Masked Rider EVOL 黒の宙 作:湧者ぽこヒコ
戦兎「したらさ。お疲れ様会のケーキ何がいい?」
紗羽「そうね……レアチーズケーキを4個お願いするわ!」
美空「私はショートケーキ5個で」
香澄『うーん。フルーツタルト10個!』
戦兎「まじかよ……しかも香澄さん普通に出てくるんだ」
香澄『てへっ♡』
――逃げ惑う人々。混乱の街。
止められなかった争いの協奏曲が歓喜する。
力を持つ者たちのそれぞれの戦いが、幕を開ける。
それぞれの護るモノのための戦いが――
「――A地区、B地区共に、北風との交戦が始まっているとの事です!!民間人にも多数被害が及んでいる模様で――」
現在、東都軍 野兎の総司令部と化したここ、首相官邸は騒然としている。
走り回り、状況を確認する者。
襲撃されている場所を兵たちに連絡する者。
民間人への避難勧告のために奔走する者。
その者たちの顔はすべからく、もう12月も終わりかというのにも関わらず、汗が止めどなく滴っている。
東都の首相である私は、戦争を止める事が出来なかった。
ならば。一刻も早く終わらせねば……
あのジャンヌ・ダルクたちにだけ任せておくわけにはいかない。
私も今出来る最善の事をしなくては……!
「――すぐに野兎へと連絡を繋げ!!まず民間人の避難を優先させるんだ!!!」
持ちこたえてくれ、我が東都よ。
耐え忍べばこの先に、必ず光が指すはず。
……頼んだぞ。東都の希望、仮面ライダービルド。
野兎 総隊長、桐生 戦兎――
「――大丈夫ですか!?兵が付き添いますから、早く避難してください!!!」
逃げ惑う人々を誘導し、まだ安全な場所へと避難させる。
泣き叫びながら逃げ惑う人。
親や子供、恋人や友の名を呼びながら立ち竦む人。
現状を理解出来ずに壊れる人。
……きりがない。
いくらわたしたちが避難させても、他のあらゆる地で襲撃情報が出る。
早く、早く戦争を止めなきゃ――
「――桐生総隊長!すぐ近くの地区で、北風の襲撃があると思われるとの事です!!」
まただ。1つの集団を避難させて、また襲われる。
兵士たちの顔にも疲弊の色が隠せない。
もう兵士たちも、極限状態だ……
北風は見境無く東都を襲ってきている。
罪の無い民間人を巻き込み、各地で悲鳴の叫びがあがる。
最悪の地獄となった東都。
でも、諦めるわけにはいかない――
「わかった!!みんなは残りの人たちを避難させて!!わたしが向かう!!!」
紗羽嬢が今、この絵図を描いた連中が誰なのかを追ってるはず。
それまで持ちこたえれば終わる……!!
みんな頑張ってね。後少しの辛抱だから。
ここを耐えれば、希望が待ってるから――
「――おい、どういう事だ!?北風は……北都は民間人を襲わねえ約束だったはずだろ!?なんで他の連中は民間人まで巻き込んでんだ!?」
「……万丈団長。あくまでも民間人を襲っているわけじゃないわ。これはちょっとした余波が影響を与えてるだけ。民間人を狙ってるわけじゃないのよ?」
不快な声で囁いてくる通話先の相手、多治見。
……俺を飼い殺す、北都の首相。
「それにね……そう思うのだったら早く決着を付けなさい。私もいくら相手が東都の人間だとはいえ、心が痛いのよ?……以上よ。使命を全うしなさい」
「お、おい!?ちょっと待て――」
冷酷に言葉を終え、会話を断つ多治見。
民間人を心配するような言葉とは裏腹に、その口調はまるで東都の人間など虫けらだ、と言っているような。そんな気がした。
くそっ……!!
結局、結局こうなっちまうのかよ……
俺が率いる北風第3師団……CROSS-Zは現在、侵攻を一時中断していた。
他の師団が見境無く襲撃し、民間人にも大幅な被害が出ているらしい、と部下から連絡がきたからだ。
あのくそ女にそんな事を辞めさせるように連絡したんだけど……ちくしょう……
「万丈団長……我々は一体、どうすれば……」
兵士たちの顔にも動揺の色が隠せない。
皆、どうすればいいのかわかっていないみたいだ。
俺が率いる連中はみんな心優しいというか、他の北風の連中からは臆病者だとか腑抜けとか言われている。
俺はそうは思わない。
こいつらは、例え敵であろうとも命を大切に想ってるだけだ。
……お前らもこんな戦争、絶対嫌だよな。
「……野兎の兵士を見かけたら戦闘に入るしかねえ。でも……関係の無い人たちが傷付いてんの見たら……助けんのが当たり前だろ」
……当たり前の事だ。
いくら北都に身体を売り渡そうが、俺の魂まで売り捌く気はねえ。
「……はい!!第3師団全ての兵に、一言一句間違いの無いよう通達致します!!!」
さっきまで暗かった兵士たちの顔に光が灯る。
機械から、心を持つ生き物に変わったように。
「したらよ、襲撃してやがる所に行って民間人を――」
「万、丈……」
場に通る綺麗な。よく知ってる声がした先には、よく知ってる正義のヒーローが立ち塞がっていた。
「――戦兎、か。久しぶりだな」
ついこの間、久しぶりに聞いた声。
見た目はだいぶ逞しくなったけど、笑い方は変わらないバカ。
「……やっぱり来てたか。愚弟」
あいつの事だから、もしかしたら来ないんじゃないか。
それどころか東都の危機に颯爽と駆けつけるんじゃないか。
そんな事をちょっと考えてたけど、やっぱり……
「……悪ぃな戦兎。急いでんだ。そこ、どいてくれよ」
変わらないあの日の微笑で問いかけてくる万丈、龍我。
その言葉の中身は、懇願では無く命令な気がした。
「……退くわけないでしょ。相変わらずバカだな、お前さんは」
いつもの微笑みに、わたしもいつものであろう微笑みを返す。
……あんたをここで止めないで、いつ止めるんだ。
「……わかってんのか、戦兎。俺は北風の第3師団 団長だ。……意味、わかんだろ。超天才のお前なら」
いつものように天才のわたしをバカにしてくる愚弟。
……その顔は、笑ってない。
「あんたこそわかってんの?……わたしは東都軍 野兎の総隊長。わたしの方が偉いんだぞばーか」
いつも通りに倍返しでバカに返す。
でも多分。きっと、わたしも笑えてない。
「万丈団長!?この女、東都軍の総隊長ならば今すぐ兵を集めて――」
「うるせえ!!!……こいつはいい。こいつはいいんだ」
バカ野郎の声が轟く。
助言した兵はまるで、雷に打たれたかのような顔だ。
……やっぱ退かない、か。
「戦兎……いや、野兎 総隊長桐生 戦兎。退かないなら……俺がここでお前を倒す」
……上等だバカな弟よ。
その腐った脳みそをお姉ちゃんが掻き混ぜてやる。
「……ほんっと!しょうがない弟だ。……お姉ちゃんが全力で折檻したるから覚悟しろよ」
……あんたと喧嘩するのも初めてだね。
姉妹喧嘩も終わったばっかなのに。
忙し過ぎるな、わたし。
「……さあ。姉弟喧嘩の実験を始めよう」
【ラビット!タンク!】
【ベストマッチ!!】
【Are you Ready?】
「……変身!!!」
【鋼のムーンサルト!!】
【ラビットタンク!!yeah!!!】
……ここであんたを止める。
あんたを、連れ戻してやるから。
「……来い!!クロ!!!」
【〜♪(´・ ・`)】
万丈が吠えると、懐かしいちっちゃな可愛い龍が現れた。
わたしが生んだ、万丈の力になるための龍。
……ちゃんと万丈の事を護ってあげてたんだね。
さすがだよクロちゃん。
「……クロ、悪ぃな。……お前のかーちゃんと戦うぞ」
【〜♪(´·_·`)】
クロちゃんはどこか、切なそうに見える。
戦いを嫌がってるような、そんな顔。
「……嫌がってる場合じゃねえんだ。わかってくれ」
【……〜♪(・ω・´)】
そう言うと万丈は、わたしとお揃いのモノを出した。
わたしと同じ力。ビルドドライバー。
それが放つ輝きは、どこか悲哀に満ちている気がした。
「……なぁ、戦兎。前に言ったよな、強くなろう、って」
天高く腕を伸ばした万丈の手に、まるで宿り木に身を休めるが如く、機械仕掛けの蒼き龍が座す。
「一緒に、は無理だったけどよ……強くなったんだ、俺」
もう一方の手には。
今はもう居ない、最愛の人が託した力。
美空が癒した、香澄さんの愛の力。
「……見せてやるよ、俺の力を」
わたしが創った蒼き龍に。
香澄さんと美空の想いの力が宿る。
【ウェイクアップ!】
「戦兎……これが、俺の護れる力だ」
【クローズドラゴン!】
そして、その想いが1つになる。
蒼き龍の背に宿った愛の力が。
【Are you Ready?】
「……変身!!!!」
彼を、情熱の戦士へと変貌させる。
その姿はまるで、自身の想いを猛々しい蒼き焔として顕現したような。
どこか冷たくも、内側を熱くするような。
正に万丈らしい、そんな姿だった。
【Wake up burning!!】
【Get CROSS-Z DRAGON!! yeah!!!】
「今の俺は……負ける気がしねぇ!!!」
……To be continued
惣一「やっと来ました仮面ライダークローズ!」
万丈「いやー……本当に。やっとお披露目だよ」
戦兎「ずーっと出し渋ってたもんなあ」
美空「まさかの北都編で!びっくりだし」
惣一「天の声曰く、このタイミングがベストマッチだったらしいぞ」
万丈「だとしても……長かった……なぁ、クロ……」
クロ【〜♪(*´∀`)】
戦兎「これじゃあれだな。グリスもまだまだ先?」
美空「……有り得るし」
一海「……おい嘘だろ」
一海「ちょっと!ねえ!もう出すよね!?」
一海「おい!おいってば!ねえ!!」
万丈「……そんな俺が大活躍する次回!楽しんでくれよな!」
クロ【〜♪ヽ(´ー`)ノ】
一海「おい!ちょっと!おおぉぉい!!」