明日はついに横須賀の市長と話し合いをする日だ。
私は明日の資料を作成するために執務室に残っていた。
「たにぐちさん!きょうのことわすれてないですよね?」
「あもちろんだ、忘れたりしないさ。君達も準備しておいてくれよ?」
「あたりまえです!ではきょうのよるに」
早めに仕事を終わらせなくてな…
================================================
どうも皆さん‼︎青葉です!私は最近夜になると亡霊達の音楽が聞こえると言われたので姉妹の衣笠と一緒に張り込みをしています!
「ね〜青葉めんどくさいから帰ってもいい?」
「駄目ですよ衣笠!今回はスクープの匂いがして仕方ないんです!けっこう苦情もきてるから解決しないと」
「私じゃなくて古鷹や加古にお願いすればいいじゃない」
「加古はずっと寝てるし古鷹には明日は朝から鳥海と本買いに行くからごめんねって言われました」
執務室の方へ近づくと提督が部屋から出て行く所を見かけ話しかけました。
「提督!夜遅くまで何してたんですか?」
「ん?青葉と衣笠か…明日の資料作成をしていたんだ。お前達も何故自分達の部屋にいないんだ?」
「何かスクープの匂いがしたので!」
「青葉がずっとこう言ってきて私はその付き添い」
「なるほどな。もう暗いし外にはでるなよ?窓や部屋の鍵もかけろよ」
「はい!張り込むつもりなので問題ないです!」
「ではな」
提督はそう言いながら外の方へ進んで行きました。しかし私は少し気になることがあったので衣笠に聞きました。
「ねぇ衣笠?今の提督何か変じゃなかったですか?」
「そう?私達の身を気にしているようにしか聞こえなかったけど」
「そこですよ!駆逐艦相手ならまだわかりますけど…わざわざ私達にいうなんてまるで何かするから外に出るんじゃないぞみたいな…」
「え〜青葉の考えすぎじゃない?けど張り込みするから部屋にはいられないわよね」
とりあえず青葉達は一度鎮守府の中を一周することにしました。
「ねー青葉。あれって妖精さん達よね?」
一階を歩いているとそこにはゾロゾロと妖精さん達が何かを持ちながら同じ方向に向かっているのが見えました。
「持ち上げてるのは楽器かしら?それにしても多いわね…」
「怪しいですねぇ…尾行してみますか!」
「え、大丈夫かな?バチとか当たらないよね?」
「たぶん大丈夫ですよ!たぶん?」
「なんで最後疑問形なの⁈」
抜き足差し足忍び足でついていくと妖精さん達は自分サイズのと人用の楽器を運んで海の前でセットしていた。
「何これ?何が始まるの?怖いんですけど!」
「録画できるやつ持ってきてよかったです!
え、衣笠!あそこにいるの提督ですかね?」
二人でコソコソ話合っていると制服を着た提督が妖精さんの集まりに向かっていた。
「しかも勲章や手袋も付けてるじゃない。なんで式典とかに出る格好なんだろう?」
「これはとんでもないスクープですよ!そろそろ録画し始めないと」
提督が妖精さん達が運んでいたピアノの椅子に座りバイオリンを持ち始めました。そして他の妖精さん達も各々の楽器を持ち上げ始めした。
「なんか演奏するつもりなのかな?それにしてもすごい人数ね…
あ!あそこにいるの提督とここに来た3人じゃない!あの3人が指揮者なんだ…」
「衣笠静かにしてください!もう録画始めてるんですから!」
三人の妖精さんが指揮棒を取り三方向に構えた。その瞬間に一斉に提督と全ての妖精さんが向き始め演奏が始まりました。
最初はゆっくりと提督のピアノから始まりました。そして少しずつ妖精さん達も弾き始めました。
「とても優しい演奏ね青葉」
「静かに!今撮ってますから」
「あなた…ほんと撮影に命賭けてるわね…」
真ん中の妖精さんが指揮を振ろうとする瞬間に提督はピアノからバイオリンに楽器を替えて演奏していました。
まだ春なので夜桜が舞い、まるで提督達の演奏を聞きに来てるような雰囲気で綺麗でした。
とても幻想的で夢を見ているような…少しうっとりしてしまいましたが衣笠を見ました。
「凄い綺麗…嫌々でついてきたけどいいのがみれたわ」
とても満足した顔で聞き惚れていました。
演奏が終わ理想になると今度は提督が指揮台に立ち上がり妖精さん達を見渡します。
「今回みんな集まってくれてありがとう。さっきまではこれから繰り広げられる闘いへの我々の意気込みと一応の敵への敬意だ。そしてこれから弾くのは闘いの中で沈んでしまった仲間達…そしてこれから海へ向かっていく艦娘達へ送る演奏だ。誰も聞いていない…誰も知らない…だが私達が知っている…そんな演奏をここで残し気合いを入れよう!」
全ての妖精さんが手を上げて同意していました。
提督さんは私達の…艦娘達へ捧げるために演奏していたのですね。
隣で衣笠は嬉しすぎて泣きじゃくっています。
しかし困りますねこれでは新聞に載せずらいです。
提督が指揮を振り演奏が始まりました。今度の演奏は儚く弱々しいです。それなのにとても心地よく眠くなります。
夜桜から次は海に月の光が差しています。ゆっくりとピアノ部隊が演奏しそこにひっそりとつきそうバイオリンとバス部隊がいます。
私達への感謝や沈んでしまっていく子達への悲しみ、さまざな感情がこの曲に寄せられているのがわかりました。
全部で20分近くで終了した演奏は終わり提督さんが終わりの合図を出していました。
「これで終わりだが皆の為にお菓子を用意した。食堂にあるから各自自分の楽器を片付けてから向かってくれ!もちろん、お菓子を食べてからの楽器の手入れは怠らないように!解散!」
「不味いですよ衣笠!早くここから出ないと気付かれますよ!」
「待っでよあおば〜」
青葉達はすぐに避難して部屋に戻りました。
外でガサゴソいってる音がする中このことを伝えるべきか悩んでいました。
「これを新聞にはしづらいですねーどうしましょうか」
「私達の宿舎の食堂で流すのはどうかしら?提督には気付かれないはずじゃない?」
「それです衣笠!そうしましょう!」
そして一週間後に編集した提督のオーケストラを流しました。皆さん演奏にとても喜んでいましたが食堂にいる妖精さんに告げ口され後日執務室に呼ばれました…
後日青葉達はどうなったのでしょうねー