仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

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友情が終わる。堕落が始まる。


ステージ7『Fellow soldierなんていないんだぞ』
STAGE 07-01 (side:doctor-K.K.)


「うっ、ああ……またこの手の……。

 え……誰……、なに……つまんねぇギャグ……。

 いつまで続け……、本気で……笑うまで……?

 ソイツはムリゲー……。仮面ライダーゲンムズってなに……。

 やめて……やめろーーーって! あっ? 夢かよ!?」

「黙れええええええ! 私の睡眠を邪魔するなぁああああああああ!!!」

「うるさいッ!! うるさい! あなたこそ黙っててください」

「…………」

「……怒られちゃった」

 

鏡総合クリニックの3階、階段を上がって左の大部屋。

今は男部屋として使われているそこに、本来は患者を寝かせるためのベッドが6台。

うなされて跳び起きた自分と続いて叫び起きた檀黎斗と、すっごい目をした永夢。

一通りの流れをやってから、自分たちはスッと再び横になった。様式美っておそろしいね。

 

ドクターってのはどんな世界、どんな場所にいても過酷な仕事だ。

他の職でも学生でも変わらないが、苦しい人間は大抵些細なほのぼのを大事にする。

時にはバカになったりムリして持ち上げたりしてでも。

 

生真面目だしひとりで背負い込む人が多いからねー、このクリニック。

ま……そんな自分でも、特に永夢からすればお前が言うなって感じなんだろうぜ。

 

さて、夜も明けていないが再び眠るにはまだ時間がかかりそうだ。

睡眠の導入代わりに、自分は昨日の出来事をぼんやりと思い返すことにした。

 

 

 

ポッピーとニコちゃんが買ってきた、なんか可愛いキャラ柄のエプロン。

永夢とパラドはともかく、大先生や白髪先生が着けてるともう腹筋崩壊モノだが。

ダントツで似合わねぇのは檀黎斗だ。

 

洗い物は当番制のままで買い出しも自分たちがパトロールついでに行く。

けど、魔女と使い魔が増えていることもあって、最近の夕飯作りは変身できないポッピーとニコちゃんに任せきりだ。

檀黎斗はガシャットの修正作業を続けていて、他のことはしようともしないし、誰もそこら辺は期待してない……ハズだったんだが。

帰ってきてみればエプロン着て鼻歌歌いながら、指揮するように鍋を混ぜていて、ポッピー以外の全員目が点になった。

 

「どういう風の吹き回しだ?」

「ポッピーがどうしてもと言うからね。私のカレーを存分に味わうがいいィ!」

「どうしてもなんて言ってないけど!

 お夕飯作らなきゃなー、でも疲れてるなーって呟いたら、クロトが作ってくれるって言うからぁ」

「スパイスにも拘りたかったが、私の手に掛かれば市販品で極上のカレーを作り出すことなど容易い!

 さあ、中辛の恵みを受け取れェィ!」

「いや喧しいな神」

 

急な上機嫌っぷり……作業に集中し過ぎたせいでとうとう狂ったかと思ったが。

腹立たしいことにカレーはそんじょそこらのチェーン店よりも上を行く美味さだった。

市販のルー使ってここまでできるかよフツー……。

大先生・白髪先生・ニコちゃんも最初は怪訝な顔だったが、一口目でもうその味を認めざるを得ないという感じになった。

 

当たり前と言えば当たり前のハナシ、死んだらもう何も食べられない。

ロコモコもビーフストロガノフもイチゴリゾットも、二度と。

他の何かを喰らうってのは生きてる奴だけの特権であり、それが生命の円環だ。

 

だが、そんな生を感じられる場でも、時には惨い現実の話をしなきゃならない時がある。

 

「そんな……酷いっ!」

 

魔法少女・キュゥべえとの契約・ソウルジェム……耳を塞ぎたくなるような真実。

ポッピーのスプーンはしばらく止まっていた。

 

「キュゥべえ……可愛い子だと思ってたのに! 魔法少女だって、可愛いし夢があるなって……。

 なのに、どうしてそんな酷いこと――

「わけがわからないな」

 

やれやれと溜め息を零し、檀黎斗がマグカップをソーサーに置く。

 

「何故君たちはそんなに魂の在処に拘る? キュゥべえの理屈を否定したがる?

 ただの人間と同じ壊れやすい身体のまま戦わせる訳にいかないのは当然だ。

 君たちが仮面ライダーに変身して戦うのと変わりない。

 しかも身体は魔力で修理すればすぐまた動くようになる……実に効率良く便利で安全じゃないか」

「神、お前――

有限の生命など陳腐だ。

 魂を抜き出されても、日常生活には何の支障もなかったんだろう?

 あの身体……ゾンビになることのどこに問題がある?」

 

パシンッ……。

ほんの僅かな間、世界からその残響以外の音が消えたように感じた。

 

振り抜いた平手――肩から上全てをプルプル震わせて、今にも泣き出しそうなポッピーと。

激昂する訳でも赤くなった左頬を押さえる訳でもなく、ただ不服という表情でそれを見上げる檀黎斗。

 

「本気で、そう思ってるの?」

「ああ」

 

即答。

ポッピーはもう一度手を振り上げて、それでも変わらぬ目で自分を見つめてくる檀黎斗に

 

「……っ!」

 

涙を一粒残して、女子部屋に駆けて行った。

 

「「ポッピー!」」

 

慌ててニコちゃんとパラドが後を追う。

永夢も一歩だけ動いたが、流石に女子部屋には入れない。

 

「チッ」

「ッ……」

 

舌打ちして男部屋に戻る白髪先生と、やるせないという顔で続く大先生。

 

「「……」」

 

テーブルには睨む永夢と腕を組んだまま視線を返す檀黎斗、2人を見ている自分。

そして空になった7人分の食器と、まだ3口分くらいあるポッピーのカレーだけが残っていた。

続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?

  • 三人称
  • 一人称
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