仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
「キョーコ、がんばれー!」
「クッソ、プロゲーマーだなんて聞いてねぇぞ!」
「手を抜いたらどうせ文句言うでしょ!」
このゲームセンターは余程店員たちにやる気がないのか。
こうして真っ昼間から子どもが騒がしくしていても、なにも注意を受けることがない。
「はい小足見てから対空余裕ぅ~!」
「だああああクッソ!」
昔ながらの対面配置の格闘ゲーム。
俺が見ていたニコの画面にはデカデカとYOU WINの文字が表示された。
「いつまでやってんだ。そろそろ行くぞ」
俺たちは遊びに来てる訳じゃない。
大量の人数に似合っただけの大量のお菓子を買い出しに来ている。
ニコに杏子にゆま、この面子ならちょうどいい……なんて思っていたんだがな……。
実際は真っ先にゲーセンに走って来てこのザマだ。
「負けたままで終われっか! もう1回だ!」
「もーいっかい! もーいっかい!」
「そうそう。こんなんじゃアタシの方がぜーんぜん楽しめてないし~」
「おい」
「言ったな!? じゃあ次は向こうので勝負だ!」
「しょーぶ! しょーぶ! キョーコは次こそ勝ーつ!」
「望むところだっての! 次もボッコボコにしてやんよーだ!」
「おい……」
杏子に左腕、ゆまに右腕を引っ張られながら、ニコに背中を押されて次の台に連行される。
杏子は中学生、ゆまは見た目よりは少し大きくて小学生。
ニコは……成人済みとはいえ女子高生と言われてもそうだとしか思えない感じだ。
そんなのに囲まれて大の大人の俺がいるんだから、周囲にはどう見えてんのか……。
チラチラと周りを気にしていればむしろ挙動不審。
俺は逆に堂々と、しかし嫌々とコイツらに付き合わされている。
「大我! ほらお金出して!」
「買い出し用の金をいくら使う気だ!」
「えー! お菓子少なくなるのやーだー!」
「ケチケチせずに自分の財布から出しなよ。カレシさんの役目だろ?」
「そんなんじゃない!」「そんなんじゃねぇ!」
「は!? 違うのか!? だってアンタらいつもベタベタ引っ付いて……。
デキてないってんならなんなのさ!?」
「「それは……」」
顔を見合わせたニコと視線がぶつかる。
なんだ、その赤らんだ顔は。
「あ、アタシの主治医ってだけだし!」
「そ、そうだ! 主治医が傍にいて何が悪い!」
「いやどう考えてもおかしいだろ……。聞くだけ野暮ってもんか?」
「ヒューヒュー」
厄介だ。厄介すぎる。
自覚はあまりなかったが、俺は子どもってかなりニガテなのかもしれない。
いや、なんとなくそう呟くとレーザーあたりに
「う、うっさいうっさい! 大我早くしてよ!」
「……これでラストだぞ」
お菓子代としてレーザーから渡された封筒ではなく、自分の財布から100円玉を取り出して筐体に入れる。
Dog Drug Reinforcement.俺たちが初めて出会った時に杏子がプレイしていたダンスゲームだ。
ステージに描かれた上下左右のマークを、曲に合わせて流れてくる指示に従って踏みながら得点を競う。
「アタシの方が年上だから、年下のアンタに曲は選ばせてあげる」
「ンだよその些細な仕返しは……。遠慮なく決めさせてもらうよ」
足をダンダンさせて杏子が選曲する。
コネクト……。テレビで流れていたから俺でも知っていた。
たしか、杏子くらいの年齢の女性2人組ユニットが歌っている曲だ。
「え!? これもう入ってたの!? アタシまだ譜面知らないんだけど!?」
「ハッ。ザマーないね! 精々無様なステップ見せな!」
「ス、スマホの音ゲーなら初見フルコンだってたまにできるし! ナメんなよ!」
曲が始まる。指示のマークが落ちてくる。
「キョーコがんばれー!」
ゆまと違って、俺は声を出してニコのことを応援しない。
ゆまは……近くには住んでいないが、父方の祖父母がいるらしい。
この戦いが終わったらそこに届けると杏子が約束した。
「お前自身はどうするんだ?」
「アタシは……だって今さら
今までと同じで、根無し草で生きていくさ」
「ダメよ、それは」
俺の問いに返した杏子にそう言ったのは、マミだった。
「あなたは私のことを、かつて家族のように思ってくれていたんでしょう?
だったら……一緒に住まない? 一緒にご飯を食べて、一緒に学校に行くの!」
「でも……いいのかよ?」
「いいに決まってるわ! 細かいことは魔法の力でチョチョイのチョイよ!」
聞いていた何人かはええ……ともなったが、そのたまに見せる思い切りもまたマミらしいところなのだろう。
「そっか……ゆまもおじいちゃんおばあちゃんのとこで新しい人生を送るんだもんな。
アタシはアタシで、子どもらしい人生のコンテニューだ!」
実際のとこ、ワルプルギスの夜を倒したからといって俺たちが元の世界に戻れる保証はないんだが。
「だああああ負けたああああああああ!!」
「よっしゃ勝ったああああああ!!」
「キョーコおめでとう!!」
ただまぁ……コイツらのその後を少しでも見てみたいと思う気持ちがないと言ったら、嘘になる。
「おい、もういいだろ。そろそろ行くぞ」
「わーったよ。うっさいおじさんだな」
「おじさん……」
「お、あっちにプリクラあるけど、撮ってかないのお二人さん?」
「はぁ!?」
「い、いっぺん勝ったくらいで調子に乗るなよ!!」
「でも……みんなで揃った写真、ゆまは持って行きたいな」
それもアリかもななんて思いつつ、これ以上面倒なことになる前に俺はゲーセンから一早く脱出した。
続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?
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三人称
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一人称