仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
「これも才能の旅か?」
17時過ぎの鏡総合クリニック2階。終業から夕飯までの間のパトロールに出る前。
ガシャットギア デュアルを受け取ったパラドが、作業机の椅子に座る檀黎斗に問う。
大先生と白髪先生もβを1本ずつ手にしていて、永夢はマキシマムマイティX、自分は2本目の爆走バイクを渡された。
「はぁ~、まだ私のことを疑っているのか。何度言わせれば気が済むんだ?
この世界は私の作ったゲームの中ではないし、私は魔法少女の契約に携わっていない。
そして魔法少女や魔女のことを看過する気もない」
微塵の動揺も見せない。余裕の態度を崩さない。あと嘲笑。この前と同じ。
「でも、神の才能を持つ黎斗さんなら、僕たちがまだ知らないことにもとっくに気付いてるんですよね?」
「見え透いた挑発だな。……魔女と使い魔が急増している」
「そんなことは俺たちでも知っている」
早く結論を言えと言いたそうな大先生。
「ではその理由は?」
「! テメェ、知ってて黙って――」
詰め寄る白髪先生を檀黎斗は腕を伸ばして制止する。
「焦る気持ちはわかるが、人の話は最後まで聞いてもらおうか。
もっとも、私は
「……ゴチャゴチャ勿体つけないで早く教えてくれませんかねぇ、
今度はフンとふてぶてしく鼻を鳴らして腕を組み直した。
「この説で間違いないという確証はないが、考えられる理由は多くない。
私が特に疑っているのは、より強力な魔女の接近に
「ワルプルギスの夜……今のコレがラスボス前のザコラッシュってこと!?」
自然災害とまで認識されるようなヤベーイ魔女。話には聞いていた。
なるほどソイツが近付いてきてる影響なら合点がいく、が
「まるでゲームの最終ステージみたいだなぁ?」
「やれやれ。そう言われると思って黙っていたんだ。
私に隠し事があるのは事実だが、君たちも私に伝えていない情報がたくさんあるだろ?
そのワルプルギスの夜の話も、私は聞いていない」
「テメェにベラベラ話す訳ねぇだろ」
しまった、という感じのニコちゃんを透かさずフォローする白髪先生。さっすが~。
「情報の共有は生存戦略における鉄則と、ドクターの君たちならよく知っているハズだが?」
「お前に情報渡したら、それこそ致命傷を招くだろ」
「パラドの仰る通りだわ」
「ワルプルギスの夜について心当たりはあるんですか?」
「……ヨーロッパで4月から5月に変わる夜に行われる祭りの名前だ。
意味合いは様々だが、基本的には魔女たちの宴――サバトが行われるとされる」
檀黎斗の手の上でクルクル回されるマジックザウィザードガシャット。久し振りに見た気がする。
「Ich denke doch, das war recht klug gemacht:
Zum Brocken wandeln wir in der Walpurgisnacht, Um uns beliebig nun hieselbst zu isolieren.*1
ゲーテのファウスト内でも描写され、創作物でもよくモチーフにされているね」
ガシャットを弄ぶのを止めて立ち上がったその行く手は、大先生が阻んだ。
「お前のウンチクも出撃もノーサンキューだ。
強力な魔女が近付いているというのなら、ハイパームテキガシャットの修正が最優先だろう。
夕食作り兼監視役のポッピーピポパポと残り作業を続けろ。……これは院長命令だ」
やれやれと椅子に戻る檀黎斗。浮かない顔のポッピー。
階段を降りていく大先生に白髪先生とニコちゃん。
何か考えてからそれに続く永夢とパラド。
「――最後に1つだけ答えろ」
ついて行くフリを一瞬して、自分は振り返る。
「お前は本当に檀黎斗なのか?」
「……
「あ?」
「母親の胎内から産まれたそのままの存在は既にいない。パラドに消滅させられたのだからね。
だがデータはプロトガシャットに保存されていて、私はバグスターとして復活を果たした。
システムは完璧だ。消滅者の人格は完全に保存されている。最近で言うところの魂か。
しかし、器に拘る君たちからすれば、復活した私を
当たり前と言えば当たり前のハナシ、死んだらもう何も食べられない。
ロコモコもビーフストロガノフもイチゴリゾットも、二度と。
それと同じくらい当たり前のハナシ、死んだ人間は生き返らない。
だがその常識は、たったひとりの男によって揺らがされてしまった。
「君も同じだろう、九条貴利矢?
私のリプログラミングで人間に戻ったが、君は本当に九条貴利矢なのか?」
監察医の自分が、不可逆な死への叛逆を一番近くで経験する。
皮肉にしてはあまりにも残酷過ぎだ。
グーパーしようとすればできるし、ちゃんと触感もある。
この目は手を見れているし、話は聴こえるし、消毒液の匂いがしてるのもわかる。
口の中も、さっき飲んだ砂糖たっぷりのコーヒーの味が少し残ってるような気がする。
この身体と感覚、心は確かに自分のものだ。
あの雨の日のことも、単なる記憶じゃなく明確な実感がある。
死んだ実感はあるのに、今自分は生きている。
「私の場合、さらに引っ掛かりとなる点がもう1つある。
君にバグスターとしてもゲームオーバーにされたハズなのだからね。
にも拘らず今ここにいる私を
……だか、それでもハッキリと答えておこう」
それは神の名を捨てたという明言だったのか。
それとも、自分たちへの宣戦布告だったのか。
続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?
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三人称
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一人称