仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀
杏子ちゃんとゆまちゃんに合流して見滝原中へ着いたのと、
「来るがいい、最悪の絶望」
校内放送での宣戦布告が終わった途端、学校中を異様な空間が侵食する。
僕にとってそれは非常に見覚えのあるものだった。
「魔女の結界……違う、ゲームエリア!?」
チェス盤のような白黒チェックの床に何かが蠢く背景は、これまで見た魔女の結界と似ている。
でも所々がピクセル化してブレていて、なにより
「バグスター! なんで!?」
「なんだコイツ! 使い魔か!?」
ニコちゃんと杏子ちゃんが驚く先には、ガスマスクをもっとデフォルメしたような顔、標準のヒト型。
ベースが黒で黎斗Ⅱに近いけど、ラインの色はただの紫ではなく青紫だ。
使い魔なのかバグスターなのか判別できないけど、大量発生していても動きは遅い。
「なんなのこれ!?」「キモイ!」「体育館へ、早く!」「焦らず落ち着いて!」
避難し始めてる生徒や先生たちに害は出なさそうでも、放っては置けない。
ファンタジーゲーマーに変身したブレイブが魔法使い型バグスターをありったけ召喚した。
命令を受けて彼らは使い魔(バグスター?)たちと戦闘を始める。
「数には数だ!」
「すごいすごい!」
手を叩いて喜ぶゆまちゃん。けど、
≪ガッシューン≫
「あ、あれ?」
30体くらい召喚したところで変身が解除されてしまった。
「っ、何故だ!?」
「多分MP切れです!」
「魔法性を付与された影響で、いつもよりすぐ切れたんだ!」
「そんな……どうしよう!?」
「つっても召喚された奴は残ってるぞ!」
ポッピーが慌てて、杏子ちゃんが指をさす。
ニコちゃんは大我さんの腕にしがみ付いて、でも強気でいた。
「アイツらノロマだし、こんだけいれば大丈夫でしょ!」
「ああ。問題はこれを引き起こしてる魔法少女だ!」
「原因を断った方が早いぜ!」
使い魔(バグスター?)たちは生徒や先生たちを本気で襲う気がなくて、追い払ってるだけにも見える。
だったら大我さんや貴利矢さんの言う通り、まどかちゃんを狙ってるっていう魔法少女を止めるのが先だ!
「――私の魔法は予知。貴方たちが現れることは
はじめまして、異世界のドクター。私は美国織莉子」
「私は呉キリカ。織莉子の一番の友達だよ。
短い付き合いになるけどヨロシクね!」
中心部でほむらちゃんに庇われるまどかちゃんを見付けた時。
既にマミちゃんとさやかちゃんは2人の魔法少女と対峙していた。
特徴的なハットの白い魔法少女と、右目に眼帯をした
「どうしてこんなことするの!?」
ポッピーの問いかけに、織莉子ちゃんは静かに答える。
「もうすぐワルプルギスの夜が来るからよ。
貴方たちは敗北し、鹿目まどかは稀代の魔法少女になり。
ワルプルギスの夜さえ凌ぐ最低最悪の魔女になる。それが私の視た運命」
「わ、わたしが……!?」
「心が滾る……キュゥべえがしつこかったのはそれが狙いか!」
「そんな運命、僕たちが変える!」
「宝生永夢……。そう、かつて貴方も
まさか……元の世界での僕たちのことだけじゃなくて、マイティノベルのことまで知って――。
「貴方が自ら運命を変えたように、私たちも私たちの手で運命を変える。
さぁ行きましょう。最後の戦いよ」
「うん。ずっと一緒にいてくれてありがとう、織莉子。大好き」
「……私も大好きよ、キリカ」
キリカちゃんがソウルジェムを……ほとんどグリーフシードに成り果てた水晶を構えて、その闇を溢れ出させた。
「私は何になっても決して織莉子を傷付けはしない。
むしろキミを守ることができるのなら、私は――安らかに絶望できる!」
ハットを被り、巨大な女性の体が3つ連なっているような黒い姿。
「自分から魔女に……!?」
マミちゃんが驚愕する。
「あのヘンテコな奴らもこの結界も、コイツの仕業か!」
杏子ちゃんが警戒する。
「でもそれじゃ、織莉子って奴も危ないんじゃ……」
さやかちゃんが疑問を口にする。
「キリカの願いは
侮らないで。絶望如きが彼女を操れる訳がない」
両手の黒煙で出来た鎌は、抱き締めるように織莉子ちゃんを守っている。
同時に、体中の至る所が周期的にピクセル化してブレていた。
「だから⑥があったんだ!」
僕たちドクターはゲーマドライバーを装着する。
飛彩さんはタドルクエスト。
大我さんはバンバンシューティング。
貴利矢さんは爆走バイク(1本目)。
僕はマイティアクションXを構えて、
「これよりバグスター兼魔女切除手術を開始する。やれるな、開業医?」
「当然だ。ここにいるのは最高の医療チームだからな」
「ッシャ。ノせられてやろうじゃない! 行くぜ、名人!」
「ああ! ……ひとっ走り付き合えよ、ってな!」
「ヒュー!」
「……私の知ってる姿に比べて随分とかわいらしいこと。
そんなふざけた格好で私たちを止められると、本気で思っているの?」
「いいや、レベルが全てじゃない!」
「強い装備使うだけが攻略じゃないってこと!」
パラドとニコの言う通りだ。
たくさん敵を倒して経験値やゲーム内通貨を稼いで、レベルを上げたり強い装備を手に入れたりするのも大切。
けど、そんな単純作業ばかりじゃ
ケースバイケースって言葉があるだろ? ゲームも医療も同じさ。
敵や症状に合わせて戦い方を変えてこそ、攻略だ!
「キリカは俺たちに任せろ!」
「わかりました! 美樹さん、佐倉さん!」
「オッケー! 予知だろうとなんだろうと、やってやるっての!」
「……ほむら、アンタはどうするんだ?」
「私は――まどかさえ守れれば、それで構わない」
4人の魔法少女と4人の仮面ライダーが並び立つ。
キリカの変身した魔女はバグスターユニオンと混ざってる。
きっと
わざわざそんなことした理由は……俺たちが何をすべきかってのは、ちゃーんとわかってるぜ?
「バグスターと患者を分離させるのは、レベル1じゃなきゃできないの!」
⑥レベル1への変身を確認する。
⑦鹿目まどかを殺そうとする魔法少女を止める。