ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

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 ROBOT魂 <SIDE MS> TGM-79 ジム・トレーナー発売祈願作。
 本編連載中にジム系機体の登場を求めていた方向けに。
 また自分自身、本編でジムを出せなかった故に溜まったジム愛の放出のために。
 ジムを主役機に抜擢したIFルート案のパイロット版です。


IFルート
ヤシマ重工MS用可搬型兵器構想の不殺化とジム・トレーナーへ主役機変更


 辺境のスペースコロニー、サイド7に降り立った鋼の巨人。

 ジオン公国軍モビルスーツ、ザク。

 

 そしてアムロ少年は放置されたモビルスーツのコクピットにつく。

 

「こいつ、動くぞ?」

 

 幸いコクピット周りは彼が拾ったマニュアルとほぼ同じだった。

 起動準備を整えるアムロ。

 しかし、

 

「ひどい、1/2しかエネルギーゲインがないぞ!?」

「その辺、まだ調整ができていないのよ」

「えっ、女の人!?」

 

 不意に聞こえてきた声に驚くアムロ。

 モビルスーツには珍しい副座型。

 その上部連絡ハッチから女性がするりと降りてくる。

 狭いコクピット、着込んだタイトなパイロット向けノーマルスーツ越しに密着する女性特有の丸みを帯びた身体に、アムロは硬直する。

 アムロの顔、その間近でバイザーが上げられると、息がかかるような至近に端正な素顔が晒された。

 

「私はヤシマ重工の技術者、ミヤビ・ヤシマ。あなたは?」

「ぼ、僕はアムロ。アムロ・レイって言います」

「そう、アムロ君。あなたには3つの選択肢があるわ」

「三つ?」

「一つは今すぐこの機体から降りてベイブロックに停泊している軍艦へ避難する」

 

 これはごく普通の行動だろう。

 ただ無事にたどり着けるかは微妙。

 

「もう一つはこのままここでじっと息をひそめて、ザクが見逃してくれることをお祈りする。まぁ、無理でしょうけど」

「三つめは?」

「この機体、私がサポートすればとりあえず動かすことはできるわ。ザクと戦ってみる?」

「なら、お願いします!」

 

 アムロは即決。

 そして重々しく立ち上がるのはトリコロールに彩られた地球連邦軍、最新鋭モビルスーツガンダム……

 ではなく、黄色の機体。

 量産機ジムの複座型教習機ジム・トレーナーだった!

 

 

 

機動戦士ジム・トレーナー

第1話『ジム・トレーナー大地に立つ!!』

 

 

 

 何でこんなものがここにあるのかというと、ジャブローから出港したホワイトベースにはモビルスーツパイロットが同乗していたわけだが、その訓練用である。

 

 ガンダムが完成した後にジムが開発された、と思われがちだが、実際にはガンダムと量産機であるジムはある程度並行して開発が進められている。

 実際、今日は宇宙世紀0079年9月18日であるが、その18日後、10月6日には『機動戦士ガンダム第08MS小隊』にてルナツーモデルではあるが、RGM-79E 初期型ジム(宇宙用ジム ルナツー仕様)の実戦運用が確認されている。

 

 またジム・トレーナーはジムのバリエーション機、とも言われるがミヤビの前世、単座のジェット戦闘機でもそうだったが、訓練用の複座機は最初から用意されるもの。

 F-15イーグルなど、複座機の方が先に配備されていたほどであり、後から用意されたものではなかった、ということであった。

 

 ただ…… 前述のRGM-79E 初期型ジムは、地球連邦軍がRGM-79に先行する形で小惑星基地ルナツー工廠にて完成させた機体という設定があるが、その後に完成したRGM-79前期量産型ジム前期型は本来の性能を出せていない。

『機動戦士ガンダム MS IGLOO』にてEMS-10ヅダと追いかけっこをした結果、先に3機が空中分解、1機がエンジントラブルで落伍していたような欠陥機である。

 このジム・トレーナーも同様、いや時期的にそれ以下の未完成品であり、本来ならこんなところに引っ張って来ることなどできないはずだったが。

 

「どうしてこうなったのかしらね……」

 

 ぼやくミヤビ。

 ヤシマ重工のMS用可搬型兵器構想。

 RX-79[G]陸戦型ガンダムやRGM-79[G] 陸戦型ジムといった先行量産機向けに供給された各種武装、100mmマシンガンや180mmキャノン、ロケットランチャーなどの実弾系武装類。

 これの売り込みのためにヤシマ重工から出向していた技術者、ミヤビ・ヤシマは、テストベッドとして地球連邦軍から提供された不完全なジム・トレーナー(複座機なので記録採取に向くと判断された)を複座の教官席からのマニュアル対応ではあるが何とかフォローすることで動かしてテスト項目を消化していたが……

 その結果、V作戦でモビルスーツ開発を行っていたテム・レイ博士配下の技術者集団の目に止まり、拉致同然にジム・トレーナーごとホワイトベースに載せられて来たという話だった。

 

 なお、ホワイトベースに乗っていたモビルスーツパイロットによって、このジム・トレーナーは無理矢理ミヤビごとこの戦場に駆り出されており。

 そのパイロットはミヤビとジム・トレーナーを放置してガンダムに乗り込もうとしたところをザクに見つかり、開けていたコクピットハッチに直撃を受けて、ガンダムごとお亡くなりになっていたりする。

 だからアムロがこっちに来たのだ!

 

 そして、

 

「し、正面!?」

 

 とっさに左腕ラッチに装備されたYHI RGM-S-Sh-WF/S-00109マルチプルシールドをかざし防御するジム・トレーナーに、ザクマシンガンが命中する。

 

 

 

「な、なんてモビルスーツだ。ライフルをまったく受け付けません」

 

 ジム・トレーナーが構えたシールドはザクマシンガンの弾をすべて弾いていた。

 

 

 

「あれっ、平気だ?」

 

 呆けるアムロに、ジム・トレーナーの上部、本来なら教官用の座席につき、左右分割式キーボードとゲーミングキーボードを足して二で割ったようなメンテナンス用のキーボードを叩きながら制御をフォローし続けるミヤビは、

 

「シールドで防げただけ。油断しないで」

 

 と告げる。

 その表情は人形のように静謐で、発言とは裏腹に、危険など少しも感じていないかのようだ。

 それでアムロの恐怖も和らぐ。

 しかし、

 

 

 

(あああああ、怖い怖い怖い!)

 

 仕事をしない表情筋のせいで恐怖が顔に出ないだけで、ミヤビ自身は完全にテンパっていた。

 何しろジム・トレーナーの教官席はグラスルーフ式、肉眼で正面から迫るザクと、その120ミリマシンガンによる砲撃を目にすることができるのだから!

 ただのガラス張りというわけでは無くガンタンクの頭部コクピットや、ガンキャノン、ジムの頭部センサーゴーグルと同じくポリイミド系材料を発展させた多層構造物によるグレイズ・シールドを使用しているとはいえ、当然通常のチタン・セラミック複合材による装甲と比較すれば脆弱である。

 実際、『機動戦士ガンダム』劇中ではジムのゴーグルがザクマシンガンのストックで叩き割られていたし!

 その上、

 

(そもそもジム・トレーナーは練習機ということで、装甲材などはあえて良質でない低コストのものが使用されているわ。耐弾性が低くて、実戦には耐えられないとされているものなんだからね!)

 

 ということ。

 そのためミヤビは、

 

(付けててよかった、ショートシールド)

 

 ということで後のホワイトディンゴ隊のジムのように、陸戦型ガンダムや陸戦型ジム向けに用意されていたヤシマ製のショートシールド、正式名称『YHI RGM-S-Sh-WFマルチプルシールド』を持ち出してきていたのだ。

 陸戦型ガンダムや陸戦型ジムと、スタンダードな通常のジム系列機では取り付けラッチの規格が違うため変換アダプターを噛ませた上での利用である。

 さらには、

 

(ルナ・チタニウム製のモデルを用意できたのもついていたわ)

 

 という具合。

 このシールド、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』劇中では第3話では戦闘ヘリが発射したミサイルの直撃に、第9話ではマゼラアタックの175mm砲の直撃に耐えた一方で、ガウ攻撃空母の対空機銃でカレン機のものが粉砕されている。

 物語終盤には増加装甲が施された改良型シールドが新たに配備されるという具合に、硬いのか柔らかいのか今一つ分からなかったが、

 

(装甲材質が異なるモデルがあったのね)

 

 ミヤビの前世の記憶の中にある書籍資料でも、YHI RGM-S-Sh-WFマルチプルシールドには、ルナ・チタニウム合金製であるというものと、チタン・セラミック複合材製のものであるという二通りの記述があったが、何のことは無い、同じモデルでも材質違いのものがあったというオチであった。

 

「……ぶ、武器は?」

「ヘッドレスト右に照準器があるから引き出して」

「これか」

 

 史実ではマニュアル片手に操縦していたアムロだったが、ここではミヤビがレクチャーしている分、対応が早い。

 

「クッ」

 

 ザク目掛け、右腕に持っていたYHI YF-MG100、100mmマシンガンを撃ち放つ。

 しかし、

 

 

 

「技師長、味方のモビルスーツが動き始めました」

「動く? なんて攻撃の仕方だ。誰がコクピットにいる?」

 

 とテム・レイ博士が指摘するとおり、無駄に弾を吐き出すだけで当たらない。

 

 

 

「デニム曹長、敵のモビルスーツ、いやパイロットも新品(ヴァージン)臭いです!」

 

 ジム・トレーナーの射撃をザクに身を沈めさせることで簡単にかわしながら、ジーンは上官に報告する。

 

「"ヴァージン"か? 確かに射線が浮いている。新兵は狙っているつもりでも殺人を忌避し無意識に外してしまう。銃を上向きに放つことで敵を脅し、撤退させようとする心理効果が働くと言うが……」

 

 

 

「あっ、弾が切れた?」

 

 100ミリマシンガンからの銃撃が止まる。

 しかしそれは弾切れではなく、

 

「アムロ、落ち着いて」

 

 教官席のミヤビが制御を奪って停止させたのだ。

 

(やっぱり。後にはファンの間で殺戮マシーン扱いされたアムロだけど、今この時はまだ人に向け撃つことをためらったり「相手がザクなら人じゃない」と自分に言い聞かせたりしなくては戦えなかった初心者)

 

 それゆえミヤビは言うのだ。

 

「アムロ、このマシンガンに込められているのは、敵機の無力化・鹵獲のため装甲に張り付いて爆発の衝撃で内部故障を狙う粘着榴弾(HESH:High Explosive Squash Head)よ」

「えっ?」

「これで撃っても相手は死なないの。だから殺すのではなく、民間人を巻き込んで戦闘を続ける相手の良くない行為を止めさせる、そういうつもりでよく狙って。死なないんだから遠慮なく当てて」

「撃っても死なない…… 相手の行為を止める……」

 

 

 

 弾幕で牽制できなくなったジム・トレーナーに、肉弾戦を挑んでくるザク。

 

「やってやる。いくら装甲が厚くたって!」

 

 しかし、

 

「アババババーッ!」

 

 弾切れと思われていた敵のマシンガンから、今度はうって変わって機体の真っ芯を捉えるような正確な射撃が叩き込まれる。

 

 

 

「ジーン!」

 

 あおむけに倒れる部下の機体に、デニムは目を見張る。

 胴体に集中して叩き込まれた粘着榴弾。

 それがボコボコにしたコクピット周りを見て、

 

「パイロットだけを殺す砲弾かっ!」

 

 と叫ぶ。

 彼は聞いていた。

 地球上では地球連邦軍の手により、友軍から奪った鹵獲機を用いての反撃が行われていたが……

 そのザクが用いているのがあのマシンガンであり、それにより無力化された友軍機がさらに鹵獲され、徐々に脅威になっていると。

 

 まぁ、ジーンは気絶しているだけで死んではいないのだが。

 

 

 

 ミヤビが父、ミヤビパパから任されたヤシマ重工のMS用可搬型兵器構想。

 しかし彼女はそのメインとなる100ミリマシンガンが後に90ミリのブルパップマシンガンに負けることを知っていた。

 ではどうするか?

 

 そうして極力人を殺したくない彼女が気付いたのが、90ミリジムマシンガンに無くて、100mmマシンガンにあるもの。

 すなわち粘着榴弾(HESH)の存在である。

 この種の弾は単純に炸薬の量で威力が決まるだけに、90ミリでは真似をして砲弾を用意しようとも威力不足になるわけで。

 

 後のモビルスーツ、リック・ディアスは敵機の無力化・鹵獲のため、装甲に張り付き爆発の衝撃で内部損傷を狙う粘着榴弾(HESH)を装填可能なクレイ・バズーカを装備していた。

 それと同様のコンセプトで推せば行けるのではないか。

 

 そしてそれを通す理由として、彼女は二つの根拠を用意した。

 

 一つは、地球連邦軍のモビルスーツ完成には今しばらく時間が必要だということ。

 それまでは『機動戦士ガンダム MS IGLOO -一年戦争秘録-』において0079年5月9日にヒルドルブと交戦したセモベンテ隊のように、鹵獲したザクIIを使うしかなく、その鹵獲機を得るのに粘着榴弾による敵モビルスーツの無力化というのは都合が良かった。

 そしてヤシマ重工はジオンに伝手があり、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』登場のMS-03ブグや、プロトタイプグフが使用していたマシンガンはヤシマ重工製だった。

 これはガンキャノン機動試験型、局地型ガンダムにも使われ、後に改良されたプロダクションモデルこそが、陸戦型ガンダム等で使用されるYHI YF-MG100、100ミリマシンガンであり。

 逆に言えば、100ミリマシンガンは問題なくザクでも使用ができた。

 そして、鹵獲ザクがこの100ミリマシンガンで粘着榴弾を使い、さらに鹵獲機を増やす、ということを繰り返したおかげでこの世界ではセモベンテ隊の規模も拡大し、先のヒルドルブ戦でも数の暴力で勝利していた。

(なお、ヒルドルブのパイロットは粘着榴弾により気絶、保護されていた……)

 

 そしてもう一つの根拠は……

 

 

 

「素人同然の動きから、射撃の精度がいきなり上がった?」

 

 驚きの声を上げる部下に、しかしテム・レイ博士は逆に納得する。

 

「おそらくアレに乗ったパイロットは同乗しているミヤビ君から聞いたのだろう、あのマシンガンには敵機の無力化・鹵獲のための粘着榴弾が込められているのだと」

 

 そうして、彼は思い出す。

 

 

 

「人間には…… いえ、あらゆる生き物には同族を傷つけることに、同族殺しに対する忌避があります」

 

 種の保存が生命の本能であるならば。

 同族同士で殺しあうことに対してタブーを感じないわけが無いのです。

 

 ヤシマの令嬢はそう語った。

 

「憎しみや闘争本能、意志の力でそれを無理矢理外す、心を凍らせることで心の枷を働かなくする。人を必ず殺してしまう兵器を撃つには、そういう準備がどうしても必要になります」

 

 その兵器の威力が大きければ大きいほど、それを人間に対して放つことに対する心の抵抗は大きくなる。

 それに対して、

 

「では、本気で放とうとも人を殺さない兵器があったらどうでしょうか?」

「まさか……」

「そう、人を殺さない兵器であるならば恐れず、ためらわず、何の気兼ねも無しに相手に対して安心して全力で放てる」

 

 ほんの少しの差が勝敗を決する戦場で、この違いはあまりにも大きい。

 

「だから人間が扱う以上、不殺の兵器は殺人を目的とした兵器に勝つのです」

 

 

 

 実際、それを裏付ける研究はそれこそ西暦の時代から重ねられていた。

 大抵の兵士は殺人を忌避するがゆえに、敵を威嚇し、追い散らすためにこそ敵の頭上を意識的にしろ無意識にしろ狙って銃を撃ってしまう。

 だから素人の射撃は浮いてしまう、射線が高くなってしまうのだと。

 マンターゲットを、人型の的を撃つ訓練はそういった逃避を抑える役目を果たすが、そうやって人を殺し続けていると今度は兵の精神の方が参ってしまう。

 

「ですが、それは生身の兵の話でしょう?」

 

 そう問う部下に、テム・レイ博士はこう答える。

 

「ああ、だから戦闘機や戦車なら問題は少なかった。だが、我々が扱っているのは人型機動兵器という未知の存在だ」

 

 そしてミヤビも言っていたが、

 

「特に真空の宇宙空間では遠近感が喪失する。つまりモビルスーツの巨大兵器感は無くなり、宇宙服を着た近くの人間と、遠くのモビルスーツ、感じ方に差異はなくなってしまう」

 

 実際にジオンはそれをカモフラージュとして利用していたのだが、それとは別にミヤビの主張する兵士の精神への影響という問題があるのだった。

 

 

 

「よくもジーンを!」

 

 突進してくる敵のザク。

 

 

 

「わあーっ!」

 

 アムロは叫びながら敵の攻撃をスラスターで後方へと回避。

 

「そこぉ!」

 

 攻撃後、隙を見せているザクをYHI RGM-S-Sh-WFマルチプルシールドの先端打突部で殴りつける。

 

 

 

「スラスター回避後の慣性によるスリップ、硬直が無い!? あのモビルスーツ、もの凄く性能のいいバランサーを積んでますね」

 

 興奮したように言う部下に、テム・レイ博士は苦笑する。

 

「何を言っているんだ君は。量産型の教習機にそんな高性能なバランサーが付いているわけが無いだろう。あれは人間バランサーだ」

 

 つまり教官席についているミヤビがリアルタイムに手動でフォローしているということ。

 ミヤビの前世の対戦ネットゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』では、教習機であるジム・トレーナーが『高性能バランサー』『格闘連撃制御』と『緊急回避制御』という強スキルを揃えていることに、

 

「多分、同乗している教官がマニュアルでやってるんだろ」

 

 と言われていたが、そのとおりのことを行っているわけである。

 

 

 

(ふぁ、ファティマにでもなった気分っ!)

 

 大脳フル回転で機体制御プログラムの手動補正を続けるミヤビ。

 

(私の大脳、あらゆる意味でショート寸前……)

 

 しかし、あと一息。

 決定打が足りない。

 だが、

 

(YHI RGM-S-Sh-WFマルチプルシールドなら、アレが使える。『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』で同じシールドを持ち、『シールドタックル』と『強化タックル』のスキルの相乗効果で高ダメージを叩き出していた陸戦型ジムの決め技!!)

 

 そしてミヤビはアムロと協調し、

 

「「そこぉ!!」」

 

 敵の攻撃にシールド打突によるカウンターを合わせ、決める!!

 

 

 

 自機の攻撃の勢い、それもモビルスーツの大質量を乗せたそれに、カウンターを合わせられ……

 衝撃をそのままそっくり返されてしまった二機目のザクは、サイド7の人工の大地に沈んだ。

 しかし、

 

「ガンキャノンもガンダムも、全部失われてしまいましたね。ガンタンクすら……」

 

 と嘆く技官。

 だが、テム・レイ博士は動じない。

 

 元よりガンダムは既に完成していたのだし、試作機としての役目は量産機であるジムが形になったことで終えている。

 終えていることを先ほどの戦いで、この目で確かめた。

 ならば次は?

 

 天才は自分の最高傑作が仕上がったとしても、それに固執も拘泥もしないという。

 なぜなら最高作が生まれた瞬間に"次"が見えるからだ。

 

 そしてテム・レイ博士はそれを見つけた。

 ミヤビ・ヤシマ嬢の主張する非殺傷、ヤシマ重工が展開するMS用可搬型兵器構想の中に流れる『不殺(ころさず)』の思想が持つ新たな可能性を。

 だから彼は叫ぶ。

 

「ガンダム? そんなことよりハンマーだ!」

 

 と……

 確かにガンダムハンマーは見た目の凶悪さとは裏腹に非殺傷、『不殺(ころさず)』に向いている武器なのかもしれないが。

 ミヤビが聞いたなら、

 

「モビルスーツが鎖付き鉄球で相手の機体をガンガン叩いて『不殺』とかバカじゃないの」

 

 と言うかも知れないが……




 というわけでROBOT魂 <SIDE MS>にてTGM-79 ジム・トレーナーが参考出品されましたので、発売までこぎつけられることを祈念して。
 本編連載中にジムの登場を求めていた方向けにジムを主役機に抜擢したIFルートでした。

 ガンダムどころかガンキャノンもガンタンクも無しで、主人公機はジム・トレーナーという難易度ルナティック。
『機動戦士ガンダム』の第1話から最終話までを追体験できるPlayStation 2用3Dアクションゲーム『機動戦士ガンダム 一年戦争』では、隠し機体にジム・トレーナーがあって、それを使って『ジム・トレーナー大地に立つ!!』などといったことができましたが、そんな感じですね。

 主役機候補は他に陸戦型ジムにガンキャノン火力試験型のコクピット付き頭部を乗せた複座型で、宇宙対応はゲーム『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』に登場するガンダムEz8改と類似した改造を施してあるというものも考えましたが、どちらがみなさんのお好みでしょうね?

 完全な思い付きなので続きを書く予定は今のところありませんが、この先は、

・ザク、グフ、ドムなどジオンの機体をその場その場でどんどん鹵獲して足りない戦力の代わりにする。
・非殺傷なので、ジオン側の死人は減る。
・ヤシマの100ミリマシンガンを筆頭とするモビルスーツ用実弾兵器が他を圧倒し、正式採用されていく。
・テム・レイ博士はゲーム『SDガンダム スカッドハンマーズ』のごとく変なハンマーを開発、最終的にはインコムの質量兵器版のワイヤードハンマーまで発展。
・ミヤビはアムロのファティマ扱いでこのままずっと参戦、生き残るために前世知識と『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』で優良低コスト機体として活躍していたジム・トレーナーのプレイスキルを活用してなんとかしていくが、それが有用なものだから降ろしてくれないし、主人公機はジム・トレーナーのままになってしまう。

 みたいな感じですかね。
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