ち着きなさい私。

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫!ちょっとレバーを食べ過ぎちゃってね……それよりも私の方こそ本当にごめんなさい。だから、謝らないで?ね?」

 

 

 

 

 

 

 

そう。私が悪いのだしね。

バツの悪そうな戦兎ちゃんや、しゅんとしてる美空ちゃんたちの可愛い姿を見られるのは堪らないけど……♡

 

 

 

 

 

 

 

 

「……てんきゅ。これ、前に紗羽嬢が好きって言ってたコーヒーゼリー。お詫びの印」

 

 

 

 

 

 

 

視線をあわせてくれない戦兎ちゃんが差し出してくれたのは、生クリームがここぞとばかりに主張してる、まるでオニキスのような。

 

すっごい綺麗で美味しそうなコーヒーゼリー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……やだ。覚えててくれたんだ。

何の気なしに言ってただけだったのに。

 

 

 

 

 

 

 

「……ま。懐を痛めているのは俺なんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

私の知らない石動 惣一がそこに居る。

 

 

 

 

 

 

 

……彼の何かが、ほんの少しわかる気がした。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとお!余計なこと言わなくていーの!!」

 

 

 

 

 

 

 

ふふふ。毒されちゃうわね。

ここはなぜだか暖かい。凄く優しい空間。

 

 

 

笑顔になれる、そんなところ。

 

 

 

 

 

 

 

「……ふふふ。あははははは!やだもーおっかしー!」

 

 

 

 

 

 

 

楽しいな、ここは。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと紗羽嬢!笑い過ぎだって!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ごめんね。戦兎ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――あ。そういやさ。わたし紗羽嬢に頼もうと思ってたことがあったんだよね」

 

 

 

 

 

 

 

コーヒーゼリーを大切そうに頬張る紗羽嬢に呟く。

そんなに嬉しかったんかな?

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?なぁに戦兎ちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

ほんと紗羽嬢は何してても絵になるなー。

まあ負けないけど。わたしのオーバースペックを舐めないで頂きたい。

 

 

 

 

 

 

 

「まずその前に。マスターたちにもさ、色々話さなきゃいけないと思ってた事があるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう。色々気になること。

 

 

 

 

 

 

 

 

「万丈がいたとこ。ほら、紗羽嬢が教えてくれた所の事」

 

 

 

 

 

 

 

あの時わたしが戦った、あの機械兵。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこにさ、難波重工が生産してる警備用の機械兵、ガーディアンが居たんだけどさ。それ、わたしに襲いかかってきたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

めちゃめちゃ居た。そしておっきくなった。

戦兎さん本当に怖かったよあれ。

 

 

 

 

 

 

 

「まあそれはただ無人のあの場所を警護していた、とも受け入れられるんだけど。なんか、まるで待ち構えてたような感じで異質だったんだよね」

 

 

 

 

 

 

 

そう、色んな事が引っかかる。

まるでわたしが来るのを知ってたかのようなガーディアン。

 

 

 

北都政府とスタークの繋がり。

北都政府とファウストの関係性。

東都の刑務所の看守鍋島。

その鍋島とファウストとの関係性。

 

 

 

月乃さんという謎の人物。

月乃さんとファウストの関係性。

 

 

 

 

 

 

 

北都の、仮面ライダーを兵器とする軍事組織。

そしてビルドドライバーは元々ファウストのものだということ。

 

 

 

対国家殲滅部隊だなんて物騒な名前の第3師団 北風。

そしてその兵……器、仮面ライダークローズ。万丈 龍我。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わたしはね。あくまで推測だけど東都刑務所、あそこの受刑者をモルモットとして実験が行われてたんじゃないかと睨んでる」

 

 

 

 

 

 

 

「被験者はそれこそ山のようにいるし、証拠を隠蔽するのも容易い……」

 

 

 

 

 

 

 

東都刑務所は間違い無くファウストの息がかかってるはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうすれば鍋島とファウストが何らかの関係性があるのも頷ける。そして、東都刑務所は東都政府が厳重に管理してる場所」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「独断でファウストと癒着してるってのは考えにくい。つまり、東都政府もファウストと何らかの接点があるはず」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分間違ってないと思う。

精錬潔白というにはあまりにも埃がたちすぎてるし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そして、極めつけは葛城 月乃の遺したデータ。そのデータにはパンドラボックスやスカイウォールから検出されたガスには、人体にある影響を及ぼすと記されていたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「細胞の変化による肉体の変化や身体能力の向上、そして特異な能力を持つ異なる生命体へと生まれ変わる……名を“スマッシュ”と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、恐ろしい内容が書かれていた。

まさに、阿鼻叫喚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わたしが見た感じ……恐らく月乃さんはこのガスに含まれる未知の物質を、人類の新しい希望と考えてたんだと思う」

 

 

 

 

 

 

 

……そうであってほしい。

じゃなきゃこれは悪意に満ち溢れてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず、疾患を持つモルモットに投与した。そしたら細胞の活性化によりその疾患が無くなり、平均的な寿命よりも長く生きたとの記述があった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこで、あくまで自主的による、様々な疾患を持つ被験者の人体実験を行った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、悪夢の始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこにはこう記されてたよ……その成分を取り込んだ被験者は、ほぼ全てにおいて異形の怪物と化した、とね」

 

 

 

 

 

 

 

想定外過ぎただろう。

モルモットには見られなかった化学反応が起き、人間は人間でなくなってしまった。

 

 

 

大勢の死者を出した、悪魔の所業。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……当時はまだスマッシュからガスを抜き取る技術が無くて、スマッシュを倒した後に人間に戻る事は叶わなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハザードレベル1以下の人も、それ以上の人も皆死んだ。その場にいた関係者も数多く死んだって記されてた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐怖に慄いている美空を、マスターがそっと抱き締める。

 

こんな話してごめん。恐ろしいよね。

美空が居ない時に話せばよかったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死傷者は総勢100名以上。こんな大惨事にも関わらず、全てが東都政府により隠蔽されたって。こう記された所でデータは途中で終了してたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非道な人体実験、大惨事の事故。

全てを、無かった事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そしてその実験を行っていたのは東都先端物質学研究所の前身、東都総合科学研究所。この2つを管理しているのは、東都政府」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「更にね?……このおぞましい研究を指示したのは東都政府 首相、氷室 泰山と記されてた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、全て東都政府によるもの。

研究も人体実験も全ての隠蔽も。

 

 

 

 

 

 

 

全て、東都政府現首相、氷室 泰山の指示だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……最後の話が驚愕過ぎて前の話が霞んじゃうわね」

 

 

 

 

 

 

 

目を見開いて驚愕している紗羽嬢。

 

無理もないよね。

わたしもめちゃめちゃびっくりしたもん。

 

 

 

 

 

 

 

「……ちなみに。この人体実験には、たった1人だけ怪物にならなかった被験者が居るとも記されてた」

 

 

 

「戦兎ちゃん、まさか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう。恐らく人類のために。

悪魔に魂を売った人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このプロジェクトの責任者、葛城 月乃。この研究の全ての指揮を取り、自らも被験者として人体実験を行った人だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分、全てに繋がる人。

悪魔の科学者、葛城 月乃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何が凄いって、そこまで調べた戦兎ちゃんが凄いわ。私も気になって少し調べたりしたけど、そんな情報1ミリも出てこなかったもの」

 

 

 

 

 

 

 

ぽかんと驚く紗羽嬢。

へへへ。わたしの凄さがわかった?

 

 

 

 

 

 

 

「まあわたし天才だし!……実は勤務先のとある人に渡されたある書類がさ。変?ていうか気になってね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちの研究所や東都政府にハッキングしてみたら色々出るわ出るわ。セキュリティ甘すぎ」

 

 

 

 

 

 

 

ま、犯罪すれすれ?グレーゾーンてやつ?

細かいことは気にしない気にしない!

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎……お前それ完全にアウトだろ……」

 

 

 

 

 

 

 

あほみたいな顔でわたしを見つめてくるマスター。

いーのいーの。簡単に破られる方が悪い!

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎ちゃん……本気で職を変えてみない……?」

 

 

 

 

 

 

 

うーん。あそこなんだかんだ自由にやらしてもらえるし、何より給料高いからなあ。メガネはうるさいけど。

 

 

 

今のとこより給料高くて福利厚生も充実、更に週休6日だったら喜んで変えるかな。

 

 

 

 

 

 

 

「まー飽きたら変えるよ……で、紗羽嬢に頼みたいことなんだけどね?」

 

 

 

「なあに戦兎ちゃん?私に出来る事なら喜んで頑張るわよ」

 

 

 

 

 

 

 

紗羽嬢の情報取得能力はこのわたしが褒める程だからね。

頑張ってやってもらわんと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず1つ。鍋島の所在を掴んでほしい。この男に接触出来ればかなり有益な情報が得られると思う……話すことを拒むならわたしが無理やり吐かせる。ふひひひ」

 

 

 

 

 

 

 

天才物理学者の本領発揮だよ。ひひひひ。

 

 

 

 

 

 

 

「そして2つ目。難波重工を調べてほしい。恐らくファウストとの繋がりがあるとは思うけど……わかんない。だから調べてほしい」

 

 

 

 

 

 

 

絶対怪しいと思うけど。

わたしのレーダーが反応してるし。

 

 

 

 

 

 

 

「3つ目。北都政府の事。ここは……なんていうかな、継続的に動きを見ていてもらいたい。戦争とかになったら大変だもん」

 

 

 

 

 

 

 

……万丈の事も心配だから。

早く帰ってこいよ、バカ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「4つ目。東都政府の事。かなりきな臭いから、叩けば埃はたくさん舞うと思うんだ。特に……首相の氷室 泰山。この人と、当時の実験の関係者とか調べてほしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それと、東都先端物質学研究所の所長にして首相補佐官、息子の氷室 幻徳もね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東都首相、氷室 泰山。この研究にまつわる事の総本山。

表向きは平和を望むって言ってたけど、裏はどうなのかね。

 

 

 

 

 

 

 

そして氷室 幻徳。

この人は……愛を込めてわたしはげんさんと呼んでいる。

 

げんさんはあんまり研究所に顔見せないからよくわからないけど……わたしの方でも調べてみるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そして最後!……この、外道の実験を行ってしまった悪魔の科学者葛城 月乃の事を調べてほしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ハッキングした時ついでに調べたんだけど、この人にまつわる一切が無いんだよね……本当に死んでるのかどうかも。生きた証が全て消されてるみたいなさ」

 

 

 

 

 

 

 

まるで初めから存在しなかったみたいにね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……月乃さん、あなたは一体何者?

 

 

 

 

 

 

 

「……これは相当気合い入れないとダメみたいね。わかったわ。なんとか情報を集めてくる」

 

 

 

 

 

 

 

頼んだよ、紗羽嬢。

わたしにはこれが限界だ。疲れちったし。

 

 

 

 

 

 

 

「よろしく!……でもファウストや政府が絡んでるし、気をつけてね。危ない橋を渡ったりとかしなくていいから。危険だと思ったらすぐにやめてね」

 

 

 

 

 

 

 

……一応ね。怪我されたりしても困るし。

別に心配してないけど。全っ然!これっぽっちも!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとだけ、はしてるかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ありがとう。戦兎ちゃん……嬉しい」

 

 

 

 

 

 

 

きらきらした綺麗な眼で紗羽嬢が見つめてくる。

 

……おう。しっかりやれ。そして無理はすんな。

 

 

 

 

 

 

 

「まあそんなとこ。まあわたしも色々と調べるし――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――いや。ははは。すげーな戦兎。

 

色々お膳立てをしたとはいえもうここまで辿り着くか。

やっぱりこいつすげーな。ハッキングはアウトだけど。

 

 

 

 

 

 

 

……そろそろ俺も本格的に動く時期なのかと思うと憂鬱だ。

 

 

 

まさかこんなに早く進むとは……想定外だよ。

 

葛城のおっさんには悪いけど、俺はもう少しゆっくりしたかったぜ。はぁーあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……Xデーはもうすぐそこに、ってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月乃……か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……本当に、すまない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――入りなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

贅を溢れ出したかのような部屋。

夥しい数の高価な装飾品が飾れているこの部屋は、北都政府首相 多治見 喜子が鎮座する貪欲な空間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――なんだよ。話って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶっきらぼうに話す、凍てつくような軍服を着る男。

煌めくその眼には、何が映る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「口を慎みなさい……まぁ、いいわ。計画の用意をそろそろ始める所よ。あなたも準備しなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

権力に取り憑かれた北都の王。

その欲望は留まることを知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――あぁ。わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

短く言い捨てた言葉には、感情は存在しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しみね……早く、早くあれが欲しいわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

欲深い結末はどこに向かうのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……この計画の根幹はあなたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強欲な王は口が裂けるような笑を浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「北風第3師団 団長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

万丈 龍我。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダークローズの力を見せてあげなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……To be continued

 

 

 

 








紗羽「やーんもう!可愛い!!」

美空「……どしたんだし、紗羽さん」

戦兎「うーむ……頼み事し過ぎてパンクしたかな」

紗羽「ぷにぷにしたぁい♡ぷにぷにしたい♡」

惣一「そうだな。末期だな」





紗羽「はぁぁぁん♡」


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