仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
「はーい、それじゃあ自己紹介いってみよー」
黒板の前に立てばクラス中の視線が私に集まる。
喉がキュッと閉まって声が上手く出せなくなる――その前に。
私は春色の笑みに向かって飛び出してしまう。
「鹿目さん! 私も魔法少女になったんだよ! これから一緒に頑張ろうね!」
「うぇっ!? ええと、う~ん……」
初めて自分から人の手を取る。
出会った時と同じ……ちゃんと温もりが伝わってくる。ここに確かに彼女は生きている。
その実感が嬉しくて、私は泣きそうなまま、ただ困惑する鹿目さんの手を握り締めていた。
放課後、巴さんも含めて事情を説明した。
私が滅びの未来から遡ってきたこと、ワルプルギスの夜と私も戦うこと。
「それじゃ、行きます!」
そして今私は、黒と紫の魔法少女になって、能力を2人に見せようとしていた。
河川敷にはドラム缶。私の手にはゴルフクラブ。
左腕の小盾に触れれば、鹿目さんと巴さんの動きも、川も風も止まる。
時間操作。それが私の魔法。
「わぁぁぁぁぁぁ!」
ボコスカボコスカ。
精一杯とにかくクラブでドラム缶を殴り続ける。
当たる度にちょっとずつ凹んで宙に浮いて。
しばらくしてカチリと小盾が鳴ると、ドラム缶はガンっと地面に倒れた。
「はぁー、ふぅー……」
「……どう思う、マミさん?」
「うーん、時間停止ねぇ……。確かにすごいけれど、使い方が問題よね。
一方的に攻撃できても、威力が不足していては効果が薄いわ。
それに、暁美さんが触れた物は静止が解除されるのよね?
接近戦ではカウンターを許してしまう恐れがあるわ」
魔法の力なのか、前みたいにすぐ動悸が激しくならないけど。
喧嘩なんてもちろんしたことないし、戦うことのイメージがあまりわからないでいた。
遠距離から攻撃できて、しかも一発で魔女を倒せる火力……。
それで手製の爆弾という発想に至ったのは。
魔法少女になって鹿目さんの助けになれて、ちょっと浮かれてたからだと自分で思う。
インターネットは便利で……怪しいサイトを辿って巡って、連日連夜試作に没頭した。
同時に、戦術についても多くのことを独学で身に付けていった。
時間を停止するにも魔力は消費する。
鹿目さんの弓矢で魔女の気を引いて、巴さんのリボンで束縛して道を作って。
ある程度近付いたら時を止めて、落ち着いて距離を測って爆弾を投げる。
それが私の、私たちの基本戦法になった。
『委員長の魔女。結界の空に自分だけの学園を作り、日常を繰り返し、性質は傍観を司るんだ』
黒のセーラー服姿で、頭がなく腕が4本ある巨大な魔女。
結界の中には学校机や椅子が飛び交っていて、白いセーラー服が干されている。
なんだかとても異様な姿に少し狼狽えても、作戦は決まっている。
時を止めて投げて、3、2、1……。
「お願い……!」
解除と同時に轟音と白煙と熱風が魔女を葬り去った。
火薬が多過ぎたのか爆弾の数が多過ぎたのか、想定より派手になっちゃったけど。
「お見事ね」
「すごい! すごいよ、ほむらちゃん!」
鹿目さんに抱き着かれると、そんなこと忘れてしまうくらい天に昇る気持ちになる。
やった……私、役に立ったんだ。これからは私も誰かの――鹿目さんの助けになれるんだ。
灰色の空の下、崩れいく街の中。
先に敗れて瓦礫の中に横たわる少女の身体を、私は横目で見ている。
救えなかった。弓矢で気を引くこともリボンで束縛することもできず、巴さんを……。
どれだけ私たちが多くの火器と多くの策を以てしても、倒すことはできないの?
古から幾度も現れ、人々には自然災害として認識されている程の存在。
ううん……そんなことない。諦めるのはイヤだ。
鹿目さんも涙を堪えて矢を放ち続ける。
私はあるだけの爆弾を全て投降する。
いつどのタイミングでか、ハッキリと覚える余裕はなかった。
見滝原は壊滅状態で、巴さんも犠牲になってしまったけど、ともかくワルプルギスの夜は倒せた。
でも、仰向けで手足を投げ出す鹿目さんは――
「どうして……あああああああ!!」
そのソウルジェムは、春色を失い真っ黒に染まっていた。
希望の塊だったこの宝石に宿る絶望の色を、私は知ってる。
『この国では、成長途中の女性のことを
疑問、失望、憤怒、悲哀、憎悪……。
私の視線を嘲笑うこともせず、いつもと変わらない顔のまま、真っ赤な瞳がこちらを見ている。
……伝えなくては。
この時間軸は多分ここで終わる。
でも、あの真っ白な悪魔の存在を……過去の鹿目さんに伝えないと!
次の瞬間、私の意識がプツリと消えた。
続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?
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三人称
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一人称