仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
ムカつく、ムカつく。
帰り際に丁度魔女と出くわしたのは好都合だった。
歯応えのない奴だったけど、ストレス発散にはなったから問題なし。
問題があるとすれば、その時たまたま巻き込まれたガキを助けちまったことだ。
「お前の親を殺したのは魔女っていうバケモンさ。アタシはソイツらと戦う魔法少女ってヤツ」
「魔女……魔法少女……?
おねえちゃん、おねえちゃん、おねえちゃん。
――モモのことさえ思い出さなければ、放っておけたのに。
「……そんないいモンじゃないよ」
7歳くらいのこのガキは、親の死体の前でも泣き喚かなかったクセして、ヤケに腹を空かせていたようで。
食うかい? と近くのベンチで塩パンを与えてやれば、バクバクと平らげやがった。
「愛と勇気に溢れてる訳でも、救いがある訳でもない。
壊されたモンも殺されたモンも戻ってきやしない。
だから食い物だって、これからはお前ひとりで――」
「ゆま」
「アン?」
「
このガキ……。
「ひとりなんてムリだもん……だってパパもママも死んじゃったもん!
わたしもうどこにも行くところないもん!!
おねえちゃん、だってわたし……ひとりじゃ……、だって……」
ここで泣き始めるのかよ……ああクソッ、なんでだ。
「――ったく、マジでしょーがないガキだね。
アタシは
「キョーコ?」
「ひとりで生きる術ならアタシが教えてやる」
「ゆま、ホテル初めて! すごいすごい! ベッドふかふかっ!」
「あんまり騒ぐなよ。目付けられるからね」
「迷子のフリしてともかく泣いてな。気が取られてる隙にアタシが盗む」
「う、うえーん、うえーん。ママぁどこー?」
「シャンプー目に入ったぁ!」
「死にゃあしないよ。我慢しな」
「ご、ごめんなさい。次は上手にやるから……失敗しないから……」
「背伸びすんな。一人前になるまで、一人で勝手に動くんじゃないよ」
「おいこらっ! 枕取るな!」
「だってー、キョーコの髪の毛鼻にかかってムズムズするんだもん」
「キョーコ! ちゃんと全部食べたよ!」
「ハイハイ、ゴクローさん。……まぁ、こういうのも悪くないかな」
「なに? なにが悪くないの?」
「なんでもないよ。ほら、口拭いてやる」
「ゆま! 大丈夫か!?」
「う、うん……」
魔女を殺った後駆け寄るとゆまの顔面に血が付いていた。
慌てて拭くが、ただ魔女のが散って付いただけだったらしい。
「なんだ、ビックリさせやがって――」
一瞬ホッとして、でもすぐに前髪で隠されていた額の傷を見つけ、息を呑む。
魔女にやられたケガじゃない。火傷――タバコを押し付けられた跡、か?
「……親か?」
その一言でゆまはアタシが何に気付いたのか察して、両手をギュっと胸の前で握って。
カタカタと全身を震わせ始める。
初めて会った時、ひとりで生きていけって言った時と同じ……急な反応だ。
「……話したくなけりゃ、聞かないけどさ」
よく知らないけどPTSDとかいうヤツなんだろう。
無理に聞き出そうとしても、多分トラウマを抉るだけになる。
「――わたし、ホントはパパもママも好きじゃなかった」
けど、しばらく黙り込んでから、ゆまはゆっくりと声を絞り出した。
「パパとママはケンカばっかり。パパは家に全然いないし、ママはゆまにイジワルするの。
生まなきゃよかったって、すごくイジワルするの」
「……親に裏切られる気持ちなら、わからなくもないよ。アタシも似たようなもんさ」
世知辛い話だ。
子は親を選べない。なのに親は子を平気で否定するし、そのクセ誰かに託そうともしない。
捨てられないように媚びて、突き放されて、でも他に居場所を知らないから逃げ出せない。
「ねぇ、キョーコが強いのは魔法少女だから? ゆまがイジメられるのは、ゆまが弱いから?
わたしは強くなりたいっ! 魔法少女になって、変身したい!!」
「ゆま……。魔法少女になろうなんて考えるな」
「……なんで? なんでダメって言うの? キョーコも、ゆまのこと役立たずだって思ってるの!?」
パニクったのか、頭を押さえながら唸り始めるゆま。
「ゆまっは……! 役立たず……ない……。役立たずなんかじゃないっ!!
キョーコの役に立つ! 言うことなんでも聞く! 好き嫌いだって言わない!
だから――ゆまをひとりにしないで」
ああ、なんでそんな泣いてんだよ。なんで怖がってんだよ。
「バカだなぁ……他人のために魔法少女になんかなったって、何にもなりゃしないのに……」
「うっ……? キョーコ、泣いてるの?」
「バーカ。泣いてなんかないよ。……ゆま、よーく聞きな」
「誰かに好かれるために我慢ばかりしたって、自分が辛くなるだけだ。
もしゆまがアタシに好かれるために魔法少女なっても、ゆまは我慢し続けることになるし、そんなのアタシは嬉しくない。
自分のことが嫌いでも……ゆまはゆまのまま、なりたい自分に変身すりゃあいい」
「ゆまのまま……」
それは、アタシにはできなかったことだから。
「……キョーコ」
「ん?」
「キョーコは正義の味方じゃないって言ったけど……。
でもキョーコはぜったい――わたしのヒーローだよ」
続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?
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三人称
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一人称