「晴夜ちゃん!危ない!」
相手からの攻撃を私を突き飛ばしてかばう藍沢さん。このままでは・・・。
くっ・・・。私は・・・。私はッ・・・!
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遡ること一日。午後4時30分。私は学校が終わり、直ぐに基地に来てこれからやることについて聞くことになった。
「上の人に頼んで私達四人のチームを組ませてもらったよ!そして、今日から実際に戦闘に出てもらう!」
「え!?いつの間にそんな申請したんですか?」
でも、この人のことだからこの前見たときのテンションで頼んだのだろう。
「まぁ、政府の直属組織が女子高校生を死なせたなんてことになったら話にならないから、私達も全力でサポートするわね。はるよちゃん」
「はい!私もそれなりの戦果を出して絶対に帰ってきます!」
とは言ったものの、そんなに私が戦えるとは思えない。せめて、後ろからサポートをすることくらいしようと思う。
だが、いきなり死ぬなんてそんなのまっぴらだ。
「ああ、絶対に一緒に帰ってこよう!」
「それじゃあ、説明を始めるわね。私たちが今回担当することになった案件はこの辺りにいるリアルチーターの無力化よ」
そう言って桃園さんは横においてあったホワイトボードをひっくり返した。ボードには一面に文字が連なっており、真ん中辺りには航空写真のようなものが貼ってある。赤いマーカーで丸がつけられている。
「そして、ここがそのリアルチーターの潜伏地域よ!」
「ん?そこは・・・」
見覚えのある建物が指された円の中にある。眼を凝らしてみるとその建物は───。
「そう、晴夜ちゃんの学校。正確に言えばその周辺だね」
「目撃情報も多々あるみたい。はるよちゃんの学校の生徒の可能性も十分に考えられるわ」
リアルチートは元々業務用に製作された『永続型リアルチート』と一般人にも使用することができる用に作成された『消耗型リアルチート』。そして、リアルチーター対抗用。リアルチーターへの攻撃を目的とした『攻撃特化型リアルチート』が存在するらしい。攻撃特化型のみ適合者でなければ使えないそうだ。
「学校で注意勧告されたのはもしかしてそのチーターのことだったのか・・・」
消耗型リアルチートは薬局などで販売されていたのだが、現在は販売を停止している。
「ええ。恐らくそうでしょうね。学生だとすると上級生から誘われたり、自発的に裏ルートで入手した可能性もあるわ」
しかし、依存してしまった人間が自身のチートのサンプルを改造して複製し、販売しているケースがあるらしい。
「リアルチートはいじるのが簡単だからねー。どうしてそんな構造にしちゃったかなー」
「シンプルに考えれば量産を楽にしたかったから、かもしれないわね」
本来、劣化すると体内で分解され吸収される消耗型を体内に存在する限り永遠に作動し続ける永続型に変換すると言う高度な技術を持った人間もいるようだ。
「あの、そのチーターによる被害はあったんですか?」
「うん。人目のつかない路地で殺されている男性と自宅で重症を負った女性の情報が入ってきてる。どちらも毒物による犯行だったみたいだね」
「毒物・・・。それって結構まずいんじゃないですか!?」
もしも毒ガスなどを扱えるチートだったりしたら町全体に被害がおよぶ。そんなことになったら・・・。
「もちろんその事も考えて今夜は別のチームに警戒態勢をとらせてる。あと柳葉にも」
「なるほど。それなら大丈夫そうですね」
柳葉さんにも情報が行っているなら大丈夫だろう。あの人は見た目から結構強い感じがするから何とかしてくれる。多分。
桃園さんがコホンと咳払いをして───。
「それで、はるよちゃんには潜入捜査をしてもらおうと思うの」
「確かに、生徒である私がチーターを探せばばれずに見つけられる可能性があるということですね」
「話が早くて助かるわ。じゃあこれ渡しておくわね」
そう言って桃園さんは一つの機械を差し出してきた。マイク付きイヤホンのようだ。
「学校に行くときそれを身につけて登校してね。私達もバックアップするからさ」
「じゃあ、動作チェックも兼ねて今日は帰宅してもらうわ」
「え?もう終わりでいいんですか?」
「いや、家に帰ったらそれを装着して横のボタンを押して。あらかじめ設定しておいたこの通信機に繋がるからさ」
私は「了解しました」と言って帰った。藍沢さんが見送りの時大きく手を振っていた。
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家に帰り、リビングの椅子に座りマイク付きイヤホンを着けた。
「確か、横のボタン・・・だったよね」
「あ──。あー、聞こえるー?」
良かった。無事繋がったようだ。
「聞こえますよー。はっきりと」
「これで離れてても会話が出来るわ。じゃあ、さっきの話の続きをするわね。えーっと・・・」
イヤホンの向こう側で何か探すような音が聞こえる。鮮明に。
「あ!見つかったわ」
「これを使って色々セットアップしていくからねー」
「いや、全く見えないんですが・・・」
イヤホンの向こう側で「あ、そっか」と思い出したように声が聞こえた。数秒後、自分の目の前に映像が映し出された。
「うわっ!?もしかしてこれ空中マッピング出来るんですか?」
「まあね。それなりに時代は進歩してるんだよ。良い方向にも、悪い方向にも」
空中に投影された映像には通信機の向こう側の映像が映し出されているようだ。藍沢さんが小さな四角いものを摘まんでいる。
「その手に持っているのは・・・。SDカード?」
「そう!その通信機、SDカードがセットできるようになってるんだー♪しかも、通信機とそのスーツ、連動してるからデータ送信可能ッ!」
「くっ・・・、どうすればこの状況を・・・」
「晴夜ちゃん!危ない!」
私に飛んでくる攻撃をかばおうとする藍沢さん。絶体絶命なこの状況をどうすれば・・・。私は・・・、私はッ・・・。
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遡ること一日。午後5時30分。私は学校が終わり、直ぐに自宅に戻り基地に来てこれからやることについて聞くことになった。
「上の人に頼んで私達三人のチームを組ませてもらったよ!そして、今日から実際に戦闘に出てもらう!」
「え!?いつの間にそんな申請したんですか?」
でも、この人のことだからこの前見たときのテンションで頼んだのだろう。
「まぁ、政府の直属組織が女子高校生を死なせたなんてことになったら話にならないから、私達も全力でサポートするわね。はるよちゃん」
「はい!私もそれなりの戦果を出して絶対に帰ってきます!」
とは言ったものの、そんなに私が戦えるとは思えない。せめて、後ろからサポートをすることくらいしようと思う。
だが、いきなり死ぬなんてそんなのまっぴらだ。
「ああ、絶対に一緒に帰ってこよう!」
「それじゃあ、説明を始めるわね。私たちが今回担当することになった案件はこの辺りにいるリアルチーターの無力化よ」
そう言って桃園さんは横においてあったホワイトボードをひっくり返した。ボードには一面に文字が連なっており、真ん中辺りには航空写真のようなものが貼ってある。赤いマーカーで丸がつけられている。
「そして、ここがそのリアルチーターの潜伏地域よ!」
「ん?そこは・・・」
見覚えのある建物が指された円の中にある。眼を凝らしてみるとその建物は───。
「そう、晴夜ちゃんの学校。正確に言えばその周辺だね」
「目撃情報も多々あるみたい。はるよちゃんの学校の生徒の可能性も十分に考えられるわ」
リアルチートは元々業務用に製作された『永続型リアルチート』と一般人にも使用することができる用に作成された『消耗型リアルチート』、そしてリアルチートを無力化するためだけに作成され組織の人間のみ使用できる『攻撃特化型リアルチート』が存在するらしい。
「学校で注意勧告されたのはもしかしてそのチーターのことだったのか・・・」
消耗型リアルチートは薬局などで販売されていたのだが、現在は販売を停止している。
「ええ。恐らくそうでしょうね。学生だとすると上級生から誘われたり、自発的に裏ルートで入手した可能性もあるわ」
しかし、依存してしまった人間が自身のチートのサンプルを改造して複製し、販売しているケースがあるらしい。
「リアルチートはいじるのが簡単だからねー。どうしてそんな構造にしちゃったかなー」
「シンプルに考えれば量産を楽にしたかったから、かもしれないわね」
本来、劣化すると体内で分解され吸収される消耗型を体内に存在する限り永遠に作動し続ける永続型に改造すると言う高度な技術を持った人間もいるようだ。
「あの、そのチーターによる被害はあったんですか?」
「うん。人目のつかない路地で殺されている男性と自宅で重症を負った女性の情報が入ってきてる。どちらも毒物による犯行だったみたいだね」
「毒物・・・。それって結構まずいんじゃないですか!?」
もしも毒ガスなどを扱えるチートだったりしたら町全体に被害がおよぶ。そんなことになったら・・・。
「もちろんその事も考えて今夜は別のチームに警戒態勢をとらせてる。あと柳葉にも」
「なるほど。それなら大丈夫そうですね」
柳葉さんにも情報が行っているなら大丈夫だろう。あの人は見た目から結構強い感じがするから何とかしてくれる。多分。
桃園さんがコホンと咳払いをして───。
「それで、はるよちゃんには潜入捜査をしてもらおうと思うの」
「確かに、生徒である私がチーターを探せばばれずに見つけられる可能性があるということですね」
「話が早くて助かるわ。じゃあこれ渡しておくわね」
そう言って桃園さんは一つの機械を差し出してきた。マイク付きイヤホンのようだ。
「学校に行くときそれを身につけて登校してね。私達もバックアップするからさ」
「じゃあ、動作チェックも兼ねて今日は帰宅してもらうわ」
「え?もう終わりでいいんですか?」
「いや、家に帰ったらそれを装着して横のボタンを押して。あらかじめ設定しておいたこの通信機に繋がるからさ」
私は「了解しました」と言って帰った。藍沢さんが見送りの時大きく手を振っていた。
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家に帰り、リビングの椅子に座りマイク付きイヤホンを着けた。
「確か、横のボタン・・・だったよね」
「あ──。あー、聞こえるー?」
良かった。無事繋がったようだ。
「聞こえますよー。はっきりと」
「これで離れてても会話が出来るわ。じゃあ、さっきの話の続きをするわね。えーっと・・・」
イヤホンの向こう側で何か探すような音が聞こえる。鮮明に。
「あ!見つかったわ」
「これを使って色々セットアップしていくからねー」
「いや、全く見えないんですが・・・」
イヤホンの向こう側で「あ、そっか」と思い出したように声が聞こえた。数秒後、自分の目の前に映像が映し出された。
「うわっ!?もしかしてこれ空中マッピング出来るんですか?」
「まあね。それなりに時代は進歩してるんだよ。良い方向にも、悪い方向にもね」
空中に投影された映像には通信機の向こう側の映像が映し出されているようだ。藍沢さんの手を見ると何か小さく四角いものを摘まんでいる。
「それは・・・、SDカード?」
「そう!実はね、その通信機スーツと連動しててね通信機にSDカードをセットして迷彩の情報を送れるんだ」
「ちなみにこのSDカードにははるよちゃんの学校の制服のデータが入ってるわ」
学校に潜入するなら制服じゃなきゃいけない。しかし、リアルチーター相手となるとこのスーツが必要になるだろう。そこで取られた作戦がこれということだろう。
「じゃあ、もうちょっと作戦を教えるね。まずは───」
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「ふわぁー・・・。取りに行くか・・・」
昨日長々と雑談交じりの作戦の説明をされた。同じところを3回も繰り返し確認されたのでもう完璧に頭に入っている。確か、郵便受けに藍沢さんが入れたSDカードが入ってるはずだ。
「あ、あった」
朝食を食べたのち、朝の支度を進めてスーツを着て昨日教えてもらった通りにセットアップを進めていく。
「えっとこれで、繫がった・・・、のかな?それでここを・・・出来た!」
指定されたボタンを押すとスーツが徐々に制服に変わっていく。鏡で見ると完璧に再現されている。どうやら通信機も透明になっているようだ。
「これならばれない・・・。でも、感覚はスーツだからちょっと違和感あるなぁ」
ちょっと変な感覚だけどやるしかない。もう決めたんだから!
「さぁ、始めましょうか!」
私は力強く、扉を開けた。