仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory   作:柳川 秀

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STAGE 10-03 (side:doctor-H.E.)

杏子ちゃんとゆまちゃんに合流して見滝原中へ着いたのと、()()は同時だった。

 

「来るがいい、最悪の絶望」

 

校内放送での宣戦布告が終わった途端、学校中を異様な空間が侵食する。

僕にとってそれは非常に見覚えのあるものだった。

 

「魔女の結界……違う、ゲームエリア!?」

 

チェス盤のような白黒チェックの床に何かが蠢く背景は、これまで見た魔女の結界と似ている。

でも所々がピクセル化してブレていて、なにより

 

「バグスター! なんで!?」

「なんだコイツ! 使い魔か!?」

 

ニコちゃんと杏子ちゃんが驚く先には、ガスマスクをもっとデフォルメしたような顔、標準のヒト型。

ベースが黒で黎斗Ⅱに近いけど、ラインの色はただの紫ではなく青紫だ。

使い魔なのかバグスターなのか判別できないけど、大量発生していても動きは遅い。

 

「なんなのこれ!?」「キモイ!」「体育館へ、早く!」「焦らず落ち着いて!」

 

避難し始めてる生徒や先生たちに害は出なさそうでも、放っては置けない。

 

 

≪デュアルガシャット!≫

 

「応急処置だ。術式レベル50、変身!」

 

≪ガッチャーン!≫

≪デュアルアップ!≫

≪タドルメグルRPG!≫

≪タドルファンタジー!≫

 

 

ファンタジーゲーマーに変身したブレイブが魔法使い型バグスターをありったけ召喚した。

命令を受けて彼らは使い魔(バグスター?)たちと戦闘を始める。

 

「数には数だ!」

「すごいすごい!」

 

手を叩いて喜ぶゆまちゃん。けど、

 

≪ガッシューン≫

 

「あ、あれ?」

 

30体くらい召喚したところで変身が解除されてしまった。

 

「っ、何故だ!?」

「多分MP切れです!」

「魔法性を付与された影響で、いつもよりすぐ切れたんだ!」

「そんな……どうしよう!?」

「つっても召喚された奴は残ってるぞ!」

 

ポッピーが慌てて、杏子ちゃんが指をさす。

ニコちゃんは大我さんの腕にしがみ付いて、でも強気でいた。

 

「アイツらノロマだし、こんだけいれば大丈夫でしょ!」

「ああ。問題はこれを引き起こしてる魔法少女だ!」

「原因を断った方が早いぜ!」

 

使い魔(バグスター?)たちは生徒や先生たちを本気で襲う気がなくて、追い払ってるだけにも見える。

だったら大我さんや貴利矢さんの言う通り、まどかちゃんを狙ってるっていう魔法少女を止めるのが先だ!

 

 

 

「――私の魔法は予知。貴方たちが現れることは()()()()()()わ。

 はじめまして、異世界のドクター。私は美国織莉子」

「私は呉キリカ。織莉子の一番の友達だよ。

 短い付き合いになるけどヨロシクね!」

 

中心部でほむらちゃんに庇われるまどかちゃんを見付けた時。

既にマミちゃんとさやかちゃんは2人の魔法少女と対峙していた。

特徴的なハットの白い魔法少女と、右目に眼帯をした()()魔法少女。

 

「どうしてこんなことするの!?」

 

ポッピーの問いかけに、織莉子ちゃんは静かに答える。

 

「もうすぐワルプルギスの夜が来るからよ。

 貴方たちは敗北し、鹿目まどかは稀代の魔法少女になり。

 ワルプルギスの夜さえ凌ぐ最低最悪の魔女になる。それが私の視た運命」

「わ、わたしが……!?」

「心が滾る……キュゥべえがしつこかったのはそれが狙いか!」

「そんな運命、僕たちが変える!」

「宝生永夢……。そう、かつて貴方も()()()()()()()()()ものね」

 

まさか……元の世界での僕たちのことだけじゃなくて、マイティノベルのことまで知って――。

 

「貴方が自ら運命を変えたように、私たちも私たちの手で運命を変える。

 さぁ行きましょう。最後の戦いよ」

「うん。ずっと一緒にいてくれてありがとう、織莉子。大好き」

「……私も大好きよ、キリカ」

 

キリカちゃんがソウルジェムを……ほとんどグリーフシードに成り果てた水晶を構えて、その闇を溢れ出させた。

 

「私は何になっても決して織莉子を傷付けはしない。

 むしろキミを守ることができるのなら、私は――安らかに絶望できる!」

 

ハットを被り、巨大な女性の体が3つ連なっているような黒い姿。

 

「自分から魔女に……!?」

 

マミちゃんが驚愕する。

 

「あのヘンテコな奴らもこの結界も、コイツの仕業か!」

 

杏子ちゃんが警戒する。

 

「でもそれじゃ、織莉子って奴も危ないんじゃ……」

 

さやかちゃんが疑問を口にする。

 

「キリカの願いは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 侮らないで。絶望如きが彼女を操れる訳がない」

 

両手の黒煙で出来た鎌は、抱き締めるように織莉子ちゃんを守っている。

同時に、体中の至る所が周期的にピクセル化してブレていた

 

「だから⑥があったんだ!」

 

()のマニュアルを理解するポッピー。

僕たちドクターはゲーマドライバーを装着する。

飛彩さんはタドルクエスト。

大我さんはバンバンシューティング。

貴利矢さんは爆走バイク(1本目)。

僕はマイティアクションXを構えて、()に変わった。

 

「これよりバグスター兼魔女切除手術を開始する。やれるな、開業医?」

「当然だ。ここにいるのは最高の医療チームだからな」

「ッシャ。ノせられてやろうじゃない! 行くぜ、名人!」

「ああ! ……ひとっ走り付き合えよ、ってな!」

「ヒュー!」

 

 

「「俺たちに切れないものはない」」

「「ウイニングランを決めるのは、俺たちだ!!」」

 

≪ガシャット!≫

 

「「変身!」」

 

≪Let's Game!≫

≪Meccha Game!≫

≪Muccha Game!≫

≪What's Your Name?≫

 

≪I'm a Kamen-Rider≫

 

 

「……私の知ってる姿に比べて随分とかわいらしいこと。

 そんなふざけた格好で私たちを止められると、本気で思っているの?」

「いいや、レベルが全てじゃない!」

「強い装備使うだけが攻略じゃないってこと!」

 

パラドとニコの言う通りだ。

たくさん敵を倒して経験値やゲーム内通貨を稼いで、レベルを上げたり強い装備を手に入れたりするのも大切。

けど、そんな単純作業ばかりじゃ()()()()()()()()()って言われるのがオチ。

 

ケースバイケースって言葉があるだろ? ゲームも医療も同じさ。

敵や症状に合わせて戦い方を変えてこそ、攻略だ!

 

「キリカは俺たちに任せろ!」

「わかりました! 美樹さん、佐倉さん!」

「オッケー! 予知だろうとなんだろうと、やってやるっての!」

「……ほむら、アンタはどうするんだ?」

「私は――まどかさえ守れれば、それで構わない」

 

4人の魔法少女と4人の仮面ライダーが並び立つ。

 

キリカの変身した魔女はバグスターユニオンと混ざってる

きっと()()()()()()()()がゲーム病に感染させたせいだろ。

トリガー(切っ掛け)が限りなく似ていることを利用したに違いない。

わざわざそんなことした理由は……俺たちが何をすべきかってのは、ちゃーんとわかってるぜ?

 

 

「バグスターと患者を分離させるのは、レベル1じゃなきゃできないの!」

 

 

⑥レベル1への変身を確認する。

⑦鹿目まどかを殺そうとする魔法少女を止める。

 

 

 

 

 

「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」

 

 

 

 

 


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