仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
STAGE 06-01 (side:doctor-H.T.)
明らかな異変が起きていた。
魔女と使い魔がどんどん増えている。
1回の外出・パトロールで1回は確実に発見する。
俺たちがこの世界に来たばかりの頃、魔女の存在を認知した当初はそんなことなかった。
魔法少女と違い、自分から魔力の痕跡を追って探すことができないのにこれだけ遭遇するなら、数が増えているとしか考えられない。
さやかが契約してから――キュゥべえが姿を見せなくなってからだが、関連は不明だ。
で、だ。
今日もついさっき使い魔をぶち抜いたばかりで、それなりに疲れてるんだが。
「大我さぁ……スパコン無しでアタシの勝ちとか、超つまらないんだけどぉ~?
あっほら、夜戦突入して」
俺はニコに引っ張られてゲームセンターに来ていた。
「プロゲーマーに敵う訳ねぇだろ!
いつからあんな複雑になったんだ。……探照灯か」
「まあ複雑化には賛否両論あるし、ビギナー向けじゃなかったかもね。
ちょっと! そこ着弾地点だから!」
「回避ボタンは――」
「そういうゲームじゃないからこれって、アア!? 大和中破したじゃん!」
「イッテ! 蹴んなッ! ……脱げるのか」
「ヘンタイ」
「ハァ!?」
今は艦隊(を模した装備の女キャラたち)を操って敵艦を殲滅するシミュレーションゲームをやらされている。
ボロ負けにされた格闘ゲームに比べればわかりやすいが、初めての操作にすぐ慣れられる程俺は器用じゃない。
もう日も暮れる時間だが、店内はキャラグッズを身に付けた奴らや会社帰りのサラリーマン、学校帰りの高校生たちで賑わっていた。
未成年でも、16歳以上ならまだ遊んでいられる時間のハズだ。問題はない。
問題があるとすれば、そんな喧噪の中で俺とニコだけ浮いているように感じることだ。
「いいでしょ息抜きくらい? アタシだってたまには幻夢以外のゲームしたいよ。
永夢とパラドも、パトロールの途中とか後によく行ってるっぽいし」
あれから数日……腰を据えて話すこともできず、マミとさやか・俺たちの間には溝が生じつつあった。
ちょっと予定が、と遠回しに避けられ、杏子の情報を聞くこともまともにできずにいる始末だ。
日中はクリニックの仕事があることや魔女と使い魔の増加があったことは、言い訳に過ぎないか。
その重い空気をニコも感じていて、ここらで気分転換したいと思ったんだろう。
そもそもお前が俺のパトロールに付いてくる必要はないんだがな。
「終了? おい、まだクレジット残ってんだろ。いいのか?」
「いいって。なんか大我やらしー目してるし」
「してねぇ」
んなこと言うくらいなら、女キャラの服が破けて露出増えるゲームをやらせんな。
「次行こ、次っ!」
「まだ何かやらせんのか……」
また俺の腕を引っ張り始めるニコ。
ゲーセンで何円使ったかは考えちゃダメですよ、と前にエグゼイドがすげぇ目つきで語ってたのを思い出した。
「? 大我、アレ……」
「~♪」 エキサイエキサイターカーナール
急に立ち止まったニコが指差す先、Dog Drug Reinforcement.という有名なダンスゲーム。
4方向のパネルの上で軽快な動きで、棒型のお菓子を咥えてプレイしている、明らかに中学生くらいの背丈の少女。
「店員に言ってくるか」
「そうじゃなくて! アレってあの魔法少女じゃない?」
水色の長袖パーカーに青色のショートデニム。大きなポニーテールに黒いリボン。
確かによく見れば、ゲンムが監視カメラをハッキングして入手したらしい画像の格好に一致している。
「……お前、佐倉杏子か?」 アイムオンザミションライナウッ
「……ふーん。アンタらも仮面ライダーか。デート中かい?」 エキサイエキサイコーターエーハ
断じてそんなんじゃねえが、俺もニコも咄嗟に距離を取った。
「て、ていうかプレイ中に物食べんなよ!」 ススムベキライフ
「……フン」 イキテクダケー
杏子がタンッと最後にステップを決めれば、画面には点数が映る(おそらく高得点)。
「へぇ。やるじゃん」
対抗心を燃やしたのか、澄まし顔で降りる杏子と入れ替わりでニコがパネルに上がった。
どうやら選択したのも同じ曲で、お手並み拝見というように杏子は俺の隣に立つ。
「……家族が心配するぞ」 ヘタナシンジツナーラー
「いないよ。ドクターってのは患者の私情にズケズケ踏み入ってくるのか?」 シラナイクライガイイノニ
どういうことなのか。帰る場所はあるのか。
マミとの関係も含め聞きたいことは元から山程あり、新たな疑問も次々湧いてきたが。
そのセリフに俺はしばし言葉を失い、それらを聞ける雰囲気ではなくなっていた。
「……。魔女と使い魔が増えてるのは、気付いてんのか?」 エキサイエキサイコーコーローガ
「そうらしいねぇ。ちょいと多過ぎるくらいさ」 ミーチビークアノバショーヘ
「協力する気はねぇのか?」 カーケヌーケテークダーケ
「ある訳ないじゃん」 アイムオンザミションライナウッ
「……。魔法少女殺しのことは?」 アイムオンザミションライナウッ
「ああ……。
「いや。怪しい奴なら身内に1人いるんだがな」 コノテノナカー
「……随分とベラベラ話すね」 ススムベキライフ
「敵対する気はないからな」 イキテクダケー
タンッ。
ゲーム画面には先程の上を行く点数と、PERFECT・NEW RECORDの文字が堂々と映った。
それを見て、くるりと後ろへ向き杏子は立ち去ろうとする。
揺れたポニーテールがぶつかりかけて、俺は思わず身を退いた。
「負けたのがそんなに悔しいか?」
「ハァ? こっちは話しかけられて気が散ってたんだ。
子ども相手にマジになるなんざ、ちったぁ大人になれっての」
マイティノベルでチビニコに会った時のことを思い出す。
そして絶対にコイツとニコを同時に相手してはいけないと、本能的に察知した。
「まっ、ナメられたままってのも癪だしね。その内借りは返させてもらうよ」
「……なら、それまでは無事でいるんだな」
続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?
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三人称
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一人称