仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

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STAGE 03-04 (side:doctor-K.H.)

「さやかちゃんと上条くんは幼稚園の頃からずっと一緒で、家も近所で、よく家族ぐるみで遊んでいました。

 上条くんはその頃からバイオリンがとても上手で、全国大会にも何度も出ていて、みんなから将来を期待されていて――。

 でも、今年の春に交通事故に遭ってしまって、今は左手が麻痺しているんです」

 

昨晩美樹さやかを送った後で鹿目まどかからその話を聞いた俺は、彼女たち・キュゥべえ・小児科医・パラドと見滝原市立病院へ来ていた。

この待合室に美樹さやかはおらず、先に上条恭介に話をしに行っている。

ああ、何故か付いて来て売店にコーヒーを買いに行った檀黎斗を忘れていたな。

 

病院へ来た理由は3つ。

ここまで発展した都市の病院の設備や医療を見学し、今後に活かすこと。

その病院でさえ治せない上条恭介のカルテを見せてもらえないか、交渉すること。

もし可能であれば俺自らが執刀医としてオペを行うこと、だ。

 

鏡総合クリニックにはドクター全員の医師免許証(開業医は放射線科)とポッピーピポパポの看護師免許証があった。

しかし、本来俺たちはこの世界に存在していない。

経歴などにどの程度粗があるかもわからず、どの程度この世界の医療機関に関われるかもわからない。

カルテは重要な個人情報だ。そう簡単に不確かな者へ見せられるものではない。

 

それに、俺は医療関係者全般を信頼している。

当然俺は世界一のドクターだが、この世界にも元の世界にも優秀なドクターはたくさんいる。

今は治せなくともいつかきっと治療法が見つかるだろう。

まぁ、全てはカルテを見なければ判断できないことだが。

 

「はあ……お待たせ」

 

美樹さやかが帰ってきたが、明らかに浮かない様子だ。

 

「上条くん、会えなかったの?」

「なんか今日は都合悪いみたいでさ……。

 永夢先生たちも、わざわざ来てくれたのにごめんなさい」

「ううん。謝ることないよ」

「カルテを見ていないので断言はできないが……。

 麻痺が残っているなら安静にしておくべき日もあるだろう。

 容態に悪化がなくとも大事を見て、な」

「また都合の良い日に来ればいいだけだ」

「……ですねっ!」

 

コロッと表情が明るく変わった美樹さやかが先頭となり、俺たちは病院を後にする。

檀黎斗のことは本気で忘れて置いてけぼりにしていた。

 

「あっ、この前買ったCDさ。渡した時、恭介のヤツすごい喜んでた!

 ネットでも手に入らないレアなヤツだったみたい」

「へぇ!」

「クラシックはスピーカーで聴くのが一番だと記憶しているが、院内ではどうしている?」

「え? えっと、それは、イヤホンを半分こして……」

「ダメですよ飛彩さん。デリカシーのない質問しちゃ」

「なっ、俺は単純に気になっただけだ!」

 

モジモジしながら赤くなった顔を逸らす美樹さやか。

その足が急に止まり、遅れて俺たちも歩みを止める。

彼女が目と口を大きく開けて指差す先、自転車置き場の柱にこびりついている黒い物体は――

 

『グリーフシードだ! もうすぐ孵化する!

 病院でかなり生命力を吸ったみたいだ。4人掛かりでないと倒せないかもしれない!』

 

脈でも打つようにグリーフシードの周りの闇は黒く蠢いていた。

闇の範囲は徐々に広がり、柱を呑み込もうとしている。

 

「黎斗さ……あ」

「ゲンムは俺が探す!」

 

パラドが走り出し、角を曲がった所でバグスターがワープする時の音が薄っすらと聞こえた。

まだ正体を明かしていない女子中学生たちに対し、それを目撃させる訳にはいかなかったのだろう。

 

「マミさんの携帯、聞いてる?」

「ううん……」

「じゃあ、まどかはマミさんを呼びに行って。あたしが残れば、テレパシーで連絡できるでしょ」

「そんな! 危ないよ!」

「放っておけないんだよ! こんな場所でっ!!」

 

握り締められた美樹さやかの拳が震えている。

大切な人の身に危険が迫っている時、居ても立っても居られなくなるのに、大人も子どもも関係ない。

 

「大丈夫。僕たちが絶対に守るから」

「ああ。だがなるべく早く頼む」

「……はいっ!」

 

鹿目まどかの背を見送ってゲーマドライバーを装着する。

 

「問題は檀黎斗がどうするかだな」

「……前からちょっと思ってたんですけど、黎斗さんも仲間なんですよね……?」

「そう思い込みかけた時期もあったが、結局奴は俺たちを利用していた」

「それって、裏切ったってこと!?」

 

グリーフシードを睨みながら、口が滑ってしまったと感じた。

巴マミが檀黎斗を怪しんでいるのが明らかにも拘らず、不信感を抱かせる発言は控えるべきだった。

 

「飛彩さん……」

「……オペにおける最大の魔物は己の感情。今は俺の私怨などどうでもいい。

 しかし、檀黎斗の動向には常に注意を払うべきだ。小児科医」

 

そもそも檀黎斗のいない状況でタイミングよく(悪く?)魔女の卵が見付かること自体不自然だ。

それでも、たとえ仕組まれた筋書きだったとしても、俺はこの事態を切り抜けてみせる。

Say and Do.口にして行動する、ただそれだけ。

 

 

「俺に切れないものはない」

 

 

グリーフシードが光を放ち、生まれた魔女の結界が展開された。

続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?

  • 三人称
  • 一人称
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