Masked Rider EVOL 黒の宙   作:湧者ぽこヒコ

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戦兎「思った。わたしヒロインじゃなくね」

戦兎「わたしこの物語の主人公でしょどう考えても」

戦兎「小説の名前変えない?これ」

戦兎「Masked Rider BUILD 天才のわたし とかどーよ」

戦兎「で、ヒロインがマスター。どーよこれ」

天の声「却下で」

惣一「お前ヒロインのつもりだったの……?」

戦兎「毛根死滅させんぞ中年」




第2章 ファウスト、始動
phase,15 月見酒


 

 

 

 

 

 

 

 

 

無機質な機械音がする室内。

白衣を着た人々が行き交う場。

 

わたくし桐生 戦兎の目の前には書類がたーくさん……

 

 

 

 

 

 

 

「やだ。ほんとやだ。お家帰りたい」

 

 

 

 

 

 

 

以前メガネサイボーグから受け取った地獄のような書類……わたしはそれに目を通して色々調べたのだが。

 

 

 

パンドラボックスに関する新しいプロジェクトチームのカンファレンスに使う資料を作るのをすっかりてっきりこっきり忘れていた。てへ!

 

 

 

そしたらメガネサイボーグがめちゃめちゃ怒りましてね……責任者なんだからちゃんとやってくれとか。

 

なんか知らんけど他にも色々押し付けられた始末でございます。はあ。

 

 

 

 

 

 

 

結局まだ紗羽嬢から情報も入んないしなー。ちっ!

 

 

 

 

 

 

 

……うーん。仕事に手が付かんのー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい戦兎ちゃん!ぼーっとしてるとまた内海さんに怒られちゃうよ?」

 

 

 

 

 

 

 

……うっさいなー。もお。

 

 

 

わたしのことを軽々しくちゃん付けしてくるこのおじさんは、内藤 太郎。わたしの同僚というか一応部下というか。

 

愛を込めてたーさんと呼んでいる。

 

 

 

ここの所員の中で一番仲が良い。

笑い方が豪快な、お酒好きのおっちゃん。

 

まあわたしの方が全然新人だけど、わたしが責任者を務めるプロジェクトのメンバーの1人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ちなみにわたし、一応管理職なんだよね。即昇進!

けっこー偉いです。顎で使っちゃうよ?

 

 

 

 

 

 

 

まっ!てぇんさぁいだからねえ!

 

 

 

 

 

 

 

「あのさーあ?たーさん。葛城 月乃、って知ってる?」

 

 

 

 

 

 

 

前に雑談してた時にちょこっと聞いたんだよね。

 

たーさんは所員の中でもかなりの古株で、前身の東都総合科学研究所の時から働いてたとかなんとか自慢げに言ってた。

 

 

 

 

 

 

 

「なんだい戦兎ちゃん。月乃先生のことを知ってるのかい?」

 

 

 

 

 

 

 

たーさんが懐かしむ様な顔で宙を仰ぐ。

 

 

 

……おおう。まさかのヒットかこれ。

 

 

 

 

 

 

 

「メガネからカンファの資料作るのに渡された書類に名前があってさ……気になった」

 

 

 

 

 

 

 

なるべく普通に投げかける。

平静を、平静を。

 

 

 

 

 

 

 

「がははは!メガネって!……そうだねえ。あの人は素晴らしい人だったよ」

 

 

 

 

 

 

 

頭部が若干可哀想な事になりかけてるたーさんは、とても優しい目をしている。

 

 

 

……素晴らしい?科学者目線でって事?

 

 

 

 

 

 

 

「あの人はねえ、戦兎ちゃん。この国の……いや。人類の全ての未来を考えてるお人だったよ」

 

 

 

「気難しいというか、人付き合いの下手な人でね。周りから誤解されやすい人だったなあ……」

 

 

 

 

 

 

 

まるで自分の娘の話をしているかのように喋るな、と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……人類全ての未来、か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「変な事聞くけどさ。悪魔、だとは思わなかった?」

 

 

 

 

 

 

 

なぜかはわからないけど聞きたくなる。

彼女は一体どういう人だったのかを。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい!何を言ってるんだい!彼女はね、そりゃあ誤解されやすい性格だと思うけど、むしろ人類を照らす天使だよ。あの人は」

 

 

 

 

 

 

 

あはは。天使て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……人類の未来を願った人だったのかな。

 

 

 

 

 

 

 

「まだまだ若くてねえ。そうだ、戦兎ちゃんと同い年ぐらいかな?若いのに物凄い人だったよ……今はどこで何をしてるのやら……」

 

 

 

 

 

 

 

遠き日を思い出すかのようにしみじみするたーさん。おじいちゃんか!

 

 

 

 

 

 

 

それにしても月乃さんってそんなに若かったのか。

調べても個人情報の詳細は無かったしなあ……そっか。わたしと同じくらいなのか……

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん。月乃さんの事随分慕って――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――あれ、待って。どういうこと?

 

今はどこで、って言ってたけど月乃さんは殺されてるって報道されてるはずじゃ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あ。

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだい?戦兎ちゃ――」

 

 

 

「ねえたーさん。月乃さんのことで、何かおかしい、っていうかさ。なんかない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分変なこと聞くね戦兎ちゃん?うーん……あぁ。そう言えばね?もう年のせいかもしれんのだけどさ。顔が思い出せんのよ、顔が」

 

 

 

 

 

 

 

顔が思い出せない……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……これ、どういう事だ。

 

 

 

 

 

 

 

まだ結びつかないけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえたーさん、月乃さんの――」

 

 

 

「どうだい戦兎君。捗っているかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会話の途中に、背後から気配無く忍び寄る影。

 

……氷室 幻徳。

 

 

 

 

 

 

 

「……ぜーんぜん!げんさんこそ元気してました?」

 

 

 

 

 

 

 

気配を消すな気配を。

 

 

 

……怪しい人物の1人。

ここの所長氷室 幻徳。通称げんさん。

 

 

 

 

 

 

 

わたしたちには普通に、というよりも結構親しく接してくれる。

見た感じ悪い人ではなさそうだけど。

 

 

 

でも、マスターも言ってたからね。

表裏一体、本質を見極めろって。

 

 

 

 

 

 

 

「ははは。相変わらず戦兎君は正直だ。余り無茶はしないように」

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、鋭い視線を放つのをわたしは見逃さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

……あまり詮索はするなよ?って事かね。

 

 

 

 

 

 

 

「……ほーい。承りましたあ!」

 

 

 

 

 

 

 

わたしがそう言うと、彼はにこりと笑って歩を進めた。

その笑が邪悪に見えたのはきっと気のせいじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず気になる事がある。

さっさと仕事終わらせて紗羽嬢に連絡しないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ。たーさん!それ何!?おやつ!?わたしにもちょーだい!!1個でいいから――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――どうしたの!?戦兎ちゃん!大切な話があるって!?」

 

 

 

 

 

 

 

どたばたと擬音が聞こえそうな勢いで紗羽嬢がここnascita laboに到着した。

 

 

 

 

 

 

 

マスターは今日もバイトか……はあぁぁ。

まあでもいいや。今日は紗羽嬢に話があるんだし。

 

 

 

 

 

 

 

「月乃さんの事。葛城 月乃」

 

 

 

 

 

 

 

そう、彼女はおかしいんだ。

彼女が、ではなく彼女にまつわる全てが。

 

 

 

 

 

 

 

「……奇遇ね。わたしも少しだけわかったことがあるの」

 

 

 

 

 

 

 

艶やかに口角を上げる様はきっと魅力的なのだろう。

そんな紗羽嬢は仕事が早い。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんじゃまずはわたしから。まずさ、月乃さんってどんな人かわかる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

私の予想が正しければある一定の所までしかわからないはず。

まず間違いなくね。

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎ちゃんたちから聞いた情報と、あとは万丈くんが来た時には死んでた、ぐらいかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり。やっぱりそうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……だよね。わたしもそれだけ。それだけしかない。万丈や香澄さんから聞いた話、それと遺されているデータ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それしか生きた証が無いんだよあの人は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけしかないんだよ、この人は。

 

 

 

 

 

 

 

「う、うん……でもそれは前に戦兎ちゃんが言ってた話よね?」

 

 

 

 

 

 

 

訝しげにわたしを覗く彼女。

まあ本題はここからよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……紗羽嬢さ、テレビとかで葛城 月乃が殺されたって報道、見た?」

 

 

 

「……まさか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いたかな……多分ご名答。

 

 

 

 

 

 

 

「万丈が殺人を犯したというニュースは大々的にやってた……でも、誰が殺されたのかは報道されてない」

 

 

 

 

 

 

 

そう、万丈が誰を殺したのかは明かされてない。

ただ、人を殺したとだけ言われ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

「葛城 月乃の死は報道されていないはず。色々調べたけどやっぱりそんな記録はない」

 

 

 

 

 

 

 

「しかもね?彼女の事を知る人物と話せたんだけど。その人は月乃さんの死を全く知らなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、全てが隠蔽されている。

その勢いのまま、続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「万丈は葛城 月乃殺しの容疑で捕まったはずなのに、その全てが隠されてるんだよ。綺麗さっぱりに」

 

 

 

「彼女の死が世間に広まるのは都合が悪いのか、彼女はまだ生きているってことね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして多分、生きてる可能性が高い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう……そして、その月乃さんをよく知る人物はね。性格や何やらをよーく知ってんのに、顔だけは全く思い出せないんだって」

 

 

 

 

 

 

 

これが、異常の正体。

月乃さんの全てが闇に葬られてる。

 

 

 

 

 

 

 

「……合点がいったわ」

 

 

 

 

 

 

 

目を細めながら紗羽嬢が呟く。

紗羽嬢が手に入れた情報と繋がったのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……月乃さんの事を知る何人かの人物と接触したのよ。その中で共通する事があった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは顔を覚えてない事、それに彼女の私生活とかプライベートな部分を一切知らないの」

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり。やっぱりそうか。

誰も、誰も葛城 月乃という人物がわからないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「しかもね。本当に何も無い。何も情報が出てこないのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……月乃さんが殺されていた自宅、あそこを賃貸してる不動産に行ったのだけど、月乃さんの情報は全く出てこなかった。そもそも葛城 月乃という人物を知らなかったのよ」

 

 

 

 

 

 

 

情報操作、と呼ぶには余りにも規模と内容が凄すぎる。

しかも明らかに人為的に、悪意的なもの。

 

 

 

 

 

 

 

「……実はね。万丈君が月乃さんを殺したっていうけど、事件にすらなってないのよ。」

 

 

 

 

 

 

 

まるで雷が貫くかのような錯覚に陥る。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも、そんな一件は無かったって事か……?

 

 

 

 

 

 

 

「……事件化されていないの。万丈君を拘束したとされる守衛兵は調べても出てこない。異常なのよ、これ。普通は絶対に何かしらの情報は得られるはずなのに、一切無いの」

 

 

 

 

 

 

 

守衛兵の情報まで無いのね……

背後にあるのは巨大な権力、か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかもね。あらゆる全ての死体安置所を調べても。彼女の死体はどこにもなかった。表も裏も、ね。」

 

 

 

 

 

 

 

彼女はやっぱり……生きてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……万丈が見た死体は……誰?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全てが闇に葬られてる……国家規模で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの脳に、ある言葉が過ぎる。

大切な、最愛の人の言の葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【……そうか。月乃のデータを見たのか】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターは、月乃さんのことを知ってた……

なんで忘れてたんだろう。なんで気づかなかったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

たーさん以外の人物で、そもそも月乃さんの事を知ってる人はただの一人も居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……わたしが知ってる限りで月乃さんを知ってたのはマスター。それに書類を渡してきた内海 成彰、そしてその書類を保管していた東都先端物質学研究所の所長、氷室 幻徳……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ。紗羽嬢。月乃さんを知る人物の中に……月乃さんが人体実験を行ってたと知る人はいた……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただの1人もいなかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――いやあ。戦兎ちゃんがまさか月乃先生の事を知りたがるとはねえ」

 

 

 

 

 

 

 

なぜだかつい嬉しくなってしまい、仕事帰りにふらりと寄った居酒屋で、ついつい羽を伸ばし過ぎてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……久々にあの人の事を思い出してしまったよ。

 

 

 

陰口ばかり叩かれるような私の研究を、唯一褒めてくれたあの若き天才。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ほう。随分と面白い研究ですね】

 

 

 

 

 

 

 

【これは月乃先生!……いやあ、皆に馬鹿にされるような研究ですよ】

 

 

 

 

 

 

 

【……これは実に有意義な研究ですよ。大変素晴らしいと思います】

 

 

 

 

 

 

 

【……お世辞でも、大変嬉しいです】

 

 

 

 

 

 

 

【そういった類の物は好みません……では失礼します】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がははは。人を褒めない事で有名な月乃先生に褒められたのは。

 

 

 

本当に嬉しかったなあ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今はどこで何をしてるのやら……急に辞めてしまわれたもんな。

彼女を知る人も居ないし。少し寂しい。

 

 

 

 

 

 

 

あの頃は楽しかったな。がははは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし。なぜ顔が思い出せないのだろうか。

いくら歳を取ったにしろ、まるで塗り潰されたかのようにわからないなんて事あるかね――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――これはこれは内藤さん。奇遇ですね」

 

 

 

 

 

 

 

ふらふらと路地裏を歩いた先には、スーツが羨ましい程似合う男性が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「氷室所長!いや、まさかこんな所でばったりとは。がははは。すみません、お酒を少々容れてきておりまして。粗相があったら謝ります」

 

 

 

 

 

 

 

我が東都の氷室首相の一人息子にして我が研究所の所長。

若いのにしっかりしてらっしゃる。本当に出来たお方だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月乃先生といい氷室所長といい。

東都には若くて素晴らしいお方が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それに……戦兎ちゃんも。

 

あの子も素晴らしい頭脳を持っているし、何より人を惹きつける魅力がある。

 

 

 

 

 

 

 

……がははは!娘のように思っているだなんて言ったら彼女は笑うだろうな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東都の未来は……明るい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がははは!お忙しい中お引き止めして申し訳ないです!私はこの辺りでお暇します。氷室所長!また明日!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……せっかくです。一杯如何ですか?内藤さん」

 

 

 

 

 

 

 

……おいおいこりゃ夢か!?

まさか氷室所長から酒の席に誘って貰えるたぁ……嬉しいねえ。

 

 

 

 

 

 

 

「……ええ。もちろんお供しますよ」

 

 

 

 

 

 

 

嬉しいねえ!嬉しいねえ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そうだ!戦兎ちゃんに明日お菓子買ってってやるかな。

 

確かパティスリー鴻上?とかいうとこのモンブランが好きだって言ってたな。

 

 

 

 

 

 

 

がははは!きっと喜ぶぞ!!

月乃先生を思い出させてくれたお礼だ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――昨夜未明、男性の惨殺された遺体が発見され――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――胴体が切断されているなど、その他にも遺体の損傷が激しく――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘……だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――凶器は未だ発見されておらず――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――遺体の所持品から、東都先端物質学研究所に勤める――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――内藤 太郎さん 49歳だと判明致しております。尚――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たー……さん……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……To be continued

 

 

 

 








内藤「いやあ!ここの肴は美味いですねえ!!」

幻徳「でしょ!?特にこのほっけ!」

内藤「脂が乗ってて最っ高ですよお!」




幻徳「いやー!まさかこんなに盛り上がるとは!」

内藤「がははは!良かったですよ」

幻徳「よし!もう一件行きますか!」

内藤「ええ!行きましょう行きましょう!」






――これは。酒を愛でる男達のお話。


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