Masked Rider EVOL 黒の宙   作:湧者ぽこヒコ

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惣一「まさか読んでくれる人がこんなに居るとはなあ」

戦兎「ね!それに感想とか評価とかお気に入りとか!嬉しいもんだあ」

万丈「最初の頃は誰も読まねえと思ってたもんな」

美空「しかも高評価貰えるとか……めちゃ嬉しいし♡」

戦兎「みんな!不束者ですが……うふ♡」

惣一「それ意味違う。そして誰も拾わない」

紗羽「安心して!私が居るわ!!」




美空「……はい!というわけでね」

惣一「皆様これからも!」

戦兎「特にわたしを!」

???「心火を燃やしいぃ!!」




惣一・戦兎・美空・万丈・紗羽・香澄
「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」




万丈「ん!?今香澄の声が!?」

香澄『ふふふ♡仲間外れは嫌だもん♡』





phase,18 じゅわじゅわでぷりちー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東の都にそびえ立つ城。

この城の頂点に君臨するのは醜悪なる王。

 

 

 

その者の野心は留まることを知らず、粛々とその時を待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ならば計画通りということかね?」

 

 

 

 

 

 

 

三都全てに力を有する者、難波 重三郎。

難波重工の会長にして日本で最も権力を持つ者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。既にパンドラボックスは回収してありますし、ファウストは壊滅したと全国で報道が流れております」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……北都、西都の両首脳にも焚き付けておきました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王の前に立つは、東の国を統べる代替品。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……後は、戦争の火種を投入するのみです、閣下」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん。泰山は平和ボケをし過ぎているからな……話にならんかった。その点お前には期待しておるぞ……幻徳」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻徳と呼ばれた男は、狂気に満ちた笑を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつ運命の歯車が回っていく――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――東都先端物質学研究所。

 

わたしが勤める所であり、悪魔が前身だった地。

 

 

 

 

 

 

わたしはうわの空でパソコンに向かう。

いつも通りの作業だが、いつも通りの日常とは違う。

 

 

 

 

 

 

 

内海 成彰……ナリさんの遺体は見つからなかったらしい。

葬儀も行われなかった。

 

国賊、というレッテルを貼られて。

 

 

 

 

 

 

 

家族や親族も居ないらしく、とある施設のような所で育っていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……首相代理の秘書がファウストの一味だったということはマスコミの格好の的だった。

 

 

 

しかしその事を包み隠さずに全て話し、都民の前で潔く謝り、声高らかに東都の平和と豊かな未来を語った氷室 幻徳は更に支持されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初から全部仕組まれていた物語みたいに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……わたしはあの人がローグだったなんて思えない。

あの邪悪な蝙蝠には見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【……戦兎、俺みたいにはなるなよ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで死を悟っていたかのような笑顔。

最後の最期に、わたしの大好きな名前を呼んだあの人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……どこかで見た笑顔だと思ったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの悲しく笑うようなナリさんは。

万丈が最後に送った笑顔にそっくりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスター。わたしから視えた彼は、悪には見えなかったよ。

 

 

 

真実は一体何なのかな――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ただいまあ……ちかれた」

 

 

 

 

 

 

 

エベレスト並の仕事量をたった1人でこなしてきたわたしを誰か癒してくれ。特にマスター。

 

ひっさびさに本気出したよ……ほんと疲れた。

 

 

 

あのメガネサイボーグ……最後の最後もとんでもない量の仕事渡してきやがって。全く。

 

 

 

 

 

 

 

そう考えたらなぜか面白くなって笑ってしまった。

無愛想で鉄仮面を身に纏う男、ナリさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……嫌いじゃなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりー!ご飯まだかかるから待っててしー!」

 

 

 

 

 

 

 

美味しそうなグラタンの匂いが、瀕死状態のわたしの脳と胃袋を刺激する。半ナマでいいから早く食わしてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

美空のグラタンは絶品だ。チーズがふわっとしてホワイトソースはじゅわじゅわ。マカロニのちゅるっとした感じもいい。エビのぷりぷりもさいこー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……うんだめだ疲れてんな、わたし。

 

 

 

 

 

 

 

「ほーい!したら下いるからでけたらおせーてー」

 

 

 

 

 

 

 

エプロン姿がぷりちーの美空に敬礼して冷蔵庫のドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あ。スタークが渡してきたUSB。

 

 

 

そういえばすっかり忘れとった。

真実?とか言ってたやつ。今度こそ見てみよ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――なんだこれ?……【PROJECT BUILD】?」

 

 

 

 

 

 

 

USBにあったのはPROJECT BUILDという名のデータ。

しっかりとパスワードもついている。

 

 

 

 

 

 

 

「……なんだよ、パスワードも教えとけよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……とんでもないセキュリティだ、これ。

 

 

 

解析してみたらある事がわかった。

正攻法以外は全て無理。

パスワードを3回間違えるとデータが全て飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

あほじゃん開けないじゃんこれ……

 

 

 

確かビルドドライバーは元々ファウストのもの。

とゆー事はこれはビルドドライバーの設計図か何か?

 

 

 

でも、なんでそんなものを?

それにあの蛇は真実の1つ、とか言ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん……まあ2回はミスれるし!

とりあえず適当にやってみるかな――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――嘘じゃん」

 

 

 

 

 

 

 

面白半分で試しに《Masked rider BUILD》と入力してみたら一発で成功しちゃった。

 

 

 

パスワードの意味あるのか、これ……

 

 

 

 

 

 

 

……まあ開けたし。よかったよかった。

 

さてさて、何が書かれてんのかな――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――【仮面ライダービルド

 

エボルドライバーを雛形に製作されたビルドドライバーに、各フルボトルを2つ装填し、装着者を変身させる】

 

 

 

 

 

 

 

……エボルドライバー?

 

 

 

なんだそれ。初めて聞いたぞ。

しかも雛形って。プロトタイプって事?

 

 

 

……ファウストが創り出した初期型ドライバーか?

 

 

 

 

 

 

 

今の所ファウストの連中でそんなもの使ってるような奴は居ないんだけどな。

スタークもローグもわたしのようなドライバーを付けていないし……

 

 

 

まだ表に出てないだけ?

いや、さすがにそれは……

 

まあプロトタイプって考えれば失敗作だったのかもしんないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ビルドは対国家用人型戦闘兵器である。

これから先行われるであろう戦争。つまり戦争用の兵器だ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……違う。仮面ライダーは戦争の兵器じゃない。

仮面ライダーはそんなものに使っていいものじゃない!!

 

 

 

この力は、みんなを護れる力なんだ。

権力の為に使われていいものじゃない!!

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、わたしはそうマスターに教えて貰ったもん――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【――これが、ビルドドライバー?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ああそうだ戦兎。これは皆の笑顔と希望を護れる力だ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【笑顔と希望……?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【そう。こいつはな、“護れる強さ”なんだよ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【……なんか正義のヒーローみたい】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【そうだよ戦兎。皆のヒーローさ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【えへへ。じゃあわたしはヒーローだ――】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーは、ビルドは、ヒーローなんだ。

皆の幸せを護れる正義のヒーローだもん。

 

 

 

……わたしはそう、信じてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ビルドの装着者に関して

 

ビルドドライバーによって変身するにはいくつかの問題がある。

 

まずは装着者がハザードレベル3以上の者。

 

つまりネビュラガスの成分を体内に有する者である。

そしてネビュラガスを浴び、スマッシュとならない者。

 

これが大前提である】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ふと蘇る忌々しい記憶。わたしの、汚点。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【やだ!やめて!!離してよ!!!】

 

 

 

 

 

 

 

【助けて!!誰か!!!ねえ!!!!】

 

 

 

 

 

 

 

【お願い……誰か……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【きゃああああああああ!!!!!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そういえば。

 

 

 

なぜわたしはあんな実験をされたんだろう。

今まではあんな事をしてきたファウストをただ憎いとしか考えてなかった。

 

 

わたしの身体を弄んだ外道、と。

 

 

 

 

 

 

 

……そういえば考えたことなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでわたしは、あんな実験をされたの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳に戦慄が走る。

けたたましくサイレンが鳴る。

 

 

 

わたしは、なぜ捕まったの?

わたしは、どこに居たの?

わたしは、何を考えてたの?

わたしは、なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、一体何者なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターたちが居たから考えないようにしてた事。

マスターたちが居場所をくれたから考えなかった事。

マスターたちが愛をくれたから考えないで済んだ事。

 

 

 

 

 

 

 

マスターが好き過ぎて、考えられなかった事。

 

 

 

 

 

 

 

今まで息を潜めてた事がゆっくりと忍び寄ってくる。

わたしの何かが崩れてく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、誰?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わたしは……わたしは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐生 戦兎じゃないわたしは……誰?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せーんとー!ごーはんーだしー!!」

 

 

 

 

 

 

 

聞き慣れたいつもの声で我に戻れる。

 

……考えなくて、いい。いやだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、わたしじゃないわたしが誰なのかを考える事を辞めた。

 

 

 

 

 

 

 

きっと自己防衛なのだと思う。

わたしが壊れないように、わたしの全てがそれを拒絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――んまあい♡美空たんのグラタンは美味ですなあ♡」

 

 

 

 

 

 

 

あつあつのグラタンをふーふーして食べるこの至上の喜び。

美空お手製のグラタンはわたしの大好物。

 

 

 

 

 

 

 

「なんかいつにも増してキモいね?……でも良かった」

 

 

 

 

 

 

 

いつものよーに毒舌の美空たん。でもそれがいい。

そう。いつものわたしたちの日常。

 

 

 

 

 

 

 

「おおう……クリーンヒットだよマイシスター……」

 

 

 

 

 

 

 

けらけらと笑う美空。わたしの可愛い美空。

わたしの大好きな妹。

 

 

 

大好きなわたしの毎日。

わたしが、わたしだっていう証――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――お父さん……最近帰って来ないね……」

 

 

 

 

 

 

 

さいっこうに美味しかったグラタンの器を洗っていると、美空がぼーっとしながら呟いた。

 

 

 

……マスターは全く帰って来ない。

 

こんなに長い間帰ってこないなんて初めてだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ほら!多分道に迷ったんじゃない?マスター方向音痴だし」

 

 

 

 

 

 

 

美空と2人での食事ももうすっかり通常になった。

2人が当たり前、みたいな……

 

 

 

 

 

 

 

初めは3人。

そしてついこの前までは4人だったのにね。

 

 

 

マスターのへらへらした会話。

万丈のバカ丸出しな会話。

 

 

 

 

 

 

 

懐かしいな。また戻りたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ帰ってこないのかな」

 

 

 

 

 

 

 

美空のちっちゃな顔が崩れそうになる。

辛い思いをしてきた美空。

 

 

美空にとってマスターは、お父さんはヒーローだもんね。

 

 

 

 

 

 

 

「……きっとほら!なんかプレゼントしてくれるために頑張ってんだよ。多分!」

 

 

 

 

 

 

 

溢れそうになる雫を堪える。

辛いけど、苦しいけど、我慢。

 

 

 

美空が辛いのにわたしが泣いたら美空が我慢しちゃう。

あの子はそういう子だから。

 

 

 

 

 

 

 

すぐに強がる子。自分よりも家族を優先する子。

 

 

 

ほんとはこんなに我慢させちゃいけないのに。

わたしがしっかりしなきゃ!

 

 

 

 

 

 

 

「だーいじょぶだいじょぶ。そのうちひょっこり帰ってくるから」

 

 

 

 

 

 

 

よくできましたお姉ちゃん!

頑張れわたし。いけいけわたし。

 

 

 

 

 

 

 

「……だね!まだパティスリー鴻上のケーキ買って貰ってないし!」

 

 

 

 

 

 

 

満面の笑顔に回復した可愛い妹。

よかったよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと!わたしそろそろ寝るね。戦兎も早めに寝なよ?お肌荒れちゃうよ!それと夜食もだめ!最近お肉付いてきてるの知ってるし!」

 

 

 

 

 

 

 

お、おぉう……

痛いところを的確にぷすぷす刺してくるねあなた。

 

 

 

 

 

 

 

「頑張ります気をつけます。特に夜食系は!……おやすみ、美空」

 

 

 

 

 

 

 

わたしの送った微笑みに、美空は最高の笑顔をくれた。

 

 

 

 

 

 

 

あー。そしたらどうすっかな。

ちょっち眠いしわたしもねよーかな。どうすっか。

 

うーん。あ。そういやさっきのデータ続きあるのかな。

それ見たら寝よーっと――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程のデータの続きを確認しようとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

「ビルドドライバーの製作者……?」

 

 

 

 

 

 

 

この正義のヒーローを悪用しようとした人。

護れる力、仮面ライダービルドの産みの親。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【製作者:葛城 忍】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葛城……忍。

悪魔の実験を行った天使の科学者、葛城 月乃と同じ苗字。

 

 

 

 

 

 

 

……まさかあ。偶然でしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの脳に閃が劈く。

 

 

 

 

 

 

 

悪魔と天使が同居した月乃さんは、自らを被検体として人体実験をした。

しかも、身体に異変は見られずにスマッシュとはならなかった。

 

 

 

数多くの被験者の中で、唯一の人。

 

 

 

 

 

 

 

そしてビルドドライバーはスマッシュにならなかった者のみしか使う事は出来ない。

 

 

 

繋がる2つの葛城。

こんな偶然あるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦争の為にビルドドライバーを創った葛城 忍。

人類の為に悪魔の人体実験を行った葛城 月乃。

 

 

 

 

 

 

 

決して交わる事のない思想を持つこの2人の共通点。

 

 

 

……ネビュラガス。ハザードレベル。スマッシュ。

 

 

 

 

 

 

 

この2人は……何者なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、もう1つ。引っかかる事。

ずっと気になってたこと。

 

 

 

ビルドドライバーは、ネビュラガスを体内に有さなければ仮面ライダービルドへと変身出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……わたしは、仮面ライダービルドに変身出来ている。

 

 

 

つまり。ネビュラガスを体内に有するという事。

 

 

 

……スマッシュにならずに。

 

 

 

 

 

 

 

そして万丈もビルドドライバーを用いて仮面ライダークローズなるモノに変身していると聞いてる。

 

 

 

つまり。わたしや万丈が受けた人体実験は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネビュラガスの、か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっと気になってた。

一体何の実験をされていたのか。

 

 

 

あれは、そういう事か。

 

 

 

 

 

 

 

……という事はあの実験、スマッシュを生み出すのを目的としたものではなく、ビルドドライバーを扱える者を探すための人体実験だったって事?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……戦争の兵隊を集めていたのか、連中は?

 

 

 

 

 

 

 

ファウスト……あいつらの目的はなんだ……?

やっぱり戦争なのかなー。うーん。

 

 

 

 

 

 

 

よく考えればわからないことだらけなんだ。

人体実験の真意も、パンドラボックスをなぜ欲するのかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界を闇に陥れるとかなんだか言ってたらしいんだけどねー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー!だめだ!!繋がんね!」

 

 

 

 

 

 

 

情報が少な過ぎる。上っ面しかわかんないし。

 

 

 

 

 

 

 

……新たな人物、葛城 忍か。

 

 

 

この男も恐らくファウストなのだろう。

そして月乃さんとの関係性か……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎ちゃーん!居るー?」

 

 

 

 

 

 

 

紗羽嬢!いい所に来たね!

よしよしせっかくだ。こいつもお願いしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「おーう紗羽嬢。夜遅くどしたの」

 

 

 

 

 

 

 

わりかし本当に。今もう0時だぞ。

普通来ないだろ。追い返すだろ普通。

 

 

 

 

 

 

 

「うん、ある情報を手に入れたから。それを伝えに来たの」

 

 

 

 

 

 

 

食い気味に迫る紗羽嬢がちょっと怖い。

 

……なんだろ。氷室 幻徳関連かな。

 

 

 

 

 

 

 

「さすが紗羽嬢仕事が早いね。どんなの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鍋島の事よ。……あの人はね、どうやら脅迫されてたらしいの」

 

 

 

 

 

 

 

鍋島……万丈の事を嵌めた男。

脅迫、って事はファウストのメンバーではないのかあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……家族をね、人質に取られてるのよ。そして、従わなければ家族を殺すと脅されていたみたいだわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奥様と、まだ小さな娘さんの2人よ……まだ生きてらっしゃる。ちゃんと確認が取れてるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たーさんの葬儀の光景が脳裏を過る。

遺された、家族の痛みの空間。

 

 

 

 

 

 

 

……くそ。外道が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……場所は、わかる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍋島のやった事は許されない。

でも。家族には罪は、無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……それに、きっとわたしも同じ立場だったら同じ事をすると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし美空が、もし万丈が。

もしマスターの命が天秤に掛けられたら、わたしは迷わない。

 

 

 

 

 

 

 

「もちろん……まさかこんな所にも奴らの息がかかってるとは思わなかったんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗羽嬢の瞳にわたしが映る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「北都よ。……万丈君が居る、北都に居るわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そっか。待っててね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、正義のヒーローが助けに行くから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……To be continued

 

 

 

 








幻徳「よろしくお願いしまーす!……ってあれ?」

幻徳「え?嘘!?俺まさかの除け者!?」

幻徳「嘘じゃん!やっと出番増えたのに!」

幻徳「?の奴もしっかり居たくせに!」

幻徳「えぇ。ないわぁ。テンション下がるわぁ」

???「まぁ気にすんなって!ヒゲ!」

幻徳「おいヒゲってなんだヒゲって!てゆーか誰なんだお前!」

???「まあまあ。もうちょい待てよ」





???「つーわけでな。あとすこ……し?で多分出るぞ!多分な!」

幻徳「何でまだ出てないお前が……はぁ……」

???「心火を燃やして読んでくれ!またな!」

幻徳「ちょ、それ俺の台詞――」



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