ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

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 タイトルどおり、ガンタンクを主役機に抜擢したIFルート案のパイロット版です。
 今ある構想の中から、先行公開PVとか予告編みたいな感じで見せ場の部分を抜き出してお届けさせていただきます。

 あと、以前お届けしたIFルート「ヤシマ重工MS用可搬型兵器構想の不殺化とジム・トレーナーへ主役機変更」に関してご感想で、

粘着榴弾(HESH)は、装甲内部を剥離させて、内部破壊(乗員殺傷)を狙った弾種ですよ。不殺どころか、ミンチ製造弾種です。

 というご意見を頂いていましたので、その辺の解説も入れておきますね。


機動戦士ガンタンク

 辺境のスペースコロニー、サイド7に降り立った鋼の巨人。

 ジオン公国軍モビルスーツ、ザク。

 それに対抗すべく立ち上がったのは地球連邦軍モビルスーツRX-78ガンダム!!

 ではなくRX-75ガンタンクだった。

 ヤシマ重工から出向中の技術者ミヤビ・ヤシマは、

 

(ガンタンク? ガンタンクナンデ!? ガンダム、いやせめてガンキャノンじゃないのここは!!)

 

 と混乱しながらも頭部射撃手コクピットからアムロ少年の操縦をフォローし襲ってきたザクを撃退。

 そしてホワイトベースを援護しつつ宇宙に出るのだが、そこに赤い彗星のシャアが操るザクが襲い掛かる!

 

 

 

機動戦士ガンタンク

第2話 ガンタンク破壊命令

 

 

 

「何をするんですか、テム・レイ博士!? 止めてください、レイ博士!」

「V-MAX発動!!」

『レディ』

「零ちゃん!?」

 

 外部、テム・レイ博士からの強制介入で教育型コンピュータにインストールされていたサポートAIサラシリーズ零号機、個体名称『サラ=零(レイ)』がV-MAXモードを発動!

 プラモデル『マスターグレード 1/100 RX-75ガンタンク』でも再現されていた頭部コクピット下部、キャノピー下に配置されたツインセンサーが瞳のように発光する。

 

『ツインドライヴシステム起動!!』

 

 そしてガンダンクでは後から無理やり入れられたために活用されていなかったコア・ブロック、二基のNC-3型核融合ジェネレーターが起動し、

 

『BパーツNC-4ジェネレーターと同期します。……トリプルドライヴモード成功!!』

 

 その有り余るジェネレーター余剰出力を用い、Bパーツ底部にあるRXシリーズ最高の推力と推力比を誇る熱核ロケットエンジン四基が全力稼働を始める!

 

(殺人的な加速だ!)

 

 歯を食いしばるミヤビ。

 ミヤビの前世の記憶の中にある『機動戦士ガンダム』本編では、ガンタンクは地球上で空中のホワイトベースに戻るため、機体底部のロケットエンジンにより浮かび上がっていた。

 ガンダム、ガンキャノンと違って足が無いガンタンクは脚力、ジャンプ力抜きの推力だけでこれを行っているのだが、これって、よくよく考えれば推力が自重を上回る、推力比が1以上無いとできないことだよね、という話で。

 実際、設定でもガンタンクの推力、さらには重量当たりの推力比はガンダム、ガンキャノンを大幅に上回っていたのだった。

 蒼き流星と化し、突き進むガンタンク!

 

 

 

 そして、

 

「速い!」

 

 シャアのザクIIS型を軽く置いて行く直線加速性能だけでなく、くるりと縦に半回転し反撃してくる、

 

「何という運動性!!」

 

 とシャアが驚愕するとおりの小回り、機動性も発揮する。

 鈍重なイメージがあるガンタンクだが、『機動戦士ガンダム』劇中においてハヤトの操縦でもモビルアーマー、ザクレロと殴り合いができていた、パンチが当てられる程度には運動性が確保されていた。

 しかし今ミヤビとアムロが乗っているこの世界のガンタンクはそれ以上の、未知の領域の運動性を発揮していた。

 

 

 

 陸戦型ガンダム等で使用されていた『ヤシマ重工MS用可搬型兵器の不殺化』……

 後のモビルスーツ、リック・ディアスは敵機の無力化・鹵獲のため、装甲に張り付き爆発の衝撃で内部損傷を狙う粘着榴弾(HESH)を装填可能なクレイ・バズーカを装備していた。

 それと同様のコンセプトでヤシマ製実弾兵器に粘着榴弾(HESH)を用意し売り込んでいたミヤビは、

 

(そういえば、YHI 6ML-79MMミサイルランチャーって陸戦強襲型ガンタンクにも2発分装備されてたっけ)

 

 とガンタンクの開発現場に赴いたのだが、そこで、

 

「やはり宇宙空間でガンタンクを使うのには無理があるな。下半身の履帯、キャタピラがデッドウェイト、完全なお荷物になるし」

 

 と嘆いていたテム・レイ博士に、

 

「ジャイロとして使えばいいんじゃないですか?」

 

 と軽い気持ちで発言してしまったのだ。

 

「それだっ!!」

 

 宇宙空間のように地面等、機体を固定するものが無い場所ではコマ、フライホイールを回転させるとその反動(正確には反作用)でフライホイールの回転に対して逆回転の力が機体に加わる。

 例えばジャンプ中のオフロードバイクに乗っていて、軽くアクセルを吹かせば空転している後輪の回転が上がり、反作用でフロントが持ち上がる。

 逆にブレーキを引きずるようにかければ、後輪の回転に引きずられてフロントが下がるという具合に。

 

 この効果を利用して姿勢制御を行うのがジャイロ、リアクションホイールである。

 スラスターを用いない姿勢制御はモビルスーツでは宇宙服を着込んだ人間の動きを模したAMBACがスタンダードであるが、一般的な宇宙機や人工衛星ではこのようにフライホイールを利用する。

 モビルアーマー『エルメス』の姿勢制御に採用されているという『ジャイロ』もやはりフライホイールを用いたコントロール・モーメント・ジャイロスコープのことと言われていたし。

 

 そして、そういう視点で見てみると、ガンタンクのキャタピラは大質量のフライホイールとして働かせられるし、超信地旋回が可能、つまり左右別々に動かせるどころか逆転もできるため自在に制御できる。

 さらに言えば、プラモデル『マスターグレード 1/100 RX-75ガンタンク』で再現されていたようにキャタピラ基部を足のように引き出し、ハの字に開いたりと位置や向きの変更も可能。

 これを利用し、このミヤビが転生した世界のガンタンクはスラスターとジャイロ、両者を組み合わせることで高度な姿勢制御を可能としているのである。

 

 足を排し下半身に装備した大推力のロケットエンジンで高速機動を行うという点では、ジオングと同様の機体コンセプトであり。

 ジャイロを使った機体制御という点では、マグネットコーティングを施したアムロのガンダムと渡り合ったエルメスと同様。

 つまり機動性に関しては、

 

「ジオングとエルメスの力が両方そなわり最強に見える、ってやつ?」

 

 それがこの世界のガンタンクなのだ!

 

 もっとも、これらをフルに使うにはガンタンクのジェネレーター出力878kWでは足りず……

 熱核ロケットエンジンは極端な話、核融合炉のエネルギーに推進剤を放り込んで噴射させるもの。

『機動戦士ガンダム』本編において1G環境下で浮かべていたのは、キャタピラを停止させていた分のエネルギーをロケット噴射に振り向けられていたお陰なので、同時にキャタピラも動かすとなるとジェネレーター出力が足りなくなるのだ。

 

 ゆえにテム・レイ博士が用意したのが、活用されていなかったコア・ブロック内蔵のNC-3型核融合ジェネレーター2基を短期間だけ起動するV-MAXモードというもの。

 そして、

 

「ミヤビさん!」

 

 腹部コクピットのアムロの操縦で、ガンタンク右肩の120ミリ低反動キャノン砲の砲身がシャアの援護に来たザクの腹部に突き刺さるように激突!

 

(シーマさんの最後じゃないんだから!)

 

『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、シーマの乗るガーベラ・テトラがコウ・ウラキの駆るガンダム試作3号機、デンドロビウムのメガビーム砲の砲身に衝突して串刺しにされ、そのままゼロ距離射撃を浴びて四散するという壮絶な最期を遂げたが、その再現のような展開である。

 

「っ!」

 

 それでもすかさずトリガーを引くミヤビ!

 吹っ飛ぶザク!!

 

「まぁ、内部故障を狙う粘着榴弾(HESH)だから、パイロットは死んではいないんだろうけど」

 

 ヤシマ重工MS用可搬型兵器の粘着榴弾(HESH)を使った不殺化を推し進めたミヤビだったが、彼女の前世の記憶でもRX計画にキャノン砲を納めたメーカーとしてヤシマ重工が挙げられている書籍資料があった。

 転生したこの世界で調べてみたら、実際にガンタンクの120ミリ低反動キャノン砲にもヤシマ重工が関わっていたため、ついでに粘着榴弾(HESH)を用意して不殺、敵機の鹵獲を推し進めた経緯にある。

 なお、それにあたり、

 

「粘着榴弾(HESH)は装甲内部を剥離させて、内部破壊、乗員殺傷を狙った弾種ですよ。不殺どころか、ミンチ製造弾種です」

 

 と、ある軍人が発言していたが、

 

「確かに、粘着榴弾(HESH)が登場した当初はご指摘のような効果が見込まれましたが」

 

 そこだけを切り取って見れば、言っていることは間違いではない。

 間違いでは無いのだが、

 

「人員への殺傷は車内にライナー、内張りを張ることで防げてしまうのです」

 

 粘着榴弾が引き起こすスポール破壊の理論上、複合装甲を採用した第三世代以降の戦車には効果が望めず、単純な防弾鋼板であっても、内部にポリマー製の『内張り装甲』を貼り付けて破片の飛散を抑えることで防御策とすることができる。

 少なくとも第3世代主力戦車であるレオパルト2が登場した西暦1979年には対策済の話であった。

 逆に言えばミヤビの前世、旧21世紀にはすでにマイナー化していた砲弾なので、基本的な事柄から説明しないといけないということなのだろう。

 

 こういう論議において、ミクロ視点では正しくても、一歩引いて全体像を見ると実は違うというのはありふれたことではあるのだが。

 

 

 

「か、火力が、ち、違いすぎる」

 

 僚機が一撃で撃破され、後退して行くシャアだったが……

 

 

 

「ふぅ……」

 

 活動限界を迎え、プラモデル『マスターグレード 1/100 RX-75ガンタンク』でも再現されていた胸部ダクトルーバーや両肩の120ミリ低反動キャノン砲を支え故障を防止するトラベリング・ロックを仕舞い込むための胸部上面装甲、Bパーツ前後のドーザーやアウトリガー(車体後部にもダクトはあって、アウトリガーを開くとそれが全開になる)など、開けられる部分はすべて解放展開。

 その上で気化した冷却用蓄熱媒体を吹き出しながら放熱するガンタンクから、退却するシャアの赤いザクを見送るミヤビ。

 V-MAXモードは驚異的な機体性能を発揮する反面、放熱に問題が発生するため、オーバーロードによる機体の自損を防ぐためにも発動時間を制限するリミッターが課せられている。

 また発動終了後、『蒼き流星SPTレイズナー』登場のV-MAXと同じく機体は強制的に放熱体勢に入るため、約10分間はまったく身動きが取れなくなるのだ。

 

「こんなところまでレイズナーと一緒じゃなくても……」

 

 テム・レイ博士にせがまれたからといって、西暦の時代のロボットアニメを見せるんじゃなかった、と後悔するミヤビだった……




『機動戦士ガンタンク』な場合のIF話でした。
 ガンタンクの設定って、よく見ると推力や推力比がガンダムよりはるかに上だし、などという『よく考えてみると』な部分に着目してみました。
 泥臭い戦車戦、ミリタリー色の強いお話も書けますが、このようなレイズナーっぽいヒロイックな活躍もまた書けるのが面白い機体ですよね。
 以前にお届けしたジム・トレーナーのお話と同じく『ヤシマ重工MS用可搬型兵器構想の不殺化』をやっていますので、

・ザク、グフ、ドムなどジオンの機体をその場その場でどんどん鹵獲して足りない戦力の代わりにする。
・非殺傷なので、ジオン側の死人は減る。
・ミヤビはアムロのファティマ扱いでこのままずっと参戦。

 という部分は一緒でしょう。
 あとは、

・生き残るため『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』でプレイヤー諸氏が積み上げたガンタンクに関する戦術を活用するミヤビ(なのでガンタンクから降ろしてもらえない)
・ガンタンク試作1号機の武装オプションを流用し強化
・陸戦強襲型ガンタンクの武装を流用し強化
・ガッシャのハンマー・ガンみたいな射出式鉄球をテム・レイ博士が作って左腕のボップ・ミサイル・ランチャーと交換、『電脳戦機バーチャロン』に登場するドルカスのハンマーのように、肘先が柄のように伸びた先に鉄球があり、近接戦闘においては射出しなくてもそのままメイスのように殴ることも可(とするとドルカス同様の立ち回りで近接戦闘もこなせるから白兵戦用のジムが不要になる?)
・テム・レイ博士はゲーム『SDガンダム スカッドハンマーズ』のごとく変なハンマーを開発、最終的にはインコムの質量兵器版のワイヤードハンマーまで発展。
・鹵獲したゴッグの爪を流用して『装甲騎兵ボトムズ』のブルーティッシュドッグのようにボップ・ミサイル・ランチャー横に格闘クローを付ける
・『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』登場のジム・キャノンIIホワイトコーラルのようにヒートホーク流用の格闘武器を二の腕に装着

 などなどでしょうか。
 他にも量産機をどうするかとかありますね。
 地上は陸戦強襲型ガンタンクでいいとして。

 色々と想像ができて面白いですよね。
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