Masked Rider EVOL 黒の宙   作:湧者ぽこヒコ

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一海「あ゛ー。すげえ頭痛え」

一海「寝てただけのはずなのにな……」

一海「二日酔いみてーな感じすんだけど何これ」




一海「……金が……無い」

一海「何かに使ったっけな……」

一海「そういやみーたんに……何だっけ」


一海「……あいつらになんて説明しよ……」




――これは。聖夜祭後の悩めるお話。




phase,25 悪夢の天秤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【――全てが、終わる……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【――さあ、滅べ……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【――俺が絶望だ……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――いやああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……まただ。またこの夢。

 

 

 

 

 

 

 

最近凄くこの夢を見る。

何かが、滅びゆく夢。

 

 

 

そしてその終わりを告げる誰か。

誰なのかはわからない。

 

 

 

 

 

 

 

わからないけど、私はこの誰かが物凄く怖い。

 

まるで全てを終わらせるかのような。

全ての終わりを望んでいるかのような。

 

 

 

自分以外の全てを拒絶しているかのようなこの誰かが物凄く恐ろしい。

 

 

 

 

 

 

 

まるで絶望そのもののようなこの誰かが、まるでもうすぐそこまで来ているような――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――美空!?大丈夫!?」

 

 

 

 

 

 

 

……お姉、ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

あぁ良かった。生きてる。

私も、お姉ちゃんも生きてる。

 

 

 

良かった……良かったよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この夢を見ると、なぜかそういう気持ちになる。

理由はわからない。でも、生きてた。良かった。みんな居る、って。

 

 

 

 

 

 

 

この夢は、そういう切ない気持ちになるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「……うん。大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

あの不思議な事の後に倒れてしまった私の、恐らくずっと傍に居てくれたであろうお姉ちゃんに安心の言葉をかける。

 

 

 

 

 

 

 

……大丈夫。怖くない。

 

これは夢だ。ただの夢。

 

 

 

私の心が弱いから。だからこんな夢を見る。

もっと強くならなきゃ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……私も本当は、戦兎や万丈と一緒に戦いたい。

 

 

 

ずっと見守ってるのは嫌だ。

戦兎や万丈の隣に立ちたい。

 

 

 

 

 

 

 

でも私は、護れる力を持ってないから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惨めで無力な自分が嫌になる。

私もみんなの役に立ちたいよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に!?本当に大丈夫なの!?」

 

 

 

 

 

 

 

戦兎は大げさだし。

過保護、っていうのかな。あはは。

 

 

 

戦兎は優しいから。私を心配してくれる。

でもそれは私が無力だから。

 

 

 

 

 

 

 

それがとっても惨め。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もう全快だし!ご飯食べよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私にも力があればな――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――はい。……わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

電話を終え、とある写真を眺める。

最近はこの電話の後にこの写真を毎回見る。

 

 

 

まだ出逢ってすぐの頃に撮った写真。

戦兎ちゃんに美空ちゃん、万丈君。

 

 

 

 

 

 

 

そして……エボルト。

 

 

 

 

 

 

 

最初はこの地球外生命体の……

いや、この人の事をただの恐ろしい化け物としか考えてなかった。

 

 

 

私の知らない深い闇。

足を踏み入れる事を、私の全てが拒否するようなおぞましく濃い闇。

 

 

 

 

 

 

 

彼はそこに潜む者。

そこを統べるモノ。

 

 

 

だからこそあの人が理解出来なかった。

家族ごっこをしている彼の神経が私には理解出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも……今ならわかる。

彼は家族ごっこをしているのではない。

 

 

 

家族なんだ。本物の家族。

だからこそあの時、私が家族ごっこと言った事にあれほどの殺意を飛ばしてきたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は……これからどうするのだろう。

一体、何を考えているんだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も……あそこが好きになってしまった。

 

 

 

最初はただの任務。

でも……皆の心に触れ、私の心にも感情が生まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

ごめんね。皆。

 

 

 

 

 

 

 

……私は最低の女よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一体どこで、道を間違えたのだろう――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――やっぱ美空のグラタンは美味し♡」

 

 

 

 

 

 

 

倒れた美空も元気になって、美空と2人でご飯を堪能中!

やっぱ美空のご飯はさいっこうだね!

 

 

 

一時は心配したけど、見た感じ大丈夫そうだし……良かった良かった。

 

 

 

 

 

 

 

「ほーら!ちゃんとサラダも食べてし!」

 

 

 

 

 

 

 

ふぉっふぉっふぉ。まさにいつも通り!

まるでお母さんだね!

 

 

 

……サラダは食べないけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし食欲もあるみたいだし、安心した。

前に体調を崩した時はあまり食べれなかったしね……

 

 

 

わたしのお粥が激マズだったっていうのもあるだろうけど。

 

あれはやばかったな……

レモンスカッシュがダメだったんだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

 

 

 

 

 

 

わたしの可愛い発明品、ビルドフォンに着信が入る。

見た事無い番号……誰だろうか。

 

 

 

非通知でない所を見ると怪しさはそんなに感じられない。

 

 

 

 

 

 

 

「うーい。こちら天才。どなたっすかー?」

 

 

 

 

 

 

 

……これが通常運転ですけど。

 

なんか言いたいことあるならはっきりしろい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……俺だ。氷室 幻徳だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……氷室 幻徳。

 

 

 

代理ではあるけど、現東都最高責任者の男。

そして、恐らくファウストの人間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして恐らく、あの蝙蝠の正体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何。何か用」

 

 

 

 

 

 

 

まだ推測の域を出ないからとりあえずあんま刺激はしないよーに。

わたしなりにね。頑張りますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……変に詰めて佳奈ちゃんの時みたいな事されても困るし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大事な話がある。これから首相官邸に来い」

 

 

 

 

 

 

 

命令口調のこいつになんかムカついてくる。

 

 

 

……命令じゃなく懇願しろよな。

 

 

 

 

 

 

 

「は?何で?めんどくさいから嫌です行きませんさようなら」

 

 

 

 

 

 

 

はー!めちゃすっきりしたあ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あ。でもわたしの勤務先のトップなんだよなこいつ。

 

 

 

あれ?そうなるとわたしの給料どうなるの?

だってこいつ、勤務先のトップどころか東都のトップじゃん。

いくらでも揉み消し放題じゃん。

 

 

 

月乃さん関連であんだけやってんだもん。

わたしの給料ぐらい簡単に揉み消せるんじゃ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばいな。やばいぞこれ。やらかしたな。

うわーでもどーすっかなー。

 

 

 

でもこっちから電話するのはなんか負けたみたいでムカつくしな。

でも給料無くなったらまずいしなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……おおっと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はいこちら桐生 戦兎です」

 

 

 

 

 

 

 

良かった。向こうからかけてきた。

わたしのプライドも護られた。よし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけている場合じゃない……国家の危機だ。すぐに来い」

 

 

 

 

 

 

 

国家の危機……北都かね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳裏に過る、葛城 忍が遺したデータ。

PROJECT BUILDに記されていた事。

 

 

 

 

 

 

 

……戦争用の、兵器。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一度言う。国家の危機だ。待っている。さらばだ」

 

 

 

 

 

 

 

……くそっ。

 

わたしは戦争のおもちゃじゃねーんだっつーの。

 

 

 

ふざけんなよくそが。

わたしは……正義のヒーローなんだよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……いや、でもどうなんだ。

 

そもそもわたしの事をビルドとして呼んだのだろうか。

 

 

 

表の氷室が知っているはずがない。

ましてやわたしがビルドなのを知っているのは表の世界じゃ身内ぐらいしか居ないはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……という事はビルドとして呼ばれたら氷室はローグ確定、か。

 

 

 

 

 

 

 

そうすればこちらのカードは増える。

奴がローグだと確定出来りゃだいぶ有利になる。

 

 

 

……それだけでも行く価値はある、か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美空ー!ちょっとでかけてくるー!」

 

 

 

「はーい!あんまり遅くならないようにね!」

 

 

 

 

 

 

 

本当にお母さんだな、美空は――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ふう!洗い物終了!」

 

 

 

 

 

 

 

戦兎と食べたグラタンの器やら何やらを綺麗に洗い終わってやっと一息。

 

戦兎は何やら用事があるとかでどこかに行っちゃった。

 

 

 

……なんか変な電話だったけど。

 

 

 

 

 

 

 

怪我なく無事に帰って来てくれればそれでいいんだけどね、私は!

 

 

 

 

 

 

 

さーてと!掃除でもしようかな――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――美空ちゃん?……戦兎ちゃんは居ないの?」

 

 

 

 

 

 

 

いつにも増して真剣な表情で入ってきた紗羽さん。

 

 

 

どうしたんだろ?戦兎に用事かな。

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎ならさっき出かけたよ。何かあった?」

 

 

 

 

 

 

 

新しいテーブルクロスを敷きながら紗羽さんの質問に答える。

こういったことももう手馴れたもの。

 

 

 

……私は、家事ばかりやってきたから。

 

 

 

 

 

 

 

「そう……美空ちゃん。あなたにやって欲しいことがあるんだけど。話聞いてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

紗羽さんからはどこか鬼気迫るようなものを感じる。

 

 

 

なんだろう。やって欲しいこと?

 

もしかしてまたみーたんネットで何かやれみたいな……?

めんどくさいし……バイト代欲しいし……

 

 

 

 

 

 

 

「……なあに紗羽さん。みーたんネット?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの、力を貸してほしいの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗羽さんの力強い視線を浴びながら、力を貸してと言われた私は。

いきなりの事で困惑したけど、どこか喜びを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

自分は無力ではない。

自分は何かの役に立てる。

自分は力を持っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう感じてしまう私は、躊躇う術を知らなかった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――来たか」

 

 

 

 

 

 

 

ここに来るのも相当前のように感じる。

黒の蝙蝠……ローグと相対した部屋、首相室。

 

 

 

あの時にあいつを逃がす事が無ければと思うと、口の中が鉄の味のようになる。

 

 

 

 

 

 

 

……もう取り戻せない、過去の話。

 

 

 

 

 

 

 

「……なんすか国家の危機、って。わたしただの天才物理学者なんですけど。兵器とか創れならお断りです。帰ります」

 

 

 

 

 

 

 

嫌いな人にはとことん嫌悪感を出してしまう。

恐らく生きにくいのだろうが、これがわたし。

 

 

 

変えるつもりも変えようとも思わない。

だって嫌いだから。本能的に無理。

 

 

 

 

 

 

 

……ま。滅多に嫌いになったりしないけどね。

 

 

 

わたしに嫌われるって相当だぞ。氷室。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ。隠さなくても良い。お前が仮面ライダービルド、という存在なのは既にわかっていることだ」

 

 

 

 

 

 

 

……ビンゴ♪

 

 

 

これでこっちの持ち札は増えた。

後は適当に却下して帰るだけ、っと。

 

 

 

 

 

 

 

「へー。凄いですねー。どうやって調べたんですかー?怖ーい」

 

 

 

 

 

 

 

このまま喋るとは思わないけど。

 

 

 

……あーでもあんまり刺激しない方がいいか。

 

 

 

 

 

 

 

「国家を舐めるな……いくらでも手段はある」

 

 

 

 

 

 

 

かなりイラついているのか、わたしに憎悪とも取れる視線を投げかける氷室。

 

 

これ以上小馬鹿にするのはやめといた方がいいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……戦争の駒にはならない。わたしの持つ力は護れる力だ。みんなの笑顔と希望を護れる力だ。壊したり奪ったりする力じゃない」

 

 

 

 

 

 

 

それが正義のヒーロー。

あのちびちゃんのヒーローなんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何もわかっていないようだな」

 

 

 

 

 

 

 

氷室の蔑んだような口調にわたしの神経が反応する。

つい、目の前の彼の今までやってきたことを暴言と共に吐き出しそうになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……悪いがわたしは戦争で利を貪るような輩じゃないんでね。そんな連中の事など細胞レベルでわからないや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷室から目線を逸らさずに、まるで鍔迫り合いのように返す。

引いてはいけない、脳がそう警告してる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

「まだまだ甘い……もし北都や西都と戦争が始まったらどうなると思う?」

 

 

 

 

 

 

 

なぜか氷室の目から、ある覚悟のようなモノを感じる。

それは悪と断言していいのかわからないモノ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず弱い者が死ぬ。子供、女、老人だ」

 

 

 

 

 

 

 

氷室の言葉がわたしにのしかかる。

 

 

 

……そうか。そういう事か。

 

 

 

 

 

 

 

こいつ、それを使う気か。

その言葉を使う気か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ死ぬか。戦争になれば街は火の海だ。一瞬で人の命など消し飛ぶ。更には食糧も不足する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの脳が映像を創る。

火の海になった、東都を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……知っているのかどうかは知らんが、現在三都は冷戦状態だ……いつ戦争が起こってもおかしくない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん知っている。嫌という程に。

大切な弟が向こうに行ったから、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「西都は海外から様々な兵器を密輸し、北都には……お前と同じ力を持つ者が2人いるらしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人?まさか万丈以外に仮面ライダーの力を持つやつが?

 

 

 

万丈はそんな事はしないとしても……

 

 

 

 

 

 

 

もしそいつが東都に攻め入ってきたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そして東都にはそれらを迎え撃つ軍事力は無い。つまりは蹂躙されるのみだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が戦わなければ、な……想像出来たか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしがやらなければ……東都は壊滅する。

 

 

 

 

 

 

 

美空が、紗羽嬢が、巻さん親子が。

佳奈ちゃんが、鍋島さん夫妻が、たーさんの家族が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターが、東都に住むみんなが……死ぬ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかも、戦争に負けた地はどうなるかわかるだろう?……絶望そのものだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……だからと言って。

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーは、戦争の駒じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……でも、でもみんなをみすみす殺される訳には行かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……なんで?なんでこうなる?

 

 

 

わたしのこの力は光に満ちた力のはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしには正解が、真実が見えない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……自衛でのみ、なら――」

 

 

 

「甘い事を言うな。もし東都内部で戦争を起こしてみろ……火の海だぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにお前が居ても分が悪い事には変わりはない……」

 

 

 

「わかるな?生き残るためにはこちらから奇襲するしかないんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わかってる……わかってるけど……

 

 

 

 

 

 

 

……でも北都も同じだ。北都にも同じ様に尊い命がある。

 

 

 

それにこちらから先に侵攻したら完全に戦争が始まる。

それは、それだけは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桐生 戦兎。少し時間はやる……選べ。大切な仲間の命か、見ず知らずの命かを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様は残酷だ。

常に2択の選択を迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どちらを足掻いても、その先に待つのは絶望だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……To be continued

 

 

 

 








幻徳「……頭が痛い」

幻徳「……なせだ?」

幻徳「それに……俺が俺じゃない気がしたな」

幻徳「パーティのようだった気がするが……」

幻徳「……スタークと一緒に酒を飲んだ気がしたな」



幻徳「……まぁ。たまには悪くないな……」




スターク『よォ幻徳?暇してんな?』

幻徳「お前という奴は!何度言えばここに――」






――これは。聖夜祭後の悪のお話。


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