仮面ライダーエグゼイド×魔法少女まどか☆マギカ [改編]翻転のstory   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

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STAGE 12-02 (side:doctor-H.E.)

≪HIT!≫

 

ガシャコンキースラッシャーを幾度も幾度も振るう。

 

≪HIT!≫   ≪HIT!≫

 

その度にエフェクトが出て、確かに手応えも感じられて。

 

≪HIT!≫   ≪HIT!≫

    ≪HIT!≫   ≪HIT!≫

 

だが、同時にすぐワルプルギスの夜の傷口は塞がっていた。

 

「魔法少女は基本的に回復魔法も使用できる。もしワルプルギスの夜もそうだったら?」

 

ゲンムの危惧した通りだ。

ハイパームテキには攻撃判定を自動調整する機能がある。

その多段ヒットでさえ削り切れない。決定打を与えることができない。

 

ムテキは無敵だ。でも、もし欠点があるとすれば2つ。

強すぎて手加減しなきゃいけない場面では使えないこと。

ライダーの中でもトップクラスのパワーはあるけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()こと。

 

何か1つ切っ掛けがあれば。

全力で突破すべき1点が、ムテキの必殺技を叩き込んで崩壊させられる()が1つでもあれば!

 

「クッ……!!」

 

その突破口を作り出すために何度も俺はワルプルギスの夜に立ち向かうが、それだけに集中もできない。

同じくらい何度も襲ってくるあの黒い棘の攻撃を、仲間と街の分まで受け止めなきゃならない。

 

――いや、事態はゲンムの危惧よりヤバくなっていた。

 

作戦通りに、前衛でブレイブ・パラド・ゲンム・さやかが本体への攻撃を試みている。

中衛でレーザー・杏子・織莉子・キリカが、魔法少女の影を相手にしながら街を守っている。

後衛からはスナイプ・マミ・ほむらの援護射撃が届いているし、ポッピーはそれをサポートしている。

 

けど、ワルプルギスの夜の巨体に合わせて、魔法少女の影の数も本体の攻撃も予想を尋常じゃなく越えていた。

持ち堪えるのが精一杯。突破口を作る余裕なんか誰にもない。

 

 

 

そして、最初にやられたのはゲンムだった。

 

「ヴェハァッ」

 

元々紙耐久だからアテにもしていなかったけど、まだギリギリゲームオーバーにはなっていないようで。

鈍い音を立てながら、ワルプルギスの夜の棘に刺し飛ばされていく。

 

「黎斗さん! くそっ、回復が間に合わなかった……ッ!」

「ゲンムなら気にするなさやか! 自分のこと、目の前の敵に集中しろ!」

「そうだぞ!」

 

杏子が、多節槍を駆使してビルの合間を縫ってさやかに近付いた。

 

「さやか! 下がるんだ!! もうソウルジェムが限界に近いだろ!?」

「でも! あたしがいなきゃ回復が……!」

「回復は俺のタドルレガシーで足らせてみせる!」

「今はエナジーアイテムだってあるんだ! いいから下が――避けろ!!」

 

パラドの忠告も間に合わず、さやかと杏子もゲンムと同じようにやられていった。

 

「コイツッ……!!」

 

≪マッスル化!≫

≪マッスル化!≫

 

「ナメんなァ!!」

 

激高したパラドの一撃。

それもワルプルギスの夜には通用しない。

反撃として鋭い棘をいくつも刺し出してくるだけだ。

 

「グッ……」

 

パラドは前の3人のように完全に後ろへ追いやられることはなく。

最初の屋上との中間地点にいるキリカと織莉子の所で止まった。

 

「ちょ、大丈夫かい!?」

「このままだと前線が……!」

「かま、え、ろ……」

「「!?」」

「構えろッ!!」

 

≪鋼鉄化!≫

≪鋼鉄化!≫

 

キリカと織莉子にエナジーアイテムを付与するパラド。

次の瞬間には3人を、ワルプルギスの夜が投げた巨大なビルが襲う。

 

「大先生!」

 

それを見ていたレーザーが、爆走バイクに乗ってブレイブの元へ走ってきた。

 

「前衛中衛はもう崩壊だ! 自分たちも街を守るのに専念するしかない!!」

「ッ……小児科医! 頼むぞ!!」

 

退いていくレーザーとブレイブ。

スナイプ、ほむら、マミ、ポッピーも瓦礫や魔法少女の影たちから街を守るために散り散りになっている。

 

『ほらね?』

 

キュゥべえのテレパシーは、わざと全員に聞こえるようにされていた。

 

『ハイパームテキ、君だけは絶対にダメージを受けないだろう。でも、()()()だ。

 他の仮面ライダーも、魔法少女も、街も、君とは違う』

 

そう、ハイパームテキの力があればワルプルギスの夜相手でも負けることはない。

けど、逆に相手を打ち負かすのも容易じゃない。

下手をすればこの()を削り切るのに何日か掛かるかもしれない。

でも、滅んだ街の中で自分だけが立っていても、そんなんじゃドクター失格だ。

 

『勝負に勝って試合に負ける。試合に勝って勝負に負ける。

 この場合だとどちらが正しいのかな?

 ともかく――守りたいもののあった君たちの負けだよ

 

ワルプルギスの夜から強力な黒い波動が放たれた。

俺も、残っていた仮面ライダーと魔法少女も吹っ飛ばされる。

その心は折れていなくても、どうしようもなく湧いてくる嫌な予感に蝕まれていく。

 

そして、奇しくもまた全員が最初のビルの屋上に這い戻ってきていた。

……違う、ゲンムだけがいない。

 

『愚かで脆弱な人間には絶対に届かない運命というものがある。

 どれだけ嘆いても、今の君にこの運命を変える力はない。

 ひとつの契約を結ばない限り……。

 君にも避けようのない滅びの結末をひっくり返すだけの奇跡を起こすことができる。

 神にだってなれる才能がある』

 

キュゥべえの真っ赤な目が、ただ他者の幸福を求めるだけの優しい少女を見つめている。

 

続編を三人称にしようか一人称にしようか迷っています。一場面でのキャラが増えるので三人称もいいですし、今まで通りキャラ毎の一人称も捨てがたい……。どちらが良いでしょうか?

  • 三人称
  • 一人称
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