仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

15 / 76
孤独が終わる。絶望が始まる。


ステージ3『もうno fear』
STAGE 03-01 (side:magica-T.M.)


「ティロ・フィナーレ!」

 

 

 

棘の付いた頭を持つ黒猫の姿をした使い魔。

撃ち抜けば結界は崩れ、辺りは夜の公園に戻る。

 

「や、やった!」

「やっぱマミさんってカッコイイねぇ!」

 

私の魔女・使い魔退治に魔法少女候補の2人と仮面ライダーの2人、パラドさん、……檀黎斗さんが付いてくるのも、もう何度目か。

鹿目さんはまだ足が震えているようだけど、美樹さんは慣れてしまったのか跳ねて喜んでいた。

 

「もう……見世物じゃないのよ」

「危ないことをしているという意識は忘れないでおくべきだ」

「はぁーい」

 

私と鏡先生が諫めても美樹さんはどこか楽し気に返すだけ。

 

宝生先生の変身するエグゼイドも鏡先生のブレイブも、以前とは違って魔女たちとまともに戦うことができていた。

エナジーアイテムという物はまだ出現させられていないらしいけど……。

それも全て、あの檀黎斗さんがマジックザウィザードガシャットで成したこと。

 

薔薇園の魔女を倒した次の日から彼はまだ変身していない。

エグゼイドとブレイブが戦うから変身する必要がないのか、変身を禁じられているのか、それとも――。

 

「グリーフシード、落とさなかったね」

 

変身を解いた宝生先生がふと呟いた。

この人も、変身すると性格が変わるというのが気になるけど……。

それ以外の時に見せる優しさは本物だと感じるし、檀黎斗さんよりは余程信頼できる。

 

『今のは魔女から分裂した使い魔でしかないからね』

「魔女じゃなかったんだ……」

「なんか、ここんとこずっとハズレだよね」

「だが、使い魔でも結界を張り呪いをかけられる以上、放置することもできない」

「ええ。成長すれば分裂元と同じ魔女になりますし」

「ウイルスみたいだな」

 

鏡先生は真面目で冷静なドクター。

パラドさんは素性は窺い知れなくても、変身できなくても鹿目さんと美樹さんを庇ってくれる。

……やっぱり、私には独善的な檀黎斗さんだけが信用できなかった。

 

「……さぁ、行きましょう」

 

公園を後にして帰路に着く。

今日は少し探し出すのに時間がかかり、遅くなってしまった。

私はひとり暮らしだからいいけど、家まで送るとはいえ鹿目さんと美樹さんはあまり遅過ぎると家族に心配をかけてしまう。

 

「2人とも、何か願い事は見つかった?」

「んー……まどかは?」

「うーん……」

「まぁ、そういうものよね。いざ考えろって言われたら」

 

苦笑いを浮かべながらも、内心で考えているのは別のこと。

私の場合は考えている余裕さえなかった。

だから、せめてこの子たちにはしっかりと考える時間をあげたい。

 

「マミさんはどんな願い事をしたんですか?」

「っ……」

 

聞いてすぐ、鹿目さんはハッとして自分の口を手で塞いだ。

前に宝生先生に聞かれて私がはぐらかしたことを思い出したらしい。

 

「いや、あのっ! どうしても聞きたいって訳じゃなくてっ!」

 

そろそろ彼女たちに話してもいいと思い始めていた、けど……。

 

「私の場合は――」

「ああ。ポッピーに買い物を頼まれていたんだった。私は先に失礼するよ」

 

チラッと見た途端、檀黎斗さんはそう言って歩き去った。

白々しい嘘だというのは宝生先生たちも見抜けているハズ。

私に気を遣った? 貸しを作らせた? 警戒心を解かせるため?

 

「マミさん……?」

「……。家族でドライブに出かけた帰りだったわ。

 反対車線の車が横転してぶつかって……。

 気が付いたら、私はシートに挟まれていて、血を流した両親はもう動いていなかった。

 割れた窓ガラスから青空に手を伸ばして……そこに、キュゥべえがいたの」

 

今でもハッキリと覚えている。

あの澄み渡るような青と、ガソリンの匂いと、涙の味を。

 

「……契約をするしか、なかったんだな」

「後悔している訳じゃないんです。あそこで死んじゃうよりは、余程良かったから」

 

下を向いて何も言えない鹿目さんと美樹さん。

複雑そうな面持ちで拳を握り締める宝生先生とそれを見つめるパラドさん。

鏡先生も悲痛な思いが顔に溢れ出ている。

 

……ここに檀黎斗さんがいたら、一体どんな顔をするのかしら?

 

「ねぇ、マミさん。願い事って自分のための事柄でなきゃダメなのかな?」

「え?」

「たとえば、たとえばの話なんだけどさ。

 あたしなんかより余程困ってる人がいて、その人のために願い事をするのは――」

「それって上条くんのこと?」

「た、たとえ話って言ってるじゃんかぁ!」

 

そういえば、春に交通事故に遭って入院している2年生がいると聞いたことがある。

その子の名前もたしか上条だったけど、彼を治したいということ?

 

『別に契約者自身が願い事の対象になる必然性はないんだけどね。前例もない訳じゃないし』

「でも、あまり感心できた話じゃないわ。

 他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをハッキリさせておかないと。

 美樹さん、あなたは彼に夢を叶えてほしいの? それとも、彼の夢を叶えた恩人になりたいの?

 同じようでも全然違うことよ、これ」

「……その言い方は、ちょっと酷いと思う」

「ごめんね。でも今のうちに言っておかないと。

 そこを履き違えたまま先に進んだら、あなたきっと後悔するから」

 

彼女の瞳は揺れていた。

 

「永夢先生と飛彩先生は……もし願い事が叶うなら、ドクターなら怪我や病気を治すとか失くすとか願うの?」

 

突き付けられた素朴な質問に、2人のドクターは顔を見合わせることもなく答える。

 

「ううん。多分、願わないよ」

「俺もノーサンキューだ」

続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?

  • 三人称
  • 一人称
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。