仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory   作:柳川 秀

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STAGE 07-03 (side:doctor-K.K.)

今日は午後休診の曜日だ。

昼飯を食べ終えた後、出掛けた白髪先生とニコちゃん以外の自分たち6人がいるクリニックの2階は、重たい空気に包まれている。

 

「図ったのか?」

 

切り出したのはパラドだった。

問われた檀黎斗は余裕の表情で、微塵も動揺していないけどな。

 

「さて? 何のことを言っているのかわからないな」

「惚けんなよ。魔法少女の在り方は、お前の理想の()()()()()ってヤツだろ?」

「だから私が作ったシステムだと? それは論理の飛躍だろう」

「……多分、契約のシステムはキュゥべえが作ったもんだ。

 そのキュゥべえがいない間に魔女と使い魔は増えた。

 お前とキュゥべえは、繋がってるんじゃないのか?」

 

自分も気になってた点だが、それは嘲笑で否定される。

 

「それこそこじつけだ。少なくとも、私はアレと手を組んではいない」

「……監察医、お前の見解を聞こう」

「自分もサッパリだ。嘘を吐いている様子はないが、隠し事がないって感じでもない」

「そうか……埒が明かないな。口を割らせるには、相当の労力が必要になりそうだ」

 

鋭い目を向ける大先生だが、檀黎斗はやれるもんならやってみろとでも言うような態度のまま。

それを見て、別の方向性で鋭い目をしてた永夢が口を開いた。

 

「事実がどうかを聞くのは難しいかもしれません」

「ほう? 君にしては随分諦めがいいな」

「だから、元の世界に戻る条件について()()()()()()()()()()()()()()を教えてください」

 

客観的なことを聞いてもはぐらかされるなら、主観的なことを聞いて探るって寸法ね。

 

「本当のクリア条件……そもそも存在するのか?」

「パラド、最初に言ったと思うが、この世界は私の作ったゲームの中ではない。

 何かをクリアすれば脱出できるという保証はない。

 しかし、だからといって魔女と魔法少女について見過ごすこともできないだろう?」

「……。クロトは、マミちゃんたちのことも救おうと思ってるの……?」

「私のゲームは必ず人類を救うよ」

 

それが人類にとっては有難迷惑でも、独り善がりでもか。

 

ハゼッタァーーーーー♪

おっ、買い出しに行った白髪先生からの着信音(永夢と選んで設定した)。

だが、スピーカーモードで通話を押すと、聞こえてきたのは

 

「大我、左上! 次電柱の奴ッ!

 もしもしレーザー? なんかヤバイくらい使い魔がたくさん出てんだけど!?」

 

ニコちゃんの声だ。サポートしながら電話してるらしい。

 

「何が起きてやがる!」

 

少し離れてはいるが、白髪先生の焦った声も聞こえた。

 

「今どこ!?」

「来たことないからわかんないけど、多分風見野と逆側のバイパス!

 結構移動しながら戦ってて、かなり散ってるからそっち追って!」

 

ブツッと電話が切られたが、おそらく戦況把握と指示出しに集中するためで、心配はない。

ニコちゃんには白髪先生の隣が世界一安全な場所だからな。

 

「開業医! どうやら尋問している場合ではないようだな……!」

「ああ! コイツはとんだエマージェンシーだ!」

「早く行かなきゃ!」

 

修正されたばかりのときめきクライシスとガシャコンバグヴァイザーⅡを持って駆け出そうとしたポッピー。

不敵な笑みを一瞬零して、続けて立ち上がる檀黎斗。

 

「待ってください!」

 

それを慌てて永夢が止めた。

 

「……私だけ残って作業を続けろと?」

「今あなたをひとりにして目を離すのはきっと危険です。ポッピーと一緒に行ってください」

 

つまり保護者同伴。

 

「僕とパラドも一緒に出ます」

「協力プレイの方が力を発揮できるからな」

「使い魔は大量に発生していて、しかも広範囲に転移している。なるべく手分けするべきだ。

 小児科医とパラド・檀黎斗とポッピーピポパポ・監察医・俺に分かれてオペを行おう」

「院長が様になってきたじゃない。ノってやるぜ、その案!」

「でも、魔女も使い魔もどんどん強くなってるし……ヒイロもキリヤも、タイガだってひとりじゃ……」

 

確かに、自分と大先生と白髪先生はレベル2までしか変身できない。

というか自分は、バグスターユニオンと感染者との分離能力が取り柄のゆるキャラか、移動速度が取り柄のバイクの二択。

だが、

 

「鏡先生、これを。こちらは花家先生に」

 

檀黎斗が懐から取り出した2つのガシャットは、ドレミファビートとジェットコンバット。

そんなこったろうと思ってた。

どうやらまだガシャットギアデュアルは修正途中らしいが。

これだけの期間があって、しかもマイティブラザーズとときめきクライシスが修正済みとくれば、最初の10本もできていて当然だ。

 

「なるほど、使い慣れたガシャットという訳か」

「さーて、自分は何をプレゼントしていただけるんでしょうか、神様?」

「……これををあげるよ」

 

――ギリギリチャンバラ。

 

てっきりゲキトツロボッツ(使ったことはないし使える仕様かも知らないが)かシャカリキスポーツを渡されるもんと。

なにせ自分たちにとってこのガシャットは因縁を象徴する代物だ。

10本のガシャットを出さなかったのも、単に修正できていないからかコイツが含まれているからかと考えてた。

 

「……いいのかよ?」

「このガシャットなら君も使い慣れている。ドラゴナイトハンターZは荷が重いだろう。

 だがくれぐれも気を付けてくれ。ギリギリチャンバラは()()()()()()()()()ゲームだからね」


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