仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
永夢先生とパラドさんが急に襲ってきた何かを弾き返しました。
それは顔くらいの大きさの矛先で、ヌンチャクのような物が長く連なっていて。
意思を持っているみたいにシュッと引いていきます。
「誰だッ!?」
「あれは――!」
「見てわかんないの? ありゃ魔女じゃなくて使い魔だよ」
使い魔と仮面ライダー、使い魔とさやかちゃん、仮面ライダーとさやかちゃん。
それぞれの間に、邪魔するように張られる鎖のバリケード。
「グリーフシードを持ってるわけないじゃん」
さやかちゃんの後ろから路地裏に歩いて現れたのは、赤い魔法少女でした。
左手の大判焼きを一口食べて、ニイっと八重歯を見せて笑っています。
ヌンチャクは鎖の部分を縮めて繋がって、彼女の背より少し長い槍にまとまりました。
「だって、放っといたら誰かが殺されるのよ!?」
「だからさー、4、5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。
そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだから。
アンタら、卵産む前の鶏シメてどうすんのさ?」
わたしを支えていたマミさんの手がブルブルと震えていたけど。
その子の言葉がショックで、わたしは気付けません。
「どうしてそんなこと言うの!? あなただって、魔法少女なんでしょ!?」
「魔女に襲われる人々を、見殺しにしろって言うのか!?」
「仮面ライダー……アンタ、たしかドクターなんだっけ?
ドクターってのは自分のこと神様とでも思ってんのか?」
「そんなこと――」
「食物連鎖ってあるよねぇ? 人間様だけは特別って? 笑わせんな。
弱い人間を魔女が食う。その魔女をアタシたちが食う。
これが当たり前のルールでしょ。そういう強さの順番なんだから」
違う! と叫びそうな永夢先生に遮られる前に。
赤い魔法少女はさやかちゃんの方に向いて、バカにするように言います。
「まさかとは思うけど、やれ人助けだの正義だの……。
その手のおちゃらけた冗談かますためにアイツと契約したわけじゃないよね、アンタ?」
「だったら、なんだって言うのよ!」
怒りを爆発させて、地面を蹴って斬り掛かるさやかちゃん。
赤い子はその一撃も片手で持った槍で防いでいて。
余裕を見せつけるかのように、あむあむと大判焼きを食べます。
「さやか!」「さやかちゃん!」
「ふたりは使い魔を追って! コイツはあたしが足止めするッ!」
「そーそー。外野に遊び半分で首突っ込まれるのってさ、ホントムカつくんだわ。
ただ覚えときな。アンタらのガシャットとかいうのも、いつか寄越してもらうよ」
永夢先生とパラドさんはそれでも少し躊躇っていました。
でも、この間に誰かが襲われることや、目の前に張られたバリケードのことも考えて。
「ケガするなよ!」
「ふたりともね!」
と叫んで、逃げた使い魔を追って走り出します。
「……フン、トーシロが。ちったぁ頭冷やせっての」
ふたりが去ったのを確認してから、赤い子は僅かに体を捻らせて、剣を払い除けて。
くるりと回転すれば槍はまたバラバラになって、鞭のようにさやかちゃんの体を何度も叩きました。
「ルーキーがアタシとタイマンなんて、無理に決まってんじゃん」
「さやかちゃんっ!」
地面に倒れ込んださやかちゃんに背を向けて、歩き去ろうとする赤い魔法少女。
でも、さやかちゃんは苦痛に顔を歪めながらだけど、すぐ立ち上がってまた剣を構えます。
「……おっかしいなぁ。全治3ヶ月ってぐらいにはかましてやったハズなんだけど」
「さやかちゃん、平気なの!?」
上条くんを
さやかちゃんの傷が青く発光して、どんどん治っていました。
「自分の損得勘定ばっかりで、他人の命がどうなろうと構いもしない……!
アンタみたいな魔法少女が、マミさんみたいな優しい人をひとりぼっちにするんだ!!」
「ッ……他人のために戦ったって、一文の得にもなりゃしないってのに!
言って聞かせてわからねー、殴ってもわからねーバカとなりゃあ……後は殺しちゃうしかないよねぇ!!」
バンッ!
すぐ隣でした発砲音に、わたしはビクッとしてしまいます。
「……なぁんだ。てっきりぼーっと眺めてる腰抜けになったもんかと思ってたよ、
「その子は私の
変身していたマミさんの銃口が、赤い子に向けられていました。
その子は、あの時のほむらちゃんと同じようにとても傷付いたという顔を一瞬だけして。
すぐにギィッと八重歯を見せて、マミさんを睨みます。
「ウゼェ、超ウゼェ!」
さやかちゃんに槍を向けて、怒りをぶつけるように攻撃を始める赤い魔法少女。
マミさんは次々に銃を出して撃っていきます。
「どうして!? どうして、魔女じゃないのに……どうして味方同士で戦わなきゃならないの!?」
わたしはまた、ただ見ているだけ。
目の前で起きている争いを、目を逸らすこともできずに、でも止めることもできずにいました。
魔法少女になれば、そうすれば鈍くてうまく自分を表せない子どもから、わたしも変身できるのかな……?
「今が……わたしが、覚悟を決める時」
「それには及ばないわ」
マミさんの弾が赤い子に当たる、と思った瞬間。
いつの間にか彼女は元いた所から少しだけズレた場所にいて、すぐ傍には――
「暁美さん……あなたは誰の味方なの?」
「私は冷静な人の味方で、無駄な争いをするバカの敵。
巴マミ、美樹さやか、それに佐倉杏子。あなたたちはどっち?」
その言葉にみんな固まって、名前を呼ばれた赤い子も彼女の登場に驚いた表情をしています。
「ほむらちゃん……」
「あなたは関わり合いを持つべきじゃないと、もう散々言って聞かせたわよね?
一体何度忠告させるの? どこまであなたは愚かなの?」
いつもは氷のような目なのに、今は怒りの炎が揺らめているようで。
ほむらちゃんが本気で怒っていることが伝わってきて。
だけど、それはただわたしを責めているだけではないようにも思えました。
「愚か者が相手なら、私は手段を選ばない」
resolution(レゾリューション):覚悟。語源は再びを意味する接頭辞reと解くを意味するsolvere。
運命を覚悟した者は幸福だと思います。ウンメイノー。
日本語の方の解説はもうネタがないです。
敢えて言うなら大判焼き。
今川焼きなど呼び方は様々ですが、私は祖父母の家の向かいのおばあちゃんが焼いていたのが大判焼きだったので、この呼び方で。
続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?
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三人称
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一人称